5月3日(月)
5時過ぎに起きて、日の出を見るために島の東側の海岸へ歩いてみます。
残念ながら本日も日の出は雲の中です。
一旦民宿に戻り、そう言えば今日から天気が曇りがちになるんだっけ? と、思いながら携帯で天気予報を確認してみると、
いつの間にか5月4日まで晴天の予報に変わっていました。なんとまぁ、ツイているのでしょう。
朝食を頂きながら、おじさんたちに夜釣りの釣果を尋ねてみると、「もう釣れすぎちゃって腕が疲れちゃったよ」と言いながら嬉しそうに笑っていました。
Yさんに「今日は御岳に登る予定」と告げたところ、それなら登山口まで送ってあげようという話になりました。
ネットであれこれ調べてみたのですが御岳登山に関する情報は少なく、正規ルートは火山活動レベルが上がって2km以内立ち入り禁止(すなわち、ほぼ登山禁止)になったときに荒れ放題となってしまい、今は気象庁の方の観測機器点検用のルートが歩きやすいという情報がある以外、詳しいことがよくわかっていなかったのでした。(今は火山活動レベル2、火口から1km以内立ち入り禁止ですので旧火口ぐらいまで登れるらしいです)
ガソリンを入れるYさん。手回しポンプは初めて見ました。
ちなみに車検を通すときはフェリーで鹿児島まで車を運ばなければならないので、トータルするとすごい値段になるのだとか。
最初に役場(出張所)に顔を出し、登山届け名簿に名前を書きます。
登山口まではけっこうな距離があり、送ってもらえて助かりました。(実際3~4kmぐらいあるのではないでしょうか)
では、行ってみるとしますか!
最初、少しだけ森林帯を歩いた後、、、
すぐに森林限界を突破します。かなり標高が低いところで森林限界に達するのは海風が強いからか、溶岩台地で植物が生えにくいからでしょうか。
登山道に蜘蛛の巣がたくさん残っているので、同じく今日登ると言っていたFさんもNさんもまだ来ていないのだと思います。
稜線のトップを歩くので迷うはずは無いのですが、下山時に悩みそうなところではペンキの印(写真中央)を確認しながら登っていきます。
火山活動の観測装置でしょうか?
登るにつれ風が強くなります。
そして、一つ一つの溶岩の固まりが大きくなってくるので、それらを迂回するように道が続いています。脇に続く道を見落として正面突破すると、とんでもない悪路を進むことになるので注意が必要です。
登山道入り口から1時間弱で立ち入り禁止ポイント(火口から1km手前の地点)までやって来ました。午前10時前に登ってみたのですが、そんなの関係なく空はガスっています。(朝からガスってました)
もしかしたら、小さな島にある山は午後(夕方近く)の方が安定するのかもしれません。
(ここ数日の硫黄島や悪石島含めての経験から得た推測です)
こちらが旧火口です。(1813年噴火。この噴火で諏訪之瀬島は一時無人島化しています)
尾根の溶岩壁を風避けにして行動食をパクつきつつ晴れるのを「まったり」待ちます。
(できれば小噴火ぐらいしてくれないかと期待しております)
とにかく風が強く冷たく、ユニクロの安物ヤッケ1枚で長時間粘り続けるのはけっこうきついです。
山頂以外は晴れてるみたいなんですけどね~
お、なんか空が明るくなってきたような・・・・
待つこと1時間ちょい、ようやく空が明るくなり、山頂向こうの火口から煙が上がっているのが確認出来たので、満足して下山することにしました。
下りは果てしなく広がる下界を見渡しながら歩きます。
水平線まで視界を遮るモノが何も無いので、まるで空中散歩しているかのような気分になります。
見落としては駄目なポイントはすべて記憶していたので、道をロストすることなく快調に下って行きます
振り返った景色も絶景です。やはり山は晴れてなんぼです。
溶岩地帯の向こうに緑の稜線が見えています。
もう、1ヶ月もすればこの辺りに生えているマルバサツキが一斉に咲き出し、山がピンク色に染まるのだそうです。(ちょうど梅雨時期と重なってなかなか気分良く楽しめないのは北岳の「キタダケソウ」に似てます)
TX7のパノラマ撮影にもチャレンジ。これ、すごい便利です。
たびたび振り返っては小噴火が始まっていないか確認します。
このあたりから稜線を外れて、谷筋へと降りて行きます。
灌木帯まで降りてきました。
下からFさんが上がってきました。(12時前)
午前中に登ると言っていたのにどうしたのか訪ねてみたら、民宿から歩いて来たら道に登山道入り口見落として海まで行ちゃったそうな。(たぶん、私より2時間近く余分に歩いたんじゃないでしょうか)
後で聞いた話によるとNさんは(ちゃんと教えてあげたにもかかわらず)荒れ放題の正規登山道に突っ込み、藪漕ぎしながら稜線まで出て(その頃私は目の前を通過したみたいです)、下山するときに下から登ってきたFさんとすれ違ったそうです。
さらに、Fさんから教えてもらったこのルートも途中でロストし、下りも結局藪漕ぎルートで下ったと言ってました。(登りでマーカー見ておかないとさすがに見失うと思います)
だいぶん気温も上がってきて、頂上付近で強風に凍えながら晴れるのを待っていたのが嘘みたいです。
下の方まで降りてくるとマルバサツキが綺麗に咲いていました。
振り返ると稜線を行くFさんが小さく見えました。(望遠で撮影)
登山口まで戻ってくると、カラスではない大きな黒い鳥を発見し望遠レンズに付け替えてカメラを向けたところで逃げられました。。。(気配を殺さないとダメですね)
Fさんが迷い込んだ海の方まで行ってみようかと思ったのですが、それだと民宿の女将さんに伝えておいたお昼時間までに戻れなさそうだったので、やめておくことにします。
この砂防ダムは新しいタイプで、大きな石はブロックするけど、小さな石は素通しさせるので生態系に与える影響が少ないとYさんが言ってました。
こういう公共事業が発生しないと島の人々の生活も成り立たないという側面もあるみたいです。
(悪石島で会った若い役所の職員さんの事を思い出しました)
一度車で送ってもらった道なので迷うことなく民宿に向かって歩いて行きます。
島の共同牧場です。(島民が共同で管理使用する牧場)
Yさんの牛もここに居るのでしょうか?
これが入ってはいけない登山道。この先、荒れ放題だそうです。(禁止されているわけではないです)
住居地域まで戻ってきました。(なんだかんだで登山道入り口から45分かかりました)
役場の出張所に顔を出したところ、職員さんがいらっしゃらなかったので、下山したことをメモで書き記しておきました。
山頂付近はまだガスの中ですね。(FさんもNさんも快晴の山頂は拝めなかったとか)
お昼ご飯は美味しい具沢山なうどんでした。(関西風味)
さて、午後はどうしましょうかね?
温泉も入ったし、山も登ったし、、、、
ついに民宿でまったり!?
地図を見ると、まだ行っていない観光ポイントがいくつか残っていたので、「まったり」散策してみることにします。
では、行ってみますか!
ナハ浜へと続く道です。
最後はロープの張られた急な斜面を下ります。
ナハ浜です。
広大な浅い潮だまりが無数に広がっています。
パンフに「星砂が見つかる」と書いてあったので、Yさんの奥さんに「干潮の時に潮だまりで拾うんだよ」と教えてもらい、そのタイミングを見計らってやってきたのでした。
試しに適当な潮だまりで砂を拾って探してみますが、まったく見あたりません。
クモヒトデはたくさん居るんですけどね。(捕まえようとすると、すごい勢いで手を切られてしまうので無理でした)
星砂求めてあちらこちらの潮だまりに手を突っ込みます。
(ちなみにこの広大な海岸には私しか居ません)
海の縁まで来たのですが、やはり見つかりません。
こりゃぁ、何か間違えたかなぁと思いつつ、とある潮だまりの砂を丁寧にさらってみると、ようやくそれらしき粒を一つ発見!
一度見つけると脳内に認識パターンが作られるからか、次々と発見できるようになりました。(一掬いで5粒ぐらい)
分かったことはどの潮だまりにでもあるというわけではなく、ある場所は徹底的にあるし、無い場所はまったく無いようです。
にしても、なんと地味な作業(笑)
しかし、案外これが楽しく、1時間以上霧中になってホシスナを集めておりました。
(あまり手のひらに載せたままにして乾かせておくと、たまに風で飛んでいってしまったりして、声にならない悲鳴を諏訪之瀬島の片隅で上げておりました)
で、こんなにムキになって集めた後、これをどうするんでしたっけ?(笑)
まぁ、いいやと言うことでウェストポーチに集めたホシスナを入れて、次なる観光ポイントを目指します。
(結局東京まで持ち帰りました)
その前にジュースで乾杯。(ホシスナを一生懸命集めた自分に)
まだ行ったことがない元浦港方面に向かって歩いていると、後ろから軽トラが走ってきます。
そのまま抜かしていくかと思ったら、助手席から昨日お話しした釣りで来ていた方が顔を出し
「面白いモノ見せてあげるから乗りなよ」
と、声をかけられます。
と、言うことで、荷台に荷物監視員として乗せてもらいました。
オープンエアがなんとも気持ち良いです。
トビウオ(を追いかけてやってくるGT)が今年はまだ入ってこないので、今日はトローリングにチャレンジして、手巻きリールでカマスサワラやスマガツオを上げたのだとか。(取り急ぎ民宿に氷を取りに行った帰りに私を見つけたそうです)
この港が巨大なトビウオで埋まるのだとか。
諏訪之瀬島はトビウオ掬いで有名です。この港はフェリーが着岸する切石港とは別の港です。
ふと港の先を見ると人影が3つ。
おじさんたちはここで釣りをしていたようです。
バンバン釣れるのかと思いきや、日中の魚は結構擦れている様子。
蒔餌には反応するものの、針のついた本物の餌にはまったく食らいつきません。(水が綺麗なのでその様子が見えます)
釣れる瞬間を・・・、と思ってカメラ持って待っていたのですが、あまりに「浮き」にすら反応が無いので、諦めて次のポイントに向かうことにしました。
小中学校の方へ向かって登って行きます。空の方で「ブーン」とエンジン音が聞こえたので、例のチャーター機が飛んできたんだろうと空を見上げたのですが見あたりませんでした。
沈みゆく太陽がなんとも良い感じ。
(おじさん三人も写っています)
民宿にかけてあったトカラカレンダーの諏訪之瀬島編(4月)の撮影ポイントを探していたのですが、どうもそれらしき場所が見つかりません。
(正解は場外飛行場の端っこだったそうな)
諦めて一旦宿に戻ると、男性4人組が宿の前に居て、私を見るなり一斉に
「温泉、入ったんですか!?」
と、声をかけられます。
どうやら彼らが飛行機で温泉に入りに来た方々のようです。
私と同じで温泉に入るのがそこまで大変だとは知らなかったらしく、夕方に飛んできて「今日は無理」宣告を受けたところだそうな。
(ちなみに、早い時間に来たとしても今日は風が強かったので上陸できたかどうかは微妙だったらしいです)
聞けば飛行機はチャーターではなく自家用で、4人中3人がライセンス保有者、皆でお金を出し合って貧乏フライト(本人たち曰く)をしながら、日本各地の温泉に入っているのだとか。
驚いたことに中古の安いセスナはロードスターの新車と値段が変わらず、維持するのも共同オーナーにすればゴルフが趣味なのとそんなに変わらないということだったので、こりゃぁまた知らない世界を一つ覗いた気分になりました。(一昨年東京クルーズを誘ってくれたSさんの自家用クルーザーの話を思い出しました)
以前沖縄にフライトしたときに偶然諏訪之瀬島に空港があることを上空から発見し(閉鎖中なのでリストに載っていないのだとか)、役所に問い合わせたら着陸可能とのことだったので、奄美大島とセットで旅行プランを組んで岡山から飛んできたそうです。
諏訪之瀬島の温泉はもう無理(明日の朝出発)なので、どこかお勧めの温泉は無いか訪ねられたので、鹿児島の山の城温泉を勧めておきました。
ロビーの書棚で「
火山は生きている」という、小学生向けの科学書が置かれて居たのですが、そのメインが諏訪之瀬島の御岳の写真による解説。
これ、読んでから山に登ればよかったです。
本日はバーベキューということで、Yさんがてきぱきと準備を始めます。
大名竹の子の炭火焼き、ジンガサガイの炭火焼き、なんとも幸せな味がします。
釣りのおじさんたちにセスナの4人チームが加わり、なんとも賑やかな夕食となりました。
そして我々が食べ終わった頃、Yさんファミリーが別のテーブルでバーベキューを開始しました。
後で集合写真を撮っているところを横から撮影させてもらったのですが、ぎんがめ家ではあり得ない光景で、ちょっとうらやましかったです。
あと、Yさんが三線を弾いてくれたのが何とも良い雰囲気。
その後、セスナチームの方々と旅の話で盛り上がりつつ、夜は更けていきました。
では、そろそろ寝ますか!
つづく