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2024年08月09日

トヨタ博物館企画展「お蔵出し展」

トヨタ博物館企画展「お蔵出し展」 開催は既に終わっていますがトヨタ博物館お蔵出し展という企画展に行ってきたので記録に残したい。

~公式紹介文~

トヨタ博物館では、クルマ館の常設展示車両140台のほかに400台あまりの歴史的に貴重な車両を収蔵しています。今回は「お蔵出し展」と銘打ち、泣く泣く常設展示を見送っている収蔵車400台の中からレアな13台を展示いたします。

60年前に日本や欧州の道を庶民の足として走り回った大衆車、1960-1970年代の日米欧の伝説的なスポーツカー、1964年の東京オリンピックで選手の移動をサポートしたコミューターバス、日本車でありながら日本には導入されなかった海外市場専用車など5つのテーマに分けて紹介します。展示のたびに大人気となるクルマはもちろん、今回初めてご覧いただく希少車もあるのではないでしょうか。活躍した時代も場所も異なる様々なクルマたちをお届けいたします。


そもそもトヨタ博物館は400台余りも歴史的な自動車達を保有しており、さらに幅広いジャンルのモデルを満遍なくコレクションしているということは尊敬に値する。これも新車をたくさん作ってたくさん売って得た収益が原資になっている。企業としての利潤の追求だけでなく社会貢献、特に自動車文化の醸成に一役買っていることは間違いな事実だし、昨今のトレンドで無く1989年から連綿と続けられてきた点も素晴らしい。

その気になれば今のラインナップをまるごと入れ替えても見応えのある「裏トヨタ博物館」が作れちゃうんじゃ無いかとも思われる。

●1950-60年代の日本と欧州の大衆車

↑偶然なのか信号機の並びと一緒

DAF 600(1959年・オランダ)

↑この繊細なエンブレムにはDAFと書かれている。
Commanditaire Vennootschap Hub van Doorne's Machinefabriek
(フップ・ファン・ドールネの機械工場合資会社)を意味する。


↑展示車は1959年式で590cc水平対向2気筒E/Gを搭載。


↑最大の特徴はベルト式CVT(ヴァリオマチック)。画期的だが明らかにスペース効率には劣っていた。

トラバント 601 ユニバーサル(1965年・東ドイツ)

↑紙でできたボディと称されることの多い大衆車。
実際はFRPボディだったが、末期は困窮の余り本当に紙も入っていたという。


↑展示車はステーションワゴンタイプのユニバーサル。
メッキの代わりに車体色で塗装されて装飾も最低限。


↑シート上部の幾何学模様がお洒落


↑ステアリングは何故か燃えたような跡が。
ピンボケながらコラムシフトが見える。


↑コーナー部だけ着いている謎のドアバイザー

三菱 コルト1000F(1968年・日本)

↑ファストバックスタイルを採用し、4ストE/Gを搭載したコルト1000Fは
岡山県の水島製作所で開発・生産された


↑履いているタイヤはBSスカイウェイ


↑Rrタイヤが隠れる姿は後の三菱車(トレディア)が思い出された。

●日米欧、憧れのスポーツカー3選
シボレー コルベット スティングレイ(1963年・アメリカ)

↑低く長いノーズ、短いキャビンは古典的スポーツカーのプロポーション


↑2代目コルベット初期型の特徴は分割されたRrガラス


↑RHD化も容易な左右対称レイアウト。
メーターの意匠に統一感があって良い。


↑フェンダーの峰が美しい


↑回転式のリトラクタブルヘッドライト

日産 スカイラインGT-R(1970年・日本)

↑余りにも有名なハコスカGT-R(ガラスが透明だから本物www)
今でもたくさん走っているが、オリジナルの姿が残る本個体は貴重。


↑オーディオや追加メーターに前オーナーの個性が宿る


↑今よりもエンブレム類がしっかりしていて所有欲をくすぐる


↑美しいサーフィンラインを邪魔しないフューエルリッド


↑タイヤはヨコハマの復刻版


↑これもロングノーズショートデッキが古典的で格好いい


↑必要なのでオーバーフェンダー・リアスポイラー。
加飾とは異なる格好良さがある

ロータス エランS4(1972年・イギリス)



↑ユーノス・ロードスターの先生。とにかくプロポーションが良い。


↑E/G負圧で駆動するリトラクタブルヘッドライトだったはず。ゆっくり優しく開く


↑このインテリアは1960年代スタイル。木目で高級感あり

●日本では見られない日本車
トヨタ バンデランテ(2001年・ブラジル)

↑ただのランクルに見えるんですが異様な角形ヘッドライト
ブラジルで現地生産されていたバンデランテ(開拓者)


↑バンデランテは1962年からブラジルで生産されてきた。
国産化比率を高めるためブラジル・ベンツ製E/Gを搭載していた


↑1968年に国産化率100%を達成、
FMCされて40系ベースとなり2001年まで10万台余りが生産された。
ブラジルトヨタにはトヨタ創業期の700tクランクプレス機が
海を渡って稼働していたという。

トヨタ ハイラックス VIGO(2005年・タイ)

↑海外市場専用車を海外のみで国際分業する
IMV(Innovative International Multipurpose Vehicle)プロジェクトの成果


↑デカールが80年代っぽくて格好いい。


↑インタークーラーもアピール。意匠されてる!


↑耐候性が高い硬質樹脂の内装は2004年というより
1990年代後半のトヨタRV車という感じ


↑テールゲートはTOYOTA模様が欲しい(多分設定あり)

トヨタ アイゴ(2006年・チェコ)

↑CO2規制強化に対応してBセグ級の商品強化に対応するため、
PSA(現ストランティス)との協業でBセグ以下の参入を行った。



↑欧州ベーシックカーらしい簡素な室内(セミトリム)


↑好き者が泣いて喜ぶリモコンドアミラー(電動とは言っていない)


↑機能的な硬質樹脂ながらツートンのモダンなインテリア。
専用オーディオ(盗難防止)が当時風


↑それでいてコンチネンタルタイヤ


↑サイドシル下部が張り出して整流効果+飛び石対策を兼ねるのが欧州流(乗降性と背反)

●昭和のコミューターバス
トヨタ ライトバス(1963年・日本)

↑ダイナ派生車だったライトバス。爽やかな水色と白色のツートンカラー


↑荒川板金工業(のちのアラコ→トヨタ車体)製のボディが架装されている


↑大きな面積の鋼板を繋ぐ為、リベット留め工法が使われている。(溶接は難しい)


↑リベットも意匠上のアクセントにしているところがカワイイ


↑本個体はトヨタ車体有志によって3台のドナーから復活させた一台。


↑トヨタ2000GTに流用されたRrコンビランプレンズは余りにも有名


↑応力集中する角部にはパッチの設定あり。ここから切れるんだろう

●トヨタ博物館が収蔵する二輪車
三菱 十字号 自転車(1947年・日本)

↑トヨタ博物館が自転車を持っている事も驚きだ。
微かな記憶だと本個体は旧「新館」に展示してあったような・・・
↑三菱重工が民生事業参入の考えて、零戦の素材を使って作った自転車だ


↑設計は本庄季郎氏。(アニメ風立ちぬにも出てくる方)
直線的なフレームが美しく、ダイヤモンド型と較べて乗降性良さそう。
簡素なプレス成型を多用し、接合は溶接では無くリベット留め。
クラフトマンシップを感じる。

三菱 シルバーピジョン(1949年・日本)

↑三菱重工が同じく民生事業に参入した一台。


↑シルバーピジョンは平和の象徴鳩に由来する。
手書き感あふれる三菱マークが微笑ましい


↑国内市場で善戦していたが、4輪参入のため生産中止となった。

ホンダ スーパーカブ CA100型(1962年・日本)

↑CUBとは猛獣の子供という意味。小型でパワフルなイメージから命名。
カブは補助エンジンキットだったが、これを継承するオートバイにスーパーカブと命名


↑展示車は輸出仕様車で楽しげな赤白ツートンカラーである。
ならず者の相棒というイメージだったオートバイの否定的イメージを明るい宣伝広告によって払拭し、
のちにビーチボーイズの楽曲まで作られる程の人気を得た

~おわりに~

お蔵出し展はトヨタ博物館のコレクションの手厚さに驚くだけでなく、内容的にも楽しめた。企画展の装飾も実際の収蔵庫をイメージしている上に照明も薄暗く、こっそりと収蔵庫を除いているような楽しい感覚に浸れるのも嬉しいものだ。

いつもなら、全台では無いが360度見えるようになっていたり、じっくりとディテールに浸れる展示車もあったのだが、所狭しと置かれていてじっくり見られないのが少し寂しくもあり、同時に一台でも来館者に見てもらいたい!という作り手の意気込みとも感じられた。

展示を見終えて出ようとすると、白黒のパネルが目に飛び込んでくるが今回展示されていなかった収蔵車たちのスパイショット?である。





前期型ヒラメのセリカ(特にノッチバック)はモダンな80年代デザインで好きなのだが、渋すぎるビスタGTにはびっくり仰天した。
いつの日か「企画展 トヨタツインカム搭載車展」があれば展示していただきたい。


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Posted at 2024/08/09 11:17:38

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この記事へのコメント

2024年8月9日 21:22
私も観覧しました。

まさかDAFやらコルト1000Fの極上車を所蔵していたとは。
意外でした。
また、2000年代車が並ぶようになったのは時の流れを感じます。
最終バンデランテは初代ヴィッツと同世代に見えませんがw

そういえば、どこかに書いてあった受け売りですが、2000GT開発時に参考車両として買った新車のエランは、構造を見る為に輪切りになったそうです(いつの時代も、どこでもやっている当たり前の調査ですけどねw)。

トヨタツインカム展はぜひとも開催してほしいですねぇ。高性能と扱いやすさを両立しているのがトヨタ製ツインカムエンジンの素晴らしいところ。3Mから2ZZまで揃ったら圧巻だろうなぁ。
コメントへの返答
2024年8月9日 23:11
コメント有り難うございます。
トヨタ博物館のコレクション内容は素晴らしいなと思います。分かってる人が中に居るんでしょうね。2000年代も立派なクラシックカー?ですか・・・。アイゴとか最近まで並行輸入車が隣町を走ってましたが。

エランがぶつ切りになったのは、バックボーンフレームの開発に役立ったでしょうね。どんな部材(材質板厚)をどんな風に繋いでいるか?どんな表面処理をしているか・・・などなど切り刻まないと分からないことも多いですよね。

何となく選ばれし13台(時代は前後してますが・・・)

「トヨタスポーツツインカム展」

①トヨタ2000GT(3M型)
・・・ボンドカーならなお良し

②トヨタ1600GT(9R)
・・・RTXならなお良し

③カリーナGT(2T-G)

④セリカLB(18R-G)

⑤カローラセダンGT(2T-GEU)
・・・忖度

⑥カリーナGT-TR(3T-GTEU)

⑦クラウン(5M-GEU)

⑧スプリンタートレノ3ドア(4A-GEU)
・・・AE86は外せないはず

⑨MR2(4A-GZE)

⑩セリカGT-FOUR(3S-GTEU)

⑪チェイサー(1G-GTE)
・・・1JZ-GTEも捨てがたい

⑫レビンGT-APEX(4A-GE)
・・・銀ヘッド。会期後半で黒ヘッドのカロゴンと入れ替え

⑬アルテッツァ(3S-GE)

⑬WiLL VS(2ZZ-GE)
・・・もしくはセリカ、もしくは北米カローラXRS

ロビー LFA(1LR-GUE)

ロビー レクサスIS-F(2UR-GSE)

ロビー LBX (G16E-GTE)
・・・ヨイショ枠

上記、トヨタ博物館側が所有しているかどうかは別として考えるのは大変でした(笑)

Akasakaさんは、何を並べますか?

集客が期待できませんが3S-FE展とか90年代RVブーム展も開きたいですが。
2024年8月10日 9:55
連投失礼致します。

私は「ツインカムorターボ論争」を幼少期に目の当たりにしましたので、ツインカム展はNA縛りです。

①2000GT(3M):クルマそのものからして金字塔。

②1600GT(9R):見た目はコロナだけど別車種という奥ゆかしさが素晴らしい。

③初代コロナマークⅡGSS(10R):祖父が乗ってたから(爆)

④TA22セリカGT(2T-G):開発時に参考としたのはフィアットの量産ツインカムだったとか。

⑤KP47スターレットTS車(3K-R):後の4バルブ化に繋がる技術だと思うので。

⑥RA40セリカ2000GT(18R-GEU):EFI&環境規制対応は大きな転換点であり進化。

⑦MZ10ソアラ2800GT(5M-GEU):常設展示とは別個体を希望。

⑧AE86レビン・トレノ(4A-GEU):FF化も取り上げたいのであれば、トヨ博所蔵のAE82セダンGTも有。

⑨GX71マークⅡグランデ(1G-GEU):当時は本当に爆発的人気、注目度の高い展示車になると思います。

⑩ST162カリーナED(3S-GEU):デビュー時は車体と共に、とにかく新しいと感じたスポーツユニット。

⑪AE101レビン・トレノ(5バルブ):黒ヘッドでも可は同意です。

⑫SXE10アルテッツァ:VVT搭載車として。

⑬ZZT231セリカSS-Ⅱ:最後の純「G」ヘッドだと思ってます。

ハイメカツインカム展は産業技術記念館の方でやりましょうw
最初期3SのSV20カムリを置きたいところですが、現代の世界的マーケティングを考慮し、ノイマイヤーさんのRAV4を3S-FE車として借用展示、4A-FEは私のコロナGXで(爆)
あと、海外でメジャーな5S(2.2ℓ)も何とかしたいですねぇ。

90年代RV車は時代考証に拘りたいところ。
130サーフ後期SSR-GにTERZO背面キャリア、スキー場や旧ロゴOAKLEYのステッカー。アルペンとかミズノCMの世界観を再現したいですwww
コメントへの返答
2024年8月11日 0:06
早速の偏心ありがとうございます。

やっぱり、個人差があって面白いですね。対象になる車が多いのでNA縛りが魅力的でしたが、集客を考えると3S-GTEUのセリカGT-FOURや2JZ-GTEのスープラを外せないという苦肉の策でした(笑)

3K-Rは私には思いつかない素晴らしい着眼点ですね。4バルブDOHCを大衆化した功績はトヨタにこそあると思っているのでこれは外せませんね。E/G単体の展示でもいいかも。

そして2000GTや1600GGT、AE86や初代ソアラは既に常設展示されていて目新しさがないのでこれも悩みどころです。敢えて外すか別個体に挑戦するか・・・。

水素4A-Gも展示したくなりますね。

そしてハイメカ展を産業技術記念館というのもナイスアイデアです。ちょうどテクノランドにシザーズギア駆動のDOHCの手回しデモ機もありますし。

RVブームは「デートカー展」的なノリで再現できる気がしています。そして私もそれに涙を流しながら懐かしんでしまいそう。こういう妄想は楽しいですね。世界中の選手を呼べる立場になって世界最強のサッカーチームを作る的な感じでしょうか。定期的に妄想したいと思います。

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「@凌志 さん 左上のコピーから類推して たまらなくテイスティ?」
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