2011年10月11日
フェアレディZかリーフか ~日産銀座ギャラリーにて~
日産銀座ギャラリーに来訪した。日産本社が横浜に移転する直前のときに来訪して以来なので、実に久方ぶりの訪問となる。となるともう何年来ほど私は来訪していなかったのだろう。銀座数寄屋橋界隈ならば、割合と至近だし、ちょくちょくと訪れるのであるが、案外と身近にあると立ち寄らないものである。
今回は銀座近くに用向きがあり、それを済ませてからふとギャラリーに来訪しようと思い浮かんだ次第。
展示されていた車両はフェアレディZのオープンにリーフの二台。
実に対照的な組み合わせで面白かった。
なお、銀座という一等地ゆえか、スペースは広くなく二台を展示するのが精一杯である。しかしながら、銀座の数寄屋橋という特に殷賑を極める一等地に依然として日産がギャラリーを構えてくれるのは実に嬉しいことだ。

R32スカイラインGT-Rのキーホルダー(プルバック・フロントバルブ点灯機能付)は、この狭いギャラリーの二階に販売されていたもので、およそ否定のしようがないほどに名車であるR32のグッズとあれば、ついつい購入したくなるというもの。
未だに所有したいと思う一台である。私はR世代のスカイラインが大好きなのだ。
さて、まずはリーフのボンネットフードの正面にある充電口がぱっくり口を開いていている姿が目に留まった。ギャラリーのお姉さんがいろいろと説明していたが実のところあまり聞いていなかった。どうやら、充電プラグは車内に携帯可能であるということしか覚えておらず、私の関心はもっぱらリーフの内装にあった。理由については後述する。
ちなみに、リーフの充電方法についてだが、既存のガソリン車のように給油口にノズルを差し込むような感覚で気軽に行えるのだろう。
今はまだ航続距離やインフラの問題があるだろうが、確実に普及していくと私は思う。EVスタンドも都市部では急速に増えている。
なお、私は地球環境問題などそもそもないという立場に立脚しているため、この偉大なる地球の環境が容易に破壊されるなどとは思ってもいないし、従って、環境に配慮するという視点が希薄だ。自然はそれ自体で自律性があり、人間の営み程度で破壊されるものではないというのが私の考えだ。
よって、私の電気自動車に対する評価は自動車のバリエーションが増えるということに対してのみであって、あくまで「楽しさ」をメインに私は電気自動車など次世代エネルギー自動車について評価している。
むろん、燃費面(燃費という言い方が電気自動車においても適用されるかどうかはさておき)での向上はありがたいが、あくまで「楽しさ」を追求する。
このことを予め言及しておこう。
クルマは白物的な無機物ではなく、楽しみの対象であるとするのが私の思想である。
私は09年にカービューのご好意により、東京モーターショーに無料で行くことのできる僥倖を得た。その時に市販から一年を切っていたリーフが展示されていたのだが、外見は当時のブース担当者が回答したとおり、ほぼそのままで市販されてきた。
しかし、内装についてはモーターショーの時点では未知であったし、都内でもちょくちょく見掛けるようになったとはいえ、じっくりと見たことが無かった。
これは大きなチャンスである。
そう思った。
ゆえに、内装について大いに感心があったのだ。
参考までに。
09年東京モーターショー日産ブースレポート
http://www.carview.co.jp/tms/2009/minkara/nissan_02/
まずは車内に乗り込んでみる。
そこに高級感はなく、デザイン的なアレンジもない。実に無機質である。価格設定の問題もあるだろうが、創意工夫は感じられない。味気ないのだ。
もっとも、リーフは市販普及型電気自動車のの先駆けという意味合いが強いし、グレードによる差別化で内装に配慮したタイプのものも登場するはずだ。
日産のリーフに対する意気込みは、単に市販型の電気自動車を作ってみましたというだけではないと思う。
空間は昨今のテンゴくらいのミニバンクラスくらいの広さで、後部座席も広い。
たまたまドイツ語を話している大型な男性が、ドイツ語で「高い」という意味のことを述べていた。つまり、大柄なドイツ系の人々にとっても、頭上空間はそこそこあるということだ。もっとも、頭と天井の幅がほとんど無かったけれども。
ということは、大方の人々にとって狭さは感じさせない。
またトランクのラゲッジスペースもプリウスくらいに確保されている印象があり、積載性にも優れている。
白眉なのは、手によるギア操作かもしれない。
手をかざして操作するだけでギア操作が可能で、BMWのiDRIVEのような感じだろうか(iDRIVEについては操作したことが無いのでよくわからない)。形はよく似ている。
コントローラーという形容が相応しい。
売れに売れているプリウスの操作感が既存のシフトストロークの形状をあくまで留めていて、操作感覚も従来の自動車のようにギアチェンジするという感覚が濃厚なのだが、リーフの場合、左手をちょこんと動かすだけで、容易にギアチェンジができる。
これは非常に楽であり、こういうギア操作もアリだろう。ドライビングに革新をもたらすかもしれない。ただし、私は好みではない。

続いて、34のフェアレディZのオープンに乗り込む。
乗車するのは初めてではないが(運転もしたことがある。シフトダウンを自動的にやってくれるレブコントロールシステムに好感を持った。解除も可能だし)、もう外見を見ただけでワクワクする。またもやその気分を味わった。
そして乗り込むと垂直ゼロ指針のメーターがあり、ますます気分が高揚してくる。
およそリーフとは対照的な内装である。
むろん、既存のガソリン車であり、革新性はないだろう。しかし、この感覚的な美しさはどこから生じるのだろう。
ここ銀座ギャラリーは場所柄、外国人の見物人が多いのだが、"beautiful and wonderful!"という声も聞かれた。
ここで、かっこよさとか美しさとはなんだろうと私は思うようになった。
直接的に言えば、Zのオープンのような形式は、もう遙か昔から存在している。
極めて古典的なスタイルといえるだろう。しかし、美しさやかっこよさを感じさせる「何か」がそこにある。これは一体どういうことなのだろう。
私なぞは、オープンカーが好きだし、Zも好きだし、スポーツカーが好きだから余計に贔屓目に見てしまうのだが、おそらくZのオープンというのは、クルマに特段に関心のない層にも美やかっこよさを惹起する要素があるように思える。
しかし、それはなぜなのだろう。根本的な理由を知りたい。
純粋に知的関心を引き起こすテーマである。
昭和世代ゆえにスポーツカーがかっこよくて美しいという等式にとらわれている点はあるかもしれない(私はスーパーカー世代よりも下の世代)。しかしながら、世代を問わず、リーフよりZのほうが見た目としての美しさやかっこよさの評価は高いだろうという風に思えるし、そうだとすると審美眼というのは人間にとっては万古不易のもののような気もする。

そんなわけで、34のオープンが欲しいなと思いつつギャラリーを後にしたのであった。リーフについては面白さは感じるものの、それは所有欲をそそるものではなく、テクノロジーがどのように人間を楽しくさせていくのかという期待に依存している。
だから欲しいとは思わなかったのである。
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自動車 | クルマ
Posted at
2011/10/11 23:26:42
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