
ベンツのEQAに試乗しました。
EQといえば、私の仕事の範疇では、「Emotional Intelligence Quotient」という概念に馴染みがあります。IQ「Intelligence Quotient」≒知能指数に対して、感情指数と呼ばれるものです。
2004年に発刊された写真の本の中には「ビジネスで成功するためにはIQだけでなく、EQが必要である」といったセンテンスがあります。
ベンツのEQについては、2016年にEQブランドを立ち上げる際のMercedes-Benz Group Mediaのアナウンスによると、
The name EQ stands for "Electric Intelligence" and is derived from the Mercedes-Benz brand values of "Emotion and Intelligence".
となっていて、EにはElectricとEmotionの二つの意味合いを含ませているようです。かつ、Intelligenceの意味合いを持たせながら。
Qの意味に関する記述は私が読む限り見当たりませんでした。007に出てくるQ(Quartermaster)=需品係ではないことだけは確かですが。。。
はてさて、ElectricとEmotion は両立するものなのか、相反するものなのか、はたまた化学反応を起こすものなのか。あるいは、Intelligenceが先行しているのか。
試乗したのは、EQA250です。試乗時間は全体で6時間ほど。
まずは、スタイリング。あまり詳しくありませんが、GLAの細部リファインなんですよね?
基本的に面構成がスッキリしているし、各部のアレンジにより、(おそらく)狙いどおり、未来感の演出に成功していると思います。EmotionというよりIntelligenceを感じます。
後席の居住スペースは、私(172㎝:63㎏)にとって充分です。
SUVは背の高さが功を奏していますよね。足を下方に降ろせる分、広く感じます。
小物入れも各所にたくさんありました。
Bluetoothを同期したくなかったので、ドリンクホルダーにスマホを置いて鳴らしたのですが、程よい感じで共鳴してイイ音になりました。
運転途中、トンネルに入ると、アンビエントランプが、おしゃれに光りました。
エンジン?ルームです。ここは内燃機関と比べてそんなに見た目の印象が変わりませんでした。キチンと整理整頓された別世界だと思っていましたが、意外とゴチャゴチャしていて、魅せる工夫がないな~と思いました。エンジン?の存在を軽視しているからでしょうか?
走り出しは、さすがEV、最初の一踏みが早い!
そして、スーっと車速が伸びていく。タイカンを試乗したことがありますが、その時はポルシェの世界が初めてだったので、そっちに気を取られ、EVである面の印象があまり残っていないですが、今回はEVの良さを味わいました。
(タイカンはEVというより、ポルシェならでは!という味付けだったかもしれない)
ComfortやSportなど4段階に調整できるようになっていましたが、Comfortで充分早いし、この手の車にはお似合いだとも思います。
パドルシフトのようなものが付いています。でも、これは回生ブレーキの制御のためのものです。「+」で効きが弱くなり、「-」で効きが強くなり、長押しで「auto」になります。
最初はノーマルの「D」になっていたのですが、けっこう効きが強く、アクセルペダルから足を離した瞬間、ガクンと減速しました。「Dauto」だと、普段乗っているガソリン車のATのイメージ。「D+」だと、MTくらいのイメージでしょうか。「D-」だと効きすぎて違和感がありました。
乗っているうちに慣れてくると、「D」だと渋滞気味のときに都合がよく、ワンペダル感覚で運転できて楽ちんでした。危ないかもしれないけど。ブレーキランプが停まる寸前まで点灯しないので、後方の車は迷惑かもしれないですね。昔なら、そういった車はエンジンブレーキを多用するドライバーでしょうが、イマドキはEVの回生ブレーキを活用しているんだなと思います。
全部で80㎞くらい走りました。とにかく走りやすかった、疲れなかった。浮かんでくるのは、Electricでも、Emotionでも、Intelligenceでもなく、Comfortでした。
車の重さが実際の重さどおりに感覚的にも伝わってくるのですが、それが上質な乗り味に繋がっているような気がします。しっとりと落ち着いた印象です。10年くらい前にSクラスを試乗したことがありますが、その時の記憶を辿って比べると、今回のEQ“A”は負けていないように思います。EQ“B”、EQ“C”、EQ“E”、EQ“S”と車格が上がるに連れ、現行車はもっと快適なんでしょうね、きっと。
写真のメーターは、走行61㎞時点のものです。やや混み気味の郊外路を走りました。平均時速19㎞で、6.1㎞/kWh。この電費はいいのか悪いのか。計算が面倒なので考えないことにします(笑) ・・・ところで、写真右中央の”ボーナス”ってなんでしょう? 何かのご褒美でしょうか。
で、この後、充電も試してみました。ガレージとカーポートの移転・更新に伴い充電設備を備えたので、使ってみたかったのです。
約1時間で、充電状態が4%アップしました。急速充電にも対応できるようですが、家庭用200V電源ではこんなもんなのでしょう。まぁ、一晩あれば満充電にはなりそうです。
CL“A”と比べて、同じ“A”でも、乗り味や内装の質感など車格が数段上がったように感じます。5年くらいしか違わないなんて、にわかに信じられないくらいです。(ウチのCLAは2018年式)
はてさて、ElectricとEmotion は両立するものなのか、相反するものなのか、はたまた化学反応を起こすものなのか。あるいは、Intelligenceが先行しているのか。
私は、このEQAにはEmotionを感じませんでした。
ウチのCLAは若干アンダーパワーで、郊外路の赤信号からのスタート時、周りに合わせるにはアクセル開度を大きめにしなくてはなりませんが、一生懸命走っている感は、適度にEmotionを感じるんだけど。。。
EQAで感じるのはIntelligenceですね。EQよりIQが高めです。頭がいいビジネスパートナーです。
感情を交わし合う友人ではありませんでした。