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九郎田一馬のブログ一覧

2011年01月12日 イイね!

New!試乗記 トヨタマークX

New!試乗記 トヨタマークX遅ればせながら…新年あけましておめでとうございます。






年が明けてからのんびり実家で過ごしたのも束の間、もう危機感を煽る、暗いニュースしかない2012就活生へとすぐさまスイッチを切り替え、パソコンの画面を見ながら…履歴書や自己PRとにらめっこしながら…うーうーと唸っている日々、大学が始まって、テスト期間と就職説明会が混同する大変な時期にまもなく突入…。考えるだけで気が重いですが、そこは息抜きという名のもと、2011デトロイトショーの情報を楽しみにしつつ…笑


という四方山話はさておき、新年1発目の試乗記は、昨年末の「カービューオブザイヤー」の国産車部門でベスト!と推した、マークXのレポートをお届けします。

CR-Z、ポロ、スイフト、BMW5シリーズ、と力作見られる中、なぜマークXなのか?最新のエコカーでもなければ、超絶にアグレッシブな魅力に長けているわけでもありません。なのに何故…。

話は遡る事、一昨年の東京モーターショウ。ここで登場直後のマークX、まだディーラーでもプレスにも試乗会が行われていない中、2.5Lと3.5Lの両方を同時に乗る機会に恵まれました。そう話題のクルマでもなく、大きく期待もすることなく、そして何の先入観もなくパっと乗ったのですが…これが、あれれ?いいなぁ…うーん…ちょっと待て…ひょっとすると、相当いいかも!?というような感じで、やけに印象に残るファーストインプレッションだったのです。スペック上で多く見どころのある、最上級モデルの3.5Lのプレミアムではなく、2.5Lの素モデルが特に…。



以来、ずーっとあの感触の良さがどこかに引っかかっていたのですが、トヨタレンタカーにて「カローラと同じ値段で新型マークXがレンタルできる」というなんとも魅力的!なキャンペーンに乗じて、約700km徹底的に走り込んでテストすることに。そして、あの時の感触の良さを、確信へと変える事になりました。それが昨年の個人的国産車ベストという結論に……

さて、前置きが長くなってしまいました(苦笑)。
テスト車両は廉価版の250G・Fパッケージ。エコカー減税の影響で、街中で見かけるのはほとんどG・リラックスセレクション。というか、売れているのがほぼこのグレードとSパッケージのみ。アルミを履いていないマークXを見かけたら、それは間違いなくレンタカーと見て間違いないでしょう(笑)。



しかしながら、装備的にはこのグレードでも実用上はなんら不満はなし。強いて欲しいならばHIDとアルミホイール、車格を考えればパワーシートや本革巻きステアリングも欲しいなぁ…と思えば、これらの装備は全て売れ筋グレードで揃います(笑)。だからと言ってこのFパッケージに存在価値がないわけでもなく、1つ上のグレードとの価格差は約30万円。決して小さくはありません。

そう、このマークXの価格は238万円。「高級車的装備」は少し貧弱ながら基本装備は十二分、加えて偉いのは先代とは違って、「サイドエアバッグ+VSC」を廉価版だからと言って省略しなかったこと。つまり、2.5Lエンジンと6速ATを搭載した、安全装備に抜かりのない、(世間的には十分に相当な)プレミアムセグメントのFRセダンを、この価格で味わえる。205万円のプリウスショックに影に隠れがちですが、これはとんでもないバーゲンプライス…ましてや、このマークXは国内専用車。そう考えれば、「価格」だけを見てもなかなか存在価値を感じられる1台なのです。



さて、基本はキープコンセプトながら、フェイスはより表情豊かにアグレッシブに。フロントフェンダーはマツダのパクり?いささか消化不良気味ではありますが、それはCADに頼りがちでクレイで検討を重ねない最近のクルマのデザインの悪い傾向…と、こんな話をし始めてしまうとまた脱線してしまうのでこの辺で。個人的にはそんなに嫌いではないものの、もっとスッキリとプレーンにまとめてもいいと思うのですが、このマークXの主査さんはかつてあのヴェロッサの商品企画を手掛けていた事もあったということで、まぁ変に無個性で埋没してしまう危険性とのバランスを考えてしまうと、落とし所は難しいところです。



しかし、1つだけ猛烈に褒めたいのは、先代で始めトヨタだけでなく他メーカーも追随した「バンパー内蔵型マフラー」をやめたこと。オードソックスな丸型左右出しで、デザイン上は退歩かもしれませんが、こちらのほうが絶対に良い!レクサスLS、クラウン、そして最も最悪なのはマジェスタ……「デザインのためのデザイン」でしかなかった、まるで髭剃りの残りのようなダサさから脱却しただけでも、個人的には大いに評価できるポイント。

インテリアは、先代のような奇をてらったポイントがないオーソドックスな仕上がり。コスト自体は相当に低く抑えて仕上げたそうですが、パッと見ではそう思わない「高そうに見える」処理の上手さはトヨタの真骨頂。クラウンやレクサスと差は小さくはありませんが、少なくとも100万円以上の差はインテリアを見る限り感じる事はありません。特にシフトブーツを使ったATシフトノブまわりの処理などはレクサスもかくやの見た目とタッチ。フェイクウッドの上手さもトヨタならでは。そんな中唯一惜しいのは、ドアを閉めた時の音。いかにも鉄板が薄そうなベイーンとした音は、雰囲気の良さを帳消しにしてしまいかねません。これは格下車種以下。個体差?13.000kmしか走っていませんでしたが…。



さて、実際に走り始めます。動き出してまず感じるのは、ステアリングのずっしりとした操舵感。トヨタユーザーからケチつけられそうな感じもしますが、そこはクルマ好きとしてはニンマリ。まずマークXの走りの上で最大の美点がこのステアリングフィール。電動パワステとは思えないナチュラルさ、可変ステアレシオではなくとも、クイックでもダルでもない絶妙なバランスへの落とし所。そしてなんと言っても嬉しいのは、今までのトヨタ車では望めなかった、ステアリングから伝わる路面からのインフォメーション性の高さ。シートとステアリングに伝わる感触が、それぞれ合致しながら走るこの感覚は、「情報遮断=快適な走り」と大いなる誤解で長年セットアップしてきたトヨタの高級セダンからの脱却を意味するものと言えそうです。もちろん、間違っても「ドイツ車に走りが追いついた!」なんてまでの大げさな事は言いませんが(笑)。

もう1つ良いのは乗り心地。走りのポテンシャル自体はゼロクラウンでの改革で劇的に向上したものの、反面乗り心地の部分で失った部分も多くありました。しかしこのマークXはプラットフォームの改良を重ねた上で、ようやく幅広い速度域で快適な乗り心地を実現したと言っていいでしょう。特にウィークポイントだった、リアサスのピョコピョコ感、低い速度域での荒い路面通過時の揺さぶられ感、その時に強く発生するステアリングへのワンダリング…これら悪評が1つ1つ潰されて、このマークXの16インチのセットアップでようやくスッキリとしたナチュラルな走りを実現できた…と言えそうです。少しだけ足元のドタバタ感が目立った時もありましたが、これは唯一鉄っちんホイールを履くためのバネ下重量の影響かも。ちなみに、オプションの235幅の18インチを履くと、シャシーやフロア剛性へのキャパシティがギリギリに感じられる場面が多くなるだけに、繰り返しますがベストマッチは16インチ(テスト車両の装着タイアは、ヨコハマのDNAdb)。見た目とのバランスを考慮しても、せめて17インチで上手くセットアップしたいところです。



2.5Lのエンジンは、今回レギュラー化されてパワーは少し減ったものの、実際乗るとこれで全く不足なし。いや、十分に速いレベルと言っていいでしょう。FRながらトラクションも十分。どことなく味気ないフィーリングに感じるかもしれませんが、それは反面とてもスムーズでシュンと6800回転のレッドゾーンまですっきり回ってしまうからかもしれません。もちろんこれで物足りなければ3.5Lを…となりますが、先ほどにも書いたシャシーのキャパシティを考えても、やはり2.5Lと16インチの組み合わせが、もっともまとまりがよく、もっともマークXという車格に相応しい仕上がりと言えそうです。事実、3.5Lモデルは全く売れていないところを見ても、それは明らか。

惜しいのは、少しリニアさに欠けるスロットルレスポンス。いわゆる「早開き」傾向でないところは評価できるのですが、発進時から徐々にアクセルを開けていく時や、バックする際に微妙な速度コントロールを必要とする時に、どこか「ON」と「OFF」のようなスイッチ的、と言えばいいでしょうか。つながりがどことなく唐突に感じられる時が時々ありました。これは変速ショックが皆無なかわりに、トルコンのスリップが少し多めなATのセッティングも影響しているかもしれません。



あおのATに関しては、積極的に走る時には、ブリッピング機能がないためにシフトダウンがドン臭く感じる時もしばしば。こういった細かいポイントが「旦那仕様」のままなのは、シャシーとステアフィールが大変良くなっただけに、より本格派な味わいを求めるならば、改善していかなければいけないところかもしれません。

もちろんこれは、Dレンジで普通に走っている時には全く気になりません。終始滑らかで快適、変速プログラムの適応性の広さはさすがといったところ。54:46とややフロントヘビーながら、ワインディングを結構なペースで楽しく駆け抜ける事ができたので、浮上したウィークポイントと言うところでしょうか。笑

そして燃費。街乗りで9~10、高速で13~14、エコラン巡航で16前後、700kmトータル走りまわって13km/L弱というのは、1.5トンを超える2.5LのFRセダンとしては望外にいい数値。ECOモードでも過不足なく走れた影響も大きいですが、ハイブリッドだけでなく、ここ数年コンベンショナルなガソリンエンジン車の燃費だってかなり改善した…前回のプリメーラから比べても、それを実感します。

もちろんプリウスや、SAIあたりの燃費には敵いませんが、何もクルマの魅力は燃費だけが全てじゃない…と考えているユーザーも、確実に存在します。月に2000km走る…というような条件でなく、せいぜい年間1万キロ程度…というのであれば、プリウスやSAIなどよりも遥かに優れたドライバビリティと乗り心地を併せ持つマークXに魅力を感じる人は少なくないはず。そしてなにより、238万円で、この確かな走りの実力。そりゃぁ、4気筒でも、Cクラスや3シリーズは確かに良い。ゴルフだって。けど、「輸入車」という存在が、世間一般的にはやはりまだまだ相当ハードルは高い…これはクルマが好きであればあるほど、専門的であればあるほど、それを忘れがちです。「価格」という要素を抜きにした視点で。



例えば世間体であったり、上司との兼ね合いであったり。いまだに「駐車場で目立つから」と言って白やシルバーを選び、「上司が乗っているから」とクラウンよりあえて下のクラスのクルマから選んだり、「営業先や取引先に外車に乗っていくわけにはいかない」等々……そんな人が日本には大勢います。最近では自分の同世代がいきなり中古のセルシオに乗ったりなんかする事もありますが、自動車ヒエラルキーはいまだ根深く存在します。

そういった中で、このいかにも「日本車」的なマークXは、特に日本市場が見捨てられがちな昨今に置いて、肩の力が抜けているというか、「課長」クルマここに極めたり。そういった感じがするんですよね。それは大き過ぎない全幅、でも横幅はこれでもか!とたっぷりなゴルフバッグ対策のラゲッジスペース、FRで小回りが効いて実に街中で運転しやすい…それでいで、クラウンほど和風じゃない。このセグメントのクルマがアメリカや中国を見てどんどん変貌していくのを見て(マークXは中国にも出すでしょうが)、どことなく欧州チックな日本車、こんなガラパゴスならば、喜んで歓迎…そんな気がこのクルマから伝わってきました。

日本大好き、友人からは時に右翼扱い(笑)される自分として、マークXが気に入ったポイントはそこ。これより+100万円以上だしてレクサスISを買わなくとも、十二分に「いいクルマに乗ってる感」と「そう見られてる感」を買う事はできます。こんな見栄や世間体を気にする人にも味わえる1台。プリウス旋風吹き荒れる中でも、そこそこ売れているのを見ても、日本人の堅実さが表れていて嬉しくなります。

男の真ん中でいたいじゃないか。侍X。キャッチコピーのダサさはさておきw、いまとなっては侍的雰囲気はあながち間違いではないかもしれません。そしてバカにするなかれ、性能や味もキチンと仕上がっている。地味、だけど、お勧めの1台です。

Posted at 2011/01/12 22:11:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | トヨタ | 日記

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