
開設早々、更新が滞ってしまいました。すみません。
実は日曜日、鈴鹿にF1を観に行っていました。観戦場所は西ストレート~130R付近で、前日の天気が嘘のような快晴の中、素晴らしいエキゾーストノートに酔いしれました。
いやーしかし、カムイ選手の度重なるオーバーテイク!ストレートにくるたびに順位が上がって、観客席は大盛り上がり。日本人として大変誇らしい1日でした。来年も、行くぞ!
さて、今回は。新装ブログ試乗記第1弾!新型マーチとは対照的?に、登場以来かなりいい評判を聞く、新型スイフトの試乗記をお届けします。
スイフトの歴史を振り返ってみると、初代は「kei」の全幅拡大普通車版であり、軽の価格で普通が買える、とりあえず作っときました的モデルな印象が拭えませんでした。唯一、119万円という低価格で登場した初代スイフトスポーツが、エントリースポーツとして脚光を浴びた程度。思えば、これが今に渡るスイフト快進撃の予兆だったのかもしれません。
そして2代目、おそらく車好きならば誰もがその変貌ぶりに驚いた事でしょう。ヨーロピアンで洗練されたスタイリングやインテリア、そして走りのレベルの劇的な向上。「ワゴンRソリオ」などもちろんの事、「エリオ」や「カルタス」を作っているメーカーの車とは思えない激変ぶりは、記憶に新しいところです。
さて、そんな世界的にも大成功を収めた2代目が、3代目へとスイッチ。まずスタイリングですが、これはこれまでの国産車史上でもトップを争うであろう、ガッチガチのキープコンセプト。しかしながらこれは「変える事を避けた」というよりも、「積極的に守る」「変えない事への挑戦」として受け取った方が良さそうです。事実、プラットフォームを一新、パッケージングもプロポーションも変化する中で、あえて2代目ソックリにデザインするほうがむしろ難しかったでしょうから。最近の流れであるワンモーションフォルムに媚びる事なく、スイフトである事にこだわった新型。もともとのデザインが十分に個性的だったので、「わが道を行く」このスイフトの姿勢は○でしょう。
一方インテリアですが、こちらはエクステリアに比べれば大きくデザインを変えています。とは言っても、2代目のようなシンプルさはそのままに、平たく言えばより「レベルアップ」されているというところでしょうか。さすがにこの価格ではインパネはソフトパッドではありませんが、各フィニッシュでありボタン操作時の質感などは、このクラスの国産では間違いなく1番。ATのシフトブーツの処理や、エアコンやメーター内の見やすい液晶パネルもその印象を強くさせます。また細かいところでは、スポーティで視認性もよいメーターに、最近では上級クラスでも省略されがちな「水温計」もキッチリ装備されているあたり、実に「自動車」っぽさを色濃く感じます。こういった点が、このスイフトがクルマファンに好意的に受け入れられている1つの要素と言ってよいのでは。
ボディサイズは若干拡大されているものの、それは対歩行者の衝突安全性の確保などに使われているようで、前・後席の広さやパッケージングには大きな変化は見られません。しかしながら178cmの自分が運転席で適正なポジションを取りリアシートに移っても、積極的に広いとは言えないまでも、十分な居住スペースは確保されています。先代と比較すると、少しウェストラインが上がり、視野の解放感で言うと少し減退し閉塞感が増した印象もありますが、少なくともリアシートに関してはVWポロよりは確実に広く、シートの出来もちゃんとしています。
続いてラゲッジスペースですが、先に言っておくと、今回の新型スイフトで、唯一かつ最大のまともな欠点がこの項目。コンパクトカーだから仕方がない、この割り切りの良さが走りの軽快感を生みだしている等の「アバタもエクボ」的な評価もよく目にしますが、ここはそういった先入観にとらわれず、冷静に率直に感じたままに、がモットーの自分としては見逃せません。あくまでスイフトは、スポーツカーではなく、実用車なのですから。
具体的に言うと、まず開口部。その小ささもさることながら、最近では珍しいほどの床の高さ。これは、バンパーラインを上げる事によって、リアをぶつけた際に板金修理することなくバンパー交換のみで修復できる…という、スイフトのエントリー&グローバルカーらしい気配りなのですが、使い勝手の面からのトレードオフを考えれば、もう少し工夫できなかったのか?というのが正直なところ。開口部の少なさからより高いボディ剛性を実現できた…というのも、単なる言い訳に過ぎません。ただ狭くして得た魅力に、技術的創意工夫は皆無です。
実は2代目スイフトも、モデル途中のMCでリアシートの格納方法が変更を受けており、前期と後期では使い勝手が大きく異なります。もちろん広く大きく使えるのは前期のほうで、これで2代目前期>2代目後期>3代目前期、と改悪が進んでしまった結果は少し残念に思えます。
しかし先述したように、新型スイフトでマトモな不満点として挙げられるのは、この点程度。ある意味それ以外欠点らしい欠点が見つからないあたり、このクルマの凄さを物語っていると言えるでしょう。そしてその印象は、走り始めるとさらに明確なものへとなっていきます。
ゆったりとしたサイズでありながらも適度なサポート性のあるシートに座り、二重ドアシールのおかげで実に頼もしいドアの閉まり音に関心しながら、全車標準装備のプッシュスタートのボタンを押してエンジンを始動させます。そしてその瞬間から実感する、静粛性の高さと振動の少なさにまず驚き。大げさでなく2Lクラスと遜色なしと言っていい出来です。そしてシートの前後・高さ、そしてこれも全車標準のテレスコ・チルトステアリングのおかげで、ドライビングポジションもバッチリ。まだ動き出していませんが、こういった「当たり前」の事ができない国産車は、実はいまだに多かったりします。
…後編へ続く。
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スズキ | 日記
Posted at
2010/10/12 20:26:41