2012年05月21日
素人ならではの「トヨタ86」雑感
「これ、ノークラなの?」
「いえ、オートマですけど、マニュアルもあるみたいですよ」
「こんなの見たこと無いな」
「先月だか今月だかに出たばかりのモデルのようです」
「これかっこいいな。いまはマニュアルのほうが値段が高いんだよな。誰も乗らないから」
「昔は逆でしたものね」
トヨタのディーラーに入って86を眺めていたところ、クラウンで来店された初老の男性に話しかけられた。
私はといえば、足首を鍛えるために片方500グラムのサポーターを巻いて「コメ10キロ購入ドライブ」に出かけていたのであった。いつも買うところで買うよりは、新鮮な気分になれるし、前頭葉が鍛えられると思ったから(笑)

*手首に巻くこともできる。重ステ車を運転しているような感覚になる(笑)
そんな私がほぼ反射的にトヨタのディーラーに入ってしまった。これは理性というより反射という所作に近いものがある。来客用駐車場に停めると、そこはエリア86(っていまいちよくわからないのだけど)を標榜するとあるトヨタのディーラーであった。
試乗車・展示車を含め、5台から6台の86があったのではないだろうかと思う。
ディーラーの方には「86を拝見したいので伺いました。少しだけ見せていただけませんでしょうか」と述べ、車体を見ていたところ、冒頭の会話になったというわけだ。
やがて担当の方が現れた。若くて可愛い女性である。グレードなどもよくわからないので、レーシングモデルのRC以外のグレードの見積もりを欲しいとお願いする。GとGTをお願いした。
なお、RCはエアコンレスだが配線はあるというようなお話しをされていた(記憶があいまい)。だが、トヨタでは取付はしないし、またレースに出る人たちも道中でエアコンを効かせたいから、結局のところRCは敬遠するようだ。
さて、GとGTである。
この二つのグレードの違いは大きい。
個人的に大きいなと思ったのは、メーター色とインテリアカラー。
GTの場合、タコメーターの色がホワイトとなる。
Gでは、黒に白抜きの文字となる。
私は後者が好きだ。
また、インテリアカラーに関しては、
Gは黒を基調としたものしか選べないのに対し、GTは赤を基調としたカラーも選べる。
私は後者が好きだ。
なお、これより上級のGT-Limitedにはリアフォグが標準装着され(他グレードでリアフォグに見えるのはダミーだそうだ)、本革・アルカンターラのシートとなる。また、唯一、リアスポが標準で搭載される。
ディーラーオプションやメーカーオプションは、Gではテンパータイヤ・ディスチャージヘッドランプ(自動ライト消灯システムが付属される)・リアフォグにした。GTではテンパータイヤとリアフォグのみとした。
総額はGTのほうが高いがお得感はGTのほうがいいと思ったし、買うとすればGTだな。
因みに、販売ではGTがもっとも売れているらしく、納期が秋になるとのこと。
Gならば夏前までに納車できるとのこと。
しかし、それでも私はGTがいいな。
インテリアカラーが赤のほうがいい。
また、ボディカラーは基本的にBRZと共通だが、オレンジメタリックは86にしかない。逆にWRCカラーはBRZにしかない。両者の販売比率は7対3くらいで、BRZの納期は来年までかかるかもしれないとのこと。これは販売店の規模から仕方無く、BRZを待ちきれなくて、86を購入した人もいるとのこと。
とまあ、いろいろとお話しをしてくれた。収納はゴルフバックが二個入る。後部座席を倒せばかなり広い空間になる。ただ、後部座席は座席とはいえない代物。ここに座るのはきついと思うし、座れるのだろうか。正直、後部座席に長時間乗るのはしんどいとのこと。
「試乗をしてみませんか」と言われたので、ここまで具体的なお話しを伺った以上は肝心の運転も試してみようと思い、マニュアルのGTグレードに乗る。マフラーがTRDで若干車高を下げているらしい。
トヨタの例のスタートボタンは健在。G以下になるとイグニションをひねる形式になるのらしいけれど。
クラッチを踏みながらスタートボタンを押す。

正直、シフトの位置感覚があいまいだなと思った。
最初はニュートラルに入れているものと勘違いしてエンストしてしまった。
ただ、運転するや否やすぐに慣れた。
「クラッチの繋ぎどころがわかりにくい方がかなりいらっしゃるのですが、どうでしょう」
確かに、クラッチがここで繋がるという明確なサインはないけれど、私は千回転以下でクラッチを繋ぐときもあるし、繋ぎにくいということは無かったかな。
都市部のために、せいぜい60キロ程度しか出していないが、200馬力相応のスピード感はある。つまり、劇的に速いわけではないけれど、速いクルマではある。また、車両重量が軽いせいだろうか、非常に軽快に走る感覚がする。エンジン部分にもアルミを使用するなどして、軽量化に努めたとのことで、この軽さは大いに感じることができる。面白い。
往年のAE86の如く、峠で走ったら面白いのではないかな。割とお尻がくるんと回りそうな気がした(まあ、車体制御もあるし安全だが)。
カタログの内容を少しだけ披見すれば、もうあからさまに、ヨタハチや2000GT、AE86の後継を自認している。担当の可愛い女性によれば、横からみたラインが好きなのだそうだ。2000GTのようだともいう。そういう気もしなくはない。
見積書提示の段階ではごくごく機械的な話をしていたのだけれど、試乗の際で助手席の彼女は変わった。クルマが好きなのだろう。
「スポーツカーが好きなんです」
と助手席で述べていた。
超かわいい~(爆)
のみならず、クルマ好きの社長の話をしたり(実は先だって、某所にて社長を偶然にも見掛けたのが、それは言わなかった)、FJクルーザーは社長のお陰で逆輸入が可能になったりとか、あの人は運転が好きなんですねとか、これはもう立派なエンスーの会話が成立していたのであった。
彼女のようなディーラー人は大変に貴いと私は思う。
こういう人たちが販売現場を盛り上げる。そして市場はその盛り上がりに影響され、メーカーにそれがフィードバックされる。
86(とBRZ)に大いに期待したい。
とここで、別段に購入を本当に検討していない方でも、訪問してもいいと思う。そこで、当該車の魅力に目覚めて判子を押すということもあるのだから。
私自身は単なる冷やかしは苦手だからしないけれども、購入したら面白いかもしれないというクルマに関しては、カタログをもらいに言ったり、お話しを聞く。そして、試乗をさせていただけるなら乗ってみる。
いろいろな見解はあるだろうが、私はそうしている。
先般のルノーカングー試乗についても、私はああいうタイプのバンが欲しいと思っているのだ。
今回は反射的にトヨタディーラーに入ったという点では、冷やかしに近いようにも思える。
が、そのまえに数台の86が走っているのを見ているし、スバルビルでBRZのシートに腰掛けてみたこともある。案外と縁があるのかもしれない。
まだまだ、86についてのお話しは尽きないが、興味のある方はディーラーに行くなり、サイトで調べるなりするのが良いと思う。
見積書もカタログも頂いたから、説明できないこともないが、本当にその対象に興味がある人は何もしなくとも行動するはずだ。



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Posted at
2012/05/21 22:27:53
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