
ことの始まりは今村君からの話。
「小松のおまつりで車両展示用の
『珍しいクルマ』を探してるんですけど、出せます?」
「ウン?小松って今村君の友だちのトコ?へぇ地元のおまつりの実行委員やってるんだ。昔お世話になったことある人のトコだよね。イイよ」
「それで、できれば集まるお客さんにクルマをさわらせてほしいんだって」
「あぁ、それいいネ、望むところよ(笑)」
今村君と別れて30分後、ちょっと思いつくことがありメールにて打電―。
「そのおまつりでクルマのエンジン、かけてもいいかな?」
………………………………………………
というわけで、ランエボⅦの運転手としてハル君も巻き込み、おまつり会場の車両展示スペースに無事到着。
車両の展示時間は10時から14時までのこと。
開催前にナンバープレートを外したり、輪留めを付けたり、シフトレバーにちょっと小細工(?)などをして準備します。
ところで、どういう場所に停めたかというと、消防車やコマツの重機、古いボンネットバスなどが並ぶ一角です。
あぁ、もうこの状態で写真を撮るとクルマが見えません(苦笑)。

簡単にいうと、家族連れのお客さんたちが普段乗ることのない乗り物を楽しめるコーナーと思っていただければよいのでしょうか?
そして、そういうところに集まった
『珍しいクルマ』が、
フェアレディZ、ロータス・エキシージ、ランエボⅦ、そしてシティカブリオレというわけです。
………………………………………………
開催時刻になり、
「どうぞぉ、クルマには乗っていただいてもいいですよぉ!」
と声をかけると、ベビーカーを押す若い家族連れからかなり年配の方まで足を止めて、そしてなんだか皆さん笑顔でクルマ達を囲んでくれます。
子ども達はさっそくクルマのドアを開けてハンドルを握ってたりして。
多くの人たちが代わる代わるクルマを見て、そして乗ってってくれます。
どうも実行委員の人に聞くと今年の人出は昨年よりも多いそうです。
さて、クルマを並べてしまえばあとは特に何もすることはなく、今村君、ハル君、私と、クルマの後ろで串焼きやらお弁当やらを頬張る男3人。
ときどき、
「あ、ロータス、スモールライト点けっぱなしになっちゃってますね」
「消してくるわ」
「240ZG、内側からのドアの開け方、わからないみたいですよ」
「あ、いってくるわ」
と、動くぐらいで(笑)。
そして、エンジンをかけることもやらせてもらえました。
人出の多い中、匂いや音も気になりますし、まだ小さい子どもさん連れの方もおられるので、できるだけ短時間に分けて―。
「スミマセーン、エンジンかけまーす!」
と周りに声掛けしてからエンジン始動。ここでカブらせたりなんかしたらかっこ悪いぞ!
1回のエンジン始動でほんの10秒ほどの間ですが、これを展示時間中に数回やって―。
エンジンが動き出せば―。
ボディが震え、クルマ全体が目を覚まします。
タコメーターの針の動きを驚きながら覗き込む子。
お父さんと一緒にシフトレバーの振動を感じる子。
映画「カーズ」に例えて会話が弾む親子。
ボンネットを開けたときはエンジンの動く様子も見てもらえます。
(クーラーもないエンジンルーム、構造が単純ですから
『エンジンが頑張ってる』と一番わかりやすいかも(苦笑))。
このおまつりで私がエンジンをかけたかった理由は、見てくれる人、さわってくれる人に、ただただ自分の好きなもの、
「クルマをもっと感じてもらえれば」と思ったからなんです。
こういう機会ってなかなかないもので。
やらせてもらえてよかったです。おまつりの関係者の皆さん、見学者の皆さんに感謝です。
………………………………………………
ところで、各々のクルマを見学する人たちの動向を、男3人で観察してました(笑)。
たとえば、
240ZGなら小さな子どもから年配の方までいろいろな世代の方が見たり乗ったりしてくれます。
ロータス・エキシージは
主に女子の中高生に人気があったようです(いや、今村君がそう言い張るから、多分そうなんでしょう(苦笑))。
ランエボⅦは、やっぱり中高生の男の子が運転席に座っていきますね!
小さな子ども達はというと…、後部座席に乗っちゃいます。
4ドアだからね、しかたないかな(苦笑)?
そして、シティカブリオレ!これはもう若い家族連れの方々に大人気で!!
太陽の光で子どもたちの写真も撮りやすいですし、なんだろう、オープンカー特有の「開放感」ってみんなを笑顔にさせる力があるみたいです。
そして14時―。
展示されたクルマの撤収がはじまり、会場を後にしました。
クルマのライトに付けられた小さな手の跡を見て…。
ちょっとニンマリ笑う、今村君、ハル君と私です。
追伸1
撤収前、全員でクルマに不具合がないか点検してから乗ったのですが…。
今村君の乗るエキシージだけ暖房のスイッチを入れられたままだったようで、暑がってました(苦笑)。
追伸2
240ZGに乗ったあと、
「オレ、絶対スポーツカーに乗らないな!」
って話しながらもロータスの方に軽い足どりで向かった中学生諸君!
でもきっと君達、スポーツカーに興味を持つと思うぞ(笑)!!