銀婚とは、結婚してから25年目のこと。
どうして北海道の温泉に「銀婚湯」という名が付いたのだろう…
そもそも、上の湯温泉は落部川の中流中洲より湧出する名湯として、数百年昔から、先住民族のアイヌの人々が狩猟の折々に汗を流し、時には療養のために常浴しておりました。
蝦夷日誌によりますと、江戸時代後期の弘化3年(1846年)には松浦武四郎が浴し、初めて全国に紹介された旨の記録があります。
慶応4年(1868年)の成辰戦争の折には榎本武揚率いる幕軍の負傷者を湯治させたところ顕著なる効能があったため一躍有名になりました。 しかし、当時は熊笹で覆った無人の湯小屋で、温泉の湧出量もさほど多くなかったのでしょう。
大正14年5月10日、七飯峠下の川口福太郎が志あって中洲を開掘し、熱湯の大量湧出に成功。温泉宿建設に夢をはせたのでした。
時あたかも大正天皇銀婚の佳日に当たったため、福太郎の妻トネの発案で、自分たち夫婦の銀婚式を重ね合わせ、「銀婚湯」と命名。その後、困難もございましたが、トネの血のにじむような努力により、今日の銀婚湯の礎が築かれたのであります。
大正天皇の銀婚の日に重ねた、おめでたい由来だったのですね。
\到着/
濃い緑の木々に包まれた入り口を抜け、樹齢1000年を超える水松の大木越しにあります。歴史を感じる建物ですが、意外にもちょっと民芸調。公式HPにも「どうぞ、ふだん着のままでお越しくださいませ」とあり、ホッとしました。
2020年夏、ユノコどんは言った。「湯桶はどう考えても生木のくりぬきで、北海道以外でやったら3年で腐る。微生物の少ない北海道だから成り立ちますね」と。好奇心スイッチをグッと押してきた。
まんけん氏のオススメ宿でもあり、北海道を旅するなら何が何でもここは外せないと決めていた。
そしてワタクシ、9月の三連休に押さえることに成功したのです。ヤッタネ
ルートも日程もまだ本決まりじゃなかったのに、一番最初に予約を押さえたのがこの宿だったのです。
というわけで、本日の走行はここで終了です。Google Mapとカーナビとでは差異がありますが、田中さんによれば228㌔走ったとのことです。
今回の旅でハイドラをしようかと思ったけど、充電喰いアプリなのがネックで断念した。が、旅の途中から後悔しだした。そして今、痛烈に後悔している。
創業昭和2年、昭和37年築以来増改築され、純和風の広々とした館内は風情にあふれ、上質な木のぬくもりに包まれています。フロントは建物の中で最も古い造りを残しているそうです。
銀婚湯の素晴らしいところのひとつとして、チェックイン開始が13時なんです。なので、宿泊するのなら気合を入れて早めの到着をオススメします。
予約の際に部屋タイプを訊かれたので、旧館を選びました。
このレトロさにぐっとくる!
部屋は2階。部屋の戸は障子紙の貼られていない障子戸+襖の二重扉になっています。鍵の開け閉めは難易度が高く、最後までなかなか慣れませんでした(苦笑)
部屋は8畳+広縁。テレビ、扇風機、冷蔵庫あり。トイレ、洗面台がないだけで不便ではない。
温泉の前にちょっと説明しませう。
銀婚湯は浴室の数が多い
湯宿だいいち、
かんの温泉、
湧駒荘も多かったですが、銀婚湯の場合は外湯の貸切風呂が最大のウリなんです。トチニの湯、もみじの湯、どんぐりの湯、かつらの湯、杉の湯の5つがあり、足湯が1つ。
館内にも浴室があり、男女別の内湯+露天風呂。時間で男女入れ替え制になります。そして家族風呂が1つ。全部で11か所もあるんです。
なお、家族風呂と外湯の貸切風呂は宿泊客しか入れません。なので、銀婚湯は宿泊をオススメします。
貸切風呂の利用は早い者勝ち
貸切風呂は大概そうなんですが、
館内の家族風呂は16時から利用可能で、開いていれば予約なしで利用できます。
外湯の5つはフロントで専用の入湯札となる木札の鍵と部屋の鍵を交換するシステムで、概ね40分~1時間以内で返却だったと思います。
外湯の貸切風呂は歩く歩く歩く
健脚ではないと辿り着けないかも。勇気がないと辿り着けないかも。そして、外湯を利用し、また他の外湯を利用したい場合は、その都度フロントまで戻らないといけないのです。専用の入湯札となる木札の鍵がないのだから。
結構歩くし、しんどいなー、面倒臭いなーって思います。
その面倒臭さから悪知恵を働かせる者がいたそうです。外湯の道中に客同士で鍵の交換をし、フロントに戻ることなく外湯を楽しむという… その客同士はwin-winだったでしょうが、そのせいで、鍵が戻らず困るフロントと鍵が戻ってくる頃なのに待ちぼうけを喰らう客が発生しちゃうのです。これは良くないこと。
各浴室の脱衣所に警告が掲示されてました。
客同士で鍵の交換はしちゃダメ。ゼッタイ。
それでは温泉へ行きませう。
フロントへ行くと外湯の鍵は「もみじの湯」だけ。
出遅れ感はんぱなかったですが、それでも残ってて良かったです。全部巡るつもりなので、到着してすぐに1つでも入れたら御の字です。ちなみに、照明がないので夜明け~日没までしか入れません。
フロントで地図がもらえます。地図によれば「もみじの湯」は7分。広大な敷地に5か所も点在する貸切風呂。結構なウォーキングになります。日頃の運動不足で筋肉痛になりそう…
(意外にもならなかった)
玄関を出ると左手に「銀婚湯の森」の入口という木の門があります。
進んでいくと踏み石が枝分かれする箇所もあるのですが、結局が同じところに出ますので踏み石を頼りに好きな方向に進んでいきます。
途中、途中で案内表示があるので方向音痴なワタクシでも大丈夫でした。
まだまだ歩きます。
え…
吊り橋です。
吊り橋と落部川です。
吊り橋は一度に5人以上で渡らないようにとのこと。1人が歩ける幅しかなく、1人で渡るだけでも意外とぐらぐら揺れる。アトラクション気分(苦笑)
宿の人が履いていけっていうから履いてきたけど、クロックスは心許ないの。履きなれていないから歩きにくいし、脱げそう。
(以降は、自身のスポーツサンダルで歩きました)
吊り橋を渡り切ると案内表示があります。
遊歩道は一周1,500㍍。ほぅ…
「もみじの湯」は左です。
\あった/
入り口は引き戸。左にスライドさせて開けます。
少し進むと脱衣所の木の家が現れます。脱衣所も野趣満点でドキドキとワクワクが止まらず、とっとと服を脱いで、備え付けのサンダルに履き替えて、浴槽のあるところまで歩いていきました。ほんの数歩です。
\わーーー/
1~2人サイズの長方形の浴槽が一つ。
銀婚湯一のもみじの銘木の根元に造られた浴槽で、銀婚湯の従業員の方たちが1年かけて造ったのだそう。なんと手彫りなんですって!
もう少ししたら、もみじが赤く色付いて、より一層素敵になると思います。
そうだった。帰りもあるんだった。
クロックス怖いよ↷↷
部屋に戻っての湯上がりビール。
\ぷしゅ/
それでは夕食です。
ワ
ア
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ヽ\ //
∧∧ 。
゚ (゚∀゚)っ ゚
(っノ
`J
1Fの食事処「静山」へ向かいます。
昼抜きだったので、チェックイン時に18時に決めたようです。
(こんなにブログがノロノロだと細かいこと忘れちゃう。笑)
半個室っぽくなっていて、他の人の目を気にせず食べられるのっていいですね。半個室のところに「部屋名 ○○様」と書かれた紙が貼られており、係の人に案内され座ります。
流れ作業的だったけど「嗚呼、あなたはここね」的に言われて座ったはずなんだけど、別の係の人から「勝手に座ってたから分かんなかったじゃないの!」的に注意を受けた… すんごく理不尽。
時間に合わせてセットされていました。
先付:とうもろこし豆腐/わさび
とうもろこしだから甘い。そして美味しい。
前菜:ローストビーフ、モウイサーモンのレモン土佐漬、帆立のバター醤油焼き、巻きゆばの含め煮、オクラごま和え、山ウドの辛煮、チーズの揚げ春巻き、菜の花の芥子漬、ミニトマトのマリネ
ここで日本酒をオーダーしようか悩んだ末に止めた。
(待ちに待った夕食なのに湯上がりビールで満足してしまったようだ…)
刺身:三点盛り合わせ
焼き物:さわらのクリーム醤油ソース
煮物:海老の黄身煮、高野豆腐の煮含め/小松菜煮浸し
揚げ物:海老の衣揚げ、南瓜の衣揚げ、ピーマン/柚子塩
鍋替わり:豚冷しゃぶ、夏野菜・薬味/胡麻だれ
食事:ゆめぴりか、香の物、味噌汁
デザート:水菓子
初日は面白いくらい、まんけんさんと同じでした(笑)
続く
関連情報URL :
https://minkara.carview.co.jp/userid/199766/blog/47357663/
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Posted at
2023/12/23 12:17:27