
先日の日光走行会では,かろうじてEF8の先輩を上回る事ができ,一定の成果は得られたものの,タイム的には(気温の高さを考慮しても)かなり撃沈気味だったので原因分析をしてみる事にしました.
まずは,セクター毎のタイム差です.
自己ベスト ・・・ 41.977 (Sec1:9.709 Sec2:18.213 Sec3:14.055)
5月走行会 ・・・ 42.665 (Sec1:9.933 Sec2:18.432 Sec3:14.300)
これだけ見ると,各セクター均等に0.2秒落ちており,「やっぱり暑さによるパワーダウンか・・・」と思ったのですが,LAP+の解析結果は異なりました.
まず,自己ベスト(緑線)と走行会時(青線)のタイム差です.
緑線が上に行く程,タイム差が開いている事を示しているのですが,1つ目の赤丸で,いきなり0.35秒も差が開いているのが分かります.その後,差は広がったり,詰まったりを繰り返し,2つ目の赤丸で最大0.5秒まで広がりますが,その後,再び追いついて0.35秒差に戻っています.その後の区間はジリジリと引き離され,3つ目の赤丸のポイントで再び差は0.5秒となった後,最後の赤丸で,再び大きく引き離され,0.7秒差となっています.
では,この赤丸のポイントを車速のグラフで示します(緑線:自己ベスト 青線:走行会).
1つ目の赤丸は,1~2コーナーでした.
すぐに目につくのが1コーナー進入時の最高速度です.緑線は108km/hまで伸びているのに対し,青線は104km/h止まりです.速度の落ち始めのポイントが僅かに青線の方が早いので,ブレーキングの開始が少し手前になったせいとも考えられますが,それより最後の一伸びが足りていないように思えます.
1コーナーの進入は3速ですので,車速104km/hから逆算すると回転数は約5800rpm.これからハイカムが本領を発揮する領域なので,吸気温の影響とは考えにくく,フロントタイヤの大径化(205/50)の影響に思えます.
なお,進入速度が低いので,青線の方が2コーナーへのアプローチに余裕があり,途中でアクセルを入れて再加速し,緑線と同じ速度に戻していますが,これでは車体の挙動がバタバタして,荷重"移動"ではなく,荷重"変動"になってしまい,タイムもロスします.
2つ目の赤丸は,6コーナーでした.
ここでは,青線(走行会時)が差を取り戻したポイントに絞って見てみます.車速のグラフを見ると,青線の方が早くアクセルを開けているのが分かりますが,これだけでは理由が分からないので,ライン取りの方を確認します.
色がコロコロ変わって申し訳ないですが,赤線が自己ベスト,青線が走行会時です.
一目瞭然ですが,青線の方が外からアプローチしているのに,減速区間(ギザギザの線)が少なく,かつ イン側を通過している事が分かります.
これが
車高の効果でしょう.今までは,6コーナーで向きを変えるために,リアが流れ出すまでブレーキを踏み続け,一旦流れ出したら,アクセルを入れて力任せに前に進ませるような走り方でした.しかし,今回リアの車高を上げた事でターンインの段階からリアが自然に流れるため,ブレーキを踏み続ける必要がなく,最小限の減速で済み,舵角も少なく,よりスムースにコーナリング出来るようになりました.
戻って,3つ目の赤丸はバックストレートエンドです.
これは
前回のテスト結果で分かっていた事なので,ここでのタイムダウン(0.1秒)は仕方ありません.車速115km/h,回転数にして6400rpm以上の領域なので,気温差の影響も大きいでしょう.
最後の赤丸は,11コーナーからメインストレートです.
11コーナーの立ち上がり(車速が一番低いポイント),12コーナーの切り返し(一瞬車速が鈍っているポイント)で青線(走行会時)の方が遅れをとっています.フロントタイヤの大径化による加速力低下も,このタイム差の原因の1つだと思われますが,それよりも右→左と切り返した際のステアリングレスポンスの低下(扁平率上昇)の影響が大きいのではないかと思われます.
いずれにせよ,この最終セクションで車速の伸びが鈍いと,次のラップの1コーナーの進入速度も低下して,悪循環に陥るため,ここの改善が最優先課題の模様です.
以上を纏めると,タイムダウンの主要因は,やはり「フロントタイヤの大径化(205/50化)」にあり,ここまでバックストレートにギヤ比を合わたセッティングは失敗だったようです.むしろ,11コーナーの立ち上がりからの加速力を重視し,「1コーナー進入時の車速をどれだけ上げられるか?」を突き詰める方向性に見直した方が良さそうです.
(実際,FD2に対して一番負けているのが加速力ですし・・・)
・・・という事で,フロントタイヤの小径化(215/45へ戻す)は必須で,これに今回唯一の成果である「リアの車高UP」を組み合わせて,再度トライしてみたいと思います.
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日光サーキット | 日記
Posted at
2016/05/23 00:51:38