2010年09月29日
【海外の自動車カタログを眺める】GMデーウ REZZO
四年ほどまえにソウルに遊びに行ったことがあって、梅雨の時期にも関わらず(ソウルにも梅雨はあるらしい・同行した友人談)、からっからに晴れていて、そして暑かったことを思い出す。
ソウルの街並みは整然としていてとても美しかった。
感動的ですらあった。
モダンの極地ともいえるほどに整然としている街区が目を引いた。
特に明洞地区の公園整備は都市開発の理想であろう。
ソウルは誠に眺望の良い街でもある。
山の頂からさらにそびえ立つソウルタワーから眺める市街の眺めは最高である。
かつて、韓国が高度経済成長期を迎えたときに「漢江の奇跡」と呼ばれたものだが、市街を横切る漢江の流れの周囲に群がる高層ビルの折々を眺めていると、
そのことが感覚としてよく了解できる。
ソウルでは、東京や大阪など、日本の大都市の光景と類似した面もあり、公園には自動販売機が多数設置されている。
そうした公園では、暇をもてあました初老が煙草を吹かしていたりする。
上野の不忍池辺りを歩いているような感覚がしたものだ。
雑然とするほど込み入ってはいないが、決して整然としていない人間の臭いが漂うような場所とでも言おうか。そして、のんびりとした空気が漂うような空間。
試みに市街の裏道に入ってみたりもしたが、家の造りが日本のそれと異なる程度で、快適に過ごせる街なのではないかという印象を受けたものだ。煉瓦造りの家並みが多かったような気がする。
六月は八時を過ぎても日が明るく、宵っ張りの私にはちょうど良かった。
ただし、ハングル文字というのがどうにも解しがたく、多少の言語表現は覚えていったものの、標識が読めない。明洞で地図を購入したのだが(本屋の数は極めて少ないように思えた)、なんとすべてハングルで記述されているので、アラビア語で書かれたコーランでも読んでいるような感覚がして、おかしみを感じた。
おかしみといえば、滞在したホテルで便器から水が溢れてしまい、フロントに連絡したのだが、言葉が通じないので現場を見ていただき、対応してもらったことも、今となればいい想い出だ(日本と同じ方式の綺麗な水洗洋式トイレだ)。
まあ、ああいうときはなんとかなるもんで、こういうときに言葉というのは記号的なものに過ぎず、実際は阿吽の呼吸のように言語を超えた地点で私たちはコミュニケーションできているのだなと感じる。
ソウル滞在中、自動車好きの性として、どうしても目に入ってしまうのが、街中を走っていたり、停車している自動車群。
ソウル市街というか韓国全体の四年前の光景としてそうだったのかは知らないが、国内メーカーが圧倒的な割合を占めているように感じた。
とりわけヒュンダイの自動車は多く、タクシーなどで使われているヒュンダイ・ソナタが
新しくデビューした頃だったので、特に目立った(4代目の後期と5代目の前期が目立った)。
形としてはセダンが多いが、果たして現在はどうだろう。
なお、ヒュンダイのディーラーに試しに入ってみたのだが、すぐに「日本人でしょ」と言われた。
服装か?物腰しか?日焼けした肌ゆえか?
まあ、それはどうでもいい。
名刺を頂戴したが、やはり読めない。
また、以下参考までに
ヒュンダイ自動車の公式サイト
巨大メーカーなだけに、世界中のユーザーが閲覧していることを考慮しているように思える
韓国の自動車メーカーは巨大財閥から分離したヒュンダイだけではない。
二番手の最右翼はGM DAEWOO(GM大宇)だろうか。
ヒュンダイの自動車の次によく見かけたのが、このメーカーのものだった。
GM DAEWOOの公式サイト
もう少し英語表記があっても良いが、かっこいいサイトだ。加えて操作性(インターフェース)に優れている。つまり、情報を閲覧・検索しやすいと私は思う
今回はこのGM大宇のクルマの一つに注目してみたい。
手元にカタログがある。たしか、仁川空港でメーカーが配布していたのだと記憶しているが、せっかく所蔵しているのだから公開したいと思う。

車名をREZZOという。以下のサイトが詳しい。
下記斜線字体内は、「ありちんの世界の車」より引用
GMの韓国の子会社GMデーウ(GMDAT)の小型多目的乗用車です。2列仕様のほか、このサイズでありながら3列シート6人乗りも設定されています。韓国国内ではレッツォ、海外ではシボレー・タクマとして欧州などにも輸出されていますが、アメリカには導入されていません。なんともいえない独特のグロテスクなフロントマスクが印象的な車です。
「5人乗れるだけの広い室内を備えた安いミニバンであるが、機動性や洗練さに欠けており、正直に言って同じお金があるのならシトロエン・クサラピカソをお勧めする」(イギリス情報誌)
データ:直4・2000cc(128ps,18.6kg-m)、4AT・FF駆動、全長4.35m/全幅1.76m/車重1.35t、価格:1千4百万ウォン、参考燃費:9.9km/l。
ちなみに手元のカタログから推測する限りではマニュアルミッションの設定もありそうなのだが、どうなんだろう。
さて、
やはり、GMの傘下(オフィシャルサイトを眺める限り、今もそうなのだろうか)だけあり、GMブランドでもリリースしていた。
多目的乗用車も見かけたことは見かけたが(ミニバンタイプではなく、SUVを見た記憶がある)、全体的な雰囲気としてはやはりセダン優位なので、実際のところどれだけマーケットに受け入れられたのかどうかは知らない。
ちなみに、カタログでは白人の男女が登場しており、非常にアクティブで健康的なイメージを醸し出している。ここでは「家族」というユニットは一切介在していない。つまり、そういう性格づけのクルマなのか、文化的なものなのか、或いは他の要因なのかは分からないが、フロントヘッドライト部がトヨタのカルディナ(210系)に似ているなと思った。全体のフォルムは同じくトヨタのスパシオ(初代)に似ているように思える。
リアコンビは日産のティーノに似ているように思えるし、そう思うと全体的なフォルムはティーノに似ているのかなと思う。
同カテゴリーの国産車との類似点を見つけ出せるということは、やはりカテゴリーとしてはカルディナ・スパシオ・ティーノのように多目的乗用車としてのデザイン性を兼ね備えているとも言えるかもしれない。

さて、孫引きしたイギリス情報誌によれば、シトロエンのクサラピカソがお奨めだという。この点、ハードに関する面においてピカソのほうを奨めているわけだから、何とも言えない。
インテリアの雰囲気や装備品などを見ると、日本のものと似ていて、コンサバティブだけれども、安心感はあるように思える。


もう数年前にリリースされた自動車だから、当然現在の韓国車からすれば古いだろう。ただし、そうした面を差し引いてもなんだか懐かしいデザインのような気がする。コンサバで草食系のような優しい面構えをしている。刺激には欠けるが、のんびりとした落ち着きがあるように思える。
またソウルに行く機会はあるだろうから、過去の韓国の自動車と比較して眺めながら観光や仕事をするのも楽しいかもしれない。
どうやらデザインも質も格段に進化したようだ。
かっこよくて走行性能が良ければ、少なくとも韓国車を購入候補に入れるだろう。
現時点では、例えば国産車と韓国車の二台を所有するという形態は極めてマイナーかもしれないが、私はひょんなことで案外とそれが普通になったりするような気がする。
そうそう韓国車といえば、アメリカのカリフォルニアもヒュンダイの自動車が多く(日本車も多い)、キムチとか焼き肉、韓流、半導体やパソコン以外にも半島ものが流入して普及するのは極めて自然なことだと思っている。
長らく文化交流を閉ざした時代も韓国には確かにあった。
軍事政権が長く続いた。同国内の全羅道差別も強かった。
竹島の問題もあるかもしれない。
しかし、私自身がキムチを食べられるようになったように、人間でも国家でも容易に変貌する。
私はプラスの面を見ていきたいと考えている。
確かに、小中華思想にとらわれる傾向はまだあるかもしれない。
儒教独特の考えもあるだろう(上の小中華思想と系譜として繋がりがある)。
けれども、そうした思想でもって民族を規定することは私流に言えば楽しくない。
私は政治家ではないので、面白く楽しく交流していきたい。
憲法の「思想・信条の理由」を持ち出すまでもない、どこまでも自由に私は思考している。
歴史を学ぶ人間は、多種多様な価値観を学ぶ。
それはとてもいいことだ。自分が住んでいる環境を相対化できるし、多様な価値観の一つ一つはとても新鮮で刺激的だ。
私が歴史を学ぶ目的の一つは、人生をどんどんと楽しむためにある。
経験・識見を広げることで、多様な視点から物事を楽しむ。
ただそれだけである。
話が逸れた。
ハングルを私は読むことはできないけれども、インターネットやカタログ写真から情報を得たり、類推してこのようにブログを綴ることができるし、そういう意味で本当にいい時代になったと思うし、手元にカタログを保管しておいて良かったし、そもそも仁川空港でカタログを配布していたことが良かった。
すべてはcoincidence(偶然の一致)ではなく、私はシンクロニシティだなと思う。
自動車を購入することを選択し、所有することを選択することも、偶発的なようでいて、そこには顕在化できない因果関係があると私は思っている。つまり、必然性があるということだ。
というわけで、これを最後までお読みになった諸兄はこれを奇貨として、REZZOの研究に励んでくだされ(笑)
私はハングルを学習したいなと思った。
では、カッサハムニダ。
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Posted at
2010/09/29 06:52:05
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