北方謙三　三国志＜一の巻＞

北方三国志の第１巻を読み終えました。

読み始めるとブログに書いたのが10月5日。
40日以上もかかってしまいました。

10月は忙しくて、本も読めませんでした。

昼休みの10分程度しか読んでいないことと、過去２度は、ザッと読み進んでしまったのですが、地名や登場人物などをいろいろネットで調べながら読み進んだため思わぬ時間がかかってしまったというところです。

多くの三国志は、中国の小説「三国志演義」がもとになっているのですが、書き手によっていろいろアレンジされているようで、人物像、人間関係、出来事などに微妙な違いがあります。

多くの三国志では、劉備、関羽、張飛が宴会で出会って義兄弟の契りを結ぶ「桃園の誓い」が有名です。
ですが、北方三国志では、盗賊に馬を盗まれた商人の依頼で馬を取り返す集団のリーダーが劉備。
そして金で雇われた集団の中に関羽、張飛がおり、そこで関羽と張飛が劉備に惚れ込んで、主従関係（義兄弟）になるという展開。

その後、太平道（という宗教）の教祖張角が起こした黄巾の乱を契機に、後漢王朝が衰退して、各地方の豪族が紛争を繰り返す時代になります。

日本の歴史で言えば、戦国時代のような時代でしょうか。

曹操や孫堅（そんけん）も諸勢力のひとつで、劉備軍も義勇軍としてほんの少しずつですが頭角をあらわして行きます。といっても他の諸勢力と較べると圧倒的に小さいのですが…….

そのほか、多くの諸勢力が割拠しますが、第１巻の段階で最も優位な地位を築いたのは薫卓（とうたく）。

大将軍の何進（かしん）らの宦官（官僚のような文官？）誅滅計画が進むなか、帝が宦官に連れ去られます。
これを保護したのが、薫卓であり、その後、帝を擁して好き勝手な行動をとります。

それをおもしろくなく思う猿紹（えんしょう）を中心とした有力者が反薫卓軍を組織することになります。

この争いのなか、孫堅が流れ矢によって命を失い、第１巻が終了します。

三国志は、水滸伝ほどでは無いですが、登場人物が非常に多いのと、「劉」とか「曹」だとか似たような名前がたくさん出てきます。
頭で整理しなければ、誰が誰だか解らなくなってしまいます。

また、当時の中国では、州があり、その下に郡があって、さらにその下に県があります。
この州、郡、県が入り乱れて記述されていますので、当時の地図を見ながら読み進めないと各勢力の位置関係などが理解できないところもあります。

この辺が理解できると非常に楽しい読み物になるのですが、それまでがなかなか理解できなくて…….。


第２巻につづく