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2013年06月30日

2011年式シトロエンC3感想文

シトロエンC3 エクスクルーシブ

「可愛いくて運動神経も良いのにあの子ちょっと天然だよね」



●今まででもっともなじみやすい代車

通勤カーのDS3が深夜の駐車場でべっこべこにされたので
ディーラーが気を利かせてまともな代車を貸してくれた。
それがこのC3 エクスクルーシブ(走行5000km)だ。

何しろ、DS3の5ドア版なのだから操作系やら何やらがDS3と一緒。

その中でも特にC3固有の話題に絞って感想文を書きたいと思う。


●簡単にC3の紹介
2010年に日本でデビューした2代目C3は
わが国のシトロエンラインナップのボトムを支える車種だ。


ライバルにポロ、ヤリス・・・・じゃなかったヴィッツ、
ジャズ・・・じゃなかったフィットなど、競合車がひしめいている。

全長×全幅×全高=3955mm×1730mm×1530mm
ホイールベース=2465mm
車両重量=1210kg

ということで欧州で言うところのコンパクト。
日本ではちょっと幅が広い印象。


パワートレーンはPSAとBMWが共同開発したL4 1.6Lエンジン。
基本パーツは共通だが適合が異なるようだ。

グレードは標準と上級があり、代車は上級の方だ。

●ボデーの違い
DS3基準で見れば、C3はDS3の5ドア版である。
ドアが短くて駐車場で乗降するのは楽だが、
Frドアは6コーナー(Bピラーとの交差点)のエッジが鋭利で目打ちの可能性がある。



ルーフも異なっていて、C3はゼニスウィンドゥという
パノラマルーフの亜種とも言える特殊なウィンドシールドガラスが装着されている。
これはFrヘッダーをBピラー付近まで引っ張って配置し、
そこまでをウィンドシールドガラスで覆うというものだ。
従来のパノラマルーフ車と比較すると、Fr席の乗員の開放感が著しく向上する。
もちろん、開放感が欲しくないときもあるので、
その際はスライド式のサンシェードを前に出せばよい。
ちなみにサンシェードを中途半端に下げてシェードをスライドさせると
顔面直撃するので注意が必要。



基準となるヒップポイントもDS3とは異なる。
DS3はルーフを低めてクーペ的な着座姿勢なのに対し、
C3はそれこそ常識的なアップライトな姿勢でパッケージングを組んでいる。
さすがに設計上のオリジナルということもありDS3よりもリラックスして座ることが出来る。
更にペダル配置もDS3よりも良好。

DS3の場合は、低めの着座姿勢と小さ目のDLOの影響で見晴らしがよくない。
それがタイトな感覚を演出しているのだが、
狭い道のすれ違いや住宅街などで全く見切りが分からなくなるシーンがある。
C3は同じ道路占有面積であるにも関わらず、非常に運転しやすい。
これは乗ってみないと分からないポイントだった。

見た目はそんなに変わらないはずだが、
DS3が何となく性悪女的な毒気を持っているの(自分のノアールだけかも)に対し、
パールホワイトのC3はかなり可憐なお嬢様チックなスタイリングなのが印象的。
かわいいけど、このかわいさは「雑貨的なチープさ」は一切異なるところが巧い。
色と細部の違いでぜんぜん違う車に見えるんだなぁと思った。

●内装の違い
内装は更に似て非なる部分が多い。
まず、ステアリングだがDS3とそっくりな意匠であるにも関わらず、実は外形が違う。
更に本革の材質が異なっておりDS3の方が1ランク上の比較を使用している。
C3はエンボス加工が施されていてこれはこれでいいのだが、
DS3を知ってしまうと物足りなさを感じる。



また、ダッシュボードの色もDS3のカーボン調と異なってたメタル調塗装である。
意外と異なっているのがメーターで、
メーター周辺の金属調塗装がないだけではなく、DS3にある水温計がない。
さらにイグニッションキーをONにしたときに針が振り切れる動作もない。
また、文字盤も少し平板なデザインだったり、
ほとんど分からないような部分がDS3と違うという部分が芸が細かい。
逆に言えばDS3は原価をかけている。

●走りの違い
雑誌で絶賛されているのがC3の足回り。
柔らかい乗り心地で、悪路を走ってもシートまでその揺れが伝わらない。
サスのストロークが大きいのか、良く分からないが高級車のような乗り心地。
DS3はガチガチに固められた足回りなので特にその落差が大きい。
本当に快適に走れるのだが、それでいて曲がりの性能は高い。

通勤時に高速道路のランプウェイを試しに
キューって感じ(これでご理解ください)で曲がっても
車体を大きめにロールさせつつ、タイヤは路面を食いついて離さない。

195/55R16という太目のタイヤということもあるかもしれないが、
ガチガチに固められたDS3と同じくらい踏ん張ってくれる印象だ。
こういう乗り味を国産のコンパクトが再現できたら素晴らしいのに・・・。

一方でパワートレーンはDS3のスポーツシックと比べるとかなり違う。
ターボ無しの1600cc(120ps)ユニットは十分な動力性能があるのだが、
いわゆるAL4という4速ATが2009年発売の車としては
ちょっと水準に劣る洗練度と言わざるを得ない。

欧州では未だにMT車が主流でAT車の開発というのはそれほど進んでいない。
ATの時代が来る前にDCTの時代が来てしまったからだ。
PSAもC4からはAMTを導入しているが、C3/DS3はATのみの設定だ。

現地ではお年寄りや身体にハンディキャップのある人向けの機種と
位置づけられているようで、
恐らく高速走行をさほど重要視していないギア比だと思われる。

100km時のエンジン回転数が4速で3000rpmを超えるというのは
1600ccという排気量を考えると高すぎる。
フランスの高速道路を制限速度で走らせると
かなり回転数が上がってしまうだろうし、クルージング燃費は悪い。

通勤時に25km中20kmが高速道路を使うシチュエーションの私には
6速MTのDS3よりも燃費が悪いのはつらい。
燃費を比較するとDS3が14km/L弱に対し、C3は11km/L程度。
ちなみにカタログでファイナル比を確認すると4.701であった。これは低い・・・・。

一方で70km/hくらいで田舎道を流しているときのC3はかなり気持ちがいい。
エンジン回転数は4速で2000rpmをちょっと超える程度。
トルコンは完全にロックアップされていて、
エンジンのトルクもしっかり出ている回転数なので
多少の上り坂もアクセルをジワっと踏み増すだけで乗り越えられる。
CVTの様に回転数が急上昇して1テンポ遅れて加速するフィーリングとは一線を画す。

かなりロックアップを解除しないで頑張ってくれるので、
知多半島の田舎道がそのまま南仏の田舎道になったかのような気分でドライブが出来た。

一方で、私はやはり日本人なのでATに対しての目は肥えているほうだ。
私自身は燃費のためにおかしな変速をするCVTより、
良く考えられた4ATの方が好ましいと考えている立場だ。

しかし、AL4は現代のレベルで考えると、洗練されていないと感じる部分が多い。
例えばガレージシフトショック(N→Dにシフトしたときにお尻が下がるアレ)が
かなり大きい。ちょっとびっくりしてしまうレベル。
この車はDレンジの際のアイドル振動が大きいので
停止時にはNに積極的にシフトしたくなるのだが、
信号が青になるたびにガクンと来るのは
日本やアメリカ(輸出しないけど)ではNG。
国産車だと、N→Dシフト時にアイドル回転数を一瞬落として、
更に一回2速に入れてから1速に入れる制御を入れていたようだが、
それをマネしてスノーモードでN→Dをやったら、さらにひどいショックが来た(汗)

また、下り坂の生活道路で対向車が来て急にバックするようなシチュエーションで
D→Rのシフト操作ですぐにギアが変わらずに車が坂道からずり落ちてしまう。
国産車のようなタイミングでアクセルを踏むと飛び出すような挙動を見せる。

引張り気味のシフトスケジュールは個人的に好みだし、
高速時の回転数の高さは性格を考えると目をつぶれるとしても、
変速動作の洗練度の低さはもう少し手当されても良いだろう。
逆に、そこまで開発に時間が取れませんということなのかもしれない。

ちなみに、ブレーキは社外品が着いているらしく
ブレーキダストが出ない代わりに利きはオリジナルよりは良くない。
(DS3の脳がズレそうなカックンでは無い)
しかし、国産車に乗りなれたドライバーなら
違和感は無いはずでレンタカーとして見ればむしろいい事だと思う。

●まとめ
私のDS3はクオーターパネルがまだ日本にないらしく、
修理にはしばらく時間がかかる模様。



C3にどっぷり浸かった生活をしているが、まんまるいけど、甘すぎない適度にキュートな外観。
スポーティな内装。ゼニスウィンドウによるひっくりするような開放感。
目が覚めるようなコーナリング。田舎道でのパフォーマンス。
この魅力は国産ライバルには無いものだ。更にドイツのライバルもC3の強みには勝てていない。
(特に足回りの良さは本当にハイレベル)
一方でAL4がねぇ・・・・・はやくアイシンAWにしちゃえば良いのに。
(AL4は自社製だからコストが圧倒的に有利だと思われるので換装は無理だろうな)

冒頭で「可愛いくて運動神経も良いのにあの子ちょっと天然だよね」と書いたが、
C3、何故か女性のように見える。
インタビューによれば初代C3と現行型C3のスタイリングを担当したオレグ・ソン氏は
初代C3を開発したときに奥様が妊娠されていたらしい。
彼は無意識のうちの奥様の丸いお腹にインスピレーションを受けて
C3が出来上がったとインタビューで語っていた。

そのシルエットを継承したC3もまた丸く、
その起源は女性の丸みだったのである。
そっか、だから女性的なのかと納得。

いいところ悪いところがハッキリしているだけに、
いい所が気に入って、悪いところが納得できたらC3はお勧め。

DS3の個体差として考えると、このC3はインパネ軋みが無かった。
オーディオの音量を上げてもトリムが共振したりもしなかった。
自分のDS3はやっぱりハズレ何だなぁと認識を新たにした次第。
D席シートのギシギシ音はDS3と一緒だったが、これはシートの増し締めで直る異音。

個人的にはやっぱりDS3の異音はいらないけど、毒気が欲しいし、パンチのある走りが恋しい。
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Posted at 2013/06/30 10:26:26

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この記事へのコメント

2013年6月30日 18:39
飛ばさなければC3はほんとに良い車だと思いますです。

ゼニスウィンドウは他の車でもやって欲しいな。事故ったら悲惨なんだろうけど。
コメントへの返答
2013年7月6日 18:56
そうなんです。
市街地限定ならかなりいいです。
高速でも飛ばさないと14km/Lぐらい出るみたいです。

私の乗り方がちょっといけないのかもしれません。

ゼニスといえどもあの部分は
横転でもしない限り性能に
影響がない部分だと思いますよ。
普通の構造でもFrヘッダーはそこまで
衝突安全を考えてません。
2013年7月15日 2:32
アイシンAWのフレックスロックアップがついた世代のATは本当によくできていますので,あのATを正常進化させてくれれば,大きな原チャリのような走り方をするCVTよりよぽど良かったのに…と思います.今,それを引き継いでる感じがあるのはマツダ内製のSKYACTIV-ATでしょうかね.あれはステップATの行き着く姿を示しているような気がします.
C3のATは,うちのラシーンのATと似た感じでしょうかね?基本は油圧制御のATで,ロックアップ解除や変速タイミングを外部から一応いじれるように,ソレノイドバルブを何個か追加したような…15年前なら許されますが,イマドキの新車としてはちょっと辛いですね…エンジンが美味しい素材なら,それを活かす料理の腕たるミッションが良くないと.
足回りはすごく興味あるのでいっぺん乗せてくださいw
コメントへの返答
2013年7月15日 20:21
AL4はどういう素性のATか分かりませんが、完全に時代に取り残されているような気がします。もちろん、投資も回収し、トラブルも出尽くして機械製品としては美味しいところに居るとも思います。マツダ内製のAT、あれはいいですね。ズバッと変速してくれるというのはありがたい。

来週月曜に返しちゃうので試乗はお早めに!

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「積雪地域にて。現代のクルマとはいえ10年経つとサビが発生しますね。反対側はドア表面も赤錆出てました。」
何シテル?   08/18 16:02
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