• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2016年07月26日

2001年式 ハイエース スーパーカスタムLTD感想文

2001年式 ハイエース スーパーカスタムLTD感想文 2021年12月「フルキャブ1BOX体験 追補版」から改題

先回のデリカのブログ公開直後に、
とある方のご厚意で最終型の
トヨタハイエーススーパーカスタムリミテッド(長い)に
プチ試乗させていただける運びになりましたので、
追補版を発行します。


●1BOX界のクラウン

デリカ発売の3年後、1989年に発売された4代目ハイエースはトヨタが個人ユースの多人数乗車用1BOXワゴンと商用仕様のバンを両立させるべく開発された最後のモデルである。今回試乗したモデルは1999年にマイナーチェンジが行われた1BOXワゴンの集大成とも呼べるモデルである。

本編でも触れたが、トヨタは貨客兼用のセミキャブ化にトライする為にハイエースワゴンの実質後継としてグランビアを発売、ハイエースバンの実質後継としてレジアスバンを発売したが、思わしい結果が得られず、アルファードと商用仕様に特化した5代目ハイエースにバトンタッチしている。

2002年にアルファードで世代交代するまではいち早くセミキャブ化を実現しつつ販売が好調だったキャラバン/ホーミーエルグランドに対抗する意味でもフルキャブ1BOXのハイエースは商品力強化を続けざるを得なかった苦しい事情もある。

集大成ともいえる最終型ハイエースに短時間ながら試乗できる機会があった。

1989年デビューのハイエースワゴンはより上級1BOXとしての性格を強めたモデルであり、ワゴンは全車フロアシフト、PKBはステッキ式からレバー式へ。更に動力性能向上を狙いガソリンエンジンはOHVの3Y系から新世代OHCのRZ系に維新された。

デリカの2.5Lに対抗する2.4Lガソリンエンジン仕様も追加されている。他にもワゴンへの4WDディーゼル追加などライバルや市場環境の動きに合わせた仕様展開を行っている。

プレスリリースに書かれた世界初の新機構は下記5点。
1.パワーイージーアクセスシステム
2.ジョイフルトークシステム
3.スーパースライドシート
4.電動スライドドア
5.トリプルムーンルーフ


2列目以降の乗員の利便性を向上させるアイテムばかりでいかにハイエースが多人数乗車での快適性を追及したモデルであるかが伺える。今回の試乗車はマイナーチェンジを経て最終モデルとなったフラッグシップモデルのスーパーカスタムLTD(2.4L)である。



外観は90年代後半のトヨタの高級車、特に100系マークIIに近いテイストでまとめられている。外観も1989年デビューの旧さを感じさせないように灯火類もマルチリフレクタータイプに一新されており、最上級1BOXの名に恥じない堂々としたものだ。バックドアガラスもウレタン接着剤による接着式を採用して凹凸のない現代的な見栄えとなっている。威圧感がありながらボディサイズは5No.枠ギリギリというのだから面白い。

そんなハイエースに乗り込むためにはフルキャブ式独特の「どっこいしょ」を伴うが、こればかりは仕方が無い。シートはいかにも高級な素材を駆使した密度の高い玉縁つき。当時はオールドファッションと言われながらも確実な高級感があった。ソフトパッドで覆われたクオリティの高いインパネが鎮座する。1989年から変わっていないのでインパネのデザインそのものは81マークIIのようなバイザータイプで、例えばスイッチ形状が170系コロナと良く似ていたりする。

ところが、本革×ウッドのコンビステアリング、本革シフトノブやテロテロの木目調インパネG/Nによって世界観は90年代末期の高級セダンの雰囲気を出している。極めつけはオプティトロンメーターで、デジパネに変わる高級感の演出手法として初代セルシオで初めて搭載された技術だが、2001年当時は既にカローラにも横展開していた。



オーナー曰く、フロアシフトのコンソールのせいで足元が狭いとのことだが、確かに左足はコンソールに当たる場面もある。きっとコックピット的な包まれ感をセダン感覚と解釈していたのだろう。シートは前後のみ電動調整可能で更に電動チルトが採用されている。基本的な運転姿勢も従来車の52°から39°に寝かされることで出来るだけセダン的なドラポジを取らせようとしている。

インナーミラーをふと確認すると3列目が恐ろしく長い。室内長3.1mという冗談のような室内長の恩恵で3列目の乗員の顔がかなり小さく見える。マイクを開始で会話できるジョイフルトーク開発の必要性は理解できた。



ミラーは現代的な意匠にアップデートされて異曲率のミラーを組み合わせた横長のドアミラーになっているが、風切り音には不利だが電動リモコンフェンダーミラーの方が見易いだろう。

走り始めると2RZ-E型エンジンは低速から十分なトルクを与えてくれる。4ATは予想通りのルーズな食いつきだが、むしろそれがいい。市街地走行は実に快適でしかも、静粛性が高かった。乗り味もワゴン専用のリンク式コイルサスを採用し、当時としては相当に旧式のRrサスでありながら、角のない高級車然とした乗り味に驚いた。

オーナー曰く高速道路はやはり横風が苦手とのことだが、私が市街地で短時間乗った限りでは乗降性以外の点で全くネガを感じることはなかった。この豪華絢爛さを見せ付けられてしまうと1995年の厳しい経済状況下で開発されたグランビアでハイエースの後を継ぐのは相当にハードルが高かったことであろう。

●まとめ
貨客兼用だった最後のハイエースを運転する機会を与えていただいた。室内長3m超えの圧倒的なスペース効率と、可能な限りセダン然としたコックピットによりフルキャブ型としては末期においても一定の競争力を確保していたのは驚きだ。

商用を諦めることで日本のミニバンはファミリーカーとして重要な地位を占めることができたが、デリカに続いてフルキャブ最後の牙城であるハイエースワゴンに触れることで存分に集大成の完成度を味わうことが出来た。オーナーに感謝。
ブログ一覧 | 感想文_トヨタ・レクサス | 日記
Posted at 2016/07/26 21:47:03

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

レプリカヘルメット
THE TALLさん

末廣ラーメン本舗 カップ麺
RS_梅千代さん

朝の一杯 5/27
とも ucf31さん

クロスト君は納車から1年と274目 ...
Jimmy’s SUBARUさん

お問合せ多数!!GRヤリス フロン ...
AXIS PARTSさん

愛車と出会って8年!
かむ。さん

この記事へのコメント

2016年7月26日 22:34
この世代のハイエースワゴンは、中期で3.0ディーゼルが追加されて以降、そちらが中心で売れていた印象が強くて、最終型の2.4となると、希少な印象が強くなりますね。

長い歴史の中で、大きな変更となったと思うのは、やはり中期で、ディーゼルの拡大以外にも、内装色が80年代の印象を残すマルーンからブラウン系のアンティロープに変更されたりとか、言及されているセンターコンソールの大型化もこの時ですね。
この時からの灰皿&ライター、その下の小物入れは、既にセダンのみに絞られていた81からの流用というのが、記憶に残っています。

グランビア系登場後も、この型は根強い人気でしたから、現行のナロー版スーパーGLベースのワゴンを作れば、一定数の需要が見込めると思うのですけれどね。
コメントへの返答
2016年7月27日 22:31
コメント有難うございます。
私もハイエースといえばディーゼルという印象です。ガソリンのハイエースは本当に静かで私がイメージするワンボックスの騒々しさとは遠いところに位置していました。ご指摘の通り、インパネの色が中期以降大きく変わっていて、これが90年代らしさに貢献していますね。しかもマークIIの小物入れを流用しているとは知りませんでした。

グランビアがあんな感じだったので、豪華絢爛で広いハイエース支持層が離れなかったことも容易に想像がつきます。完成度が高かったですから。

現行のナローバンベースのハイエース。スーパーカスタムリミテッド、脳内で想像すると胸が膨らみますが、Rrサスがリーフリジッドしか無いためにポンポン跳ねそうです。ワイドボデーのコミューターに載せてもらったことがありますが、乗り心地はお世辞にもいいとはいえませんでした。内装を仕立てて静粛性と乗り心地をセダンに近づける投資を考えるとアルファードでがっちり儲けようという結論にたどり着きそうです(笑)
でもきっと長年のファンが喜ぶでしょうね。
2016年7月28日 16:38
はじめまして、みん友さんのいいねより参りました。
ハイエース、しかもスーパーカスタムリミテッドと聞き。いてもたっても居られなくなりコメント失礼します。
当方前期、中期とハイエースばかり3台も乗り継ぎましたもので
センターコンソールの件、多分僕ですw
(なんか81のファンサイトで質問したような気が)

当時81から乗り換えたので、81の純正ノンスモーカーボックスを引き継いで使ってました。
出来る事ならもう一度乗りたいです。
本当に、今のただバカでかいだけのミニバンよりハイエースの方がいいですよ



コメントへの返答
2016年7月28日 21:43
はじめまして!
コメント有難うございます。

子供の頃から当たり前のように見ていながら今回やっと100系ハイエースを運転する機械に恵まれました。

部品の流用というのは一般的に部品費を安くあげるためによくやる手段ですが、高級感向上アイテムとして流用されるのは面白い例だと思います。(そして減価償却の終わった部品ですから部品費もがっちり儲かる)

今は5ナンバー枠が外れてしまい、巨大化の一途ですね。ハイエースのスペース効率は驚きでした。
2016年7月28日 18:36
初めまして
イイねからきました。
自分は免許取得して
最初に購入した車が
中古の100系
ハイエーススーパーカスタムリミテッド
EFIディーゼルターボでした。

前オーナーさんがMOPで
トヨタ純正クリーンエースや
トヨタ純正CDプレイヤー
トヨタ純正クリアランス&バックソナー
トヨタ純正湯沸かしポット・アイスメーカー付き
冷温蔵庫を注文されてて
他に字光式ナンバーやDOPで
トヨタ純正クリーンエース
トヨタ純正6・5インチカラーテレビを
注文されてた様で装備されていました。

今思うと内装も豪華でデジタルメーターなど
自分があった方が良い装備が
すべて揃っていたので
良い車でしたね。
コメントへの返答
2016年7月28日 21:50
はじめまして!
コメント有難うございます。

初めてのクルマがハイエースとは何と高級車からスタートされたことでしょうか。
デジパネのような高級セダンの必須装備に加え当時のワンボックスの「走る応接間」的な世界観を見事に表現した冷温蔵庫は当時ならではの装備品といえましょう。

私は免許を取ってからしばらくは両親のライトエースノアを貸してもらっておりましたが、最初のクルマというのはとても印象に残るものですね。

今回試乗させていただいたハイエースは80年代的価値観を上手に90年代的価値観に変換した一台でした。

プロフィール

「米津玄師のPVにプログレ後期が出ている!」
何シテル?   05/28 00:26
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11121314151617
181920212223 24
25262728293031

リンク・クリップ

ゴールデンスランバー 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/05/26 09:45:46
ぶらり・・・ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/05/25 20:59:03
2006年式タントVS感想文  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/05/23 09:03:18

愛車一覧

トヨタ カローラ トヨタ カローラ
1989年式(マイナーチェンジ直前) カローラGT。 ヤフオクで発見し、 不人気車ゆえに ...
トヨタ RAV4 L トヨタ RAV4 L
1996年式 標準グレード。 私が小学生だった1994年、RAV4が颯爽と登場した。私 ...
トヨタ プログレ トヨタ プログレ
2000年式 NC250。 長年、趣味の先輩達と車談義を重ねる中で定期的に「プログレは ...
シトロエン DS3 シトロエン DS3
2011年式 スポーツシック・エディションノアールII。 ラテン系ホットハッチ(プレミア ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation