
ちょっと興味がある国産スキーブランド ヴェクターグライド
例年、1月上旬かなり早い時期に開催される試乗会
ここ数年、行きたいと思っていながらも、気付いた時には終わっていました。去年なんて元旦にカムイで浅川誠さんの顔を見たのに試乗会のことを思い出せず・・・
今シーズンは早めに思い出して、年末ぐらいにエントリーしていました。
Vector glideといえば、オフピステ向けの太めで強いスキーを作っているイメージ
秋庭さんという代表の顔があり、時にはスキー場を借り切ってユーザイベントを開催するなど、独特なユーザコミュニティがありそうで、ちょっとしたカルトなイメージも。
基礎/レース系のラインナップもあって、今季の技術選北海道予選では去年からVector glideを履く山野井全さんが、全日本4連覇中の武田竜さんを抑えて優勝という快挙

秋庭代表が直々に山野井全さんの自宅に来て「一緒に勝てるスキーを作ろう!」みたいな流れでマテリアルチェンジした、と去年のカスタムフェアのトークショーで山野井さんご本人が言っていたような。
基礎スキー界でも暴れそうなVector glide、全日本でも台風の目になるか・・・?
さて試乗会、今回は同じモデルの長さ違いとか素材違いを比べることもできて興味深かったです。
毎度のことですが、いち素人レジャースキーヤーがちょい乗りした「感想」を書き出しただけですので、参考になさらずに。
他人のインプレいっさい見ずにその場でメモ記録した自分の感覚だけでまとめてます。
まず乗りたかったのはCORDOVA
Vector glideの基本ということと、汎用性の高いHEADの後継機になり得るセンター幅の、オールラウンドイケそうなモデルだから。
CORDOVA Metal 180cm 120-85-110 R21.8

スタッフさんとの会話の流れで、最初にメタルの入ったほうに乗ることになってしまいました。
サイズ的にヘッド後継機になるか期待
ワックス合ってないのか、滑りが悪い
低反発で無機質
切り替えで走らない
操作性は悪くないのですが整地も不整地も楽しくない感じです。
さらに、地味なデザインに地味な色
スタッフさんによると「硬いところでしっかりしてる」
この日の雪質とは合ってないってことですね。
CORDOVA Standard 175cm 120-85-110 R20.4

最初に乗りたかったのはこっち。
ブランドの基本モデル、オガサカでいえばユニティみたいな存在でしょうか。
有機的な返りがあって、これは好き
ウッドコアとグラスというスタンダードさ
乗り味もすごくベーシックなもの感があります。
オールラウンド性が気になる者としてはベストなディメンション、丸みのあるテールも操作性良さそう。
実際に操作性良好、でも必要以上に、人間からスキーへの働きかけ以上には曲がりすぎない。
余計なことをしない印象。
Vector glideの基本と言われれば納得です。
買うならば軽快な175かオールラウンドな180か迷うでしょう。
欲しい度★★★★✩
GENIUS Standard 185cm 155-130-140 R33.3

CORDOVAがVector glideの基本なら、こちらはイメージリーダーでしょう。
購入検討対象にならないが、怖いもの見たさ。
せっかくの機会だからVector glideといえば、というモデルを体感しておきたい

センター130mm、ピンテール、ピンクのぶっといロゴ

ラスボス感がすごい
持った感じ、想像ほど重たくはない
でも滑り出せば想像どおりもっさり
たわませればカービングできると説明されるも、1本2本ちょい乗りではとてもそこまで乗りこなせません。
谷回り、33.3mのサイドカーブ任せでフォールラインまで戻って来るのを「待ってる」感じに。
ショートターンは自分には不可能
不整地でもしんどい
試す場面はなかったがノートラックなら気持ちいいでしょうね。でも、買っても出番少ないな。
INTIMACY 180cm 137-106-120 R22.7

カスタムフェアで浅川誠さんに激推しされたやつ
スケーティングの第一印象悪くない
なんですかこれ、基礎板みたいなしっかり正確なカービングターン
軽快感ではないがテンポよく小回りまでできるし、グリップしっかり
物理重量は軽くはない感じ。
板が厚い感じはあるがメタル入り?
どう考えてもセンター 幅100mm以上とは思えない切り返しの軽さ
80mmぐらいの操作感
ずらし感もとてもスムーズ、さすがオガサカ工場製?
汎用性高いし楽しく滑れます。
センター75〜110mmを1本でカバーできてしまう印象
ただ、なにか旨味がもう一歩、そこだけ惜しいが、それを満たしたら完璧になっちゃう。
欲しい度★★★★★
POLARVE LIGHT186cm 135-107-125 R25

長いけど軽い
ライドフィールとても滑らか
過去に似たやつありました
Libertyかな?
ウェアでもこういう色が流行りだけど、おしゃれ上級者じゃないと着こなせない。自分が身につけるとただの地味~になりそう。
長さ持て余し気味で、どんな板も自分には180ぐらいがいいかも。
脇パウ、もっとトップから突っ込ませたほうがいいのかな? と思いつつできません(技量と根性の問題)。
細いシュプールのカービングターンできますが小回りできるほど返ってこず、インティマシーよりややもっさり、細い、薄い感じ
フィール良いけど、好きになりきれない乗り味、完全に個人的好みの問題ですが。
AVENTURA Metal 185cm 135-100-120 R20

100ながらテールのしっかり感が整地向きだと説明されました
角張ったテールがその性格を物語ってます。
メタルらしい落ち着きライドフィール
確かにシャープな大回り
脇パウ飛び込んでも取り回しできる
でもインティマシーのような小回りまでカバーする自由度は無さそう
不気味さを醸し出す真っ黒コスメ、このまま発売なんですかね?
GENIUS Carbon 185cm 155-130-140 R33.3

踏み込んてたわませるとカーボンの反発力でビヨーンって飛んで行く「凶器」だと説明をうけました。
マットな真っ黒コスメ
すごい板は何も書かないのかな?
軽いです。
WAX合ってないのか、滑りが悪いです。
スタンダードより軽快、ふんわり感、操作性良くて乗りやすく感じます。
ビヨーンって返ってくるほど踏み込めませんでした。
もしGENIUS買うとすればこっちがいいです。
OMNNY 180cm 120-80-110 R19.1

Vector glideの中では普通っぽい板
中級用かと思いました思いのほかシャープで確かなエッジグリップ
昔乗ったSL板に通ずるシャープなエッジ感触
ゲレバウもいけるが・・・
フレックスしなやか
ラクでありながら頼りなさが無いのがすごい。
雪面が硬いとどうなるかわかりませんけど
思いのほか気に入りました。Velocityの後継にいいかも
欲しい度★★★★✩
CORDOVA STANDARD 180cm(写真は175cm) 120-85-110 R21.8

長さ違い試してみました。
メタル無しの割にはバタつきやカサカサ感の無い落ち着き
オーソドックスな素材、造り、余計な味をつけずベーシックな感じは175cmと同じ。
キリキリと細い線を刻み付けていくようなエッジの感触は、いくつかのモデルに共通するVector glideの特徴と感じられます。
若いライダーさんによるとコルドバはヴェクターグライドの基本、誇り、ライダーとしては乗りこなせないといけないモデルとのこと。
滑り方、好みによりますが、軽快さ、自在さ、俊敏性でいえば自分は175cmかなぁ。
目的、滑り方によるでしょう。
INTIMACY 188cm 140-110-130 R26.1

こちらも長さ違い
インティマシーの場合は幅も違う
履いたときに少し重い感じはあります
滑っても重く、取り回し悪くなり、小回りできません。
だいぶん違います。自分には180cmがいいです。
POLARVE Standard 180cm 135-107-128 R23

一番人気なのか、早い時間は試乗機出払ってて、存在に気づいてませんでした。
それにしても地味な色
これはなかなかすごい
安定感とモサモサ突破力、滑らかさ、グリップ力のバランス、シャープさ
印象に残ります。
ただ、小回りは難しい
やっぱり180cmぐらいが相性いいみたいです、
欲しい度★★★★✩
同じディメンションで素材違いとか、同じモデルの長さ違いも試すことができ、思った以上に印象に差があって、それらが好き嫌いに大きく影響することがよくわかりました。
特に長さは操作性に大きな影響があり、どう滑るかをイメージしながら慎重に(できれば試乗して)選ぶべきだと思いました。
一回の試乗会でブランドのフィロソフィーまで感じ取れるような能力は当然ありませんが、GINIUS以外は、ギリギリと(ナイフではなく)三角刀で細い線を刻み込んでいくようなシャープなエッジの感触は各モデルに共通の特徴のように感じられました。