
クリスマスを含む3連休。
その連休前の出張先は北海道の千歳。
そんな12月22日(木曜)は天気予報でも寒波による大雪が予想されていました。ちゃんと大阪に帰れるか気になるので、朝から航空会社の運行見通しを時々確認していました。
ひとつ前と後の便が早々に欠航に決定するも、自分が乗る予定の便は欠航にならなくて「運が良い」と喜んでいました。
ところが、直前になって自分が乗る予定の便も欠航。
早々に欠航になった人が翌日の便に切り替えたのでしょう。翌日の早い時刻の便は満席。なんとか夕方の便が予約できました。
千歳付近の宿は全て満室。札幌市内で宿の予約が取れました。
札幌市内でも激しく雪が降りつづきます。
せっかく札幌に泊まるのなら「いただきます。」にジンギスカンを食べに行きたかったのですが、残念ながら年末&週末のため予約いっぱいで諦めました。
ホテルで寝るだけではもったいので映画を観に。
観たのは「僕は明日、昨日のきみとデートする」。
小説を読んだときに感じたことと映画を観た感想は同じです。
徹底的に女の子が男の子に尽くす話です。でも映画館の中の女子率の高さはハンパなく高い。
もし奥様や娘さんや彼女さん(ご本人も可)がこの映画(or小説)で感動した、良かったと言われてたら、是非とも「なんで良いの?」かを聞いて教えてください。
翌日12月23日も雪は激しく降り続けます。
予約した便は夕方ですが、振替手続きが必要なことと、キャンセルが出たら早い便に乗れる可能性もあることから、朝早めの時刻から千歳空港に入って行列に並びました。
私は幸い宿が取れましたが、前の晩は3,000人近くの方が空港で夜を明かされた様です。
毛布の数が前日の大変な苦労をされた人々の数が想像されます。
午前の便は順調に飛び立っていきます。
今回は前日の教訓を活かして、自分の便の欠航が決まる前に翌朝の便を予約。
午後の便からは次々と欠航になっていきます。私が乗る予定だった便も例外ではありませんでした。でも大丈夫、私は翌日朝イチの便の予約があります。
欠航が決まってすぐにホテルを探して、運良く予約を確保。本当に予約が取りにくく、ギリギリ取れた宿の次は一泊1万5千円や3万円という高い宿しか残っていませんでした。元々クリスマスイブを含む週末の3連休なので予約が一杯&高めの設定なのでしょう。
翌日の飛行機も今晩の宿も予約が取れて、安心して札幌に移動できると思いきや、
雪による列車の遅れと大量の乗客の混乱を防ぐための駅改札の入場規制で長蛇の列。
ひたすら並んで順番を待って乗った電車、それが途中で長時間止まってなかなか進まない。雪でポイントが切り替わらなくなったとのこと。
新札幌停車後もいつ運転が再開するかわからないとのことで地下鉄に乗り換えて札幌に移動。通常は37分の新千歳空港-札幌間に3時間を要しました。
翌日12月24日の札幌は快晴。
快晴ですが、予約した朝イチの便は前日のダイヤの乱れの影響で機材(飛行機)繰りの都合がつかず欠航。すぐに取り直した予約は24日の最終便。
50年振りの12月の大雪で、1日で90cmの積雪だったそうです。
札幌の地元の方には「JRが止まるのは最後だから。JRがダメなら他も無理。」と聞いていました。
この日はそのJRが朝から運休。午前中は除雪作業だそうです。
昼12時に運転再開との情報を信じてJR札幌駅に向かうと、
改札口前は大混雑
除雪作業は延長で午後の列車も運休。運転再開見込みは不明。
予約は最終便とはいえ、チケットの振替手続きや予想される空港の混雑を考えるとさすがにやばい。
JRがダメならバス。バス乗り場に向かうと、
この列の長さは尋常ではありません。30分ほど並んで列の進み具合を見るとさらに危機感が増します。列を折り返して進んできた横の列の人に並んでいる時間を聞くと約2時間。これでは絶対に間に合いません。
近くで並んでいた一人の女性が「タクシー乗り合いで行きませんか?」と。二人ではもったいないので周りの人にも声をかけて4人でタクシーを探すことにしました。
タクシーを捕まえるのも容易ではありません。やっと捕まえたタクジーで空港に向かいます。
襟裳の実家に親の様子を見に来たという千葉の女性、東京の友達に会いに行くという札幌に留学中の中国人女性、関西空港に向かうという男性と共に空港に向かいます。
やっと捕まえたタクシーも市内の渋滞でなかなか進みません。
札幌市内の除雪の山の高さだけでなく、路面の凹凸の激しさも、つるつる滑る路面にも驚きです。
通常は1時間かからないのですが、1時間20分ほどかかって空港に到着しました。
大変な思いをしてやっと到着した新千歳空港は前日以上の大混雑。行列がチェックインカウンターから最も遠い中央の広場まで伸びています。
とにかく一列に並ぶしかありません。前日の飛行機が欠航になって翌日以降の予約を新たに取ろうとしている人も、当日の飛行機の予約をすでに持っていて搭乗手続きをする人も同じ列にならばざるを得ません。
係員に「もしこの列が進まず予約している便の手続き締め切り時刻までに窓口にたどり取り付けなかったら乗れないということですか?」と尋ねると「そうなります。」とのこと。仮に間に合わなくてもここに来るのが遅かった自分が悪いと諦めるしかなく、だまって並ぶより他なりません。
幸いにも私は間に合って24日の最終便で大阪に帰ることができました。

そんな空港で騒動があった様です。
行列の作り方や案内の仕方など改善すべきことは多々あります。だからと言って騒動や乱暴をしてよい理由にはなりません。
しかし騒動を起こした人以上に、それを報道する人の質に疑問を感じます。
下は
後日の報道の内容です。

言葉が通じない異国での情報不足による不安の気持ちはよく分かります。(私も多々経験があります。)でも、それをマスコミが正当化してはダメです。
「食料や水も満足に手に入らない状況」ですって?
当日現場にいたから分かります。空港内のレストランもコンビニも普段どおりにサービスを提供できています。赤ちゃんのミルクは分かりませんが、通常の水や食料は何不自由なく購入可能な状況です。
3.11の時は停電になり、コンビニや商店からは水も食料もなくなり、いつ何が再開されるか全くわからない状況ですが、暴動を起こそうなどとは微塵も思いません。
「背景をくんでもいいだろう」など、あたかも暴動を起こすのも仕方ないという論調を報じるマスコミの記者の質にこそ危機感を感じます。
22日に帰宅する予定だった私が24日の夜に自宅の最寄駅にたどり着くと、
ばんじゅうを手に持ってケーキを売る女の子がいます。
コンビニも含めこの時刻になると開いている店が一軒もない田舎の駅で、クリスマスイブの23時過ぎです。
お店の正社員かアルバイトか分かりませんが、その一生懸命な姿を見ると無視できずケーキを買って帰りました。
自分の置かれた状況の不安や不満を誰かのせいにしてぶつける人になるよりも、自分ができること見つけて、できることを行動し、切り開いていける様に、努力できる人になりたい、と心に刻んで生きたいと思います。