JZX100記　～　ETCS

100系の1JZ-GTEはElectronic Throttle Control
System　といういわばエンジン制御出力システムが付いている。
そもそもETCSとはトヨタ1JZと2JZのターボエンジンに装着されている仕組みで、アクセルペダルのメインスロットルに加えてもう一ケ所にサブスロットルが付いており、これが開いたり閉じたりしてエンジンに供給する空気（や燃料）の量を調節している。
このETCSは90系1JZ-GTEにも装着されていたが、100系との最大の違いは90系では、シフトゲート脇のTRC（Torque Reduction Control　雨の日など滑りやすい路面でTRCオンにするとコンピュータが自動的にタイヤに伝わるトルクを制御する）スイッチをオフにすれば、自動的にETCSが解除されていた。
しかし、100系ではTRCのオン・オフいずれの場合もETCSが作動しており、常にエンジン出力に制御がかけられていた。
例えば、エアクリーナーやマフラー、タービン交換ほかでパワーアップした車両ではブーストで0.1kg/cm2、出力値で25PS以上ものパワーが奪われていたのだそうだ。

唯一このETCS制御を運転席からスイッチひとつで解除できる装置がパワーハウスアミューズから発売されていた。
私も装着した「ETCS-MONITOR」という装置である。
エンジンはマフラーくらいしか替えていないほとんどノーマルだが、このETCSモニターをオンにするだけでトルクの出がスムーズになった。
もちろん、高速道路でもその違いは明白である。
サブスロットルを全開固定にする装置で、本来もっていた1JZ-GTEの性能が100％発揮される代物である。

ところで、100系のETCSはこの大パワーを後2駆で走らせることにはリスクが大き過ぎると、メーカーが自ら判断した結果のものなのであろうか・・・？
その証拠にETCSモニターをオンにして、発進でひとたびハーフスロットルにでもすれば、このクルマはもの凄いホイールスピンを起こしてお尻を左右に振りながら凄まじいスタートダッシュをする。
所詮大パワーと安全性は二律背反のものである。
しかし、こんなクルマが世の中にもっとあってもいいと思うのは、私を含めて所詮少数派の意見なのであろうか・・・？