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ワルめーら@Terryのブログ一覧

2013年03月05日 イイね!

安房漫遊

安房漫遊房総半島南部はその昔、「安房国」(あわのくに)と呼ばれていた。
気候は温暖で、半島という地勢上の理由もあり、その地理風土は伊豆半島と似ているのかもしれない。誠にのびのびと朗らかな感じを受ける。
アクアラインや館山道などの高速道路ができる前までは、かなりの僻地というイメージがしたが、考えてみれば、半島全域を含めても東京から100キロ程度しか離れておらず、一足先に春を味わうにはこれほどの適地はない。
三月初頭にも関わらず、梅・水仙の花はむろん、桜の花の開花もこの地域は速かった。さらには黄色くて鮮明な菜の花が周囲を覆っており、陽射しは時に暑いくらいだった。




*菜の花摘み体験(つぼみ状態のものを重点に摘んできたが、この暖かさで日当たりの良い部屋に置かれた菜の花たちは、いまもう早くも黄色い花びらを大きく開かせている)



今は昔、伊豆に幽閉されていた源頼朝は安房に逃れて再挙を図っていた時期があった。
当時は船の役割が大きかったから、伊豆や三浦半島、安房は隣同士みたいなものだったのだろう。
安房鴨川に個人所有の小さな島があって、手漕ぎ船で渡船してみた。
島内には樹齢600年のサボテンを始め、実に自然が豊富。歌碑や日蓮が座した場所など人文環境も整っている。
これらに加え、頼朝が隠れたとされる穴が残されているのだ。
小さい島ながら、風物や歴史が凝縮されているのである。

島の当主は代々、仁右衛門と名乗り、それがそのまま島の名前になっている。
当主と述べたが、平野仁右衛門さん一家だけがここに住まわれている。
鎌倉の昔に話を戻そう。
頼朝が再挙したのち、逃亡していた自身をかくまってくれたときの褒賞として、安房一国か近隣の漁業権をすべて与えると鎌倉時代の仁右衛門に申し渡したようである。
仁右衛門は安房を粟と勘違いして、後者の権利を取得したという。
粟なぞいつでも食べられるし、そんなもの必要ないということだろう。
この面白い逸話は、江戸時代から残されている島内屋敷の前でご当主のご婦人からお聞きした。
さて、安房一国は逃したものの、結果として鎌倉時代の仁右衛門の選択は成功したといえる。明治のご一新になるまで、漁業権は確保されたのである。



安房は日蓮の生誕地としても名高い。彼もまた鎌倉時代の人間で、何故にこの世の中が平穏にならないのかと考え、仏法を学び、やがて「妙法蓮華経」(法華経)こそが最高の経典(お経)であり、これのみを奉ずれば世界は平穏になると唱えた。
日蓮の教えは、後世、宮沢賢治や石原莞爾など、様々な著名人に影響を与えている。
豆知識を一つ。
日蓮の弟子が創立したという日蓮正宗の教えから生まれたのが、創価学会といっても良いだろう(現在、両者は見解の相違で蜜月ではないようだ)。
戦後新興宗教ではもっとも安定して勢いがあるように思える。
丁度、後世への影響力が並々ならぬ日蓮の生誕地の近くのホテルに宿泊したのだけれども、風景はのどかで開放的な光景が繰り広げられ、日蓮の決意がこのような平和的な環境のなかで醸成されたとは、今となっては想像し難い。
初春離れした陽光の眩さもまたこうした想像を妨げる。





きらびやかで美しい海沿い以外の房総の魅力についても述べてみよう。
房総半島全体は高い山こそないものの、半島中部以下は平野部もあまりない。
従って、少し内陸部に行くと、隠れ山里とまではいかないまでも、海岸部とは異なったのどかで静寂な空気を味わうことができる。


首都圏ではおそらく唯一であろう棚田が安房の内陸部にはある。
観光客はいない。ただひたすらに生活という純粋目的のために存在している。


さて、スポーツドライブ好きの方にも房総半島はお薦めである。
安房の内陸部では狭隘ながらリズム感のあるワインディング路が続き、上総(かずさ・旧上総国で房総半島中央部)の内陸部でも適度にワインディングが楽しめる名も無き道があったりする。

*本道は地図上から行けると判断したのだが、結局通行ができず適当な場所で写真を撮り、引き返してきた。片側は崖で片側の谷との間には電気鉄線が通っていた。

一方で、上総にはストレート主体の走行が可能な区間もたくさんある。
例えば、房総スカイラインという道路は道路状態も良く、非常に走りやすい。
房総半島を東西に繋いでいるので、交通という目的で利用するにも便利である。
私は帰路に往復走行をして楽しんだ。


さらにまた、久留里線やいすみ鉄道、小湊鉄道など、首都圏では唯一の非電化単線区間も上総にあり、汽車そのものに興味が無くとも、その雰囲気を味わうだけでも格別だろう。
外房への道中、先月日帰りで上総に行ったときに引き続いて、またもやいいタイミングで汽車に遭遇した。本数の多いときでも一時間に一本程度の運行なのだが、非常に運がよい。
トトロの物語のモデルともなった土地柄は列車に乗っている人々や駅舎に佇んでいる人たちまで、何やら物語的な感じさえする。というより、自分自身が物語世界に入っていったような幻想さえ抱く。


帰路はアクアライン海ほたるに立ち寄って帰宅したのだが、そういえば行きがけに横浜の大黒PAに立ち寄ったのだった。
古今東西の名車がずらりと立ち並ぶ様は壮観そのもので、これでドライブの意欲が俄然と増した。
丁度、私をお見送りに来てくださったと思われるBMWの方がおられたので(駐車をする前から待ち構えていてくださった・笑)、謝意を表す意味も込めて写真を載せておく(笑)
画像は編集して黄色トーンに変更しておいた。
風水に限らず、黄色はお金が入る色で非常によろしい。

*生粋のハマっ子の方で、この日は二度も大黒にお越しになられたという(笑)

画像を編集していて思った。
春の到来には黄色が似合うなと私は思う。
桜の花の美しい色彩は言うまでもないが、私は菜の花の鮮明な黄色に生命が胎動し始めたという確かな証のようなものを感じる。だから、菜の花がとても好きだし、それは理屈ではないのだろう。
安房では既に春が到来していた。ゆえにこそ、大好きな菜の花に囲まれることもできた。強い陽射しに照射され、美しい海原を眺める。しばし内陸に入り、静けさ漂うなかで、水仙や梅、棚田を眺めたりする。
非常に贅沢で有意義な時間の使い方ではないか。






Posted at 2013/03/05 13:34:57 | コメント(1) | トラックバック(0) | ドライブ | 旅行/地域

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