
コンディションと新品タイヤに助けられて,
望外の結果が得られたテストでしたが,実は帰宅してからもう一勝負ありました(苦笑).
この日のファミ走の枠は午前中のみだったので,夕方前には家に着いたのですが,早速動画の編集をしようとノートPCの電源を押してもウンともスンとも言わない(汗).ここ数日「何か調子悪いなぁ~」と思っていたら,どうやら電源系統がお亡くなりになったようで完全に起動しなくなりました・・・.そこから5時起きで重たい身体に鞭打って,中古PCを買いに走り(タイヤが2本買えた・・・),家に戻ってネットの接続やら,LAP+や動画編集ソフトのセットアップ,みんカラやYoutTubeのIDやパスワードを探し出す等々,復旧作業に追われました.
作業が一段落する頃には日付が変わり,その日感じた事を忘れないうちにブログに書いておこうと思ったら,力尽きて寝落ちしてました(苦笑).そんな感じで走行データの分析まで手が回らなかったので,遅ればせながら着手してみます.
・・・とその前に.
先月末に黒い夢。さんと走った時の動画を公開して頂いたので,まずはこちらからどうぞ.
タイヤが壊れる直前の走行なので(最後のホームストレートで避けた辺りで壊れました),グリップ不足な状況ではあるのですが,それにしても私のライン取りが酷い・・・.全然クリップにつけてない.この動画の反省点が後に40秒台を出す際の糧となりました.黒い夢。さん,本当に有難う御座います!
さて,時間を進めて先日のTC1000の話.まずはアップデート前後のベストの比較をしてみます.
(青:アップデート前 緑:アップデート後)
①ホームストレートエンド(1つ目の赤丸)
アップデート後(緑)の方が最高速が2.2km/hもアップしています.恐らくTC1000で133km/hオーバーは自身初です.これは205/50R15へのタイヤサイズダウン(外径:607→587mm,幅:233→214mm)による加速力アップと小細工が効いているんでしょう.これで0.06秒速くなっています.
②1コーナー進入(2つ目の赤丸)
進入速度が高いおかげでボトムスピード自体は互角ですが,やっぱりアップデート後(緑)は205幅で絶対的なグリップ力が下がっているため,アクセルONのタイミングがワンテンポ遅れていますね・・・.これで先程稼いだ0.06秒が帳消しになっています.
③1ヘア進入(3つ目の赤丸)
ここでもアップデート後(緑)の方が車速が2.8km/hもアップしています.バネレートアップによってフロントのキャパシティが増え,ブレーキングの開始点も少しだけ奥にする事が出来ました.これで0.05秒稼いでいます.
④1ヘア立ち上がり(4つ目の赤丸)
アップデート後(緑)の方が進入でブレーキングを遅らせた分,ボトムを下げる必要がありましたが,ブレーキング時のフィーリングは結構良くて,フロント荷重をキープしてスムースに向きを変えられるようになりました.恐らくこれがフロントサスのストローク量アップの効果でしょうね.
これで瞬間的にはアップデート後(緑)の方が0.14秒リードするのですが,エイペックスを抜けた後にアクセルを開けていく状況下では,やはり205幅だと前に進まない印象がありました.実際,トラクションのかかりが悪く,先程の0.14秒をまたも帳消しにしています・・・.
⑤インフィールド進入(5つ目の赤丸)
ここもアップデート後(緑)は2.8km/h車速が伸びてます.加速が良くなる事自体は嬉しいのですが,逆に加速が良すぎてインフィールド進入のブレーキングまでにレブに当たるようになってしまいまいた・・・.
このため,手前からアクセルを抜いてコントロールするか? インベタ寄りのラインにして距離を縮めるか?色々試してみたところ,インベタの方が0.1秒速い結果となりました.
⑥インフィールド立ち上がり(6つ目の赤丸)
ここはバネレートアップで劇的に動きが変わりました.インベタのライン取りにした効果もあるとは思いますが,この地点(↓)からアクセルを開けていってもアンダーが出ません.
ご覧の通り,まだ向きが変わり切っていないんじゃないか?と思える地点なので,乗っている時は結構感動しました.やはりこの地点からアクセルを踏めるのは非常に大きく,洗濯板手前までにリードを0.4秒まで拡大しています(これが今回40秒台に入れられた要因だと思われます).
⑦洗濯板手前(7つ目の赤丸)
ここまでアップデート後(緑)は終端速度が軒並み3km/h近くアップしていたのですが,このポイントだけは伸び代が0.9km/hと目減りしています.車速が伸び悩むポイントを見てみると(↓),
バックストレッチ明けの高速左コーナーでした.ご覧の通り舵角が大きくなるポイントなので,ステアリングを切り込んだ際の抵抗に打ち勝ててない(どちらかと言えば負けている)という事なのでしょう.ここは今後に向けて改善ポイントですね.
⑧最終複合(最後の赤丸)
ホイールリムの拡大によってタイヤがヨレなくなったせいだと思うのですが,アップデート後(緑)は洗濯板を下りた後の跳ねが皆無になりました.これのおかげで不必要に失速する事なく,ボトムを高くキープした状態で最終コーナーに進入出来ています(これにより瞬間的には0.5秒まで差が拡大しました).
ただ,最終の立ち上がりは,やはり205幅では踏ん張りが足りず,若干失速(横滑り)してロスしてしまいました.このため,最終的な両者の差は0.4秒となっています.
全体的に見ると,ストレート~コーナー進入の区間では,タイヤのサイズダウンによる加速力向上と,ホイールのリム幅拡大によるタイヤのヨレ低減の効果でアップデート後(緑)の方が上回っているようです.一方,コーナーの立ち上がりの区間では225幅という絶対的なグリップ力によってアップデート前(青)の方が上回っているようです.
ようはコーナー進入と立ち上がりの損得計算という事なので,B18CやK20A搭載車のようなパワーがあるクルマの場合は,太いタイヤの方がタイムが出るという事なのでしょう.やはりEF8の先輩の新たな武器である
245/40R17には警戒が必要ですね・・・.
次に,はやぶ@小豆さんのEF8との比較もしてみます.
両者のタイム差の推移は以下の通りです(上に行く程,はやぶさんの方が速い).
①ホームストレートエンド ・・・ +0.15秒
②1コーナー出口 ・・・ +0.25秒 (合計 +0.40秒)
③1ヘア進入 ・・・ -0.20秒 (合計 +0.20秒)
④インフィールド進入 ・・・ +0.25秒 (合計 +0.45秒)
⑤インフィールド出口 ・・・ +0.30秒 (合計 +0.75秒)
⑥洗濯板出口 ・・・ +0.05秒 (合計 +0.80秒)
⑦最終コーナー進入 ・・・ ±0.00秒 (合計 +0.80秒)
⑧ゴールライン ・・・ +0.20秒 (合計 +1.00秒)
前回,最も大きな差がついていたインフィールド~洗濯板の区間を今回のアップデートで縮める事が出来ました.
ただ,それ以外は全体的に負けたままですね.1ヘアや最終コーナー等,瞬間瞬間では詰められている部分もあるのですが,全開加速の領域では完全に負けています.加速領域だと足回りでメカニカルグリップを引き上げる事は困難なので,タイヤの幅も拡大出来ませんし,残る手立ては「Sタイヤの投入」くらいでしょうか?
あとは車高の10mmアップによって,フロントディフューザーから得ていたダウンフォースが失われているはずなので,カナードを追加する等してエアロダイナミックグリップを取り戻す必要がありますね.劇的な軽量化が期待出来ない以上,今後の伸び代は空力で見つけるしかなさそうです.
以上,40秒台突入の要因分析と,ここから1秒先の世界に向けての改善点探しでした.
あと,空力と言えば,コチラのお方(↓)も日々策を練っていらっしゃるようなので,ヒルクライム仕込みのエアロダイナミクスを,是非とも学ばせて頂こうと思います.
(スマホのカメラなので,音が悪くてスミマセン・・・)