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2020年03月28日

2017年式RX200t Fスポーツ感想文

2017年式RX200t Fスポーツ感想文
レビュー情報
メーカー/モデル名 レクサス / RX 200t“Fスポーツ”(ECT_2.0) (2016年)
乗車人数 3人
使用目的 レジャー
乗車形式 レンタカー
総合評価
おすすめ度
4
満足している点
1.8AR型エンジン+6ATのフィーリング
2.誰にでも分かる高級感
3.高速道路における安定感
4.スイッチ類の使い勝手はLSを凌ぐ
5.セダン感覚とSUVとの調和はさすがパイオニア
6.レクサス流の一筆が分かり易い
不満な点
1.カメラ使用前提のボディサイズ
2.高いローディングハイト
3.フード裏のチラ見え
4.LTAの洗練度
5.市街地における乗り心地・アイドル振動
6.使えないマニュアルモードの1速
総評 セダンの様に一流ホテルのエントランスに乗り付けられるクロスオーバー4WD、それが1997年に発売された初代RX300(初代ハリアー)だった。当時のカムリグラシアと共通のP/Fを改良し車高を嵩上げしてクロカン風のプロポーションを得た。既に存在したブレーム構造を持つクロスカントリー4WD上級ワゴン(パジェロ、ランクル・プラド、ビッグホーン)等と比べて市街地でも扱えるサイズと軽量なモノコック構造による低燃費、洗練されたNV性能とメカニズムの簡略化で原資を得たプレミアム性などまさにブルーオーシャン戦略的なモデルだ。後に世界中のプレミアムブランドがRXを模したモデルをラインナップに加えた。日本車のやることなすこと「所詮欧州車のモノマネ・盗作だ」と言うのがテンプレート化したの日本車評なのだが、プレミアムSUVは日本発の商品だ。

試乗したのは2015年にFMCされた4代目の2.0LターボE/Gを搭載したFスポーツである。税込み本体価格579万円に対してMOPでインテリジェントクリアランスソナー+RCTA(ブレーキ機能付)+BSM+パノラミックビューモニター(17.3万円)とITSコネクト(2.7万円)、アダプティブハイビーム(4.9万円)、ムーンルーフ(10.8万円)、後席シートヒーター(2.2万円)を追加。車両価格は合計で616.9万円となる。



ボディサイズ4890×1895×1710mm 、ホイールベース2790mm という寸法は主戦場である北米のミディアムサイズだ。(あのでかいRAV4やNXは彼らにとってスモールSUV)いくら主戦場ではちょうど良くても日本では相当に大きく、運転するのが気後れするほどだ。

4代目の外形意匠は従来までのRXと比較して一層セダンらしさを追い求めている。4代目RXがデビュー1年前に発売されたNXと類似したフロントマスクはFスポーツ専用のメッシュのラジエーターグリルとAHSを備えた三眼LEDヘッドライトで構成される。



RX200tはクオーターガラスの外形ラインがあたかもセダンのクオーターピラーを思わせる。20インチの大径ホイールを履き、全長が110mm延長し、ホイールベースを40mm延長し、最低地上高を先代よりも20mm程度持ち上げて200mm確保した。そしてFrオーバーハングを延長してエレガントなノーズ部分を演出した。

RX200tの主戦場の北米ではRXはLDT(ライトデューティトラック)に分類される。日本の商用車・軽自動車のように規制緩和を受けられるメリットがあるが、3代目RXまではその要件をアプローチアングルで満たしていた。4代目では伸びやかな意匠を実現する為に最低地上高(8吋)を満たしLDT要件を満たした。



Rrもキャビンを薄く見せながら視界に入りがちなRrワイパーをアルファードのようにRrスポイラー内蔵とする事ですっきりとした見栄えにできた。シーケンシャルターンが少々エグ味をつけている以外はシンプルと言え、Frの顔つきはエグく、それがサイド、Rrに進むに従って段々とスッキリしてくるのがRX200tだ。今販売されているマイナーチェンジモデルはエモーショナル成分を少し控えめにして顔つきもホッとする方向に戻した点は喜ばしい。

内装はセンタークラスターを強調するNXと異なり、あたかもセダンのような雰囲気で統一される。スポーティグレードであるFスポーツは専用のダークローズの本革シートやディンプル模様があしらわれた本革ステアリングに加えてタコメーターを強調した専用のスピードメーターが装備されており、写真だけ見せられてもこれがSUVだと気づく人は居ないかもしれない。



コックピット感を出しながらも広々とした贅沢さが感じられるのはボディサイズに恵まれているからだ。特にセンターコンソールはドライブモードセレクタにシフトノブとコマンダーとカップホルダー、シートヒーター/ベンチレーションのスイッチを擁しながらレーザーカットの木目パネルを見せる余裕を持っている。



個人的に注目したのは空調のダクトだ。ただの四角いダクトに見えるかもしれないが、RX200tのダクトは断面が大きい。一般的なダクトの1.5倍程度は大きい。空調性能に影響を与える流量は流量をQとすると、断面積Aと流速Vの掛け算「Q=AV」で求められる。ダクトを大きくしてやればブロアファンで流速を稼がなくても流量が確保できることになる。ダクト断面拡大はスペースを食う為、場所取り合戦が熾烈な小型車でこの対策を採用できない。その意味でRX200tの大きなダクトは余裕あるボディサイズを活かした高級車らしい騒音対策といえるだろう。私は意地悪して風量最大で耳を澄ましたが、私たちに頑張りを感じさせないで黒子に徹しながら空調を行う慎ましさにレクサスを感じた。

3日間共に生活してみて、RXのオールマイティな性格が理解できた。また、EPB、AHS、ACCなどの新装備はBセグや軽自動車にも設定が拡大しているが、装備がある事実は同じでも、そのセッティングには高級車としてのこだわりが感じられたのは大きな収穫だった。ボディサイズ以外はオールマイティな性格を持つ、これが私の総合的な感想だ。

項目別評価
走行性能
☆☆☆☆☆無評価
少々重さのあるドアを開けた。ドアを開けると少しだけゴリっとした感触があるので、よく見ると型鋼ヒンジが採用されていた。プレスヒンジより剛性があり、配置や意匠自由度があるが、コストが高い為、現代ではLSにしか使わないと思っていた。RXにこれを採用したのは意匠がRXの重要なポイントだったからなのだろう。最低地上高を上げたのが裏目に出たのかヒップポイントが少々高目でよじ登るような感覚で運転席に座る。良いドアしまり音を堪能しつつ、シートベルトを締めるとステアリングとシートがドライビングポジションに移動してくれる。少々のステアリングセンターズレが認められるも、それなりにドラポジも決まるし、SUVらしくアップライトなコマンダーポジションをとってもヘッドクリアランスに余裕がある。



このクラスでは当然EPBなのでドライブレンジに入れれば自動的にPKB解除となる。ズボラな私はすぐHOLDスイッチをONにする。この機能があればDレンジで信号待ちしていてもブレーキをかけ続けておいてくれ、信号が青に変わりアクセルを少し踏めば直ちにPKBは解除される。随分とEPBも一般的になったが、アクセルを踏んで解除する際に飛出し感が出る車種もある中でRX200tのそれは実にスムースだ。EPBと電子制御スロットルの協調性がよく躾けられている。

住宅地の走行では絶え間なくボディサイズを意識させられた。例えば名古屋の八事付近のアップダウンが激しい路地を曲がる際も「曲がりきれるだろうか」と自問自答しながらステアリングを切る。最小回転半径が5.9mという凄い数値なので、せわしなくステアリングを回して角を曲がること複数回。こういうシーンでパノラミックビューモニターは良い仕事をするので、常にモニター映像と予測線を頼りにRX200tを操る。難点は夜間におけるモニターの性能が然程良くないため、見えにくい中で巨体を操る事になり何回か怖い思いをした。

フードがちゃんと見えるデザインなのでフロントの視界は問題ないのだが、サイド、リアの視界はお世辞にも良くない。そもそもガラスまでが遠くて果てしない。視界ついでにウインドシールドガラスの両サイドの下端位置はフードの裏面が見えて不恰好であった。こういう部分はスタイル命のRX200tにとっては好ましくない。新型RAV4は同様の部分をうまくセラミックで消しているのでRXも追随すべきだろう。

市街地へ出ても車体の大きさは常に意識させられる。道路の幅も大きくなるし周囲の車もなんとなく自車を避けて走ってくれるので楽と言えば楽なのだが、何故かメルセデスだけは私たちに厳しかった。早めに方向指示器を出していても車間を詰められて曲がれなかったりしたこと数回。まだまだジャーマン3の壁は高いのかなと。

試乗車はITSコネクトが装備されていた。これは自車と他車、或いは道路と連携するITS機能である。
この機能があれば信号の待ち時間が表示されたり、緊急車両の接近を教えてくれたりする。もちろんタダでついているならありがたいが、わざわざ投資してまで追加しようとは思えなかった。このサービスは限られた地域しか実施されていないので、全車標準には出来なかったのだろう。

星が丘付近を走らせると周囲にRX200tやRX450hがたくさん走っている事に気づいた。確かに高所得層がたくさん住んでいる地域とは言えどもサングラスをかけたマダムが颯爽とRXを走らせている姿を目の当たりにして私はちょっと持て余しながら慎重にドライブしているのが少しかっこ悪くもあった。北米でも「お母さんの車」というイメージらしいのだが、日本でも「ちょっとカッコいいマダムの車」という感じだった。例のレクサス店ではちゃんとお辞儀してくれた。



都市をゆったりと走るRX200tだが、ボディサイズ以外の身のこなしは意外と悪くない。8AR型4気筒2.0Lターボエンジンは低速からトルクがあり、6速ATを介して十分な駆動力を吐き出してくれる。1910kgという車体を感じさせないレスポンスの良い加速はボディサイズを忘れそうになる。やはりRX200tが輝くのは高速道路だろう。個人的には大きい車の試乗機会が増えたが、彼らの例に漏れずRX200tが本領を発揮するのも高速道路だ。

ETCゲートを越えて本線に流入し、しばらく慣熟走行を行いながらレーダークルーズコントロールを作動させた。前車に追突するリスクを軽減しながらロングツーリングの疲労を軽減させる。もはやこの装備も登場から15年以上経過し、軽自動車でも装備される時代になったがRX200tの場合、自車線の前に割り込み車両が入ってきても、急ブレーキをかけずGを出さずに所定の車間距離を確保してくれることに感心した。車間を測定し、車間が詰まるとブレーキをかけるという機能は同じだとしても機能の作り込みのレベルの高さはさすがレクサス品質だった。

一方で感心しない機能もあった。SUVの見晴らしの良さは名港トリトンでもパノラマ感が楽しめる。当日は強い横風が吹いていたがロングホイールベースを誇る割りにとても横風に流されるしステアリングもとられてまっすぐ走らせるのに筋力が要る。これはたまらないと思っていたが実はLTA(レーントレーシングアシスト)が作動していただけだった。LTAは前方の車両を検知し、前車の動きと白線を頼りに車線維持の補助をする装備なのだが、高速道路を真っ直ぐ走れない若葉マークのドライバーの運転をトレースしていただけだったのだ。RX200tはその運転に追従して蛇行しようとするが、ドライバーの私は真っ直ぐ走りたいのでそこでステアリングに抵抗を感じていた。あまりにも抵抗されるのでステアリングから手を離さず力を抜いていると「ステアリングを操作してください」と警告メッセージが出る始末。結局LTAをカットしたほうが疲労感は少なく、時折LTAを使い、違和感を確認しつつ、基本的には自分のステアリング操作で300km以上高速走行を楽しんだ。

LTAや細かい不満点はあれどもそれなりに良いオーディオで音楽が楽しめるし、E/Gからの音も然程気にならないレベルであった。100km/h時の回転数は1800rpm付近。ノーマルモードでも十分なトルクがあり、エコモードに入れてクルーズコントロールでのんびり走った。

一箇所だけ閑散とした長いトンネルがありそこで超高速を確認した。アクセルを深く踏み込むとビッグトルクで車体を引っ張りあっという間に頭打ち。車高が高いSUVで超高速域なので流石にふわついているが、私も含め一般的なドライバーがこの速度域で走り続けることは無いだろう。敢えて強い制動をかけたが、ものすごい運動エネルギーをしっかり熱に変換してくれるブレーキは優秀であった。50年以上前の国産車は高速道路でブレーキをかけただけでフェードしてしまったらしいので重量級のRX200tが安心して減速できることに自動車技術の進歩を感じた。ただし、フットブレーキには満足したがエンジンブレーキに不満が残る。SAやICで100km/hから減速する際にパドルシフトを利用してエンジンブレーキをかけるが、2速まではリズミカルに変速できても1速へは35km/hを下回らないと変速できずストレスが溜まった。「そういえばNXも同じだった」と思い出すまでそれほど時間はかからなかった。同じパワートレーン、ドライブトレーンの宿命か。

走行性能をまとめると確かに高い次元でSUVの見晴らしとセダン感覚の走りが両立していた。ただしボディサイズが大きすぎて乗る場所を選ぶ。
乗り心地
☆☆☆☆☆無評価
乗り心地は20吋を履いているとは思えないほどで、キャッツアイを踏んでも角がない一方で荒れた舗装ではインパネから音が出るようなシーンもあった。Fスポーツと言うキャラクターを考えればギリギリOKだ。
積載性
☆☆☆☆☆無評価
ラゲージは広い。その広さを活かして自宅のラックを捨てにクリーンセンターを訪れたが、ラックを載せる際、Rrシートを倒す必要があったがレバー操作一つでシートバックが倒れてフラットな荷室が得られたのは便利だった。私のRAV4だったら助手席まで使って運ぶところを、RX200tならRrシートを倒すだけで詰めてしまうのだから便利と言わざるを得ない。



また、スーパーで食料品を買ったが、買い物袋をラゲージに積む混み際、リモコン操作でバックドアが操作できて大変便利だった。

欠点はデザイン優先の為にローディングハイトが高すぎて買い物袋を高い位置まで持ち上げることが大変厄介だった。



あまり本気でRXに荷物を積む人は居ないのだろうか。海外旅行のためのスーツケースの積み下ろしは結構大変そうだ。
燃費
☆☆☆☆☆無評価
燃費はJC08モードで11.8km/Lのところ、返却時に10km/Lであった。高速道路では巡航時は10km/L強だが、状況が良ければ15km/L付近を指している時間も長い。市街地は加速を繰り返すことで8km/L付近まで落ち込んでしまう。アイドリングストップがあるので多少はマシなのだろうが、巡航時と市街地の落差が余りにも大きいのは典型的な重量級モデルの傾向だ。ATを多段化するとさらに良化するかも知れないが、個人的にはリッター10km/L程度で走れるならばパフォーマンスを考えれば上出来だと思う。
ブログ一覧 | クルマレビュー
Posted at 2020/03/28 01:23:44

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この記事へのコメント

2020年3月31日 7:01
はじめまして。
わかりやすい文章でプロの方かと思いました。
NXとアルファードのレポもぜひ読んでみたいです。
お時間があれば、お願い致します。
コメントへの返答
2020年3月31日 23:36
はじめまして!
コメント有難うございます。プロだなんてとんでもない話でして、完全に素人ゆえ、言いたいことが言える結果のブログです。

NXは下記の通りレポートさせていただいております。よろしければご覧下さいませ。アルファードは試乗できておりませんが、機会がありましたらレポートしますね。

前編:https://minkara.carview.co.jp/userid/910951/blog/34034956/

後編:https://minkara.carview.co.jp/userid/910951/blog/34123138/

追補版:https://minkara.carview.co.jp/userid/910951/blog/38300550/

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「@M-T-K さん キャラメルコーンにもグランデが出ました!カロリーモンスターなので躊躇してますが、キャラメルコーン グランデGがでたら買うかも!」
何シテル?   05/04 22:25
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