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2012年12月16日 イイね!

ホンダTYPE Rの功罪

ホンダTYPE Rの功罪前回、VTECエンジンの功罪と題したブログが大変な数のイイね♪を頂き、かなり戸惑っています(^_^;)。
共感頂いた方々には、お礼と云うのも変ですが、大変な励みになりましたm(_"_)m。

一連のブログはある意図を持って書いているのですが、今日のお題はTYPE Rです。

ボクが96年にファミリーカーとして購入し、ちょうど一年前まで所有したインテグラRは、NSX-Rに続く2代目の、FF初代のTYPE Rでした。

NSX-Rデビューが1992年だから20年前、最後のFD2 TYPE Rの生産中止、FN2 TYPE R EUROの限定発売が2010年と18年以上の歴史を持つTYPE Rブランドですが、先ずはTYPE Rとは一体何だったのか?を改めて記しておきたいと思います。

FF専業の大衆車メーカーであるホンダの夢、少量生産のスーパースポーツカーを作ること、ホンダらしい旧来の常識や価値観を覆すコンセプトでNSXをリリースしたのが1990年。New Sports Xの頭文字を取って名付けられたNSXは、高い信頼性と快適性、競合に伍するパフォーマンスで大変な注目と人気を得ました。一方でその快適すぎるキャラクターに異を称える専門家が居たり、オーナーからもいま少し刺激的なテイストが欲しいという声も挙がったと言います。そんな声に応えるように1992年に運動性能を極限まで高めた限定モデルとしてNSX TYPE Rが登場しました。元々アルミボディで軽量設計の特徴を更に高めるために120kgという徹底的な軽量化を施したその手法は、市販車をベースにレーシングカーを作るが如く快適装備や安全装備であるエアコン、オーディオ、エアバッグやTCSは元より、メルシートを含む遮音材まで剥ぎ取るという大胆なもの。ホンダ曰く、120kgの軽量化は25ps以上のパワーアップに相当するとは、もちろんパワーウェイトレシオに照らしてのことです。よってNSX-Rのエンジンは専用に高精度な組み立てが行われながらもカタログスペックは標準モデルと同じでした。目指したものはズバリ「サーキットベスト」。軽量化手法が象徴するようにスーパースポーツたるNSXがそのポテンシャルを解き放てる舞台はサーキット以外にありません。ではそのステージにベストマッチしたNSXを作ろう。そのためにレーシングカーを作る手法を取り入れる。流石に内装無しの(鉄板ならぬ)アルミ板むき出しとはいきませんが、スポーツ走行に不要な物をことごとく拝する一方で、レーシングスピードを基準に足回りや駆動系を強化し、ハイグリップタイヤに合わせセッティングを煮詰めました。そして「サーキットへ自走して赴き、スポーツ走行を楽しんだら自走して帰宅する」ために必要最小限の保安部品のみを残しています。当然、一般道には全く適さないガチガチの足となりましたが「それがご不満なお客様は、どうぞ標準モデルのNSXをどうぞ」という潔さ!です。そう、TYPE Rのコンセプトは「サーキットで最高に楽しいクルマ」であり、そのココロはドライバーの要求に期待通りに反応し、結果としてとっても速いクルマ、ということです。

噂では、NSXの開発段階で標準クーペの試作車と同時にTYPE Rの原型となるスパルタンな仕様も用意し、コースで両方を役員に試乗させ「どっちにします?」と聞いたところ「両方やれ」と云われたとも。ホンダHPに紹介されたNSX開発秘話とは異なるこのストーリーの真偽はもちろん定かではありませんが、いずれにせよTYPE Rの歴史はスーパースポーツのNSXから始まりました。

1992年から1995年までの期間限定による注文生産となったNSXのTYPE Rですが、これの生産中止と入れ替わるように登場したのがFF初代TYPE RたるインテグラTYPE Rです。
ベースとなったインテグラ(DC2,DB8)はクイント・インテグラから数えて3代目。シビックのシャシーをベースとし、若干上級の3ドアクーペと4ドアハードトップでしたが、米国市場を指向した丸目四灯のフロントマスクが日本市場には不評。180psを誇るB18C VTECエンジンを塔載したSi-Rを持ちながら、三菱自動車からデビューしたFTOが三菱版VTECともいうべきMIVECエンジンを得て2L、200psを誇り、市場で劣勢を強いられていました。インテグラのマイナーチェンジを機に、FTOを意識したインテグラのスペシャルモデルを出すという企画が立ち上がったそうですが、NSXに携わった上原氏がどういった経緯で参画したかは私は知りません。が、氏はこの大衆車ベースのスペシャリティカーに「TYPE Rコンセプト」を持ち込みます。しかしTYPE Rは元々NSXのために練られたコンセプトであり、ベースとなるモデルの素性が全く異なります。氏は目指すインテグラ・スペシャルバージョンのゴールイメージを、当時のシビックのレース仕様車(確かN1仕様だったはず)に求め、開発メンバーに試乗させることによってイメージの共有を図ったそうです。後はNSX-Rで行ったのと同様に、走りに不要な装備を削り、ボディやシャシー、駆動系をサーキットに合わせて徹底的に強化するというTYPE Rの方程式を当て嵌めていきます。筑波サーキットなどでの実走試験で完成車のイメージが固まってくる頃には、開発メンバーの頭の中には「ライバルのFTOを・・・」という意識は無くなっていたそうです。この段階で既に、TYPE Rコンセプトにより生まれ変わりつつあるインテグラは、もうそんなレベルのクルマでは無くなっていたということなのでしょう。
ちなみにこの開発の過程で、TYPE Rコンセプトに一点の進化が生じます。実にエンジン屋のホンダらしいエピソードですが、上原氏はTYPE Rコンセプトの産みの親であり、その要点は徹底した軽量化とシャシーの強化によってサーキットベストのパフォーマンスを与えるもの。氏はインテグラのマイナーチェンジに於けるスペシャルモデルのエンジンについては「性能はシャシーで出すから、エンジンはそうねぇ、、、5psほど上げてくれればいいよ。」と担当エンジニアに伝えたそうです。このセリフにホンダのエンジン屋がカチン☆!と来ました。そして量産エンジンでは異例とも言える手作業によるポート研磨をはじめ様々な改良が加えられ、彼は上原氏に「200ps、出ちゃいました(-_-)v」と報告するに至ります。B18C 96specRの誕生です。ベースとなったB18Cがリッター100psの180psを既に達成している中で、普通なら更に5psの強化でも十分に無理難題と云えたかもしれません。出来上がったエンジンはリッター実に111psを叩き出し、レブリミットのピストンスピードはホンダF1エンジンを上回るというとんでもない代物です。これ以後、TYPE Rには専用の強化エンジンが奢られることになりました。この300万円以下で買えるFFのTYPE Rも、NSX-Rに劣らない絶賛を持って市場に迎えられると共に、様々な常識を打ち破りました。

「FFでスポーツカーは成立しない」という常識
「乗用車ベースでは専用設計のスポーツカーには適わない」という常識

「スポーツ走行するなら後輪駆動」と公言して止まない「ドリキン」土屋圭一氏をして「ホンダのTYPE Rだけは別」と言わしめたのはクルマ好きならご存知の方も多いでしょう。

初代インテグラRはボクの愛車でもあり、その速さ、凄さを紹介するエピソードには事欠きません。ボクはこのクルマでスポーツ走行を始め、初級者からのステップアップを共に過ごしました。1996年の暮れからになりますが、その速さは云わば「クラスを超えた速さ」でした。

当時1.8Lに競合するスポーツモデルはなく、2LではトヨタMR2(SW20)、セリカ(ST205)、日産スカイライン(R32,R33)、シルビア、180(S13,S14)、三菱ランエボ(Ⅲ、Ⅳ)、スバルインプレッサ(STI VerⅡ、Ⅲ)といった辺りがライバルでした。パワーはNAは180~200ps。ターボは250ps前後といったところ。

普通に考えれば、排気量も多く過給機まで付いているこれらのクルマに1.8Lの自然吸気が適うはずはありません。また「ターボ車が直線で速く、TYPE Rはコーナーで速い」と考えるかもしれません。

しかし現実は直線でもコーナーでもライバルより速かった。本当の話です。

「それはライバルを運転しているドライバーがヘタレだったのでは?」といえば、確かにそうだったかもしれません。しかしボクも同じ初級者(苦笑)でしたから条件は同じです。ボクがとんでもなく速いドライバーだったか?と言えば、残念ながら標準的な、もしかしたら少し上手な程度です(^_^;)。

では、インテグラRの速さは一体なんだったのか?

例えば筑波サーキット。第2ヘアピンを立ち上がってバックストレート。B18C 96specRは2速から3速の立ち上がりで250ps級の2Lターボと互角の加速を見せます。4速に入ったところでようやく2Lターボのトルクに若干差を付けられますが、直ぐに最終コーナーです。ここの飛び込みとコーナーリングスピードが違います。ホームストレートの立ち上がりではライバルは全くパワー差を見せ付けることは出来ず、第1コーナーを迎える、といった感じです。

筑波のようなテクニカルコースでは軽さとパワーとコーナーの速さが活きますが、流石にFISCOじゃツライだろうと思っていました。ところがこれまた現実は違いました。当時のFISCOは旧コースで、ヘアピン以降に300Rの高速コーナーとBコーナーというシケインが挟まり最終コーナーというレイアウト。約2キロの直線は変りません。先ず100Rのコーナーリングスピードがとにかく速かった。Aコーナーを立ち上がってからほとんどベタ踏みで回っていくと、周りのクルマがまるでスローダウンしているのかと思うくらいに差がありました。そしてBコーナーを回って最終コーナーは登りです。小排気量NAのインテグラRにはツラいシチュエーションですが最終コーナーを3速踏みっきりイケます。多くの先行車との差が一気に縮まります。メインストレートを立ち上がるとコントロールライン付近まで、ライバルとの車間が詰まることはあっても広がることは少なく、ストレート後半になってようやくジリジリと車間が開く、といった感じでした。

よりハイパワーなライバルが速くなかった理由は明らかにドライバーが踏めていなかったから。逆に言えば、TYPE Rはライバルより早く、そして長くアクセルを踏めるクルマだったのです。これはTYPE Rのシャシーがサーキット走行に最適化されていたからに他なりません。他社のスポーツカーは所詮、一般公道での利用を前提とし、サーキットスピードでは姿勢変化も大きいものです。この差が初級者では特に顕著だったのでしょう。TYPE Rはそういった場面でドライバーに一切、不安を与えません。思い切って安心して踏んでいけたのです。

これは例えれば、他のスポーツカーの性能を初級者では6割しか引き出せないとすると、TYPE Rならいきなり7割が可能。この1割の差が絶対的な性能差を埋めてお釣りが来た、といったところでしょうか。TYPE Rコンセプトと実車の実力、それが例え初級者といえどもドライバーに与えた効果は見事というしかありません。

何の不満も不安も無くドライバーは運転に集中し、楽しくてしかも速い!

これがTYPE Rの価値であり、もっとも解り易い功なのですが、クルマを手放して約1年、最近になって再認識した功があります。それは、

「どんなクルマを前にしても、ドライバーが全く臆することが無かった」

ということです。スポーツ走行を始めて以降、一般道で走りを楽しむことはほとんどしなくなりましたが、旅行など色々な場面でやはり色々なことがあります。例えば高速道路で大パワーのクルマに煽られたり、といったことです。クルマを見れば相手の車が速いことは明らか。性能差を考えれば、仮に挑んでも勝ち目が無いのも明らか。でも、そんなときでも「あれには適わないから道を譲ろう」などという気分には一度もならなかった。車線を譲るにせよなんにせよ、そんな「クルマの格差」に根差したある種の劣等感や卑屈な思いを抱くことは全くなかったのです。

そう、TYPE Rはボクに誇りと自信を与えてくれていたのです。

それは、メルセデスが迫ってこようがポルシェが迫ってこようが、決して揺らぐことは無かった。相手のクルマが何であっても、ボクの愛車も十分に速い。相手の方が速ければ、それはクルマが速いこと以前にドライバーが速いから。ボクが劣等感を抱くとすれば、それは相手のクルマにではなく、あくまでもドライバーに対して、そんな気分にさせてくれたクルマだったと、手放して1年余りを経て認識するようになりました。TYPE Rはボクにとって、クラスレスなクルマだったのです。

なかなか、他に欲しいクルマが現れなくても道理ですね(^_^;)。

ここまで書けば、もう罪は明らかです。マツダのSKYACTIV技術に強く興味を持ってアクセラSKYACTIVに買い替えましたが、Cセグメントの2Lハッチバック、それ以上でもそれ以下でもないクルマです。下位のクラスよりは速いですが、上位クラスのクルマには適わない。至極当たり前のことなのですが、例えば高速道路の追い越し車線を走っていて、大パワーのクルマが迫ってきて車線を譲り、走り去るのを見送るときの気分は、TYPE Rに乗っていたときには抱かなかった感情でした。

次もマツダを買うなら「フラッグシップ以外の選択は難しい」と考えるようになったのも、それが適わなければメルセデスかBMWなどのプレミアムブランドしかないと考えるのも、TYPE Rというプレミアムなクルマのせいなのでした。


このブログを読んでくれるTYPE Rオーナーの方々には是非、知っていて欲しいと思います。
TYPE Rというコンセプトは本当に崇高な理想と哲学によって成り、生み出されたクルマは他に並ぶもののない素晴らしいスポーツカーです。所有する誇りを持って、是非、大事に長く楽しんで下さい。

そしてもし機会があれば、愛車のスポーツ走行を体感してみて欲しい。自ら走るも良し、プロドライバーの同乗走行でも良しです。その素晴らしさは話を聞いても理解するのは難しい。別に「TYPE Rオーナーはサーキットを走るべき」と申すつもりはありません。その真価は、体感するのがもっとも手っ取り早いのです。一度体感すれば、愛車をもっと好きになれます。その後、愛車とどう付き合っていくかはご自由に。

でも、この上なく感動するのは間違いありません。それは保障します。そして、、、


次の愛車選びは相当に難しいでしょう。覚悟はしておきましょうね(笑)。
Posted at 2012/12/16 03:38:19 | コメント(12) | トラックバック(1) | ホンダ | クルマ
2012年12月14日 イイね!

VTECエンジンの功罪

VTECエンジンの功罪先ず最初に、ホンダバッシングのブログではありません(苦笑)。

ボクは20代の後半にVTECエンジンに出会い、以来ずっとVTECを積んだクルマに乗り続けています。H22A、B18C 96specR、C30A。DOHC-VTEC、スポーツVTEC、色々と云われますが、これらの3基はいわば第一世代。もっとも初期のVTECエンジンであり、自然吸気エンジンでリッター100psを初めて可能にしたB16Aの流れを汲むユニットです。

当時7000rpm回ればスポーツユニットと称された時代に8000rpmオーバーを可能とし、クラス最強どころか1クラス上のエンジンと互角に渡り合ったこれらのパフォーマンス面については今更、説明の必要はありませんが、ボクがここで敢えて紹介したいのは以下の点です。

B18C 96specR 16.98km/l

C30A 15.05km/l

どちらもボクが記録した燃費です。一般道、高速道路を300km前後走行し満タン法で得た数字ですので、例えば峠の下りなどの燃費に良好な限定条件で達成した数字ではありません。更に付け加えると、C30Aを積むボクのNSXは後期型の6速ミッションに換装してありますが、OS技研の4.4ファイナルを組んであります。ノーマルより10%、最終減速比を落としているので、当然燃費には悪化要因です。タイヤはインテRがNEOVA AD07、NSXがAD08。省燃費タイヤとは対極にあるハイグリップラジアルです。

確かに燃費には気をつけて運転したのは事実ですが、旅行の道中、地方道を当然周囲の流れに合わせてトコトコ走った結果です。これらのVTECエンジンは、回せば8000rpmでリッター当り100psのパフォーマンスを発揮する一方で、回転数を極力抑えて大人しい運転を心掛ければ、現代の最新のエコカーと遜色無い燃費性能を叩き出してしまえる、大変高効率なパワーユニットなんです。

アクセラSKYACTIVは最新の高効率ガソリンエンジンですが、インテRのこの最高燃費を上回ったのは42回の給油を行ってたった1回だけ。生涯平均燃費では1.7km/l程上回ってはいるものの、全く満足できない理由がここにあります。17年前のスポーツエンジンが17km/lを叩きだせるんだから、20km/lくらいはいってもらわないと、、、というワケです。

ホンダのVTECユニットよりハイパワーなエンジンはありました。燃費の良いエンジンもありました。しかしパワーと燃費をこれだけハイレベルで両立したエンジンをボクは知りません。

ブログタイトルにある「VTECエンジンの功罪」というのが真にこのパフォーマンスのことです。


こんなパワーユニットを知ってしまったら、生半可なエンジンのクルマには全く興味が湧きません(苦笑)。


パワーがあるけど燃費が悪い。燃費が良いけどパワーが無い。どっちに振れてもダメになってしまいました。大体、他社のスポーツエンジンでVTECに対抗出来たのはほとんどが過給機付き。それらのトルクは強力でしたが、どれも燃費はダメダメでした。リッター5~6km/lくらいしか走らないと聞いただけで”ムリ!”です。燃費も同様で、カタログ燃費はともかく、実用燃費でリッター1~2km/lのアドバンテージのために、わざわざお金を払ってアンダーパワーなクルマに買い替えるのか?というのも”無理!”。

流石に紹介した最高燃費記録は両車とも1回きりですが、ペースを抑えて燃費走行をすればNSXは13km/l以上、インテRは15km/l以上はいつでも出せました。その効果はズバリ航続距離。NSXが800km弱、インテRが750km以上、両車共に足が長くて旅行好きの我が夫婦には大変頼もしいクルマでした。

「次はハイブリッドか?」とホンダのインサイトを検討したのも、所有しているガソリンエンジンを上回る魅力を持ったクルマ、ではなく、そもそもそんなエンジンが存在しなかった、これが原因でした。


さて、VTECエンジンがボクに為した罪はこういうことですが、実はボク以外にも被害を被った方々が居るという話。これは雑誌で読んだものですが。

1989年にインテグラに初塔載されて以降、ホンダエンジンの基幹技術となって現在に至るVTECですが、性能的にも技術的にもこれを脅かすエンジンはなかなか他社から出てきませんでした。レシプロエンジンのバルブトレーンとしてVTECを上回る画期的な機構としては、2001年にBMWが発表したValvetronicが挙げられますが、第1世代は燃費性能に傾倒しておりパフォーマンス面ではVTECを脅かす存在ではありませんでした。理屈の上ではバルブタイミングとリフト量を2段階しか変えられないVTECに対し、無段階に可変可能なValvetronicの方がポテンシャルが高いと考えたいところですが、現実は必ずしも理論通りにはならない。ホンダもVTECにバルブ位相可変機構を追加したi-VTECに進化させており、ValvetronicやトヨタのVALVEMATIC、日産のVVELなどの優位性はさほど大きくないようにも見えました。以上のように、他社はなかなかVTECを一気に時代遅れにするような画期的なエンジンを生み出せずにいたと考えられるのです。

ところが、、、

実はここに落とし穴があったというのです。他社がなかなかVTECを超えられなかった、とボクは書きましたが、実はもう一社、VTECを超えるエンジンを生み出せずに苦闘していたメーカーがあった。

当のホンダ自身です。

以下はMotor Fan illustrated vol.62「バルブトレーン マニアックス」P72に記載されたDr.Hatamura氏のコメントです。そのまま引用します。

「現在のVTECの原型は、1983年に二輪用エンジンを、2弁⇔4弁に切り替える機構として実用化されたREVと呼ぶ機構だ。信頼性要件が厳しい4輪には無理だろうと多くの動弁機構専門家の予想を裏切り、1989年に高出力の吸排気VTECとして実用化された後、片弁停止によるスワール生成VTEC、3ステージVTEC、気筒休止(可変排気量、ハイブリッド)VTEC、ミラーサイクルi-VTECなどに発展している。現在はホンダの4輪車のほとんどがVTECを装着しており、世界的にも大ヒット技術のひとつである。
 ひとつの技術が大成功をおさめると、その後の技術進歩を阻害することが多いが、連続可変リフト機構の導入遅れ(i-VTECの採用)、過給ダウンサイジングの導入遅れ(可変排気量の採用)、クラッチなしハイブリッドの採用(気筒休止の採用)などを考えると、VTECもその例に陥っているように見えるのが残念だ。」

コメントしているハタムラ氏はどうも元マツダのエンジン屋らしいのだが、そのコメント内容が個人的にはあまり(いや、とっても)好きくないのですが、このコメントには思わず「う~む」と唸ってしまいました。

以前、ブログで紹介しているのですが、確かにホンダはBMWに遅れること5年、連続可変バルブリフト機構を持った進化型VTECを発表しながら、実際に市販することなくお蔵入りさせています。更に遡ってスポーツVTEC以外の様々なVTECエンジンを生み出しましたが、燃費性能は確かに優秀ではあっても、他社のエンジンが霞んで見えるほど圧倒的な差があったか?と言えば、残念ながら否でした。せいぜい頭半分リード、程度。更に、ホンダが開発したVTEC以外のエンジンとして、初代フィットと同時にデビューしたi-DSI(intelligent-Dual & Sequential Ignition)というのがありますが、2バルブ、2プラグで低速トルクと燃費に優れる素晴らしいエンジンではありますが、過給ダウンサイジングが台頭してきた現在に於いては「燃費以外に良いところが無い」とホンダ自身が認めざるを得ない代物となってしまっています。

これは一体、どういうことなのか?

i-DSIが象徴的だと思うのですが、初代VTECは1.6Lで160psを発生したハイパワーユニットで、実はこれは現在で言う「ダウンサイジングエンジンのルーツ」なのです。160psといえば当事の2L自然吸気エンジンの高性能版に匹敵しました。これを1.6Lで可能とする一方、常用回転域では当然、1.6L相当の燃料しか消費しません。つまりパワーと燃費をハイレベルで両立する手段としてのVTECであったのです。現代のダウンサイジング過給エンジンも基本的な考え方は全く同じ。過給機で十分なパワーとトルクを得つつ、小型化したエンジンが低負荷時には燃料消費を抑えます。パワーと燃費をハイレベルで両立する手段です。方法論こそ違え、VTECでホンダが実現したこととなんら違いはありません。
ところが当のホンダは、自らが生み出したVTECを超えようと開発したi-DSIエンジンで、省燃費に特化してハイパワーを捨ててしまったです。

もちろんこれは、今になって、今だから言える結果論でしかありません。

だからこそ、ハタムラ氏の指摘にボクは思わず「う~む」と唸ってしまったのです。

そう言われて振り返れば、2000年以降のホンダのエンジン開発は迷走とも停滞とも言えなくは無い。そして、気が付いたらダウンサイジング過給エンジンを急速に熟成させた欧州メーカー勢に、あっという間に置いていかれたような印象です。ボクが上記に書いたように「他社がVTECを上回るエンジンを生み出せずに、、、」と思っていたら、追い付かれたのも気付かぬ間に追い越されていたような、まるで狐に摘まれたような感じです。

VTECは素晴らしいエンジンだ。それ故に罪深い。というお話でした(^_^;)。
Posted at 2012/12/14 02:14:34 | コメント(15) | トラックバック(1) | VTEC | クルマ
2012年12月11日 イイね!

「スバル考察」について

「スバル考察」についてこの記事は、スバル考 (その1)について書いています。

以前、「スバル快走の報に想うこと」というブログを書いたところ、AWDに拘る割りに初心者なボクには大変勉強になるブログを、なんとコメント代わりに書いて頂いた。感謝です。m(_"_)m

ボクはスバルといえば知人のレガシィB4(2.0GT spec.Bだったかな?)を一度運転したくらいで、クルマ(製品)について多くを語る資格を持たないから、傍から見た企業戦略、販売実績などの企業活動の成果、評判などから想うところをブログに記したのみ。その認識には共感を頂いたようだが、一方で現役スバリストがあえて誤解を恐れずに表した「スバリストからの決別」という言葉には、感じ入るところがあった。

スバルがスバリストと決別したか?については敢えてコメントは差し控えさせて頂きたい。

ボクが思ったのは、スバリストが熱狂的に支持した「コアな部分」を(結果的に)薄める一方で、新規の顧客獲得に成功している昨今のスバルの動きは、独自の強みを持つメーカーが一部の熱狂的なファンに支持されている状況、云わば踊場から一歩成長軌道に踏み出すための、正しい方向性であると思っているからだ。以前、スバルについてブログを書いたときにはスバルがこの動きに乗っているという認識は無かったのだが、FLAT6さんのブログからこの認識を改めさせてもらった。

独自のコアな強みを持つメーカーが一皮剥ける動きというのは、ボクの好きな自動車市場の歴史(笑)に照らすと先駆たるメーカー・車種があるのだ。

ポルシェ911

スバルと同じ水平対向エンジンを有するのは偶然か?必然か?このスポーツカーのカリスマに対する評価は今更ボクが述べるまでもないが、ここで銘記したい点は、歴代の930、964、993、996、997、そして最新の991と代を重ねる毎に確実な進化を遂げる一方で、最新型は常に「911らしさを減じた」と表され続けている点だ。「最良の911は最新の911」とはどこかの自動車評論家の言が起源だと聞くが、果たしてそうなのか?ボクには少なくとも現在の911オーナーにとっては「愛車が最良の911」であって、最新の911は性能面はともかく、エモーショナルな面まで含めると必ずしも最良ではないのではないか?と思わないでもない。しかし911オーナー予備軍にとっては最新が最良なのだろうが。

云うまでも無く唯一無二の水平対向6気筒エンジンをリアのオーバーハングに吊る極めて特殊なクルマのキャラクターが熱狂的なファンを生み続けているのだが、その特殊な味は代を重ねる毎に薄められている。しかしその人気は衰えるどころか、新たな顧客の獲得を続けている。

昨今のスバルの動きは、911の成功の歴史をなぞらえているのでは無いか?と思い至った。

スバルの水平対向4発(及び6発)をフロントに縦置きし四輪を駆動するそのレイアウトも唯一無二の、スバル独自のものだ。それがもたらす個性をボクは知らないが、「スバリスト」という独自のファンの呼称が存在することからも、911の得意なレイアウト(個性)が強い訴求力を発揮する構図に相通じるものを感じる。

また、911の昨今の標準モデルはカレラであるが、元々911カレラは911のスパルタンモデルであった。これがいつしかレギュラーモデルへ転じたワケだが、この動きはRRの(独自の)個性の希釈化と同様に、スペシャルモデルの一般化というコアなファンにとってはある種、許しがたい動きだ。かつての憧れのモデルが標準(一般)モデルとなるのだから。だがポルシェはそんなコアなユーザーのためにスペシャルなモデルをリリースし応じた。昨今のGT2、GT3などがそうだ。それらも半ば標準モデル化する一方で、CS(クラブスポーツ)、RSといったスペシャルモデルを造っている。

スバルはどうか?インプレッサのWRXを例に取れば、細かな説明は不要だろう。STI、spec.C、ボクは細かく列挙することは出来ないが、かつてのスペシャルモデルのレギュラー化、その上での更なるスパルタンなモデルのリリース。スバルがポルシェの動きに倣っているかどうかは知らないが、両社の動きは不思議に符合する。そして、新たな顧客の獲得に成功し、成長を続ける点も同様だ。

洗練という形で個性を薄めつつ進化を続けるメーカーやモデルに対して、コアなユーザーはどう振舞うのか?詳細に調査した訳ではないが、911に関して本当にコアなユーザーは最新のモデルに買い替えることなく、現行の愛車を維持していくという選択肢を取るようだ。最新に乗り換えた後、また以前のモデルに戻るという話も稀に聞く。しかし、例えば996でポルシェの虜となったユーザーが993、或いは964や930といったモデルに遡る、という話はあまり聞いた記憶がないが、どうだろうか?

この動きに照らすと、コアなスバリストがもし最新のモデルに食指が動かなかったとしたら、先ず真っ先に取る行動は他社製品を物色するのではなく、現状の愛車の維持、延命ではないか?と思う。そして眼鏡に適う最新モデルを待って買い替えるという動きになるのではないか?という気がする。

あくまでスバリストでもなんでもないボクの想像ではあるが、ブログで紹介して頂いた半年間アルテッツァに浮気した彼の話を読むにつけ、そんな印象を持った次第。

以上の通り、スバルというメーカーはなかなかに侮り難いとの認識は最初にボクがブログに書いたときの所感からなんら変るところではないのだが、ボク自身はなぜかスバル車を愛車として検討する気が全く起きない。この理由については、いつか機会があれば紹介するかもしれない。

少なくとも今のボクのクルマに対する要求を素直に考えれば、レガシィB4 2.0GT DITが候補の筆頭に来るはずなのだが、、、(^_^;)

FLAT6さん、こんなのが出ました(笑)。
Posted at 2012/12/11 02:26:43 | コメント(3) | トラックバック(1) | 自動車市場 | クルマ
2012年12月09日 イイね!

アクセラSKYACTIV・チューニングプランの現状

アクセラSKYACTIV・チューニングプランの現状そろそろ新型アテンザに傾倒したブログを戻さねば(苦笑)。

AWD待ちとなった以上、色々と興味はあるが何かがどうにかなったところでボク自身にはある意味、関係無い。興味のあった部分にはとりあえず試乗を経て安心感も得られたし、なんらか課題点を指摘するのも購入を決めた方々には申し訳無い話だ。別にボクが気になっても、当のオーナーが気にならなければ問題は無い話だし(^_^;)。

クルマの買い替えが当面無くなった以上、ボクにとっての重大問題は今の愛車である。生憎と不満点がハッキリしてしまったため、これらをなんとかせにゃならん。まぁチューンナップしてみようかという話だ。

ところで、、、

みんカラを始める前からときどき色々な人の愛車紹介などを拝見して、

「XX買いました!これから色々と弄っていこうと思います♪」

といった紹介文を読むと、実は違和感120%だったりした。


気に入って買った、しかもまだ買ったばかりのクルマでしょ?
まだ、どこが良いも悪いも解らんだろうに、一体ナニを目的にどこをどう弄るつもりなのだろう???とか思ってしまったのだ。

ボクはアクセラを買ってから不満点が明らかになり、チューニングする方向で考えるに至るまでに半年、走行10,000kmを要した。
そもそも、購入した直後から弄ることを考えるくらいなら、最初から弄らずに済むクルマを選べば良いのに、、、とか思ったり。。。

ところが・・・(^_^;)

ボクもアクセラのパーツレビューにある通り、純正のハネやペダル、例えばLEDバルブだとかを着けたり交換したり、というのもまぁ、弄るといえばそうだ。

「そうか、弄る=チューニングと考えるから違和感があるのであって、そうではない弄り方なら、、、ってそれって何て言えばいいのかな???ドレスアップ・・・?」(^_^;)

結構最近になって、そう認識を改めて先の愛車紹介に照らしてみると

「XX買いました!これから色々とドレスアップしていこうと思います♪」

ふむふむ、なるほど全く違和感は無い。d(・_+)☆\(-_-")バキッ


まぁドレスアップという言葉が適切かどうかはともかく、ボクの中でのそれは基本的に「やりたいからやる」であって、効果は二の次(笑)。だって「着けてみたい」って思ったら、やっぱ試してみたいじゃない。期待通りにならなかったとしても、それがナニか?( ̄▽ ̄*)ってなノリ。

一方、効果を期待するのはボクにとってはチューニング。期待効果が得られなければ失敗、金の無駄。大体、安直に社外品を着けて簡単に性能が上がるならメーカーが最初からやっている。チューニングの基本は欲しいナニかを得る代わりに、ナニかを捨てること。足回りで言えば、スポーツ性を高めれば快適性は犠牲になる。チューニング(調律)という所以だ。あっちもこっちもなんて簡単に実現出来るハズはない。マツダがSKYACTIVで「ブレークスルーの発想」と称してこの二律背反をどっちも高めるということを実現しているが、逆に言えばメーカーが社運を掛けて全社的に取り組んで数年も掛かるのだ。そういうものなのだ。

で、ウチのアクセラの問題は以下の通り。

・直進性
・高速安定性
・燃費

直進性は残念ながらフロントサスペンションの設計(キャスタートレール不足)に起因すると考えているので対策可能なチューニングメニューは皆無に近い。これはひとまず横に置く。

高速安定性はサスペンションのバネレート不足、ダンピング不足に起因しそうなので、社外品の強化サスペンションキットを組めば対策になる。問題はどこのキットを選ぶか。今の第一候補はAutoExeの貴島スペック。これは1月~2月頃の発売と聞く。アクセラ仕様の詳細はまだ不明だが、どうやらノーマル比で10%程の強化とのこと。幸い不満の発信源であるカミさんが固めの足に抵抗がないので、多少の乗り心地の悪化は全く問題がない。逆に10%程度の強化でカミさんの不満が解消するか?そっちの方が問題だ(苦笑)。具体的には東名高速の大井松田-御殿場のロングコーナー区間。特に上り線が下り勾配となるので、ここの追い越し車線の速いペースで下ってきて、路面のうねりを一発で吸収し、カミさんに不安を与えなければ合格、となる。

燃費をどうするか?実はアクセラSKYACTIVの今の燃費性能の原因のひとつとしてタイヤの銘柄がある。クルマの燃費性能などおいそれと改善は出来ないが、アクセラの場合はこのタイヤを最新の省燃費タイヤにしてやることによって、上手くすれば10%くらいの改善が見込める。問題は銘柄をどうするか?折角、走りが楽しいクルマなので、省燃費一辺倒のエコタイヤは流石に抵抗があるので、タイヤメーカー各社のスペックシートと睨めっこである。例のラベリング制度の転がり抵抗係数がAAとかAAAとかなら間違いは無いのだろうが、どうも転がり抵抗係数とウェットグリップ性能は二律背反の関係にあるらしく、これはこれで結構、悩ましい。また、あまりドライグリップが見劣りするのは流石に避けたい。折角足回りを強化したのにタイヤ性能が原因で不満が出てしまったら元も子もない。期待効果は現在、生涯燃費が14.2km/lなのだが、タイヤ交換後の平均燃費が15km/lに届くこと。まぁ5%程の燃費改善が図れてパフォーマンス面で顕著な劣化がなければ合格である。

どのメーカーのどの銘柄が上記のボクの要求を満たしてくれそうか?タイヤ選びについてはもう少し検討が必要ながら、サスペンションの発売がまだ先なので、その間に引き続きあれこれ悩むことになる。実はこのタイヤ選び、サイズについても悪だくみをしている(笑)ので、ある意味足回りより悩ましい分だけ楽しかったりする。

さて、どーしようかなぁ???(^m^)
Posted at 2012/12/09 00:39:59 | コメント(3) | トラックバック(0) | アクセラ SKYACTIV 20S | クルマ
2012年12月05日 イイね!

6台目のクルマ選び

6台目のクルマ選びボクがブログを書き始めたキッカケでもあるクルマ選び。5台目のアクセラSKYACTIVを決めた時点で、数年後にはフルSKYACTIVに買い替えることは決めてはいたが、それがアクセラであるのかアテンザであるのかは当時は不明であった。

それから約1年、次期アクセラのデビューには恐らくまだ1年近くあり、確定的な情報はほとんどないのだが、ボクは6台目の愛車をアテンザにほぼ決めた。
10日程前にコッソリ愛車登録をしたのだが、その形式は「LDA-GJ2AP」。まだこの世に存在しないAWDモデルである(苦笑)。

少し前までは「フルSKYACTIVはアテンザにするかアクセラにするか、次期アクセラのデビューを待って決める」としていた。そして第一候補もアクセラであった。また最近、アテンザのAWDが出なければBMWの320dにすると書いている。ということは、次期アクセラの選択は無いということを暗に言っていることになる。

今日は一応、この辺の今の心境を一旦、記しておこうと思う。

5台目のクルマ選びも相当に悩んだが、6台目でも悩むことになるとは正直思わなかった。また、5台目はとにかく買いたいクルマを特定するのに苦労をしたのだが、6台目は「欲しい車が多過ぎて困る」かと思いきや、実際はちょっと様相が異なってきた。どうも6台目も一筋縄ではいかなさそうだ。。。

なぜ次期アクセラを待たないと決めたのか?
言わずもがなだが、その原因は今の愛車のアクセラだ。過去に厳しい評価をしたものの基本的には良いクルマだと思ってはいる。ただウチのファミリーカーとしては荷が重かった。妻はハッキリとアクセラを乗り継ぐことには反対している。これも理由のひとつだ。

その原因は過去にも考察しているのだが、現時点での結論というか問題点は、マンションの駐車場に拘ったこと、これに帰着するようだ。4700x1750x1550mm/1600kgというほぼ5ナンバーサイズに拘る限り、肥大化が著しい昨今のラインナップにおいてはクルマ選びの自由度は極めて低い。

次期アクセラを待ってからアテンザかアクセラかを決める、その意は次期アクセラがマンション駐車場に入るか否かを先ず見極めることであったのだが、これを改める必要がありそうだ。そうすれば、妻が反対する次期アクセラを待つ理由はそもそも無くなる。もっとも次なる駐車場も1600kgの制約があるのだが、5050x1850x1550mmとサイズは格段に選択肢が増える。となれば新生マツダのフラッグシップであるアテンザの選択に躊躇はない。

次期アクセラにリベンジの機会がないのか?については僅かにその可能性はある。マツダスピードバージョンにSKYACTIV-D塔載のAWDが出る一方、アテンザのAWDが2014年11月時点で登場の目処が無かった場合、である。が、マツダスピードアクセラがAWDになる可能性は、アテンザのAWDが出る可能性より低いだろうと予想している。

いつ出るか解らないアテンザのAWDになぜ拘るのか?BMWの320dがFRである点がひとつ。FFよりは遥かにマシではあるものの、BMWもディーゼルにxDriveを組み合わせていない。大トルクのクリーンディーゼルとAWDは本来、相性が良いと思うのだが、どうして各社、こうも帯に短しタスキに長し、なのかと愚痴りたくもなるのだが、AWDを諦めてFRのBMWを選ぶのは最後の手段、出来ればギリギリまで決断を先延ばすつもりだ。その最大の理由は「マツダ車にはi-DMが塔載されているが、他社のクルマにはこれが無い」なのだ。

i-DMについてはブログでも散々書いているが、ボクにまだまだ運転スキル向上の可能性を見せてくれたシステムだ。もうこれは手放せない。後付けのi-DMが発売されたらNSXにも着けたいくらい。少なくとも日常的に使用するファミリーカーにはi-DMが欲しい。これが本音だ。

新型アテンザが発売され、i-DM塔載モデルもこれで4車種。新しいオーナーたちがi-DMをどのように評価し、どう向き合うか?実は密かに楽しみにしている。ボクもいくつか試乗記を書いたが、アテンザの走行性能は概ね素晴らしいという評価だ。では、その素晴らしいクルマを操るドライバーの評価はどうなのか?i-DMは容赦が無いよ(笑)。はてさて、どんなブログが読めるか本当に楽しみ(^m^)。


話が逸れたが、ボクは眼鏡に適ったクルマをとことん楽しむ主義。i-DMはクルマを操る楽しみを研ぎ澄ましてくれるし、新世代ディーゼルのトルクフルな走りと経済性も魅力的。となればやはりマツダSKYACTIVが最右翼となる。SKYACTIV-Dの弱点は些か気になったが、スロコンで改善出来るとのユーザーレビューを見付けたので、ドライバーが順応出来なければチューニングで解決を図ることになるだろう。

今は無いアテンザAWD「LDA-GJ2AP」、果たして出るのか出ないのかも今の時点ではハッキリしないが、マツダの商品開発のスピード感にはひと言、物申したくなってしまうね(^_^;)。
Posted at 2012/12/05 01:50:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ選び | クルマ

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