2020年06月20日
ホンダ SLシリーズの系譜のお話 SL125S
私は、ホンダのオフロードバイクの祖、すなわち本格オフロードバイクの草分けとなる SL125S を保有しています。
しかし、もう少し厳密に言うと、実はその祖はその先代になります。
これからSLシリーズの系譜について、長ーく長ーくウンチク平 モリチク平しますので、腹を決めてお読みください(笑)

オン・オフロード両用としたスクランブラータイプモデルのCLシリーズは、オフロードバイクとしては極めて中途半端な性能であり、他社のオフロード専用バイクに到底対抗できないということで、ホンダは 1969年、ダブルクレードルパイプフレームにCL90の横型90ccエンジンを積んだ画像の 初代SL90(一般には「初期型」と呼ばれている。)を販売しました。
これが ホンダの本格的オフロードバイクの祖であります。
ただ、このモデルは、標準タイヤがオンオフ兼用のもので、横型エンジンは所詮CL90のままの性能であって、前輪が跳ね上げる泥をまともにエンジンヘッドに受けてオーバーヒートしてしまうそんな設計であり、また、CLからそのまま持って来たマフラーのダサいデザインといい、実用車 CDのようなレッグシールドといい、そのデザインに洗練されたところが一つもなく、いわゆる、急場しのぎの間に合わせ的なモデルでありました。
ちなみに、この年に大ヒットとなり、今も垂涎の眼差しで見られる CB750Four K0 が同時に販売されています。

ホンダは新規に開発をしていた画像の縦型90ccエンジンの SL90K を、初代SL90の販売から1年間後の1970年4月に売り出したのです。
※SL90Kは、初代SL90と区別するために「後期型」あるいは「縦置エンジン型」などの呼称が付け加えられています。
小型車にも回転計をという考えはこの当時のホンダにはまだなかったようです。
ということで、初代SL90は1年という短い期間でその役目を終えるのであります。
レッグシールドを貶しましたが、今となってはあれはシブくてなかなかいいですね。
わが愛車に取り付けて皆に笑われてみたいものです。

ホンダはSL90Kと同じ銀色のフレームを使い、ボアアップにより122ccに排気量アップをした兄貴分の SL125S を1970年9月に販売しました。
ガソリンタンクや前後のフェンダーのデザインを一新し、回転計やキルスイッチを付けていましたが、各パーツの大半はSL90と共通していました。
この当時の125ccクラスは、90ccクラス以下とは大きく区別されていていました。
125ccは「本格クラス」で装備が豪華になっていて、90ccクラス以下は「入門クラス」で装備がチープでした。
SL125SEエンジンは、後のTLやXLシリーズに引き継がれます。

ホンダは 1972年にSL90Kのバージョンアップ版である SL90デラックス(DX)を販売しました。
125クラスの標準装備であった回転計や、トレンドなヘルメットホルダーをSL90Kに追加し、フレームはブラックとなりました。
しかし、本格クラスの標準装備であったキルスイッチまでは用意されませんでした。
逆にSL125Sには後もヘルメットホルダーは装備されていません。

SL125Sは欧米では一部でXL125という名称で、また、SL90は100ccに排気量アップされて輸出・販売されていました。
日本では販売されていませんでしたが、欧米では画像のミニトレール SL70が販売され、子供たちのオフロードバイク入門車として人気があったようです。
これは私にとってはコレクションしたいバイクの1台ですね。
やったことのない横型エンジンを全バラにして丁寧に丁寧にレストアしたいです。
簡単ですが、SLシリーズの第二種原動機付自転車クラスは以上です。

1970年代当時のSLシリーズの白ナンバーバイクは、画像の3台がありました。
◯SL175
ホンダはCB175のツインエンジンを使い、オフロード仕立てにしたバイクを販売しました。
しかし、重量面で大いに不利であり、中途半端なモデルでした。
◯SL250S
ホンダは新たに開発した4バルブSOHCシングルエンジンを搭載した本格的なモデルを販売しました。
このエンジンは、後にXLシリーズに引き継がれます。
今程度の良いものが手に入るのであれば、どうしても手に入れたいバイクです。
◯SL350
ホンダはSLシリーズの最高峰としてCB350のツインエンジンを使い、SL175と同じくオフロード仕立てにしたバイクを販売しましたが、これも重量面で全くオフロードには不向きなモデルでした。
なお、SL175とSL350のフレームは、SL125Sと同じくシルバーカラーのダブルクレードルでパイプとプレスの併用であります。

上記のSLシリーズは極短期で終えることになるのですが、ホンダは1997年に「SL」を冠した SL230を販売してSLの冠をリバイバルさせました。
エンジンもさることながら、モノサスが採用されるなど、当時のトレンドを盛り込んだモデルとなりました。

SLシリーズは後にXLシリーズへと引き継がれたわけですが、リアが2本サスであったXL230では、SL90デザインのガソリンタンク、ヘッドライトカバー、前後フェンダー、サイドカバー、シート、そしてマフラーがサードパーティーから販売されて、オールドファンには好評でした。
こうしてSLシリーズは今では絶版となっており、いずれも旧車バイクとなっています。
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SL125S | 日記
Posted at
2020/06/20 10:49:23
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