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九郎田一馬のブログ一覧

2010年11月23日 イイね!

<次回予告> フィットハイブリッド徹底検証

<次回予告> フィットハイブリッド徹底検証さて、久々の新ネタです。笑


お題にするのは、このフィットハイブリッド。しかもこのド派手なメインカラー(笑)。こちらを2日間に渡って、今回徹底的に走り、使い、味わって後日またレポートしたいと思います。

まずは100kmほど、土砂降りのコンディションの中軽く走ってきましたが、なかなかの好印象。MC前のフィット、あるいはインサイトに比べて色々改良されてます。売れて当然の出来ですね。



まずは祝日を利用し、燃費テストを兼ねて久々丸1日ロングランを実行予定。どこまで距離を伸ばせるか…そして久々に新車を思う存分楽しめる機会で、就活中でお疲れモードな個人的にも、ワクワクです。笑


というわけでまずはご報告まで。テストが終わり次第また詳細レポートをアップしたいと思います。


ちなみにこの画像はiPhoneで撮影してます。本格一眼には全く敵いませんが、いやいやこれで十分な性能ですね。

Posted at 2010/11/23 01:13:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | ホンダ | 日記
2010年11月21日 イイね!

〔過去試乗記〕 ダイハツコペン(5MT)

〔過去試乗記〕 ダイハツコペン(5MT)前回のロードスターの試乗記は、PVのほうを見る限りかなり好評だったようで、大変有難い限りです。ありがとうございます。

これからもどんどんお友達の方の数やMyファンが増えていくと嬉しいなぁ…と、妄想しております(笑)。


さて、MPVにお乗りのやまと23Tさんから、その前回のロードスター試乗記にて「同行したコペンの印象は?」とのコメントを頂きました。この時同行していたコペンと合作でインプレッションを書いていたのですが、たまたまロードスターだけをフューチャーする形になって、いささか不自然な流れに^^;

そこで今回の機会に、ロードスターと一緒に同行したコペンについてのインプレッションをお届けします。


FFとFR、660ccの軽ターボと2LNA…スペックだけで見ると全く比較対象にならないこの2台。


しかしながら「オープンカーであること」「2シーターであること」「マニュアルミッションであること」、そして何より「運転していて、思わず笑顔になってしまうこと」に関しては、もう紛れもなく「ライバル」な関係にある数少ない日本車2台と言えます。

正直言って、ワインディングでは抜群に楽しいけども高速ではちょっと直進性に難がある(苦笑)コペン、長距離移動はさすがにちょっと疲れるところもありますが、登場してからはや8年、この小ささと価格から得られる楽しさは、ロードスターと比較して「性能」で負けても、「楽しさ」では大差はつきません。

もっとも、いまやこのコペンもコミコミで200万円級…セカンドカーとしてお手軽に…簡単に手を出せる存在ではないとも言えますが、いやいやそこは「いまだに100万円以上の中古車がゴロゴロあふれている」というこの驚異的なリセールバリューの高さを考えると…とってもお得な買い物、かもしれません。(笑)


ちなみにこのコペン、大阪の交野市にある「カミタケモータース」さんでお借りしたレンタカー。コペンの、しかもATに加えてMTもレンタカーを試せるということで、関西でも結構有名なお店です。会員に結構な頻度で配信されるクーポンを上手く利用すれば、MTのオープンカーが時には4000円くらいで丸1日楽しめちゃう時も…!?

おまけにこの今回借りたパールホワイトのMTコペンは、MOMOステアリングにHIDにシートヒーターまで付いた豪華仕様。そもそもまずATだけでなくMTのレンタカーも用意してあるだけでも、クルマ好きにとっては大変貴重で有難い存在なので、以前から何度もお世話になっています。笑

…そして、最近ネタ不足が深刻な状況ではありますが(苦笑)、前回のマーチ以来ようやく近日、「話題の最新型車」をたっぷりとテストする機会を設ける事ができました。またその時はこの場でレポートしたいと思っています。




・・・・・・・・・・




かつて90年代初頭、ABC3兄弟と言われた軽スポーツ黄金期がありました。AはマツダオートザムAZ-1、Bはホンダビート、Cはスズキのカプチーノ。この時ダイハツは独自の軽スポーツカーを持っておらず、苦し紛れにリーザスパイダーを出してお茶を濁していただけ。…そして時は経て21世紀に突入した2002年、ダイハツはライバル不在の中、メタルトップの超コンパクトオープンスポーツを登場させました。それがこのコペンです。



かたやガルウィングミッドシップ、かたやオープンNAミッドシップ、かたや4輪ダブルウィッシュボーンサスのFRオープン、それらと比べればFFベースのこのコペンは見かけ倒しと思われても仕方ないかもしれませんが、4気筒ターボエンジンに電動ルーフ、角部クオリティの高さから見ても軽を感じさせるのはサイズだけ…月産500台が限界ながら、販売当初の人気の高さは相当なものでした。驚異的とも言えるリセールバリューを持つオバケ的存在である事を見ても、8年たった今でもその魅力はまだまだ健在と言っていいでしょう。



まずコペンの大きな魅力の1つは、古さを全く感じさせないそのスタイリング。いかんせんちょっと可愛すぎる感も少しありますが、ボディカラーのチョイス次第で老若男女それぞれどんな世代にもよく似合うクルマです。また5コートの塗装のクオリティの高さやライト・マフラーなどのデザイン処理能力の巧さなど、軽自動車という限られたディメンジョンの中でよくぞこれだけの存在感を醸しだす事ができたな、と改めて感心させられてしまいました。デビュー以来ほとんどデザインに関する部分に手が加えられていないのも、その完成度の高さを物語っていると言えるでしょう。



インテリアのほうは、国産車中もっともタイトな空間を持つ1台?ステアリングはテレスコ・チルトで調整幅は結構あるものの、178cmの自分にはポジション的にはギリギリ。シートのサイズ的には十分なものの、座面ももう少し落として、ヘッドスペースとステアリングの位置関係を調整したいところですが、これはシート交換などで対策はできそうです。またスペース的な問題も、「スポーツカーらしいタイト感」と置き換えてしまえば、不満にはなりません。屋根を開け放ってしまえば、開放感もグッと増します。

エアコンの吹き出し口がNBロードスターからのお下がりパーツなのは有名な話。質感はさすがに7年の月日を感じさせる部分があるのは致し方ないところでしょうか。テスト車に装着されていたMOMO製のステアリングはこの車にはぜひマストで装着しておきたいアイテム。ルーフの開閉は、左右2か所のロックを手動で外し、サイドブレーキ下のスイッチにて操作。コストのためルーフ開閉をモーター1つで行っているため、やや動作音が耳につきますが、さほど大きな問題ではないでしょう。それよりも、クローズド時のガタガタと耳ざわりなルーフの干渉音のほうが問題。これは時折ディーラーなどでルーフの調整などのメンテナンスが必須と言えます。



またその副産物的なメリットとして挙げられるのは、ルーフクローズド時のラゲッジスペース。FFベースの利点で、通常ではかなり大きめの広さが確保されています。またトランクフードもオートクロージャー付。ルーフが格納されると大部分が占領されてしまいますが、それでも上手く荷物を滑りこませたり、キャリアを装着したりなど、様々な工夫で実用性は確保できそうです。

さて、早速走りだしてみましょう。一緒に連れ出したロードスターと比べてしまうとさすがに見劣りしてしまいますが、FF車にしてはシフトフィールもなかなか。1速に入れてクラッチミートし発進してみると、ギア比のクロス具合がよく分かります。1速はほぼ発進のみで、そこからすぐさま2速、3速とシフトアップ…50km/hは完全に5速の守備範囲。100km/h時の回転数は5速で4000rpm近く回ってしまうので、この車には是非とも6速が欲しいところです。


(ちなみに後日、4速ATのコペンもテストする機会があったのですが、なんとギアが1つ少ないにも関わらず、100km/h時のエンジン回転数は4速で3800回転ほど。おかげで高速巡航はATモデルのほうが幾分楽でした。マニュアルモードのあるこのATとコペンとのマッチングはなかなか良く、スポーティな走りをしても十分対応可。気軽にATモデルでコペンを楽しむのも大いにアリなチョイスだと感じました。)



エンジンは今となっては少数派となった660ccの4気筒ターボ。パンチ力では3気筒に劣るものの、4気筒ならではのスムーズなフィーリングはしっかりと感じられます。スタートのセル音以外は、安っぽさが微塵もないサウンドも◎。ターボの過給は2000回転からかかり、それ以下だとさすがに線の細さが感じられますが、先述のクロスレシオの5速MTのギアレシオのおかげですぐさまトルクバンドにのり、加速感に全く不足は感じられません。レブリミットは8500回転とかなり高め。実質上6000rpm以上はただエンジンが回っているだけの様子ですが、こういった非日常的な雰囲気はスポーツカーには大切な事です。

このコペンの特徴は、オープンとクローズドで大きくステアバランスが変化するということ。もちろんボディ剛性の変化という事もありますが、800kg台という軽量なボディなので、重いルーフがどの場所にあるかは、思っている以上に大きくクルマの挙動に影響します。ボディのしっかりさを感じられるのはもちろんクローズド状態。オープン状態ではさすがにボディシェイクする感じは否めず、バックミラーの視界がワナワナと震えてしまいます。しかしながらクローズド状態だとどうしても重心の高さを感じてしまい、またリア荷重が抜け気味となるため、直進性やS字などの切り返しでのヨーの発生が前後軸でのズレるような挙動を見せ、ちょっとヒヤッとさせられてしまいます。この違和感はオープン状態にするとだいぶ緩和されるので、おそらくトランクにルーフが収まると前後バランスが整うのでしょう。個人的にはボディ剛性面ではハンディがあるものの、このコペンはオープン状態でのほうがハンドリングの面ではバランスよく思えました。



タイアは165/50R15。ブレーキはリアがドラムなのが少し残念で、タイヤのキャパシティに対してブレーキのプアさが少し残念。絶対的な効きはもちろんの事、踏み始めのフィーリングや剛性感など、ここはパッドやホースなどに手を入れて少し改善したいポイント。テスト車のサスペンションはノーマル仕様。決して乗り心地は快適なほうではありませんが、個人的にはもう少し締め上げてもいいのでフラットさやダンピングの良さを強めたいところです。ダンパーがタンク別体式となるスポーツサス仕様や、特別仕様のビルシュタイン仕様などではもう少し印象が良くなる事でしょう。

欧州仕様にはNAの1.3Lモデルが用意されていたり、TMSで1.5Lを搭載したコペンZZというコンセプトモデルも登場したりしましたが、「過給化による排気量のコンパクト化」がトレンドの現在からすると、このコペンのエンジンの大きさは今の風潮に合っているのかもしれません。ただ相当クロスなギア比や加速性を意識したターボのセッティングにより、燃費面では正直言ってあまり褒められたものではありません。今回のテストでも、かなりワインディングで積極的に走り回った事もあって、燃費データは11km/Lちょっと。一緒に連れ出したロードスターと大差ない事も考えれば、もう少し伸びて欲しいというのが正直なところ。



しかし、このコンパクトさと機敏さは、狭い日本のワインディングでは大きな武器。上手くターボの過給を落とさないように積極的にギアチェンジとアクセルワークに気を配り、タックインを生かしてキビキビ走るのはまさに痛快。絶対的なパワーが64psという事もあり、積極的にアクセル全開ができたり、それによるトラクション不足などの弊害もさほど感じないというのも、コペンが身近なレベルで手足のようにキビキビと扱える楽しさにつながっていると言えるでしょう。理屈だけでなく、実際ちょっと気合いを入れれば相当なペースで駆け回る事も可能です。いまやエントリースポーツカーが皆無とも言える昨今、改めて注目すべきであろう小さな巨人。まさに日本を代表する1台として世界に誇れるのがこのコペンだと言えるでしょう。


前回のTMSでは、OFC-1という名で後継モデルの提案がありましたが、最近は全くの音沙汰なし。しかしダイハツは決してこの貴重な火を消してはいけません。次期モデルの開発が厳しいのであれば、しぶとく細かい改良を加えて、ぜひとも末長く生産し続けてほしいと思います。
Posted at 2010/11/21 21:35:23 | コメント(3) | トラックバック(0) | ダイハツ | 日記
2010年11月18日 イイね!

〔過去試乗記〕 マツダNC2ロードスター RS・RHT(6MT)

〔過去試乗記〕 マツダNC2ロードスター RS・RHT(6MT)さて、前回予告していた
「国産車・右脳ベンチマーク」である
マツダロードスターの試乗記です。


とにかく良く出来ていて、最高…
と感じると同時に、
良いものを素直にいいモノとして受け入れられない葛藤…。


そのあたりが、このクルマへの思い入れの強さを表している、証拠なのかもしれません。
今から楽しみにしましょう。
おそらくスカイコンセプトをぎっしりつめこんだ
「原点回帰」した、NDロードスターを…。




さて今回のテスト車は幌仕様ではなくメタルトップのRHT仕様のRS・6MT。ボディーカラーはとてもシックで上品なカッパーレッドマイカ。マイナー前モデル(NC1)と実際に乗って比較すると、あらゆる面で熟成と改善が図られており、魅力度は想像以上にアップしていました。

スタイリングに関しては、野暮ったさがなくなり幾分スッキリとシャープにまとまった印象。個人的な事を言わせてもらうとNC1のスタイリングは登場当初から拒絶反応を示していただけに、このマイナーチェンジは個人的には○。温故知新には頼らない新鮮さが出たのも重要なポイントと言えるでしょう。



インテリアも細部に変更が。ドアトリムの変更で足元がスッキリとし、メーターのフォントも変更されてより視認性がアップ。ただ見た目の質感で言えば以前のデザインも捨て難い…?同じように、ピアノブラックからシルバーに変更を受けた装飾パネルも、ホコリが目立たなくなった利点はあるものの好みが分かれる変更かもしれません。シートヒーターが5段階の温度調節機能付になったのは大変嬉しいポイント。

さて、早速走り出してみましょう。シンクロ容量拡大やカーボンコーティングの施行などにより、6速MTのシフトフィールはまさに痛快。各ギアが吸いこまれるようにスコンスコンと気持ち良く入り、ストロークも適切。ガンガンに飛ばしながら素早いシフトをする時だけでなく、街中でゆっくりとしたペースで走っていてもシフト操作をするだけで気持ち良さが感じられる…6段となってATのポテンシャルもグッと向上していますが、やはりこの車は是非ともMTで乗りたいところ。

そしてNC1なら個人的には5速の標準モデル(現行はSグレード)がお気に入りでしたが、このNC2では是非ともこの6速MTモデルがおすすめ。その理由は、この6速MTのみに「インダクションサウンドエンハンサー」が装着されるため。これは登場時に話題を集めた装置の1つで、エンジンルーム内のシンセサイザーが、エンジン吸気状態時に空気の流動量を増幅させることで、よりドライバーに乾いたサウンドと鼓動を伝える…という地味ながら実にロードスターらしい装置。



その効果もあってか、今回NC2で一番良くなっていたと感じたのはエンジンフィールとそのサウンド。パワーこそ170psと変更を受けていませんが、クランクシャフトの鍛造化やピストンのフルフロート化、新設計のバルブスプリングなどの改良でエンジンには大幅に手が入っており、レブリミットも500回転上がって7500回転まで回るように。そのおかげでフィーリングはNC1のエンジンと比べると「激変」と言ってもいいほどで、いやはや失礼ながら、マツダのレシプロエンジンがここまで良く感じる事になるとは思っていませんでした。

いわゆるVTECのような可変リフト機能を持ち合わせていないので、トップエンド付近の弾けるような2段ロケット的な加速感は持ち合わせてはいませんが、こちらは3000~5000回転のいかにもNAらしい乾いたサウンドとレスポンスの良さ、吹け上がりのナチュラルなフィーリングが持ち味。ワインディングを走っているとちょうど一番気持ちよく感じるサウンド領域とドンピシャで、歴代ロードスターでもエンジンフィールに関してはどこか事務的な印象が強く最大の魅力ポイントとして挙げる人は少なかったでしょうが、今回のNC2に関しては、エンジンに惚れた!という人がいてもなんらおかしくはないでしょう。数値上には一切変更がないのにこの激変ぶり、マツダのエンジニアのクルマを愛するひたむきさがアクセルを踏み度に思い出されます。



そして足周りの改善も。ロールセンターを26mm下げたほか、それに合わせてサスペンションをリセッティング。その効果はターンイン時のフロントの接地性の向上とアペックス付近でのリアのスタビリティの良さに結びついています。NC1ではいわゆるNAで見られた「コーナーをヒラリヒラリと駆け抜けていく」という感覚を現代基準のボディサイズとサスペンション・タイヤキャパシティで演出しようとし、それが逆に初期ロールの大きさや唐突な挙動の変化を生む事になっていましたが、NC2ではFRスポーツの王道とも言えるよりナチュラルな挙動を手に入れました。タイアは205/45R17のBSポテンザRE050Aでややオーバークオリティ感もありますが、そこはRS専用のビルシュタインダンパーのおかげでバネ下のバタ付き感はさほどなく、乗り心地も十二分に快適と言えるレベルです。

こちらもRS専用の大径ブレーキは、車重が軽いこともあってそれこそ効き過ぎるくらいに感じるほどのストッピングパワーを発揮し、ステアリングフィールも素手で路面をなぞっているかのようにコンタクト性とダイレクトさにあふれています。またDSCが標準装備されているのも、いざという時にはとても心強し。もちろん制御はスイッチ1押しでギリギリの領域まで介入を我慢させるもよし(途中介入する仕組み)、7秒間スイッチ長押しの裏ワザモードを使って完全解除してFRらしく遊ぶのもよし。この状態だとRSのよく効くトルセン式LSDのおかげもあって、定常円旋回もいとも簡単にバッチリと決めることができます。

非日常的な事ではありますが、FRの醍醐味を味わえるクルマがどんどん減りつつある現在では、こういった遊び心もスポーツカーには大切な要素です。その点こういったユーザーに委ねる部分を残しつつ現代の時代の流れもしっかりと組みこんでいるあたりも、ロードスターというクルマの大きな美点の1つと言えるでしょう。

さらに注目したいのは、RHTの電動格納ルーフ。個人的にはオープンカーと言えば幌!とまだまだ思っているほうなのですが、このロードスターに関しては…クローズド時のスタイリングのまとまりの良さとラゲッジスペースを犠牲にしない実用性の両立、開閉時間の短さとその際の作動音の小ささ、またRHTのルーフオープン時が最も前後重量バランス的には50:50に一番近く、また重量物の移動差による挙動の変化も最小限。重量差は幌仕様と比べて50kgと決して小さくない数値ではありますが、クローズド時の遮音性もNC1のRHTよりさらに改善されていることもあって、さすがにここまで優位点があると幌よりもRHTの魅力度に軍配が上がります。単純にロードスターをFRクーペとして割り切って乗ってしまうのもそれはそれでアリ。



ここまで絶賛気味になってしまいましたが、最後の最後…このNCにはRHTがやはり似合ってるなぁ…と感じた時点で、個人的にはここで少し戸惑いを覚えてしまうのです。走りは最高に気持ち良く、質感も装備も快適性も◎。そう、もはや完成度が高くレベルが上がりすぎており、もはやこのクルマはロードスターであろうとしているけども、実際にはもっと格の全く違う別ジャンルの車に成長してしまっている事を痛感するのです。



例えば、それを象徴するのが価格。このRS・RHTの6速MT仕様で何もオプションがない状態で286万円。今回のテスト車のようにHDDナビを装着した状態での乗り出し価格は、350万円クラスになっているでしょう。もちろんベースモデルの価格はそれよりは下ですが、それでも幌仕様・Sの5速MTで233万円。内容を考えれば決してボッタクリ価格ではありませんし、クルマ業界全体のレベルアップと時代の流れを考えれば致し方ないのかもしれませんが、やはり今回改めてロードスターに乗りその魅力度に心底惚れ直しつつ、これ350万円か…と考えると、正直なところ高根の花という一言に尽きる、といったところです。

もちろん、それが悪いとは言いません。贅沢品とも言えるFR2シーターオープン、若者のクルマ離れが叫ばれる中、ユーザーの年齢層は自然と上がっていくでしょう。そうすればより速く、豪華に、快適に、という性能が求められるのは致し方ないことでしょうし、それが正常進化とも言えます。貴重なFRオープンスポーツが現時点で存在しているだけで幸せな事であり、今の自分のような貧乏学生な若造には無理だとしても、5年後中古車でもっと安くなっていれば、間違いなく欲しくなっているはず。

しかし、これはあくまでの「マツダロードスター」なのです。BMW・Z4を目指すクルマではありませんし、そうする必要も全くありません。アメリカでのマーケットを考えると必然的にこうなることは避けられなかったことでしょう。…しかし今、金融危機が襲い、環境問題が切実に叫ばれ、時代は劇的に変わりつつあります。この21世紀始めの10年で、成長こそ正義と信じられてきた20世紀の香りは、確実に薄まってきました。2Lハイオクで170ps、17インチの大きなタイア、軽量であろうとしつつ気がつけば1200kg近い車重、いまやゼロヨン14秒台で駆け抜ける俊足…果たしてここまでの性能が、今のロードスターが存在するがために本当に必要なものでしょうか?



実際に、日本の狭いワインディングを今回コペンと同行させた事で、それははっきりと実感できました。入門用にはバッチリと思っていたロードスターですが、いまやそのサイズ、重さ、速さは十二分に立派に成長しており、このNCでさえもう全開で飛ばせる場所は日本で確実に減ってきているのです。それを言えばGT-Rなんて…とも言えるかもしれませんが、あちらは日本が世界に誇れる最強のウェポンマシン。過剰性能があってナンボの世界…それはそれで相当に魅力的でありクルマ好きの心をくすぐってくれますが、ロードスターの世界には過剰性能はそのような似つかわしくはありません。



そんな素直にいい物をいいモノとして受け入れられない殺伐とした気持ちに対する答えを、マツダはすでに2008年のフランクフルトショーで提案していました。MX-5・スーパーライトバージョン。欧州に存在する126psの1.8Lユニットを搭載したこのモデルは、徹底的な軽量化により車重は1tを切る995kgを達成。もちろんコンセプトモデルとはいえ、ここまでのスパルタンさは逆にまた気軽なオープンスポーツを楽しめるロードスターの思想に照らし合わせると行きすぎの感もありますが、この1台には何かしらの今のマツダの叫び、そして次世代ロードスターへのなんらかの試金石となる気がしてなりません。

今の時流に乗っかって無理してエコを気張る必要はありませんし、その答えが燃費やハイブリッドだけだとは到底思ってもいませんが、人間も荷物もあまりたくさん乗せる必要もなく、軽ければ軽いほど喜ばれるライトウェイトスポーツは、もっともっとエコな存在であってもいいと個人的には思っています。別にエコを主張するからといって、それはスポーツやファン・トゥ・ドライブを犠牲にすることとイコールでは決してありません。つまりは、ロードスターというクルマは、実に未来へ向けても可能性の広さを感じさせてくれる1台。。。なのかもしれません。


Less is more.“失う事は、得る事である。”
自分が思うこれからの日本車の在り方を問う1つの考えが、この一言です。

この流れに、まだ見果てぬNDロードスターの姿が…あるのか。果たして。
Posted at 2010/11/18 23:27:40 | コメント(3) | トラックバック(0) | マツダ | 日記
2010年11月16日 イイね!

自分のベンチマークって、なんだろう? その2

さて、
自分のベンチマーク車探し、
の第2弾です。

散々引っ張ってしまいました。苦笑





前回は、ゴルフⅥを例にあげましたが
これはいわゆる「左脳」的判断の基となるクルマ。


もう1台は対比しまして、
「右脳」的クルマ、
つまり理屈や理論どうこうではなくて
直感と本能で味わえる、
そんな1台…それも、国産車からピックアップしました。




そのクルマとは。























はい、マツダ・ロードスターです。

これまた王道!と言われそうですw

あえて「現行車種」にこだわりたいので、ロードスターの中でも3代目のNC、しかもマイナーチェンジされた後期型のNC2、しかもしかも加えて6速MTのRS、を指定させて頂きたいと思います。
(NC1のデザインとサスセッティングが、個人的にはダメなのです。苦笑)


こんなスポーツカーを基準車にしてしまったら、ミニバンやらSUVやらはどういう判断基準になるんだよ!とお叱りを受けるかもしれません。もちろんセダンのコンフォートさや、ミニバンの快適性、軽自動車の利便性からすれば、FR2シーターオープンなんて…となってしまってもおかしくありません。



しかしながら、このロードスターには。
もう世界中の数多くの人が、何度も同じような言葉をつぶやいているとは思いますが、それでもあえてこの若造が言わせて頂きます。



とにかく、ドライビングする事が楽しい。

「ドライブ」を安全で快適に素晴らしい時間を過ごさせてくれるクルマは数多くありますが、「ドライビング」を素晴らしい時間に変えて人間に伝えてくれるクルマはそうありません。

「いいなぁ」「凄いなぁ」と思うクルマは他に数多くありますが、ここまで「あぁ、楽しいなぁ」と感じさせてくれるクルマにはまだ出会ったことはありません。


そんな1台です。





もちろん、FRの優れた前後重量バランスであり、長年マツダの技術者たちが「目に見えない部分」に多大なる情熱を捧げ改良を続けてきたその蓄積から生まれるエンジニアリングから成り立っているのでしょうが、そういった「評論」意識を、ドライバーからブッ飛ばしてくれる…そんな気がするんです。

あぁこんな時にエンジンのここがいいなぁ、ボディ剛性の良さが、ブレーキが、サスが、…そういった事をふと忘れて、思わずブレーキをギリギリまで詰めて、できるだけスムーズにギアチェンジを行い、コーナーのアペックスに迫り寄せ、アクセルを抜けて立ち上がる…あぁ、思い出すだけで、また乗りたくなってきます。

つまりは、考え判断する要素を、味わい楽しむ要素に、変えてくれるのかもしれません。たとえ自動運転化されようとも、ガソリンが今世界から底を尽きかけようとしていても、もしその時の自分がロードスターとともにカーライフを過ごしていたのなら、自分は最後の1滴が尽きるまで走っていたい、今は本当にそう思えます。そして、そんな思いを抱かせてくれる1台…

この「ドライビングする楽しさ」という絶対基準を自分に教えてくれたロードスターこそ、日本自動車界から選ぶ自分の「ベンチマーク」だな…と思いました。






…と、ここで終わってしまってはアレなので。苦笑
次回は、その時味わった楽しさを、「なんとか冷静さを取り戻しつつ」いつもの文字に書き落とした、マツダ・ロードスターRSの試乗レポートをアップしたいと思います。

これは昨年末、「今年1年頑張った自分へのご褒美」として、友人とともに、こちらも日本が誇る素晴らしき1台、ダイハツ・コペンとランデブーしながら「真冬にオープン2シーターで関西のワインディングを走ろう」という自主企画(笑)を行った際の写真・試乗記です。

今年は…どうやらこの忙しさでは、ご褒美は当分お預けとなりそうです。(涙)
Posted at 2010/11/16 23:04:28 | コメント(0) | トラックバック(1) | コラム | 日記
2010年11月13日 イイね!

<コラム> 自分のベンチマークって、なんだろう?

<コラム> 自分のベンチマークって、なんだろう?私事ながら、最近携帯電話を、ようやくiPhoneに変えました。

スマートフォンが話題になりつつある昨今、他製品へ目移りする前に、王道のiPhoneへ…twitterでアドバイスなどももらいつつ、重い腰を上げました。

まだ持ち始めて1週間も経っていませんが、いまのところもう「大満足!」の一言。すでに以前のケータイにはもう戻れないだろう、そう思いつつさえあります。就職活動の際にも、大きな武器となってくれそうです。このみんカラ内でもまた色々と何か有効に使えたらなぁ…。


…さて、最近は試乗ネタの慢性的不足(苦笑)により過去分ストックでお茶を濁すばかりでありますが、前回の5シリーズの試乗記にてスーパーデラックスさんからのコメント内でこんな事を尋ねられました。

「(自分の中で)ベンチマークとなるクルマってなんですか?」


質問を頂き、初めて自分に問いかけてみたのですが、これがなかなかどうしてすんなりと決められないのです。笑



ここから少し自分語りで失礼なのですが、今現在で自分が免許を取得してからもうすぐ3年。まだまだヒヨっ子の若造の分際ではありますが、周りの方のご協力や、好き過ぎるあまりの暴走っぷり?で、この同年代の一般的学生が、普通は絶対に味わえないであろうクルマたちを、数多く経験させてもらうことができました。

それは、やはり自分の中での「運転」というものに対しての絶大なる欲求と言いましょうか。物心ついた時からクルマがもう大好き、寝ても覚めてもクルマ車くるま…。自分の姿だけを客観的に見れば、若者のクルマ離れなんてどこ吹く風?というようなくらい、本当に好きで好きでたまりませんでした。

しかしながら免許を取得するまで、当然自らステアリングを握る事は許されません。父親がディーラーに試乗へ行くのに一緒に付き添ってブツブツいっちょ前に評価してみたり、本屋でクルマ雑誌をひたすら片っ端から読んだり、ベストモータリングのビデオを何十回とも観たり…クルマへの情熱は絶える事はありませんでしたが、実際運転するってどういうことなんだろう…どんどん頭でっかちな知識バカに膨れ上がっていく一方でした。



そしていざ免許を取得して、そこから初めてくぐるドライビングの世界…今までは想像やゲームなどでバーチャルでしか味わえなかった感動の数々が、そこに待ちかまえていました。それはそれはもう本当に楽しく、長年の夢が叶った瞬間の素晴らしさと言ったら、それはまさに筆舌に語り尽くせないほど…

それが故に、「若気の至り」の一言で済ませてしまえばそれまでですが、自らの未熟さと幼稚さがもとで、大きな事故を起こして自らの身体を傷つけたりした事もありました。直接第三者に危害を加える事はなかったとはいえ、周辺や身内に多大なる迷惑と心配もかけ、運転する歓びと同時に、1トン以上ある鉄の塊を手足で自在に動かす自由の怖さも身にしみて実感したりもしました。



そういった中で、自分が運転する以前に思い描いてたものと、実際運転し始めてから重要と感じるようになったものに、当然差が生まれてくるようになりました。

まずは何よりステアリングフィールに関して明らかに自分の中での優先基準が上位になり、ドライビングポジションやシート、またエンジンフィールのとらえ方にしても、運転していくに従って「あぁ、自分はこういうのが好きだったんだろうなぁ」と思う機会が増えてきました。日々様々なクルマに試乗したり、レンタカーで借り出して長距離を試してみたりして、自分の経験値をとにかく増やしたい……20代前半の自分が今思っているこの気持ちは、「自分のクルマを所有したい」という気持ちよりも、ひょっとしたら大きいのかもしれません。




さて、えらく話が長くなってきてしまいました。苦笑
メルセデスにBMWにフォルクスワーゲン、マセラティにアルファロメオにフィアット、プジョーにシトロエンにルノーに、国産ではGT-RやらZやらランエボやらインプレッサSTIやら…また最新のハイブリッドにEV、国内ガラパゴス市場のミニバン、激闘コンパクトカークラスから軽自動車まで、雑食系クルマ好きな自分はどんな分野でも大好物で、これらの数多くのクルマを、多かれ少なかれ「味見」してくる事ができました。


唯一1つ気がかりというのは、当然最近のクルマしか味わえていない…ということでしょうか。スーパーデラックスさんがおっしゃってくれた名車190Eといったように、ある意味最新スーパースポーツよりも試せる機会が稀かも……もう20年早く生まれたかった、と思う時がいまだによくあります。


さてそんな中で自分なりに考えた、「ベンチマーク」…

考えに考え、2台、自分の中で出させてもらいました。



1台目はゴルフⅥです。



なんだ自動車評論家みたいなありきたりな答え!苦笑
なのですが、初めてゴルフに乗った時の衝撃と言ったら、今でもはっきりと思い出せるほど、鮮明に記憶に残っています。

その時乗ったのは、初期の1.4TSIハイライン。170ps仕様のツインチャージャー+7DSGの組み合わせ。もちろんそういったパワートレーンの凄さもそうでしたが、それよりも個人的には、ステアリングフィールと足回り、特にリアの落ち着いたバランスの良さにたまげました。FFどうのこうのといった駆動方式別により不毛な議論以前に、まずクルマ自体の完成度の高さ…


何をいまさら!と言われれば仕方ないですが、今までずっとゴルフ未経験であったがゆえに、完全に舐めきっていたのです。乗った事もないのに。昔の質実無骨な2までのゴルフは好きでしたが、いまやどんどん大きくなり、豪華になり、かといってスタイリングやパッケージに魅力は感じず、実に普通すぎるつまらないクルマ…そう感じていました。日本で乗るなら日本車が一番、ゴルフなんて…という気持ちも大きかったです。おそらくは、3や4に乗っていれば、その気持ちは乗った後も一緒だったかもしれません。

いわゆる日本の自動車界でよく聴く「欧州車(特にドイツ車絶対主義)」が、正直気に食わなかった…というのもあります。

しかしいまや外車特有の乗りにくさなどは皆無で、アクセルを踏めば街中でも十分に俊敏。その後GTIにもじっくり乗る機会があり、改めて感服させられてしまいました。



と同時に、クルマ雑誌などの評論は基本一切アテにしない、自分なりの屁理屈と見栄で勝手に反論して、どこかあまのじゃくだった自分。乗ってもないのにイメージだけで判断するべからず、という事を痛いほど実感しました。使いたくはなかったですけど、あぁ確かにこれは、「格が違う」なぁと。

…しかし例外を1つだけ言うなら、これまた評論家さんたちに絶賛されまくっていた、1,2TSIトレンドライン。これはドライバビリティ含め、日本で乗る分には、全く良いとは思いませんでした。このあたりが、まぁ天狗気味の若者なりの反論ということで。笑


けど、「実用車の鑑」であるゴルフ、それを今ある様々なバリエーションで試せた事は、自分の中で間違いなく「いいものを知り、それを経験とする」事に関して、非常に大きなものであったと感じています。


そしてもう1台、国産車で忘れられない…という話は、少し長くなってきたのでまた次回で。笑
長文垂れ流し失礼します。

Posted at 2010/11/13 15:59:03 | コメント(4) | トラックバック(1) | コラム | 日記

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「明日は恒例のメディア対抗ロードスター4時間耐久レース。今年も64号車の監督やります。前日準備は洗車機の中のような豪雨。さて明日は??(^_^;)」
何シテル?   08/31 19:12
幼い頃から、車が大好きでした。 その気持ち変わらず、今も純粋に、自分なりに日々世の中に新しく生まれるクルマ、そのクルマを取り巻く事情や環境、ドライビン...
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