2022年08月09日
山の怪談話
最近は登ってませんが10代の終わり頃から10年程、
登山に打ち込んでまして・・・
20歳になった春に剱岳を登りに行った。
時期は5月の末で北アルプスはまだ白銀の世界ですわ。
初日は劒沢のテントサイト到着で行動終了。
雪の上にテントを張って翌日に備え早々に寝ることにした。
同行の二人はすぐ寝てしまったが、自分は翌日のアタックの
段取りを考えたりして、なかなか寝付くことができなかった。
と、周りに他のテントはないし誰もいないはずなのに、
ザクッザクッと誰かがテントの周囲を歩く音がする。
当夜は風もなかったし、小屋のヒト達が来るというのも考え辛い。
思い切ってテントから顔を出し「誰ですか?」と呼びかけてみた。
しかし、人の気配はなく返事も帰ってこない。
変だなと思いつつ、そのうちに寝てしまった。
翌朝、同行の二人にその話をしてみたが、気のせいだろうと
取り合ってくれない。誰かが来たようだったけど・・・
すると出発時に先輩がテントから僅か10mの位置に遭難者の
慰霊碑(遭難者の名前入りの角材)が建っているのを発見した。
劒沢の周辺は遭難の多いところで毎年数人が亡くなっている。
なんとか登頂して帰ってくることができたけど、一歩違えば、
自分もあの角材と同じ運命だったもしれない(--)
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Posted at
2022/08/09 21:19:38
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