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2011年04月10日 イイね!

腐道を味わう 京都府道733号線柚原向日線

腐道を味わう 京都府道733号線柚原向日線先だっての北摂・洛中の旅路において通過した、自動車の細かな運転技術(先を予測したり、加減速を調整したり、ステアリングのきり方などをいつも以上に勘案する等)が試される面白い道路を改めてご紹介しようと思う。
京都府道733号線柚原向日線といい、北摂の山の中から京都府に入るとすぐに733号線に入る。
巷に言われている酷道に類する道路であろう。
ただ、京都府管轄の道(府道)であるから、この場合は「腐道」と呼ぶのが適切かもしれない。



スタート地点となる京都府西隣部は長閑そのものの小規模な農家集落が集まっている気分のいい場所である。
京都は市街(洛中)を除けば、空恐ろしいほどに現代から隔絶されたような、長閑で時が止まったような風景をたくさん見ることができる。
京都の寺社を見物するのも素晴らしいが、私としては是非とも、時間の流れが極めて緩慢な京都の鄙びた風情も味わっていただきたいのである。

京都洛中が三方を山で囲まれた盆地であることはご承知であろう。
余談を差し挟めば、明治時代までは山のない南方にも小椋池という巨大な池があった。今も地名として残っているのではないか。
この京都の地勢条件を見ていくと、風水思想に基づいて設計されたことがわかる。
風水では北(玄武)を山、東(青龍)を川、南(朱雀)を平地・湖(海)、西(白虎)
を道で覆うと良いとされている。四神相応の地という。
北の方角には北山や洛北の山が聳え立っている。金閣寺などがある方角だ。
東の方角には加茂川がある。南の方角には上に述べたように池があった。
西の方角には山陰道が伸びていた(今も伸びている)。
なお、北東の鬼門の方角には比叡山延暦寺を配置しており、これは風水の観点から言えば、完璧である。
ちなみに、東京(江戸)も同様の発想で作られた都市なのだがお気づきだろうか。北(玄武)の方角の山というのがわかりにくいかもしれないが、東京都区部にも山と言われている箇所はいくつかあるはずである。以上がヒントである。





話を京都に戻すが、上の画像のような道を走っていると京洛の西側も深い山中なんだなという実感を強くする。市街地は寺社のみならず、大小さまざまな住居や工場などがあり、殷賑を極めているが、そこに至る道のりは非常に険しい。



離合困難なほどに狭隘な道が続くために、撮影箇所が限られてくる。しかしながら、是非とも皆様にも私と同じように腐道をのんびりと運転していただきたい。
教習所で練習したクランク走行などを今一度思いだし、クルマの車体感覚を意識するまでもないまでに刷り込みながらに、悠々と道路と景色を堪能して欲しい。
なお中途、地元のクルマとのすれ違いがあるが、地元のクルマは大変に離合に慣れているので、敬意を表しながら、手で合図するなどちょっとしたコミュニケーションをとるのもよかろう。



なお、狭隘路の常として車体横からの撮影は極めて困難である。ズームアウトしても車体全部が収まりきらなかった。
愛車の横からの姿を収めたい人は真横ではなく、アングルを少し斜め横にするといいかもしれない。全長の短い自動車ならば問題はなかろうが、3ナンバークラスのセダンなどは写真を収めるのが難しいかもしれない。
しかし、だからこそ挑戦していただきたいと私は思う。
それが道路と愛車との対話である。
牽強付会な論であるが、たとえばプレジデントの真横の姿をこの腐道で収めた写真を私は期待して待っている。



逢坂峠という標記を見つけた。畿内では有名なのだろうか。
ところで、逢坂の関というのが古の歌などでよく詠まれているが、歌でよく詠まれている関とは山城(京都府の一部)と近江(滋賀県)の境と言われている。
だが、逢坂の関というのは京都近郊を中心にいくつかあったのだと私は思うのだ。みやこに出ずるもの、入るものがお互いに逢う、険しい山坂の道にある京洛に至る関所が随所にあっても不思議ではない。ここの腐道の逢坂峠という名称も、後世に付けられた道だとしても、逢坂と名づけるだけの風韻があったればこそ名づけられたのだと思う。
とが多い。
なお、「逢坂」という固有名詞は「逢う」という言葉と掛けて、恋歌として使用されたことが多い。
一例を挙げる。

夜をこめて鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ(清少納言)

所用で急に清少納言のもとを立ち去った男が、鳥の声を真似て関所を開けさせて(中国にそういう故事があるようだ)また会いたいといった和歌に対する返歌である。
鳥の声なぞまねてももう逢いませんわ(許しませんわ)という感じだろうか。
実はまた来て欲しいのだけれど、ついついそんなことを言ってしまう清少納言の
やりきれない気持ちが伝わるようである。
こういう女性は健気で私は好きである。が、どうもこの和歌での清少納言は恨みがましいような感じもして、当時の文化習慣に照らし合わせればやむをえないにせよ、もう少し可愛げのある歌を作って欲しかった。





逢坂の峠を越えると、当然今度は道を下ることになる。
道を下れば、いよいよ殷賑の京洛の町並みに入るわけだが、それまでの道のりというのは非常に険しい。
現在においてもそうなのだから、過去においての旅というものの険しさについて思いはせざるを得ない。
同時に、気軽に険路・隘路を通過できる今の環境にとても感謝しているのである。

フォトアルバムはこちら→腐道を味わう 京都府道733号線柚原向日線






Posted at 2011/04/10 09:56:51 | コメント(3) | トラックバック(0) | 酷道 | クルマ

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