
「魅せるためには,足し算だけでなく引き算も使えなければいけない.シンプルに,シンプルに・・・.言葉や文字ではない表現方法も使う」.こういうのってセンスが問われるので私には無理だなぁ~と思ったOXです.
さて
前回の続き2F編です.こちらのフロアの方が情報量が多いので,前後編では収まり切らず中編です・・・.
「富士モータースポーツミュージアム」は1Fと2Fに展示があるのですが,各フロアへの移動はエレベーター経由でしか出来ないそうで,これに乗って2Fに上がります.そして,エレベーターを下りて正面に出てくるのがコチラ(↓)のクルマ.
「ポルシェ 904 カレラ GTS」.タルガ・フローリオ(イタリアの公道レース)の優勝車だそうですが,別に詳しくもないので「ふ~ん・・・」で終わらせようと思ったら,「アレッ?」と気になる点が.
ポルシェなので当然左ハンドルな訳ですが,左側にはサイドミラーが付いているのに,右側にはない.1960年代のレギュレーションなので,右側は目視確認という事なんですかね.「古いクルマって皆そうだったか?」と思い,色々見て回ったのですが,他の車両は大体両方付いてましたね.
ミラーネタで面白かったのは,「ニッサン R391」でしょうか(↓).
日本車らしく(?)右ハンドルになっていて,右側の定位置にはサイドミラーが付いているのですが,左側は「サイド」というより「バック」ミラーという感じの位置でした(↓).
空力的にはあんまり良さげな位置には思えないのですが,ここはドライバーのニーズを優先したんですかね?
ま,オープンプロトでこの辺りの空力に拘っても意味がないという事なのかもしれませんが・・・.
そのまま展示を見ていくと,グランツーリスモで遊んだラリーカー達にお目に掛かれます.
その中で気になったのは,コチラのエボⅢ(↓).
リアのマッドフラップが90度に折れ曲がっています(↓).
最初「展示の演出のために後方を持ち上げて止めているのかな?」と思いましたが,反対側を見るとそんな事はなく(↓),
反対側は垂れ下がっていたので,実際に走ってああなったという事なんでしょうね.
後方に巻き上げる力って,やっぱり凄いんだなぁ~と思いました.
お次は,コチラも広報資料でお馴染みの2台の展示.
クルマの下にスピーカーを仕込んで,3ローターの咆哮を響かせる等,雰囲気作りも素晴らしいのですが,やっぱり「魅せ方」の創意工夫を感じます.この2台が展示されている部屋の壁はシースルーになっていて,帰りの出口に向かうエスカレーターから,この2台が透けて見えるのですよ(↓).
コース図と重なって雰囲気抜群ですね.実に素晴らしい!
この2台が置かれている横の壁には歴代のル・マン優勝車の名前が連なっていたり(↓),
アチコチ,ホント工夫されています.
お次はGTカー.こちらも色々展示されているのですが,その中から「ペンズオイル ニスモ GT-R」を.
1/末に「フロントのアンパネの角度って前下がりと前上がり,どっちが良い?」と聞かれたのですが,レーシングカーはこんな感じ(↓)でした.
若干前下がりにすると,その後ろで跳ね上げた部分でディフューザー効果も得られると思うのですが,路面の傾斜角によっては更に角度がつき過ぎてしまい,最悪ストールする(流れている空気が剥離して力を失う)可能性があります.このため,近年の傾向はフロントの先端部分は丸めて,角度変化に対して反応を鈍くする(路面の傾斜に関係なく安定して空力効果を得られる)方向であり,その観点からどちらかと言えば,前上がりの方が良いんじゃないかなぁ~?というのが個人的な意見です.
ちなみに,個人的な注目点はこのクルマのフロント部分ではなく,リアの部分.
さっきのマッドフラップの話じゃないですが,リアタイヤの後方って結構な圧力が発生するので,タイヤの後方に位置するリアバンパー部分をカットするのが一般的な手法なのですが,こちらの車両はトンネルを作って,そこから逃がしているのが確認出来ました(トンネルの先にリアタイヤが見えます).
なるほど! これならバンパーのデザインを台無しにせず,圧力を逃がす事が出来るなぁ~と1つ勉強になりました.
以上,2階半分でした.こちらのフロアはまだまだ見どころが多いので,更に
後編に続きます.
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博物館見学 | 日記
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2023/03/13 12:50:56