写真1:
マグネットは大型DIYで販売されていたものです。
磁力が特に強い希土類磁石ではなく、普通のフェライト系磁石と思われます。
フェライト系磁石と言っても馬鹿にできず、
この磁石をスチール棚に貼り付けると、容易に引きはがすことは出来ません。
磁石を囲っているものは鉄製のヨーク(偏向板)です。
ヨークの種類として、画像の深皿形状だけでなく、
四角い鉄板を曲げたコの字形状のものなど色々あります。
ヨークを用いることで、ヨークの板厚の中に磁束を集中させることにより、
吸着力を増加させることが出来ます。
ヨークは単に磁石と組み合わせればよいという単純なものでなく、
磁石とヨークの隙間、吸着相手の鉄板と磁石の隙間、ヨークの板厚
などにより、ヨーク端部の磁束の集中状態が変わります。
磁石にヨークを組み合わせたものの設計は奥が深いのです。
なので、よ~く試行錯誤して吸着量を増減させます。
写真2:
業務用大型工具箱の中の鉄製仕切板1.02mm厚のものです。
本当は、鉄製の板厚を0.3、 0.6、 1.2mmと倍数系列で用意したかったのです。
が、ミスミパーツとかのシムプレートを購入する場合、個人ユーザーは門前払いなので
泣く泣く身の回りで調達できる鉄板で実験することにした次第です。
写真3:
フォレスター純正の燃料フィルター底部の板厚は0.33~0.36です。
以前、車検時に外した使用済みの燃料フィルターを輪切りにしたものがあったのですが、
引っ越しの時に家庭内行方不明になってしまいました。
なので、100円ショップで板厚0.31mmの鉄皿を調達しました。
写真4:
鉄板だけではおもしろくないので板厚1.2mm厚のアルミ板を用意しました。
これも実験的には失敗しました。板厚0.5mmくらいのアルミ板を使えばよかった。
これも、後の祭り。
写真5:
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鉄製のゼムクリップをぶら下げてみました。
本当は砂鉄とか、鉄粒をぶら下げると測定精度が高くなる筈です。
板厚0.3mmの鉄皿と板厚1.2mmのアルミ板では、
やり方によってはゼムクリップの量が同じになったりしました。
鉄板の板厚が増えると、磁束の大部分が鉄板の中を通ります。
そのため、鉄板の向こう側に漏れ出てくる磁束が減ります。
燃料フィルターと同じ板厚0.33~0.36mmの鉄板を用いれば、
板厚0.31mmの鉄皿より
吸着できるゼムクリップの量は減った筈です。
1.2mm厚アルミ板でのゼムクリップ吸着量は想像したより多くなりませんでした。
これは厚めの板厚1.2mmが災いし、ループする磁束の量が多くならなかったためと思われます。
写真6:
写真5ではゼムクリップの量が分かりにくいので、
A3用紙の上に置いて較べてみました。
右にいくほど、ゼムクリップの量が多くなります。
今から考えれば、ゼムクリップを綺麗に並べて一目瞭然にすれば良かったのですが、
休日出勤ちうに実験したので余裕がありませんですた。後の祭り。
なぜかしら仕事より、こんな実験の方が楽しかったりします。
吸着したゼムクリップの質量を計れば良かったのですが、後の祭り。
写真7:
良心的な磁石の販売は、画像のように鉄板に貼り付けて販売されます。
この理由は、磁束をループさせ続けることにより磁力が弱くならないようにするため、
また、他のもの(クレジットカード等)への磁力の影響を減らすためです。
昔、フロッピーディスクが全盛の頃、磁石でダメージを受けないためのケースがありましたが、
そのFD用ケースには鉄板が仕込んでありました。
さあ、よ~く考えよう!
参考資料
株式会社二六製作所のホームページ →
→ DATA BASEの 磁石Q&A → 【磁石の磁力を遮断することはできるの?】
【お断り】
この実験は、燃料フィルター底部に磁石を貼り付けた商品の効果を
判定したものではありません。
その理由は、該当商品の容器の材質を把握していないためと、
また、容器底部の板厚を把握していないためです。
該当商品をお持ちの方が、自分で確認または推定する場合の
参考知識を提供するためのものです。
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パーツの効果推定 | 日記
Posted at
2010/12/12 17:50:18