
1日たっぷりと楽しんだ
123ルーキージムカーナですが,動画編集の過程で車載を眺めていると,たんまりと反省材料が見えてきたので(苦笑),記憶が残っているうちに反省会(回)をやっておきます.
毎度の如くロガーデータを用いて反省するのですが,パイロンジムカーナって基点を置きにくいので,分析するのがホント難しい・・・.ジムカーナの公式戦だと1日2本しか走らないので,1本目が終わったら短い時間で即分析しないといけないと思うのですが,本職の方々は一体どうやっているんでしょう??
さて,分析は当然の如く午後の本番3本の中から行おうと思うのですが,2本目はスタートをミスった事もありタイムが伸びなかったので,今回は1本目と3本目を比較する形で行おうと思います.
ジムカーナなので,まずはコースの確認から.大会開始時に頂いたコース図はこんな形でしたが(↓),
実際に走るとこんな感じでした(↓).
外周の左上のパイロンが絵よりも内側に来ており,スラロームセクションを抜けた後,鳴門セクションへ進入する際に通過するパイロンが実は鳴門の6本目に位置していたりします.ジムカーナアルアルのコース図だけ見ていると騙されるヤツですね(笑).
続いて車載.
【1本目(57.138)】
気圧:1009.8hPa 気温:33.4℃ 湿度:63%
【3本目(56.813)】
気圧:1008.6hPa 気温:33.6℃ 湿度:60%
1本目と3本目でちょうど1時間差ですが,ほぼコンディションは変わりませんね.日照時間もほぼ同等なので路面温度も同じと見なして良いでしょう.セットは全くイジってないので,純粋にドライビングの差となります.
それでは本命のロガーデータです.1つずつ順番に見て行きます(青:1本目 赤:3本目).
スタート~90°ターン
1速+アクセル全開で駆け抜けているだけなので,なんにも差がないだろう~と思っていたら,1速→2速へシフトアップする辺りで差が出ていました.3本目(赤)の方が若干引っ張り気味となっており,気合を入れてレブに当たるのも厭わず踏み込んだおかげでしょうね(↓).
ただ,2速へシフトアップして以降は1本目(青)の方が車速の伸びが良い・・・ように思えるのですが,実はこれはミスで,1本目(青)はブレーキングのタイミングが遅過ぎて止まり切れず,その先の90°ターンのパイロンでオーバーシュートしています(↓).
このオーバーシュートにより次のパイロンへのライン取りが悪くなった反省から,2本目・3本目ではそれを修正して少し抑え気味に進入するように変更しました.加えて,3本目では前回の反省である「
速度と距離のバランスを詰める」を心掛けたので,手前のラインも極力タイトに入る(距離を削る)ようにして0.18秒削り取れました(下側の緑丸).
ちなみに,これは後の祭りになるのですが,90°ターンのパイロンに向かってタイトなラインを選択し,オーバーシュートしないように抑え気味にブレーキングした場合,パイロンの手前で2速に入れる意味がなかったんですよね・・・(↓).
1速→2速にシフトアップしても3km/hしか伸びてませんし,これだったら1速に入れたままアクセルコントロールで車速を維持して,パイロンに届かせる形を取れた良かったなぁ~と思いました.そうすれば,90°ターンを抜けた先の低速セクションを1速で抜けられたし,その先の180°ターンでも加速が良かったはず.車載を見返していて「失敗したなぁ・・・」と痛恨の思いでした.orz
180°ターン(1回目)
1本目(青)の方が,手前の90°ターンで膨らんでしまった分だけ,切り返しとなる次のパイロンへのアプローチが苦しく,ステアリングを切る量が増えてしまい,180°ターンでは操舵抵抗が増えて失速しています.
上の画像の位置でも既にアクセルを開け始めているのですが,2速という事もあって全然加速しませんね(汗).今回,路面温度が高い事もあってタイヤのヨレを強く感じたのですが,タイヤがヨレている時はホント,クルマが前に進みませんでした・・・.低速だからと言って力任せにステアリングを切ったり,アクセルを開けたりするのではなく,「少しでも早くクルマの向きを変える(=ステアリングを早くニュートラル状態にする)」「クルマの向きが変わってからアクセルを開ける(=ステアリングとアクセルを連動させる)」といった基本操作を,こんな極低速のコーナーでもちゃんとやらないとダメだと痛感させられました.
日頃,如何にLSD頼みで走っているのかが良く分かります.もっと丁寧に,クルマを前に進める(転がす)意識を高めないとダメですね.やはり私は低速コーナーの処理が下手なんだと改めて思いました.
外周(行き)
1本目(青)の方が,180°ターンで大きく遅れているので,その差がまんま響いた形となっています(最高速も2km/h低い).これで両者の差は瞬間的に0.52秒まで開きます.ちなみに,この時も距離を削る事を意識していて,3本目(赤)の方がかなりタイトなラインを通っています(↓).
180°ターン(2回目)
1本目(青)の方がワイドなラインである分,外周のパイロンに対して余裕をもった角度で進入出来るため,ブレーキング区間の速度は全体的に1本目(青)の方が高いです.ただ,距離が長い分だけタイムは削れず,両者の差は縮まりませんでした.
外周(帰り)
3本目(赤)の方は,引続き距離を削る意識をもって走っていたので,特に問題はないと思っていたのですが,50km/h付近で1つ問題が.ロガーデータを見ると,なぜだかここで一瞬失速しています・・・.何をやらかした??と思い車載を確認してみると,どうやらここでパッとステアリングを離したようです(↓).
なんでこんな操作をした??と記憶を辿ってみると,外周へ進入するパイロンの辺りで想定よりも舵角が大きく,ステアリングを多めに戻す必要があったのですが,なぜか左手は次のダウンシフトに備えてシフトノブの位置にあったため(=ステアリングから手を離している),ステアリングを引いて舵角を戻す事が出来ず,止む無く右手をパッと離して,セルフアライニングトルクで戻そうとしたようです.このため,タイヤの角度が急激に変わり,そのヨレで失速してしまったようですね・・・.
最短距離を通る意識で走っていたので舵角が大きいのは仕方ないとして,問題は「なぜこのコーナーで左手をシフトノブに置いたのか?」.1本目(青)は置いておらず,2本目も進入まではステアリングから手を離していない・・・.ここから察するに3本目は気合を入れ過ぎて,「この先の2速→1速へのダウンシフトをミスれない!」というプレッシャーを感じ,早めに備えようという意識が働いたんだろうなぁ~.気合を入れた際の私の余裕のなさが窺えますね.
スラロームセクション
3本目(赤)の方は,距離を削る意識から180°ターンとなる1個目のパイロンに対してタイトに入り過ぎてしまい,2個目のパイロンに向かってのステアリングの切り返し操作が間に合わず,オーバーシュート.これでリズムが狂ってスラロームセクションはジリ貧状態だったようです・・・.
1本目(青)の方は,1個目のパイロンでカウンターを当てるレベルのオーバーステアが出たため(↓),
2個目のパイロンでの切り返しに余裕ができ,リズムを崩す事なくスラロームセクションをクリアした事で概ね5km/hくらい高い平均速度で駆け抜けられたようです.この結果,瞬間的には3本目(赤)に対して0.2秒リードしているような状態となりました.ワンミスでこれだけ致命的なダメージを負ってしまうのですから,やっぱりジムカーナってシビアですね(泣).
しかし,それにしても私はスラロームがホント下手だったなぁ~.アクセルOFFとステアリングの切り込みタイミングを連動させて,クルマの姿勢を上手く作らないと曲がらない事は理解しているのですが,それが全然出来なかった・・・.ステアリングの操作にアクセルを合わせ込んで,ひたすら我慢しながら曲がる感じ.ステアリング捌きが根本的に遅いんでしょうね.スラロームの基礎練をもっとやりたいところです.
鳴門セクション
ここは中心の青パイロンへの進入で左に切った際,3本目(赤)の方が意図せずオーバーステアが出て(↓),
その状態から一気に右へステアリングを切り込んだため,ドリフトのフェイントモーションみたいな感じの動きとなり,小回りする事が出来ました.1個目のパイロンを小回りした事でその後のターンにも余裕ができ,鳴門状にターンする度に0.1秒ずつ差を詰めて,最終的に3本目(赤)の方が0.3秒速くゴールする結果となりました.
従って,鳴門セクション進入時のオーバーステアが最後に自己ベストをマークした要因となる訳なのですが,正直このオーバーステアが出た理由は分からず・・・.ライン的にも車速的にも1本目と3本目で大差はなく,ドライビングも特に変えた意識はありません.察するに距離を削る事を意識して,ひたすらタイトなラインで走り続けた結果,終盤でリアタイヤがタレて,もたなかっただけかなぁ~?と想像しています.
以上,ルーキージムカーナ反省会でした.纏めると,
・「速度と距離のバランスを詰める」のがやはり大事
・速度を犠牲にしてでも,可能な限り最短距離を走る
・低速だからといって力任せに操作しない
・低速だからこそ,少しでも早くステアリングをニュートラル状態に戻す
・ステアリングがニュートラルに戻ってからアクセルを開ける
・スラロームは要鍛錬.ステアリングの切返しをもっと早く(筋トレ?)
・ジムカーナはやはりオーバーステア気味な方が楽(ラインの自由度が増える)
といったところでしょうか.自分では割と丁寧に操作しているつもりだったのですが,低速コーナーでここまで雑になってる自覚がありませんでした.また,スラロームも苦手意識はありましたが,まさかここまで下手だとは・・・.これらの課題に気づけただけでも,参加した甲斐があったなぁ~と思います.