呟きはしていましたが、16~18にかけて、鹿児島へ行っておりました。
17日に打ち上げ予定のイプシロン4号の見学が目的でしたが、(予想通り)打ち上げが翌18日に延期になり、それも予想してスケジュールは組んでましたが、そういうわけで17日が空いたため、この日は肥薩線乗り鉄してきました。
「肥薩線のんびり切符」(鹿児島中央からは10500円)というのがありまして、行きか帰りのどちらかを肥薩線と新幹線を指定することができます。
鹿児島~熊本間の各駅は乗り降り自由、特急「やませみ・かわせみ」の特急券もこれなら購入不要、ただしSL人吉は整理券が必要になります。
なお、16日は完全な移動日で、飛行機で移動した後は、宿にチェックインして、駅前で飲んだくれていたのみ。
17日の朝、ホテルの朝食バイキングで食欲の赴くままにかっこむ。
北海道の食事もハズレなしでしたが、鹿児島の食事もハズレがありません。
9:41に鹿児島中央から普通列車で宮崎方面へ。
このすぐあとに出る特急きりしまでも時間的には都合がよく、特急券も+300円だったので、乗ればよかったかな?と後悔。
隼人で、吉松方面への列車に乗り換え。
ここからは非電化なので、デイゼルカーです。
そして、吉松で人吉行きの「しんぺい号」(真ん中の赤いやつ)に乗り換え。
赤いけど、3倍の速度は出ません。
この先は、熊本と鹿児島の間に横たわる山脈を越える路線になります。
それにしても「しんぺい号」の内装の変態っぷりがもう…。
ドアなんて、ステンレスだから、塗装はかなり大変なはずなんですけどね。
車体は国鉄型の旧型車両なので、製造年はどう考えても30年は越えている(実質50年近いはずです)のですが、そんな旧さは微塵も感じません。
3年前にレンタカーで大分~鹿児島へ旅した時も長い山道を味わい、行きの機内から霧島連山のどこまでも続く山林を目にして「本当にこの辺は山だらけやなー」と思ったものです。
九州新幹線も、全国の新幹線屈指の勾配がまさに熊本~鹿児島間にあり、ここを登り下りするために、抑速ブレーキなどの特殊装備を備えた車輌でなければ、九州新幹線を走ることはできないそうです。
現在は西に鹿児島本線(一部は新幹線開業でJRから経営分離された肥薩おれんじ鉄道線)が通ってますが、かつては戦時中の空襲から鉄路を守る目的で、この肥薩線が本線として機能しておりました。
昭和2年に、鹿児島本線が全開通したことで、本線としての機能はそちらへ移り、山越えのスイッチバックを多数抱えて、通過に時間を要する山線は、現在は1日の列車が3本しかない超絶ローカル線となりました。
(矢岳~大畑間の絶景)
ほとんどの人はマイカー利用で、生活路線としてはほぼ機能しておらず、しかしループ線や日本三大車窓に数えられる沿線風景、秘境駅など見所の多さから、観光路線としての利用がメインとなっております。
吉松~人吉間は、駅も5駅しかありません。
通過に時間がかかり、急ぐ人度外視の路線なので、駅ごとに停車時間も長く、風景の良い場所では停車してガイドも入ります。
真幸駅。
ここで1回目のスイッチバック。
駅には幸せを呼ぶ鐘があります。
矢岳駅。
駅構内にSL展示館がありまして、ここにはD51機関車が展示されています。
地元の元機関士の有志が維持管理されているそうで、車体に錆は浮いてますが、下回りのクランクなどの可動部はしっかり磨かれて錆がないあたり、わかってる人が管理してるんだな…という印象。
ちなみに熊本~人吉間で運行されている「SL人吉」で使われている58654号機(通称"ハチロク")も、かつてはここで展示されていたものが、状態の良さを買われて、見事可動機関車として復帰した…という経歴を持っています。(写真は3年前に来訪した時に撮ったもの)
大畑(おこば)駅。
ここと矢岳駅間が、最も勾配が大きい区間で、スイッチバックで何度も切り返して登り・下りしていきます。
全国的に、スイッチバックのある数少ないですが、ループ線とスイッチバックを組み合わせた配線があるのは、ここだけだそうです。
そして、機関車がSLだったころは、山越えで大量に消費した石炭と水を補給するための基地が必要だったこともあり、人里離れた山奥にわざわざ駅が作られたのだとか。
3年前にもレンタカーで駅を訪れてますが、この時はガチで誰もいない秘境っぷりに歓喜していましたが…
いつの間にやらレストランが出来てしまい、秘境に人手が入りまして、給水タンクの遺跡などで退廃を味わえたのが台無しに。
そして、峠を下って人吉へ。
SL乗りたかったのですが、シーズンオフで運行してませんでした。
そして人吉からは「特急やませみ・かわせみ」で熊本方面へ。
しんぺい号もそうでしたが、JR九州の列車は基本内装が凄いです。
例えて言うなら、見た目は昔のキャラバンなのに、内装はアルファードみたいな感じ。
それでもって、やませみ・かわせみは車販あるので、ここで弁当を買って昼飯に。
食べることで頭が一杯で、蓋のなかを撮るのを忘れてましたw
ついでにアイスも買いましたが、新幹線のみたく硬くはなく、味に深みがあってとんでもなく旨い。
「写真撮りませんか?」とアテンダントさんに声かけされたが「むしろ撮らせてください」と頼んで一枚w
そして熊本へ。
熊本から、そのまま新幹線で鹿児島戻ろうかとも思いましたが、800系新幹線乗ろうとしたら、一時間近く先になるそうで、ならば時間調整…と市電に乗ることに。
市電から熊本電鉄に乗り継ぐつもりでしたが、市電の駅から結構歩かされた上、なんと運休というオチがつく。
上熊本まで熊電乗るつもりでしたが、そこまでバスかタクシー乗るしかないため、覚悟を決めて歩くことにw
途中に、夏目漱石の熊本時代の家とか
疲れた足腰にさらに鞭打つように現れた坂に、裁判所やら拘置所が集中してるとか
その坂の途中に、どう見ても昔の石垣と思われるのがあったりと、ブラタ◯リばりの散策しながら歩く。
たぶん、この辺は実際に放送されてるはずなので、俺がどうこう言うよりも、番組見た方が手っ取り早そう。
上熊本まで踏破し、熊本まで普通列車に乗り、熊本からは新幹線。
行きは山線経由で6時間以上かかったのが、新幹線はたったの一時間。
技術の進歩って凄いな…と思います。
そして、JR九州独自車輌の800系新幹線ですが、やはりこれも九州の例にもれず変態内装。
国鉄だった頃、九州は全国各地で使い古した旧型車両ばかりが回されてきたらしく、民営化でJR九州となった際、「他の会社に負けない車両」をスローガンに、独特で見映えのする車両がどんどん産まれることになったのだとか。
九州は高速バス路線も充実しているため、料金面では敵わないバス路線へ一矢報いるための策でもある…という話。
鹿児島中央へ戻り、荷物を預けて再び飲んだくれて、翌日のイプシロン発射に備えました。