こんばんわ。
ちょうど昨日土曜日、富士スピードウェイにて、自動車雑誌「ザッカー」さん主催の、レクサスIS・CTの乗り比べ試乗会があり、参加する…「はず」でした。はず…
そう、まさかの面接被りしてしまい、せっかく山本編集次長さんを始めとする編集部の方からも案内があったのですが、泣く泣く辞退する事に…(涙
車好きとしてはなんともそそられるお話でしたが、そこは面接優先ということで…その面接は無事に終える事ができました。明日は朝から新幹線に飛び乗り、東京です。
さて、そんなこんなで、今回試乗記をお届けするのはコレ。
フェアレディZ34。久々のスポーツカー試乗記です。
現行Zに乗ったのは、これで2度目。初めて乗ったのは一昨年の東京モーターショウにて、デビューしたばかりのロードスターに乗ったのが初めてでした。この時気持ちいいオープンエアに酔いしれて、一発で惚れてしまって(笑)、その後もずっと気になる存在でした。
そして今回、7速ATのクーペをたっぷりと500km。幸運にもこの貴婦人と丸1日過ごす事ができました。ちなみに試乗は震災前、真冬の、しかも雨というコンディションでした。
ボディ拡大化が常という中、ホイールベースを100mmも短縮させるというダウンサイジングで登場した現行Z34。個人的には先代Z33のデザインもかなり好きですが、新型はさらにギュッと詰まった筋肉質なフォルムが特徴的。特にリアフェンダーのボリュームは外から眺める時はもちろんの事、運転中もドアミラーからチラリと主張してきて、所有感をくすぐります。こんな感覚は911だけ…かと思いましたが、今ではCR-Zでも同じような感覚が味わえます(笑)。GTマシンを彷彿とさせるカッコいいリアフォグは標準装備。もっとも、悪天候時以外の点灯はご法度です。
冷蔵庫みたいなドアノブがちょっと気になりつつ、室内へ。インテリアの質感に関してはZ33で散々叩かれ細かな改良を受けただけに、Z34は出始め当初からかなりの仕上がり。ソフトパッドの面積も増え、各スイッチ類のタッチも格段に向上。ただし見た目的には、ややフォーマルな印象が強いかな?そんな気も少しします。贅沢な悩みではありますが。
Z伝統の3連メーターがスポーティさを強く主張。ステアリングは微妙に形が変わっている変型タイプ。グリップの太さと革のステッチも、Z33より随分と良くなりました。そこから除くのはセンターにタコ配置のメーター。ポイント表示の燃料・水温表示のカッコよさにもしびれます。
さて、エンジンスイッチを押して始動。ブルンと獰猛なエキゾーストが車内に響きます。すっかりお馴染みとなったVQHRの3.7L。同じエンジンを搭載するスカイラインやフーガなどではこの音質がどーも高級車らしい佇まいに欠ける印象が拭えませんでしたが、なるほどZなら雰囲気として○。
Dレンジを選んで、走り始めます。さすがに3.7L、337psの迫力はダテではなく、走りのポテンシャル的には十二分にスポーツカー級。むしろエントリーモデルとして2.5Lがあれば…なんて妄想もずっとしていますが、結局叶わないのでしょう。一方フィーリングに関しては、一応レッドラインは7500で、昔のVQから比べれば本当にスムーズに回るようになりました。ただやはり上までぶん回して楽しむ性格ではなく、4000~5000あたりをキープしながら、分厚いトルクを味わいつつジェントルに乗るのがZらしい楽しみ方なのでしょう。サウンドは個人的には好きなんですが、吹けがスムーズなもののどこか重ったるく感じてしまうのがそう感じさせるのかもしれません。
驚かされたのは、ジャトコ製7速ATの出来の良さ。2、3、4速がクロスレシオなのはもちろんの事、それによってさらにシンクロレブコントロールの気持ち良さを味わえる事になり、シフトダウンをするたびに「グォォン!グォォン!」と獰猛なサウンドを響かせる…あぁー快感。このトルコンATの出来なら、街乗り+αの領域では、DCTの必要性を感じません。
MTでもシンクロレブがついて、ヒール&トゥなしでも気持ちいいシフトダウンができますが、肝心のシフトフィールがゴリゴリとしており気分が阻害。その点、ATはステアリングポスト固定式のマグネシウム&革コンビのパドルシフトの質感は◎。ロードスターならATかな…と思ってましたが、これならスポーティさ優先でATを選ぶ、なんて事だって有り得そうです。
ステアリングはずっしりと重く、切り始めからその反応はリニアそのもの。こういう部分では油圧パワステのナチュラルなフィーリングを実感。ステアレシオは十分にクイックでありつつ、高速クルージング時にはどっしりとした落ち着きがあります。ホイールベース短縮による影響がどこか出るかな…?と思っていましたが、少なくとも18インチサイズでは直進安定性の乱れや、荒れた路面でのワンダリングなどもなし。ブレーキも上級の「曙」仕様でなくとも、この標準仕様でもカチッとした剛性感のあるフィーリングを味わう事ができました。
むしろ、ワインディングへステージを移すと、この「リアタイアの近さ」というメリットが、FRらしいドライビングを楽しむには好都合に。今回は外気温が10度に届かない冬の雨というコンディションで、2速の立ち上がりなどではさすがに245幅のリアタイアも耐えられず、VDCが頻繁に介入してきましたが、その時のリアのピクッとした反応が、お尻からすぐに感じ取れるインフォメーション性の良さ。テスト車両がファルケンのショボい銘柄を履いていたのが少し残念でしたが…。
また、こんな寒い中なのに、ちょっとペースを上げて攻め込んでいくと、油温が110度超え。停車すると、ボンネットから湯気が…。ボンネットの中はもう目一杯ギュウギュウという感じで、熱の逃げに関しては結構厳しそう。冬のワインディングレベルでこれですから、夏場にちょっと激しく走ろうものなら…北米仕様ではオイルクーラーが標準ですが、日本仕様はなぜか設定なし。アフターマーケット品が充実しているのも頷けます。
いやーしかし、やはりFR2シータースポーツは、楽しい(笑)。このZがスポーツカーなのかGTカーなのか、という議論は色々あるかもしれませんが…2人しか乗れず、燃費もどーにか7km/L台…エコとは無縁な1台ではありますが、このご時世の中で、こんな1台が存在してくれる事、いやー嬉しいじゃないですか。
惜しむべきは、3.7Lで400万円クラスのプライス…性能、質感、それらはZ33から飛躍的に向上しましたが、それに伴って価格もグッと上がりました。それなりに落ち着いたおじさん世代が、再び貴婦人と…なんて所有の仕方が理想なのでしょうが、貧乏大学生だってよだれは出る一方(笑)
最初に書きましたが、せめて2.5Lモデルを、300万円切りで出してくれれば…なんて妄想をして、試乗記を終わりにしたいと思います。
Posted at 2011/05/15 22:26:41 | |
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