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ノイマイヤーのブログ一覧

2024年08月19日 イイね!

愛車と出会って8年!

愛車と出会って8年!8月19日で愛車と出会って8年になります!
この1年の愛車との思い出を振り返ります!

■この1年でこんな整備をしました!
E/Gオイル+フィルタ交換 夏冬タイヤ交換
Frワイパーブレード交換 補機バッテリ交換
Frドライブシャフト交換(リビルト品)
ギアオイル交換 Rrショックアブソーバ交換
ブロワモータ交換 レジスタ塗装
タイヤパンク応急処置
LLC交換 ブレーキ(クラッチ)フルード交換
Frブレーキパッド+ロータ交換
ドームランプのマップランプ同期点灯化
室内灯LED化(電球色)

■愛車のイイね!数(2024年08月19日時点)
331イイね!

■これからいじりたいところは・・・
ボディのオールペン(するために程度の良いルーフモール捜索中)
足回りリフレッシュ(部品確保済)
初期型グリルガード交換(出来るかな・・・)
トリップメーター修理(壊れてます)
Frパワーウィンドゥレギュレーター修理

>そろそろ外装を直したいが、ルーフモールが見つからないのでSTAY中。
>その他外装部品もヤレているので手を入れたいが修復方法検討中

■愛車に一言
毎日酷使してすみません。
8年も乗っているようですが納車時の喜びは昨日の事のように鮮明です。
悪路の頼もしさと両立したスペシャルティクーペの様な爽快感と
3ドアの割に高い実用性に助けられています。
必ずまたイベントに出せるくらい綺麗に直します。(1~2年スパンで考えます)

>>愛車プロフィールはこちら
Posted at 2024/08/19 23:47:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | RAV4 | クルマ
2024年08月09日 イイね!

トヨタ博物館企画展「お蔵出し展」

トヨタ博物館企画展「お蔵出し展」開催は既に終わっていますがトヨタ博物館お蔵出し展という企画展に行ってきたので記録に残したい。

~公式紹介文~

トヨタ博物館では、クルマ館の常設展示車両140台のほかに400台あまりの歴史的に貴重な車両を収蔵しています。今回は「お蔵出し展」と銘打ち、泣く泣く常設展示を見送っている収蔵車400台の中からレアな13台を展示いたします。

60年前に日本や欧州の道を庶民の足として走り回った大衆車、1960-1970年代の日米欧の伝説的なスポーツカー、1964年の東京オリンピックで選手の移動をサポートしたコミューターバス、日本車でありながら日本には導入されなかった海外市場専用車など5つのテーマに分けて紹介します。展示のたびに大人気となるクルマはもちろん、今回初めてご覧いただく希少車もあるのではないでしょうか。活躍した時代も場所も異なる様々なクルマたちをお届けいたします。


そもそもトヨタ博物館は400台余りも歴史的な自動車達を保有しており、さらに幅広いジャンルのモデルを満遍なくコレクションしているということは尊敬に値する。これも新車をたくさん作ってたくさん売って得た収益が原資になっている。企業としての利潤の追求だけでなく社会貢献、特に自動車文化の醸成に一役買っていることは間違いな事実だし、昨今のトレンドで無く1989年から連綿と続けられてきた点も素晴らしい。

その気になれば今のラインナップをまるごと入れ替えても見応えのある「裏トヨタ博物館」が作れちゃうんじゃ無いかとも思われる。

●1950-60年代の日本と欧州の大衆車

↑偶然なのか信号機の並びと一緒

DAF 600(1959年・オランダ)

↑この繊細なエンブレムにはDAFと書かれている。
Commanditaire Vennootschap Hub van Doorne's Machinefabriek
(フップ・ファン・ドールネの機械工場合資会社)を意味する。


↑展示車は1959年式で590cc水平対向2気筒E/Gを搭載。


↑最大の特徴はベルト式CVT(ヴァリオマチック)。画期的だが明らかにスペース効率には劣っていた。

トラバント 601 ユニバーサル(1965年・東ドイツ)

↑紙でできたボディと称されることの多い大衆車。
実際はFRPボディだったが、末期は困窮の余り本当に紙も入っていたという。


↑展示車はステーションワゴンタイプのユニバーサル。
メッキの代わりに車体色で塗装されて装飾も最低限。


↑シート上部の幾何学模様がお洒落


↑ステアリングは何故か燃えたような跡が。
ピンボケながらコラムシフトが見える。


↑コーナー部だけ着いている謎のドアバイザー

三菱 コルト1000F(1968年・日本)

↑ファストバックスタイルを採用し、4ストE/Gを搭載したコルト1000Fは
岡山県の水島製作所で開発・生産された


↑履いているタイヤはBSスカイウェイ


↑Rrタイヤが隠れる姿は後の三菱車(トレディア)が思い出された。

●日米欧、憧れのスポーツカー3選
シボレー コルベット スティングレイ(1963年・アメリカ)

↑低く長いノーズ、短いキャビンは古典的スポーツカーのプロポーション


↑2代目コルベット初期型の特徴は分割されたRrガラス


↑RHD化も容易な左右対称レイアウト。
メーターの意匠に統一感があって良い。


↑フェンダーの峰が美しい


↑回転式のリトラクタブルヘッドライト

日産 スカイラインGT-R(1970年・日本)

↑余りにも有名なハコスカGT-R(ガラスが透明だから本物www)
今でもたくさん走っているが、オリジナルの姿が残る本個体は貴重。


↑オーディオや追加メーターに前オーナーの個性が宿る


↑今よりもエンブレム類がしっかりしていて所有欲をくすぐる


↑美しいサーフィンラインを邪魔しないフューエルリッド


↑タイヤはヨコハマの復刻版


↑これもロングノーズショートデッキが古典的で格好いい


↑必要なのでオーバーフェンダー・リアスポイラー。
加飾とは異なる格好良さがある

ロータス エランS4(1972年・イギリス)



↑ユーノス・ロードスターの先生。とにかくプロポーションが良い。


↑E/G負圧で駆動するリトラクタブルヘッドライトだったはず。ゆっくり優しく開く


↑このインテリアは1960年代スタイル。木目で高級感あり

●日本では見られない日本車
トヨタ バンデランテ(2001年・ブラジル)

↑ただのランクルに見えるんですが異様な角形ヘッドライト
ブラジルで現地生産されていたバンデランテ(開拓者)


↑バンデランテは1962年からブラジルで生産されてきた。
国産化比率を高めるためブラジル・ベンツ製E/Gを搭載していた


↑1968年に国産化率100%を達成、
FMCされて40系ベースとなり2001年まで10万台余りが生産された。
ブラジルトヨタにはトヨタ創業期の700tクランクプレス機が
海を渡って稼働していたという。

トヨタ ハイラックス VIGO(2005年・タイ)

↑海外市場専用車を海外のみで国際分業する
IMV(Innovative International Multipurpose Vehicle)プロジェクトの成果


↑デカールが80年代っぽくて格好いい。


↑インタークーラーもアピール。意匠されてる!


↑耐候性が高い硬質樹脂の内装は2004年というより
1990年代後半のトヨタRV車という感じ


↑テールゲートはTOYOTA模様が欲しい(多分設定あり)

トヨタ アイゴ(2006年・チェコ)

↑CO2規制強化に対応してBセグ級の商品強化に対応するため、
PSA(現ストランティス)との協業でBセグ以下の参入を行った。



↑欧州ベーシックカーらしい簡素な室内(セミトリム)


↑好き者が泣いて喜ぶリモコンドアミラー(電動とは言っていない)


↑機能的な硬質樹脂ながらツートンのモダンなインテリア。
専用オーディオ(盗難防止)が当時風


↑それでいてコンチネンタルタイヤ


↑サイドシル下部が張り出して整流効果+飛び石対策を兼ねるのが欧州流(乗降性と背反)

●昭和のコミューターバス
トヨタ ライトバス(1963年・日本)

↑ダイナ派生車だったライトバス。爽やかな水色と白色のツートンカラー


↑荒川板金工業(のちのアラコ→トヨタ車体)製のボディが架装されている


↑大きな面積の鋼板を繋ぐ為、リベット留め工法が使われている。(溶接は難しい)


↑リベットも意匠上のアクセントにしているところがカワイイ


↑本個体はトヨタ車体有志によって3台のドナーから復活させた一台。


↑トヨタ2000GTに流用されたRrコンビランプレンズは余りにも有名


↑応力集中する角部にはパッチの設定あり。ここから切れるんだろう

●トヨタ博物館が収蔵する二輪車
三菱 十字号 自転車(1947年・日本)

↑トヨタ博物館が自転車を持っている事も驚きだ。
微かな記憶だと本個体は旧「新館」に展示してあったような・・・
↑三菱重工が民生事業参入の考えて、零戦の素材を使って作った自転車だ


↑設計は本庄季郎氏。(アニメ風立ちぬにも出てくる方)
直線的なフレームが美しく、ダイヤモンド型と較べて乗降性良さそう。
簡素なプレス成型を多用し、接合は溶接では無くリベット留め。
クラフトマンシップを感じる。

三菱 シルバーピジョン(1949年・日本)

↑三菱重工が同じく民生事業に参入した一台。


↑シルバーピジョンは平和の象徴鳩に由来する。
手書き感あふれる三菱マークが微笑ましい


↑国内市場で善戦していたが、4輪参入のため生産中止となった。

ホンダ スーパーカブ CA100型(1962年・日本)

↑CUBとは猛獣の子供という意味。小型でパワフルなイメージから命名。
カブは補助エンジンキットだったが、これを継承するオートバイにスーパーカブと命名


↑展示車は輸出仕様車で楽しげな赤白ツートンカラーである。
ならず者の相棒というイメージだったオートバイの否定的イメージを明るい宣伝広告によって払拭し、
のちにビーチボーイズの楽曲まで作られる程の人気を得た

~おわりに~

お蔵出し展はトヨタ博物館のコレクションの手厚さに驚くだけでなく、内容的にも楽しめた。企画展の装飾も実際の収蔵庫をイメージしている上に照明も薄暗く、こっそりと収蔵庫を除いているような楽しい感覚に浸れるのも嬉しいものだ。

いつもなら、全台では無いが360度見えるようになっていたり、じっくりとディテールに浸れる展示車もあったのだが、所狭しと置かれていてじっくり見られないのが少し寂しくもあり、同時に一台でも来館者に見てもらいたい!という作り手の意気込みとも感じられた。

展示を見終えて出ようとすると、白黒のパネルが目に飛び込んでくるが今回展示されていなかった収蔵車たちのスパイショット?である。





前期型ヒラメのセリカ(特にノッチバック)はモダンな80年代デザインで好きなのだが、渋すぎるビスタGTにはびっくり仰天した。
いつの日か「企画展 トヨタツインカム搭載車展」があれば展示していただきたい。


Posted at 2024/08/09 11:17:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | イベント | クルマ
2024年08月03日 イイね!

2023年式ZR-V感想文

2023年式ZR-V感想文●初代ヴェゼルの精神的後継
ZR-Vは2022年に北米における新型HR-V(=ヴェゼル)として発表され、日本では2022年秋に発売予定として先行予約を受け付けるも半導体不足の影響で2023年春に延期となっていた。
 
ZR-VはシビックのユニットとCR-Vのフロアをダッシュで繋いだという特殊な構成のSUVで曲面を多用した艶やかなエクステリアと有機的かつ品質感が高いインテリアで構成されたホンダとしては最上位SUVである。

セグメント的にはシビックのSUVという感覚で車幅が広めである事以外は、これ一台で何でもこなせるという意味ではジャストサイズである。

そもそも2013年に発売された初代ヴェゼルはジュークが切り拓いたBセグクロスオーバーSUV市場の勝者だった。フィットベースの恵まれたユーティリティと色気の有る内装を身に纏った正統派キャラクターが当時のBセグクロスオーバーの決定版の地位を確立した。

2021年にヴェゼルは2代目にFMCを果たしたが、サイズ感やユーティリティ面は継承しているが、そのイメージは意外なほど初代を継承していない。

初代ヴェゼルは世界中に輸出されて売れたので初代の保有層に向けた本当の受け皿は初代の上級移行という位置づけのZR-Vだったのだろう。海外では日本と違って給与もどんどん上がっているので、ヴェゼルを正常進化させると上級化してしまう。日本では30年近く平均的な給与が上がっておらず、海外のように価格の高い車は買いづらくなっている。

ホンダは日本向けヴェゼルはスタイル優先とし、実用性重視層にはWR-Vを用意した。2024年時点ではWR-V、ヴェゼル、そしてZR-Vの三サイズで旺盛なSUVを求める声に応えている。



ZR-Vは大ヒット作ヴェゼルの実質的2代目であるから、クラスを超えた高級感はさることながら快活な動力性能も併せ持ち「現代のプレリュード」的立ち位置を狙った。

サイズとしてはカローラクロスがバッティングする。シビックSUVがZR-VなのでカローラクロスことカローラSUVが競合関係になる事は確かに納得できる。ただ、事情が違うのはZR-Vは「高価格のホンダ」らしく上級指向であることだ。

ICE仕様が1.5Lターボ(178ps/240Nm)、e:HEVが2.0L(141ps/182Nm)+モーター(184ps/315Nm)の組み合わせで294.9万円スタート(2023年当時)となる。199万円スタートで話題になったカローラクロスと比べると狙っているところが異なることが分かるが、現在は2度の値上げの結果320.9万円スタートとなった。ZR-Vはクラスの中で高価格・高付加価値戦略を採っており「お求めやすい価格」を狙っていないとは言え、いささか高い。

日本ではCR-Vは大きすぎるし、N-BOXが主役の国内市場では大きい車を売捌く自信が販売サイドに無かったのかも知れない。だから日本国内SUVの最上位という地位をZR-Vに担わせた。ハリアーやエクストレイルとも真っ向対決を避けて既存のCDセグメントのSUVのサイズ感を敬遠するものの、上質を求めたいニッチを狙う事にしたのだろう。

スペシャルティSUVであるZR-Vは「続・現代のプレリュード」とも言えるし、シビックベースの高付加価値型商品という意味でインサイト亡き後の「令和のインテグラ」「2024年版コンチェルト」でもあるだろう。

価格的にはハリアーと競合しうる価格でありながらボディサイズは比較すると小振り。昔なら大は小を兼ねるのでRAV4に流れていたかも知れないが、大柄な車ばかりの現代日本では意外と善戦するのでは無いかと感じている。



走らせても致命的な欠点も無く、ある程度電動感のある運転フィール、前席優先で後席はチャイルドシート設置なら問題なし。

個人的には乗っていて十分満足感が得られるスペシャルティSUVになっていると感じた。悩ましいのはZありきのグレード設定。ZR-Vは高級感・上質感を訴える車である事は承知の上だが、それにしたってもう少しお買い得感を出す仕様設定が望まれる。WR-VのXがよく売れている理由をホンダはよく分析して欲しい。

そして個人的なことを書けば、シビックと同じMTをZR-Vに積んでくれたら、デミオからの買換えを検討しても良いかなと思えた。(シビックのMTが少し勢いがあったとは言え、さすがにそれは無いと言うことは重々承知)



★3(価格が割高に感じるので1つ減じた)
Posted at 2024/08/03 23:48:19 | コメント(1) | クルマレビュー
2024年07月16日 イイね!

2020年式MIRAI感想文

2020年式MIRAI感想文●水素はすごくこれから人間を救っていく(笑)

我が国はエネルギー資源に乏しく、石油などを輸入に頼ってきた。今後環境負荷の小さいエネルギーを使わねばならない時代になっている。

そこに目をつけたのが水素である。自然界に水素は単体で存在しないが、プラントで作り出すことができて燃料のように扱うことができる。

トヨタは水素を使って電気を起こし、その電気を使って電気自動車を走らせるFCV(現在はFCEVと呼称)の開発を進めてきた。

2014年、研究開発が実を結びMIRAIを市販した。MC P/Fを改造した専用シャシーを開発し独特のプロポーションを纏って現われたMIRAIは、その存在だけでも独自性があった。

可燃性で分子量が小さくて、金属を脆くする性質を持った水素をボンベに詰めて、水素と大気中の酸素を反応させて電気を取り出して走り、排出するのは水だけという究極のエコカーとされている。

水素インフラが整っていない、という否定的な意見もあるが、航続距離が長く充填(じゅうてん)時間も3分程度とICEと遜色のない使用性は我々にとってはBEVよりも馴染みやすい素性を持っているのは確かだった。

ところが初代MIRAIが世界で大ヒットを記録したかと問われるとそうでは無い。前人未踏の水素を燃料にして電気で走るエコカーよりも、欧州や中国で政策的に推進されるBEVの方が普及した。

それもそのはずでBEVのエネルギー源の電気は既に産業的に発電する仕組みがあり、エネルギー補給に対してのハードルが低い。水素の場合、水素の供給網から準備せねばならず投資に二の足を踏むのだろう。また、先行するトヨタにわざわざニッチな市場で挑戦状を突きつけるような会社も限られており仲間作りに失敗した感がある。

初代MIRAIはモデルライフで1.1万台の販売に留まっているが、その理由は未知技術への忌避感、生産体制の問題など原因は一つだけではないだろう。2020年に2代目がデビューした際には彼らなりに初代の反省をしっかり活かしたものなった。



ちょっと変わったプロポーションなのは、FCスタックの上に座っているから、とか巨大な水素貯蔵タンクを持っているから、という理由があるのだが顧客側からすればそんなことは買う理由にならない。「たまたま欲しい車がMIRAIだった」と言って貰えるように商品力を磨く、という正論に至った。

個人的にはFCEVは長距離が得意な特性を活かして大型車や高級車に似合う技術だと思う。その意味でMIRAIの車格をHS級からLS・クラウン級にしたことは正しい。それにしても10年前のICE車がFMCなしで現役で売られている昨今、たった6年でALL NEWになるMIRAIはさすがに進化が速い。



期待を込めて走らせた結果は、おっとりしたBEVだ。BEVに慣れてきた私にとっては特筆すべき感動が有るわけでも無い。決して悪いわけではないが、良くも悪くも大きなトヨタ車だ。イマドキは「クラウンですね!」「レクサスだ!」とわざわざ注目する人も居ないが、MIRAIなら「水素自動車ですか!(間違い)」みたいなアイキャッチな感じはあるだろう。

しかし、実用車としてMIRAIを見てしまうと、デカいとか荷物が積めないとか、後席が狭苦しいとかそういうことが気になってくる。

2代目MIRAIが出たときにどうしてレクサスLSの兄弟車にしなかったのか。トヨタブランドよりレクサスブランドの方が売りやすいし、高い値付けも許容されただろうに・・・。中途半端な乗用車を普及させる前に実用性を突き詰めたり、高いブランドイメージを確立した方が良い。

MIRAIはいささか中途半端で価格やサイズは高級車でありながら、冷静に見つめていくとクラウン級と言うよりカムリ級の質感表現に留まる。

競合他社が見れば「0が一つ少ない」という価格でも、「エキセントリックで高額なのに普通の車」という評価に甘んじてしまうのは勿体ない。

例えばBEVの二大巨頭の一つTESLAの場合、「伝統」や「しがらみ」がない分商品は自由差を感じる。バカみたいな機能と競合が冷や汗をかくような高性能が同居する存在だ。手押し剛性とか建付けとかそういう部分は無茶苦茶、人間工学とか信頼性など過去の知見がない分、奇抜な機能を恐れもせず採用するので無鉄砲な商品に思えつつ、自動運転へのアプローチや航続距離の長さ、革新的な販売手法とギガキャストに代表される生産技術など意外と真面目なアプローチも行っているところが凄い。

そして世界中のエンジニアを雇用することで彼らの出身メーカーのノウハウがテスラに複合的に取り込まれていることも恐ろしい。こういう車は消費者から見て分かり易く、所有しているだけで一目置かれる感はある。富裕層はTESLAの先進性や分かりやすさを評価してブランドが伸びたのだと思う。一方、トヨタがMIRAIでTESLAをそのまま真似できるかと言えば到底できるものではない。

BEVですら今は富裕層向けのイメージ先行型商品なのに更に小型化も難しく価格も高くなるFCEVを普通の人に向けて出すというのは最初から困難な道を選びすぎなんじゃないか。

一応、一般ユーザーでは無く公用車や社用車として選んでもらおうと言うことで「エグゼクティブPKG」なる仕様があるが、そういうフォーマルな場に相応しくないエグ目の意匠だし、水素社会を実現したい日本の中で先に普及させて練習した方が良かったのでは無いか。税金を無駄遣いしてる感じがしないステルス性のあるトラディショナルなデザインの方が適していたと思う。

BEVが徐々に我が国でもよく見かけるようになりつつあるのにMIRAIの販売は右肩下がり。グローバルでの総販売台数は横ばいだが、確かにMIRAIは日本では選ばれにくい。MIRAIが買える収入のある日本の普通の人たちはそのお金があれば輸入車を買うだろう。


画像はここから拝借した。

トヨタはMIRAIをどうしたいのか、その意志を明確に感じさせないままではMIRAIの未来は明るくない。

2023年秋には往年の高級車のブランドを引用したクラウンFCEVがデビューし、大型化し、価格アップしながらも分かり易さのあるセグメンテーションはFCEV普及に多少は寄与するだろう。(ただ、相変わらず意匠はアレだし、内装質感もアレで後席居住性もアレだが)

中国がBEVを国の強い支援で普及させたことに倣い、我が国でも例えば公用車・社用車・タクシーなど国や行政で水素活用を支援するフォーマルな車で普及させても良いだろう。

そうであるのならミライだけでなく、FCEVのライトバンやパトカー、消防車など作って、一定数をそれに巻き替えることで地元の水素供給網を育てる事ができる。人々の暮らしの裏方で‘水素はすごくこれから人間を救っていく'だろう。或いはトヨタ関連企業だって工場の発電を水素で行うとかFCEVフォークリフト使うとかトヨタ輸送の車載トレーラをFCEVにするとかしなければならないが、いかんせんコストが過大である。

2023年秋にクラウンFCEVが出て、MIRAIの立ち位置は更にビミョーなものになった。ワンパターンなスポーツコンセプトなど出してる場合ではない。プリウスもHEVの普及を見届けて急にスペシャルティシフトしたがトヨタの商品企画上の癖なのだろうか。すぐエモーショナル(笑)なデザインとニュルに学んだテストコースで鍛えた操縦性で「豊田氏の愛車」になろうとする。

次期MIRAIがあるとするならばトヨペットマスターの様にクラウンの裏方に回って汎用性の高い実用的な車になるべきだ。まず、個人ユース以外でフリートユーザーに使ってもらい、台数を増やして徐々にインフラを整えないと本来のFCEVの個人ユーザーは増えないと私は思う。大柄で荷物も載らないMIRAIを営業車に使うなんて不便で仕方ない。

2代目MIRAIは、個性的だった先代と比べてもっと自動車らしくなったのは結構だ。しかし、自動車らしくなったがゆえ後席の狭苦しさはもはや許されない。上級グレードで800万円台後半の全長4.9mクラスの乗用車で不満な点が残るのは商品として厳しい。



家族には薦めないし、会社の同僚がエコイメージだけで検討するなら止めるだろう。日々エネファームで発電した電気を使い、水素水を飲み、水素入浴剤を風呂に入れるような水素MANIAにこそお薦めすべきだが、彼らからすれば水素で車を走らせるくらいなら体内に取り入れたいだろう。
Posted at 2024/07/16 00:48:52 | コメント(2) | クルマレビュー
2024年07月08日 イイね!

2022年式タントファンクロス感想文

2022年式タントファンクロス感想文●染みついたイメージからの脱却

ファンクロスは2022年にデビューしたタントベースのSUVルック仕様だ。実は今のタントは販売競争の中ではN-BOXやスペーシアの後塵を拝している。それは、現行型でオラついた意匠から脱却しようと試みた結果、N-BOXみたいじゃなくなってしまい、見事なコバンザメ作戦のスペーシアにも競り負けてしまって「二位じゃダメなんですか?」どころか三位に甘んじているのだ。

タントのユーザー層をグラフにしても「祝 子育て満開」だけではお客様のニーズが取り切れない時代になったのである。個人的にはタントの不振は「育児用品色」が強くなったことで、シングル・カップル層やダウンサイザー層が手を出しにくくなってしまった事も一因ではないかと考えている。



ダイハツは百も承知でタントの乗降性の良さを要介護1・2の高齢者ユーザーに向けて訴求し始めた。乗降しやすいステップやグリップを開発し、オプションとして設定するなどして生活の道具としての側面を追求しているのが特徴である。今後高齢化社会は加速し、本格的な介護に行かないまでも足腰の悪い高齢者を乗せる機会が増えることを見越した商品展開をしている。



ただ、タント自体は特にカスタムを中心に迫力不足と思われてしまい、マイナーチェンジでカスタムのフード、ヘッドライト、バンパーを新設する大がかりな改良を施した。(内装トリムもキルティング風パターンが不評だったのか金型新設?して修正している)



ヘルメットをモチーフにしたツルンとした標準系のテック感のある顔つきは決して悪くないのに「N-BOXみたいじゃないから」という理由で市場から受け入れられていないのが残念だった。

2022年にテコ入れのために投入されたファンクロスはカスタム用のフードやヘッドライトを拝借し、ルーフレールを始め、専用のホイールやSUVチックなモール、ツートン塗色を与えた。更に防水内装やタフトのシート生地を拝借し、インパネにオレンジ色を挿してスペーシアギアやekクロスを手本にした、・・・いや、かつてのウェイクのようなキャラクターを手に入れることになった。



これなら、育児用品にも介護用品にも見えない。(実用一直線のフリートではなく、粗利の取れる一般ユーザーに売りたい)

スライドドアで悪路走ったらボディが歪む!なんて指摘もあるが、あくまで雰囲気を楽しむモデルだからターボや4WD以外にも価格の安いFF自然吸気モデルもある。

今回試乗したのはFFのNA(172.2万円)。両側電動スライドドアやEPBが標準で備わっている。一人、ないし家族を乗せて走ったが、スライドドアを開ければ充分乗降できて、わざわざミラクルオープンドアを活用するようなシーンは余り見られなかった。ここまでは2代目タントと変わりない。そもそも、センターピラーがなくても、同時に自分の手でFrドアを開けなければ大開口のメリットがないなんて七面倒くさい。そのために世界初?センサーで側面のクリアランスを図りながらヒットせずに開く自動ドアを搭載するのも何だか馬鹿らしい。

どうせならもっとシンプルに日産クルーに学んで助手席側のセンターピラーを前出しした方が素直じゃないだろうか。助手席の乗降性が少し犠牲になるが、衝突安全だけならボディ構造で克服できる。或いはスライドドア側に骨格構造を残して助手席ドアをもっと簡素化できないだろうか。どうしてもセンターピラーレスでなければいけないのだろうか。(もしかすると、今のスライドドアの開口を保ったままセンターピラーを前出しすると乗降できないレベルまで前に動かさないといけない可能性もある)

結局ポルテ方式(助手席スライドドア一枚化)に行き着くが、あれは助手席が本当に気の毒なので避けたい。



●まとめ

軽スーパーハイトのパイオニアであるタントは20年以上の歴史の中で子育てツールとしての立ち位置を確立して一時期は競合の挑戦をはねのけてきた。

デビューから5年が経過しようとしている現行タントはALL NEWのコンポーネント群により基礎的な性能を鍛えてきた感は確かにある。

ただし、絶対的な実力はよくできた昔の軽自動車より悪い箇所も残る。例えば着座姿勢の気持ちよさ、ドライバビリティ、ブレーキ性能などである。

私が「発泡酒を目指したビール」と称している登録車群と比べればタントは肩を並べるレベルだろうが、実際に妻子を乗せて運転しても、私にとっては歪(イビツ)なバランスに映ってしまった。これでは少なくとも運転体験の差でN-BOXには勝てない。



また、参考試乗した前期型カスタムRSでは後席座面前端を持ち上げて大腿部のサポートを強化することで座り心地改善を図るなど好ましい挑戦も見受けられたが、マイナーチェンジ後には座面をフラットに改悪した。

競合とのmm単位の競争の末、せっかく呪縛から逃れたのかと思いきや、エクステリアデザインが市場から評価されず(恐らく)想定外のフェイスリフトに追い込まれた。投資を回収するかのようにしれっと前述の後席シートのリンク機構が廃止された。更に二番煎じと言われようがSUVライクなバリエーションを持つに至ったタントファンクロスは市場創出のパイオニアとしてはあまりにも辛い現状であると実感した。

タントは初代から子育て層のセカンドカー需要を狙って「子育てツール」を訴求してきた。初代の背高パッケージ、2代目でピラーレス構造のスライドドア、そして3代目で両側スライドドアなど己の世界観を磨いてきたのだ。



諸般の事情でまだ世に出ないムーヴがスライドドアを纏うと噂されているのはタントの「子育てツール」イメージの底堅さをダイハツも自覚しているかも知れない。今後の高齢者に向けたアプローチとアウトドア指向によるイメージの刷新が図れるか?が20年後にタントのブランドが生き残れるかを決定する。

本来は子育て人口が多く、健全な出生率を維持している国なら今のタントのイメージを守り続けていても長きに亘って新しい顧客を取り込み続けて新陳代謝が進んだかも知れないが、さすがにダイハツだけの責任でもあるまい。

モデルライフ後半に差し掛かり、新しいタントの準備が進められているはずだ。「ライフパートナー」としてもっと人に優しいスーパーハイトになるためには、自動運転技術を磨くとか電動化も大事だが基礎的な動力性能の底上げも必要だ。

或いはお年寄りや子供を乗せたときの身体の揺れが少なくなるような動力の与え方や酷暑化する環境に対応した車内空調や豪雨への対処などスペックではなく人を中心に性能開発やり切って新しいタント像を見せて欲しい。もっと全高を上げれば良い訳ではないことはウェイクで既に分かっているはずだ。

ここ1ヶ月ほどで初代2代目・4代目ファンクロス(と前期カスタムRS)に乗ってみて「挑戦」と「挫折」「切迫」「迎合」などキーワードが思い浮かんだが、次期モデルでは創造性を発揮してくれることに期待したい。
Posted at 2024/07/09 00:09:14 | コメント(2) | クルマレビュー

プロフィール

「@M-T-K さん 1500あっても良かったのにまぁあんまり売れてインプレッサが売れなくなると困ると言う気持ちもわかりますね。」
何シテル?   11/03 19:45
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
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1989年式(マイナーチェンジ直前) カローラGT。 ヤフオクで発見し、 不人気車ゆえに ...
トヨタ RAV4 L トヨタ RAV4 L
1996年式 標準グレード。 私が小学生だった1994年、RAV4が颯爽と登場した。私 ...
トヨタ プログレ トヨタ プログレ
2000年式 NC250。 長年、趣味の先輩達と車談義を重ねる中で定期的に「プログレは ...
シトロエン DS3 シトロエン DS3
2011年式 スポーツシック・エディションノアールII。 ラテン系ホットハッチ(プレミア ...
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