昨今、廃墟への不法侵入で通報されて捕まる人らのニュースを耳にします。
昔から度胸試し的な事に使われてきましたが、特にインスタやYoutubeで活動している方々が、映える非日常的な光景を画像や動画にして配信する事で「自分も行ってみよう」と思う方が増えているのかも知れません。
施設跡を心霊スポットと称して、無断で入って騒いだり、壊したり、物を捨てたり、火を付けたりする者がいます。
特にホテル、アミューズメントパーク跡地のような大きな施設が狙われがちで、所有者によって監視カメラ設置や警備システム、警察巡回依頼等のセキュリティが入っている場合が多いです。
捕まった場合、最悪、停学や退学、懲戒処分といった処罰の対象になるでしょう。
しかし、中には公式で自由に歩き回って良いどころか、紹介や所有者の挨拶まで行って頂ける遊園地の廃墟があります。
今回、さーはるさんが以前参加していたツアーに応募してみる事にします。
その廃遊園地の名前は、化女沼レジャーランド。
何社かが似たような見学プランを用意しているようですが、人気なようですぐに埋ってしまいます。
土、日の2日間開催されるという事で、せっかくなら土曜日に参加したかったのですが、開示早々に締切に。
その後、たまたま眺めているとキャンセルが出たのか少数席ありになり、無事予約完了となりました。
参加費用は10,000円。
潰れた遊園地なのにディズニーランドよりも高い。
当日、仙台駅集合となっている為、常磐道を使って86で移動しました。
さきの地震の影響でガレキ撤去中だったり、道路の段差が激しかったりと、さすが常磐道といったところでしょうか。
少しずつ片側2車線化していますが、まだまだ一車線区間が多い。
仙台駅付近はさすがにコインパーキングの値段が高く、24時間900円のところが距離と料金のバランスが良いと考え、ソコにしました。
仙台駅で集合し、バスに乗り込んで長者原スマートICを目指します。
まずは、入り口のアーチで写真タイム。
25人かな?定員。意外な事に、その3分の2は女性だったと思います。
1人で写真撮りまくっているガチ勢から、3人で仲良く参加している方まで様々でした。
廃墟マニアってやつでしょうか。どう考えても私より物好きですね。
正面は監視カメラとセコム付き。
ツアーのアテンドの方が一時セキュリティを解除し、秘密の裏口へ。
化女沼レジャーランドを象徴する、観覧車が見えます。
ここは、遊具が色々と揃っていた場所で、施設の目玉となっていた広場です。
遊具と一緒に化女沼レジャーランドを紹介していきましょう。
地元の不動産会社経営者が故郷化女沼を活気づけたいという思いから、100億円とも言われる費用を工面して整地し、1979年に化女沼保養ランドとして開業。
のちに化女沼レジャーランドへ改名。
最盛期には数十万人が訪れ、八木山ベニーランド、仙台ハイランドと並ぶ、宮城県三大ランドと呼ばれていたそうです。
2001年10月に休園し、今に至っています。
メリーゴーランド。ロリータな服を着た女性陣が写真撮影されていました。
コーヒーカップ。
100億円をかけて作られた化女沼レジャーランドは、売却額2億9千万円の値段が付いています。
今回のツアー会社で刈払いを行ったり、安全や景観のために修繕するなどしているようです。
さて、アトラクションは多くはありません。
元経営者いわく、三大ランドのうち、ベニーランドと仙台ハイランドからあぶれた客が来ると言われていたようです。
ミニSL。
ストーランド(アスレチック)。
トランポリン跡。
かつて流行したアニメ、魔法少女まどかマギカの劇場版OPに、一瞬だけトラバントと観覧車が登場します。
薄く書いてあるジェットコースターは、ここには無い。
回転塔。
元々はブランコが付いて回る遊具らしい。
ゴーカート。
カートコース。
ツアーアテンドから園内の説明や注意事項を受けながら、化女沼パークホテル跡へ移動します。
ここは普段セキュリティがかかっていますが、午前中のみ解除するそうで、その間だけ見学してもよいという事でした。
いたずら対策として、1Fは全て合板で塞がれています。
内部に入ります…が、ちょっとした坂道から入るので、女性陣は大変そうでした。
秘密の出入り口。
某寺みたいです。
やはり雨漏りはダメですね。
個人の宿泊部屋は状態が良く、今でも使われていそうな雰囲気があった。
レトロなテレビ。
ユニットバスなんかも使えそう。
もちろんデカい風呂場もある。
屋上へ。
扉は閉まると女性の力では開ける事が困難らしい。
普通の屋上。
ここから、1Fの宴会場?レストラン?の屋根が空いているのが見える。
1Fへ行ってみる。
ここは窓を合板で打ち付けられているので、完全に真っ暗闇。撮影はおろか、安全に歩く事もままらない。
何故イスがキレイに並んでいるのかはよく分からない。
前方にステージがある訳でも無いと思ったけど。
単にテーブルとイスを整理しただけなのかもしれない。
立入場所に制限は無いので、遠慮なく入ってみる。
恐らく、屋上から見た屋根に空いた場所がここ。
ダメみたいですね。
メニュー。
閉店時間が書いてあるものの、意味がよくわからない。
名物は化所沼定食のようだが、1,800円する上に2名分~となっている。
私は頼む事ができない。
裏は飲み物が中心。
私はアルコール飲まないのでよくわからないが、今も遊園地では扱っているものなんだろうか。
化女沼レジャーランド内で行われた、何かの第7回大会優勝トロフィーの…名前の分からない紅白の帯。
かつては、ここで競技が行われて名を残した方もいる事を考えると切ない。
厨房。
炊飯器。
給湯器。
これと前後して、元経営者の方による挨拶がありました。
齢92歳という事で、ここに来るだけでもすごいという具合です。
化女沼を一大観光地に…という夢を継いでくれる方を探しているそうです。
元経営者というだけあり、92歳でも貫禄ある挨拶をされていました。
参加費は弁当込み。
園内ではなく、古代の里という公園まで移動しました。
普通の駅弁クラス…といった感じです。
もちろん1人です。
さて、午後は17時までは完全フリーです。
施設内を歩いてみましょう。
そうめん流し施設跡。
テーブルの上でしゃぶしゃぶ用の容器に似たモノの中をそうめんが流れていた様子。
数年前に完全に潰れてしまい、アテンドさんより立ち入らないように言われました。
打ちっ放し。
藪となったグリーンを歩く。
別に藪を歩かなくても、上から近づける施設です。
時計。
上がると、ゴルフ受付です。
外見はあまり興味がわかなかったのか、全然撮っていませんでした。
動画キャプチャーでこんなものしか。
レジャーランドとは別に5:30から営業していたんですね。
向かいには飛行機のアトラクション。
これは本物のセスナ機
で、中島飛行機(スバル)製らしい。
アトラクションだったので近づけるはずなんだけど…。
屋内ゲートボール施設。
ここは割としっかりしており、雨風凌げるレベル。
イスに座って30分くらい寝てた気がする。
屋外ライブ会場入り口。
1,000人収容の野外ステージがあり、有名歌手が公演に来た事もあるらしい。
ほぼ全ての席が籔に帰る中、ここだけは快適にステージが見られそうだった。
午前中に雨が降っていたせいもあり、座るのは遠慮した。
四角い東屋型のベンチは、下から生えてきた樹によって横転していた。
そもそもちゃんと固定されていたのか疑問。
野外ステージを一周、ほぼ籔。
ちなみにこの辺りでツアーの参加客の1人と話してみた。
どこから来たのか聞いたら、愛媛だという。
前前泊してツアーに参加しており、この後に岩手県八幡平市の松尾鉱山跡に行きたいのだという。
ちょっと気合入れすぎじゃない?東北といっても、八幡平市って仙台市から相当あるよ……。
皆、そんな気持ちで来ていたのか…。
お姫舘入り口。
ここにも、樹でひっくり返った東屋ベンチが…。
樹の生命力もすごいが、構造に欠陥がある気がする。
お姫館に到着。
どうでもいいが、ゲートは「舘」だったが屋敷は「館」となっていて一貫性がない。
中の資料は、侵入者によって破壊されてしまったそうです。
ここは化女沼に伝わる伝説を語る施設でした。
簡単に書くと、沼の近くに住む長者の娘が居り、ある日若いイケメンが旅の途中で泊まった。
しばらく後、娘は蛇を産む夢を見た。蛇が沼に行くので、娘も後を追って沼に入り、身を投げた…。
という伝説となっています。
なお、出典によって機織り機の音が聞こえる季節が七夕か節句か、違っています。
それぞれのシーンが古風っぽい絵で描かれているのですが、ブログの文字数が足りなくなりそうなのでカットします。
外は桜が多かった。
4時間近い自由時間も、あっという間です(途中、寝てたし)。
バスに戻り、18時前に仙台駅で解散となりました。
私は北上し、石巻市に一泊しました。
という事は…まだ続きます。
これ、かなーり安く東北に遊びに行けるのでオススメです。
高速乗り降りし放題です。
短い距離でも2日間で本来の2/3くらいの費用で済みました。
南関東から東北周遊するプランもありますよ。