本題のまえに「御託編」。やはり御託を並べないと次に進めませんのでご容赦下さい。
1)
今回のシリーズのレポート原稿の根拠や裏づけは、筆者がシステムを考案し、10年以上の実体験で検証した結果ご報告です。ま、個人的主観バリバリって奴です。でも誰もやっていないのは間違いありません。
ベースは変わりませんが、現在はバージョンⅢ(笑)に移行しています。
発端は、走行会や競技の主催者になった事。初心者なのに主催と言う立ち位置で、どのように参加者の皆さんに参加する意義を道筋を提示しようかと、試行錯誤して安全運転をするとタイムアップ、スキルアップするに至る苦労したシステムになります。
通常ではお会いできない方達や行けない場所、メーカーさんとの連携、雑誌の取材として、また主催として、様々な体験を上手く活かせたと自画自賛です(笑)
机上の空論や妄想ではなく、筆者が先人やレーシングドライバーに教えを請い、思考し、システムを構築し、それを実践、検証、実証。結果を得ての実際の体験に基づく全くのオリジナルの検証レポートになります。期間は2002年からで現在も進行形です。
先人の教え、レーシングドライバーからのアドバイス等、大事なベースとなっているので、真っ新のオリジナルとはいえませんが、レポート原稿を読まれて、カーライフでの何かの刺激になれば幸いです。また、筆者もシステムのアップデートや変化を現在も楽しんでいます。
2)
このレポート原稿のお題を考えたのですが・・・うーん、コンパクトにできない(笑)
10年以上試行錯誤して現時点でのお題です。とりあえず現在のバージョンはこんな感じです。
【公道の日常運転で交通法規遵守や譲り合い、安全運転の精度を上げる公道練習を積めば、サーキットタイムが上がり、運転がドンドン上手くなり、車の運転がもっと好きになり、自動車評論家のスキルも手に入る】
・・・まじ?(笑)
マジです。
公道での日常運転で、交通法規を順守して、譲り合い、安全運転をすればするほど、サーキットタイムがあがる!・・・あっははは、と笑われる事柄ですが実証している結果です。
前回お話した、運転のスキルの種類でレーシングドライバーが用いる「本当の車の運転技術」を駆使して公道を交通法規を守り安全運転で行う「公道練習」になります。これは、数多のレーシングドライバー、元F1パイロットをも密着取材し多角的に検証した結果で造語ですが、素人ドライバーと技術の根本が違うのはみなさんも感覚的には理解できるかと思います。
3)
サーキット走行会や競技を主催した時に当初悩んだ問題は、一般の参加者への見返りです。「参加してー参加してー」なんて一方的な勧誘では一度は来てくれても継続は無理ですし、参加者の喜びがないイベントはやりたくもありません。
仕事でもない義務もない、趣味の遊びのサーキット走行を継続する意義や自身への見返りがないと続けて貰えません。参加する事によって意義や意味、リターンに、どのような喜びと楽しみを差し上げられるか?奇しくも筆者の初走行が初主催。参加者の気持ちが聞かなくとも知っています(笑)
サーキット走行は、怖い、危ない、事故の危険、車が傷む壊れる、タイヤが減る、etc・・・サーキット走行をした事のない人(笑)にもよく聞く話ですが・・・実感しましたよ(笑)
怖い怖い。当たり前ですね。判りやすく言えばスキーのお話で、何の準備も用意もしていない初心者が上級者用の高い山から下りてくるようなイメージです。(やられた事があります。途中歩いて安全に降りました)
しかし、「サーキット場」が襲い掛かる訳でもなく、実際は自分自身、ドライバーが行う行為の代償です。自分の未熟が起こしている現象ですね。サーキットも公道と同じく「安全第一」ルールやマナーがあり、他車や周りを見ない無茶なドライブで車が負担を強いられる・・・自分でやっといて「サーキットは危険」とか言う(笑)これを理解しない方は経験者でも依然多いですね。
という事はドライバーが上手くコントロールできれば、それらの問題は対処できる事柄に変化します。
筆者も初めて走ってみて、怖いけれども楽しかった・・・と言う高揚感がありました。が、装備品から参加費から投資をして、続ける意味はやはりみつけられません。タイヤがベロベロになるし(現在のスポーツタイヤの復元率は凄いですね。ベロベロになってません笑)、ガソリンが減るし、朝早くて眠いし・・・
また、タイムを人と比べたがる心理があり、そこで優越感や精神的差別をする輩が経験者にも多く、上から目線で教えたがり偉そうな指摘をされ不愉快な思いをするので敬遠される方もいます。
走ってみてわかる方程式。
タイムアップ=車のへの投資と犠牲です。同じ車でもより太いタイヤ、ラジアルより高額でライフの少ないSタイヤ。そしてタイヤを路面に押し付ける力がより強い高額なサスペンション。キャンパーをいぢってハの字。街乗りでは肩減り(笑)当然ガチガチで街乗りは腸が下がってきて家族からクレーム(笑)より軽く、現場での内装取っ払い等。CUP交換や書き換えもしいの、マフラーも替えましょう・・・etc
車と腕前が同じでも、上記のように車に投資すれぱ楽々タイムアーップ♪・・・
お金もかかるし、仕事でも義務でもないので、達成感は自己満足。タイムが上がってもリターンは思ったよりありません。なので・・・人様のタイムと有様をみて精神的差別と優越感に浸るしか残っていないのもうなづけます。
これでは続けられません。これではいけません。
そこで考え行き着いたのが「交通安全」をベースにした「車の運転の上達を楽しむ」で、公道とサーキットと言う別のフィールドを一つにしてしまう事でした。
ヒントは、お友達の天野さん。日ごろから回転数縛り、変速縛りなど、日常でも訓練をしているのを昔から(笑)やっておられたのですが、主催以前は「何やってんの?」で意味不明。しかし主催してさまざまに思考しているときに、パッと閃いて点と点が繋がり礎になりました。感謝です。
4)
さて
車は街乗り仕様でOK。MT、AT関係なし。お金を投資しする必要、家族のクレームもぐっと減ってきます(笑)と言うか街乗り仕様を推奨です。実は、この方がタイムが出にくく運転は難しく、挙動変化を積極的に起こし考えてコントロールをしなければいけないので練習としては、厳しいですが得られる結果は、満足感としてダイナミックなリターンが実感できます。また、日ごろ仕事で商用車で運転しているなら勉強はもっとダイナミックで面白くなります(法定速度内でです)
筆者の練習日常車両はパジェロミニなのですが、サーキット経験者でも初見では、ほぼ誰も満足にドライブさせられません。トランクションがかけられません。サーキット仕様と対極の車ですもんね(笑)しかしレーシングドライバーやラリー屋さんは、初見でも見事な荷重移動でグイグイ車を走らせられます。
これは、技術の根本的な違いです。「移動運転から上乗せして我流の運転」と、このレーシングドライバーが使う「本当の車の運転技術」は似て非なるモノ。レーシングドライバーの運転技術の基本を街乗りの交通法規に沿った走りをすればするほど手に入るのが、筆者が提唱するレポート原稿になります。
ステアリングと、アクセルとブレーキの3つの操作で車の荷重移動を積極的にコントロールするのに、足回りガチガチのコントロールの幅の狭い車両より、すかすか(笑)のノーマル車両の方が判りやすく、尚且つ、公道と言う交通法規の法定速度という低速の練習は、訓練してない普通のドライバーでは違いも差もわかりません。しかしそれが神経を集中させセンサーを育成させる絶好の環境に変わります。
公道で交通法規を順守して安全運転励む公道練習をして、サーキットにて、その結果と次の課題を貰ってこようと言う提示です。もちろん、自身が検体としてスタートさせています。当時のラジオ番組「ドライビングナビゲーターbyADVAN」の耐久レースチームを作り、そこでレースカーのタイムアップと筆者自身の車でのタイムアップの2つを検体として実験開始です。
最終の結果として耐久車両で4秒のアップ。自身の車両で6秒アップと結果が大いに出ていました。
課したのは全開で力を全て使うのではなく、8割の力でセーブし、8割の力をもっともっと向上させる事でした。2割は安全マージンとして残します。旋回中でもコントロールしアクシデントに対処等するには、やはり2割の余裕が必要です。G講師に教えてもらったターンインから脱出までのタイヤのスキール音(Sタイヤも同じく鳴ります)。連続して鳴っていれば、キッチリとトランクションが掛けられている証拠。と、同時にタイヤのグリップを使っている事になるので、タイヤを使わない走り=8割と想定して挑みます(手馴れでたまに1つのコーナーくらいは鳴らしますが・・・まー難しいですよ)
結果として、タイヤを使わずさらに速く走るには・・・と思考と妄想ができるようになりました。耐久レースで1シーズン1セット走れたり(笑)ラインを変化させたりブレーキの考えが掛け始めではなく、リリースするポイントを重点したり、同じタイムで周回できたり、タイヤをいたわれたり・・・etc副産物は無限大です。
5)
当初は年に4回の主催で、参加者にその4回に毎度意義を持たせる狙いでした。
サーキットを走るまでの期間を公道で訓練に取り組み、サーキットでその結果の検証と宿題を貰って、次回の走行まで、公道で訓練を重ねる・・・という仕組みです。腕前が上がったかどうかの検証は、タイムと言う客観的な数値で教えてくれ、基準ともなります。
筆者の推奨は3周アタックでした。実質1周のタイムアタックに結果を託す。これには多数の意味と意義があるのですが、お金を払って走行時間を買うのですから、そこは強く提唱はしていません。買われた時間は自由に使って頂いていました。
1周でタイムを狙う組み立てまで事前にして、結果が何がよくて何が悪かったかの検証にはすごく判りやすいのです。
考えれば考えるほど自画自賛(笑)なのですが、スポーツ運転が好きな方の矛盾もスッキリ晴らしてあげるアプローチたる道筋がはっきり見えました。
車の運転好きな方ほど間違っている意識があります。筆者も悩まされた矛盾でした。
サーキット等のクローズドコースで行う「スポーツ運転」と公道で交通法規と安全運転で譲り合う「移動運転」は、別物・・・だと言う漫然とした意識と矛盾を抱えておられます。
えー?何言ってんの?公道で安全運転してサーキットで速くなるって言う方が矛盾してんじゃん!
この意識がある限り貴方の「矛盾」は解放されませんし、技術の伸び悩みや運転の楽しさを半分以上放棄した事になります。
この国の全ての「車の運転好き」に降りかかる矛盾。スポーツカーを買っても、公道でその性能を堪能する事は出来ない。と言う矛盾、ジレンマです。日本は法治国家で、公道にも法律やルールがあり、そのうえで国民が分かち合い、移動をするのに利用する場所なので、無法は許されません。
闇にまぎれて暴走したり、誰もいないからと峠等で暴走する事も、一人の社会人としてはやってはいけない行為です。
筆者の場合は、法定速度で車の良さを理解できる技術と訓練を受けていない。繊細なセンサーが養われていない。なので、スピードを出すことで得られる刺激でしか車を見られない。と言う低い次元であると認識しました。
ビックリするくらいのスピードで走られるカッコいい魅力的な車が売っているのに、その性能を発揮、堪能できる公共機関はありません。クローズコースに持ち込んでも上記の↑サーキット走行は怖い(笑)と言うジレンマのおまけ付きです。
筆者がもんどりうって考え抜いて行き着いたアプローチは、そんな矛盾を全て解決し、健全で安全な公道トレーニングになります。
その副産物が・・・
「公道の日常運転で交通法規遵守や譲り合い、安全運転の精度を上げる公道練習を積めば、サーキットタイムが上がり、運転がドンドン上手くなり、車の運転がもっと好きになり、自動車評論家のスキルも手に入る」
でした。
サーキット走行の予定のない方でも、全く問題なく楽しんで取り組んで頂けます。
これらは、おいおいじっくりと解説させて頂きます。
6)
最後に
「物事の本質を見抜く」
これが大事です。これを思考のベースにしていれば、いろんな事が様々な物事の意味が理解できるようになります。
「物事の本質を見極められる力を身に付ける」
これがあれば、車について、身の回りの矛盾や人様への嫉妬や攻撃、自身がドライバーとしてどうあるべきか、自分が他人様の運転で助けられてる事、その恩返し、公道での社会貢献等・・・そして、どのように趣味として対峙するかが見えてくると思います。