他人の分析が終わったら,今度は自分の番という事で,先日のTC2000の走行結果を振り返ってみます.
タイムとしては,袖ヶ浦のEF8が引っ張ってくれた事もあって,0.1秒ですが自己ベストを更新出来ました.
ただ,正直,A052という新たな武器を投入した割にはタイムの伸びが今一つで,その要因を考えてみると,やはりフロントのブレーキパッドのせいかな?と思っています.
ZONEの「
ブレーキングマイスターへの道」の絵をお借りすると,コレ(↓)です.
以前使っていたFEEL'Sの「
レーシングパッド」よりも,今使っているプロジェクトμの「
RACING-N+」の方が効きが強く,タイヤがロックするまでのペダルストロークが少ないので,コントロールがシビアで,思い切ってコーナーに飛び込めません.
また,その少ないストローク間の制動力も非常に高く,コーナー進入時のブレーキングでどうしても止め過ぎてしまいます.止め過ぎてしまうと,即座にブレーキをリリースするしかなく,TC2000で大事な「エイペックスまでフロントの荷重をキープする事」が出来ませんでした.このため,立ち上がりはA052のグリップに任せて乱暴に立ち上がるしかない…という状況.
一応,当日は少ないペダルストロークの間でも何とか調整して,緩いブレーキングでフロント荷重を長時間キープする事を試みたのですが,今度は荷重移動の総量が減ってしまい,フロントタイヤに荷重をのせ切れず,やっぱりタイヤ任せな走らせ方になってしまいました.
この問題は,後にエビスサーキットでも起きており,ドライビングの幅を狭めているので,変な癖がつく前にパッドを変更しないとマズイかな?と思っています.
さて,そんなイマイチ消化不良気味なラップではありますが,一応,ベスト更新はベスト更新なので,その要因についてLAP+で見てみます(青:以前のベスト 緑:今回のベスト).
①ホームストレートエンド(1つ目の赤丸)
今回(緑)の方が0.9km/h遅いですが,微小な差なので,もしかしたらガーニーフラップの影響かもしれません.ただ,本当に微小な差なので,この0.9km/hの差はタイムには全く影響していません.
②1コーナー進入(2つ目の赤丸)
ここがブレーキの問題を感じる最初のポイント.フロント荷重をキープ出来ないので,走っている最中は「向きが変わらない・・・」と思ってましたが,意外と影響はないですね.A052のグリップ力がカバーしてくれているという事なのでしょう.
③1ヘア進入(3つ目の赤丸)
3速をキープし,かつレブに当てないように少しアクセルを戻しているのですが,戻し量が少し大きかったようですね・・・.これで0.05秒失っています.
④1ヘア出口(4つ目の赤丸)
ここは先述のブレーキの問題が顕著に表れていますね.今回(緑)の方が早く速度が落ちて,かつ即座にアクセルを踏んでいるのが分かります.ただ,フロントの荷重がキープ出来ていないので,立ち上がりでアクセルを踏み過ぎて,プッシュアンダーが出てますね.
ココ(↑)でアクセルを踏み始めており,舵角が大分残っているので,下の車載の音を聞いてもらえるとタイヤからスキール音がしているのが分かると思います.
⑤ダンロップ(5~6つ目の赤丸)
1ヘアを抜けてから,2→3速にシフトアップする際にミス・・・.
これで0.15秒ロスしてしまいました.ただ,その後のダンロップで大幅にボトムスピードを引き上げ(107km/h),これにより先程の遅れは0.05秒差にまで挽回出来ています.
ちなみに,この5km/h近くボトムを上げられた要因は,間違いなくA052のグリップ力でしょうね.
⑥2ヘア(7~8つ目の赤丸)
進入(7つ目の赤丸)の方は前回(青)よりもほんの少しだけブレーキングを詰められて,車速が1km/h伸びています.その後,再びブレーキの問題に悩まされ,なかなか向きを変えられない"もどかしさ"を強く感じました.
ただ,立ち上がり(8つ目の赤丸)でほとんど差がついておらず,むしろ,今回(緑)の方が,若干ですがスムースに立ち上がっているので,タイム差は0.1秒リードとなりました.
⑦最終コーナー(9つ目~載後の赤丸)
1コーナー進入時と同様,最終コーナーの進入(9つ目の赤丸)でも今回(緑)の方が,若干速度の伸びが悪いですね.ここから察するに,今のガーニーの高さだと147km/hくらいからドラッグの方が上回ってくるという事なのでしょうか・・・?
また,最終コーナー(最後の赤丸)でもブレーキの問題が垣間見えます.今回(緑)の方が早く止めて,即座にブレーキをリリースし,122km/h辺りの車速をキープしている様子が窺えます.この車速の高さはA052のグリップ故でしょうね.
ちなみに,最終コーナーで,躊躇なく,これだけ素早くブレーキ→アクセルに踏みかえる事が出来ている点から,それだけ車体が安定していた(=ガーニーフラップの追加によってリアのダウンフォースが増えていた)という事の証でしょう.
FSWであった140km/h以上の領域におけるバイブレーションも,今回は起こりませんでしたし,空力のバランス的にはとれてきたのかな?と思います.
以上の事から,今回タイム短縮に至った要因は2ヘアと最終コーナーの処理が上手くいったおかげで,これをA052のグリップ力とガーニーフラップによるバランス改善が寄与していると思われます.また,1ヘア立ち上がりのアンダーとダンロップ手前のシフトミスで0.2秒はロスしていそうなので,これがなければ8秒台前半に突入出来ていたのかもしれません.
なお,最初に問題視したブレーキですが,LAP+の比較結果だけ見ると影響はほとんどなく,上手く帳尻を合わせる走りが出来たのかな?と思います.ただ,乗っててコントロールの幅の狭さを感じますし,無茶が効かないという事もあるので,フロントのブレーキパッドを変更して,再度トライしてみたいな・・・と思っています.
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筑波サーキット・コース2000 | 日記
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2019/11/20 23:15:54