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2021年12月15日

発電・整流、点火のお話 エポ

発電・整流、点火のお話 エポ SL125Sでは「人間レギュレーターシステム」が完成して、安定したバッテリー充電が実現できるようになりました。

電装品を動かすためのバッテリー充電は、言うまでもなく車やバイクにとってとても重要です。
その前提として充電するための「発電」も極めて重要であります。
そして、エンジンを動かすためのスパークプラグの「点火」も同様です。

「電気」は目に見えない厄介なもののうえ、整備上、痛い痛い急所なのであります。


まずは「発電・整流」のお話から…

画像は、SL125Sのオルタネーター(発電機)であります。
50年以上前の古いタイプですので、強力な磁石で作られているマグネットフライホイールはステーターコイルの内側で回転しています。
1969年販売のCB750Four K0も全く同じなんですよ。



今時のオルタネーターは、画像のようにマグネットフライホイールがステーターコイルを覆い被せるようにしてその外側で回転をしています。

回転物が外側にある方が円周が長いので、より多く発電できるという理由からです。
エポやエストレヤはこのような構造となっています。

発電は、電圧の変換がやりやすい「交流」で行われています。

発電された交流電気は、レギュレート・レクチファイヤー※により充電圧は
6V車 → 〜7.5V
12V車→ 〜14.5V
にそれぞれ制御され、そして直流に整流(コンバーター)されます。
※レギュレーター 〜 充電圧制御
レクチファイヤー 〜 交流→直流に整流



SL125Sのイグニッションコイル&コンデンサー(上)とレクチファイヤー(下)で、レギュレーターが装備されていませんので、電力消費の調整によって電圧を手動制御しているというわけです。


エポ PV60のイグニッションコイル(コンデンサー・CDIユニット内蔵)(上)とレギュレート・レクチファイヤー(下)であります。

12V化していますので、レギュレート・レクチファイヤーはそれ用のものを取り付けています。


エストレヤのレギュレート・レクチファイヤー(上左、下右)とフルトランジスターユニット(コンデンサー内蔵)(上右)、そして、イグニッションコイル(下左)であります。
フルトランジスターユニットの大きさにはびっくりで、まるでECUのようです。



お次は「点火」のお話です。

この図は、いずれも「バッテリー点火方式」と言われるもので、一旦バッテリーに蓄電された電気を使用して点火したり、照明など全ての電化に使用されるものです。

中型以上のバイクや四輪はこの方式が取られています。
小型バイクのほとんどは後出の「マグネット点火方式」が採用されていますが、50年以上も前のSL125Sとその姉妹車は、6V車にも関わらず、例外的にバッテリー点火方式が採用されていました。

そして点火式には図のように、「ポイント式(接点式)」と「イグナイター式(無接点式)※」があります。
※ バイクの世界では、結局は同じものなのですが、CDI とか、フルトランジスター(フルトラ)とか、名称が変えられて呼ばれています。

ディストリピューター(点火時期の進角装置※)は、ポイント式では機械的な「遠心力方式(ガバナー)」が用いられ、イグナイター式では「電子制御方式」が用いられています。
※エンジン回転が上昇するにつれて、点火時期を早める必要があり、この作動を担う装置のこと。

50年以上も前のSL125Sはポイント式であり、定期的な掃除や調整を要しますが、きちんとメンテナンスをやっておれば経費は極少で済みます。

SL125Sよりもちょっとだけ新しいエストレヤやエポは、イグナイター式(フルトランジスター、CDI)で、普段はメンテナンスフリーです。
しかし、経年劣化によってパンクすることがありますので、その時はアッセンブリー交換により修理することになります。

最近の燃料噴射方式のエンジンとなると、「ECU」がほぼ全ての機能を制御していますので、故障時はお高いアッセンブリーをズボ替えしなければならないことになります。

ポイント式もイグナイター式も、電気をイグニッションコイルで超高電圧に増幅させて、これをコンデンサーに溜め、そして、それぞれの点火方式で一気に放電させ、プラグにスパークさせているのです。


 
この図は、エポ PV50(再販売版 NA12A ※)の発電・充電・点火・点灯構造をわかりやすく表したものです。

我がエポ PV60は再販売版ですので、マグネット点火方式で、点火式は「CDI式」となっています。
※初期販売版の点火式はポイント式です。

原付一種の法定30km/h制限を起因とするスピード・リミッター(60km/h)は、このCDIによる制御方式を採用しているものが少なくありません。

3.8馬力のエポの最高速度は60km/h未満でしたので、嬉しいことにCDIユニットにスピード・リミッターは仕込まれていません。
そのため、ボアアップして原付二種に変更する際に、「リミッター解除」という作業は必要がありませんでした(嬉)


マグネット点火方式の一つ目の特徴であります。
小型バイクに採用されている方式であり、オルタネーターから直接電気をイグニッションコイルに導いて点火させています。
したがって、バッテリーが上がっていたり、無くても始動することができます。

マグネット点火方式の二つ目の特徴であります。
ヘッドランプ、テールランプ、そして、メーター照明ランプには、レギュレート・レクチファイヤーで電圧制御され、直流に整流された電気が直接供給されていて、バッテリーからは供給されていません。
したがって、エンジンを始動しなければ、点灯させることはできません。



CDIユニットのほとんどは、単体で車体に取り付けられており、画像のような高性能な社外品に交換してカスタムできるパーツです。



ところが、エポのCDIユニットはコンデンサーとともに画像のように、イグニッションコイルと一体化されて樹脂によるコーティングがされているので、社外品に交換するといった余地は全くなく、それどころか、故障した時はお高いアッセンブリーで交換しなければなりません。

CDIが経年劣化すると、全くエンジンが始動しないといった極端な症状もありますが、点火時期の進角作用が損なわれるので、加速性の減衰、トルクの減少などパワー不足の現象があらわれます。


エポ PV60の高速回転域のキャブレター調整が思うように進まないのは、CDIユニットの故障も視野に入れて対策する必要があるかも知れません。
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Posted at 2021/12/15 13:52:13

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