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2011年04月12日 イイね!

涼やかな禅の名刹 京都大徳寺

涼やかな禅の名刹 京都大徳寺禅寺というと見事なまでに掃き清められた非常に美しい境内が特徴的だと思う。
この整然とした美しさというのはおそらくは、禅という仏道の一派の思想と関連があるのではないかと思う。



先だって、京都の紫野にある大徳寺という禅寺の名刹に行き、その感を強めた。
大徳寺に関わる歴史的人物の数は非常に多く、有名人図鑑でも見ているような気もするのだが、そうしたきらびやかさとは裏腹に禅寺ならではのわびさびの効いた空間が境内を覆い、涼やかな気持ちを湧き上がらせてくれる。
フォトアルバムにて、写真及び若干の拙文を書き記しておいたので、そちらもご覧いただければ幸いである。

涼やかな禅の名刹 京都大徳寺



世界的な観光地となり、古の伝統や歴史もやや通俗的になってきたかなという気もして、私はあまり京都には立ち寄らず、もっぱら上古の匂いが濃厚に漂う奈良に軸足を向けていたが、それは私の無知であった。この大徳寺一つとっても、京都という街の恐ろしいほどの伝統・歴史という地層の分厚さを感じてしまうのである。



大徳寺は実際には塔頭(たっちゅう)という個々に独立した寺院が集まってできていて、塔頭ごとにその性格は大きく異なる。
いまだに「拝観謝絶」の看板を掲げて往時の禅修業の地としての赴きを濃密に残している塔頭もあれば、観光客に塔頭を開放しているところもあり、こうした個別の塔頭ごとの自由の許容は非常に好ましいと思う。



今回は夕暮れ時の来訪だったため、塔頭への参観は適わずもっぱら境内を散策する形となったがそれだけで十分に禅の空気、京都の空気、歴史と伝統という空気を心地よく吸い込むことができた。
大徳寺の特徴としてたくましい松並木が挙げられるが、この松の猛々しさが、禅という自力による解脱・悟りを求める修行者の心の力強さを象徴しているようで、
まことに頼もしい。
また、詳述はフォトアルバムにて記すが、下の画像にある丸々とした緑が特徴的なイブキも、往時(鎌倉・室町期)の禅の受容をよく象徴しているのみならず、松並木と同じく禅修行者ならではの、力強い心を象徴しているようにも思えるのだ。



わびさびの効いた寺院内にあって異彩を放つ、朱色のごてごてしい三門(正門のこと)にも著名歴史人によるエピソードがあるのだが、こちらも同じくフォトアルバムにして記しておく。



この三門はもしかしたら大徳寺の最大の謎かもしれない。
三門完成時は確かに豪華絢爛な安土桃山の時代ではあったが、禅の風致をずっと守ってきた大徳寺境内の三門が、このようなごてごてっとした様式ではその美観において不調和を生じると思うのだが、それでも敢えてわびさびをあまり感じさせない朱色の三門を建てた理由は何なのだろう。
こうした疑問を抱きつつ散策するのも面白く、涼やかな気分に浸るのみならず、
人間の想像力や推理力を駆使させるという効能も有しているのだ。
ゆえに大徳寺は涼やかさのみならず、人間の己の脳みその回転数を向上させるという意味で非常に禅的であろうかと思う。
もっとも、禅による瞑想はむしろ脳みその回転数をゼロにし、無になることだが。

禅問答という言葉がある。高度に哲学的な事柄を問答しているのだろうが、その意味内容は表現とは裏腹に素人にはちんぷんかんぷんなことが多く、ちっとも意味のわからないこんにゃく問答とも揶揄されるものである。
禅は無という形で思考を超越するが、悟りを開いていないものに何ほどかを説明する際には、こちら側にも高度な想像力・推理力が必要となり、その靄がかった禅的真理の抽象性をものにするためには、脳みその回転数を上げる(脳みそをフルに使う。ただし、それは自ずと上昇する形でなければならないと思う)必要があるとも思う。
第一には瞑想を通じた内的自己や広大無辺な宇宙との対話が必要なのだろうが、禅門に入っていない衆生の私どもにとってはさし当たっては上に書いたような想像力や推理力を自ずと上げる習慣付けが必要だろう。
そのためには何が必要か。

さて、無の境地とは脳みその回転数をゼロにすることと述べた。
これは同じく私が述べた禅を理解する(つまり無の境地になる)際に必要な回転数をあげるという脳の働きと矛盾する。しかし、矛盾も一切同居する。
これが禅の世界が考える宇宙の摂理ではないか。
矛盾と考える時点ですでに煩悩ではないか。人間世界の概念にこだわってはいまいか。
私の想像だが。とにかく論理を超越した世界に禅はある。矛盾も許容する。いや、矛盾など気にしない境地のような気もする。
まことに難儀なようだが、一方で禅的世界とは案外と身近に潜んでいるような気もする。私たちが気づかないだけなのだ。ただ、気づくのが難しいのだろう。
とにかく、禅には相容れないものを同時に許容するような両義的な要素を強く感じる。





私たちは雨を厭う。かと思えば、旱魃が続けば雨を待望する。
何かが欠けていると考えたときにその欠落を補おうとする。
だが、その欠落を補うという発想は、欠落という事柄に焦点を当てている限り、
ずっと続くだろう。
電気が不足すると電気を求める。ガソリンが不足するとガソリンを求める。
それは正しい心のあり方なのだろうか。
不足から出発する思考は健全なあり方なのだろうか。
禅とは欠落を補うといった思想などをもっと昇華させた世界観をわれわれに提示させてくれるように思うのだがどうだろう。
Posted at 2011/04/12 14:39:20 | コメント(1) | トラックバック(0) | 散歩 | 旅行/地域

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