
前後のバランス変更として行った
リアの車高UPは,結局,リアの限界を下げるだけで,それ以上の見返りを得る事が出来ませんでした.
このため,再度アライメントを変更.リアの車高を戻して(前後水平),代わりに
リアをトーゼロにする事で立ち上がりのアンダー解消を狙う事にしました.
当初はトーアウトまで薦められたのですが,フロントがOUT0°05'だっため,リアのトーアウトはやりすぎと判断し,トーゼロに留め,再び日光サーキットへ向かいました.
走行を決めた2日前の時点では,雨なし,曇り空,最高気温23℃という予報で,この時期としては比較的良好なコンディションだと思っていたのですが,いざ現地に到着してみれば,日差しはかなり強く,走行開始の時点ではタイトル画像の通り,路面温度が55℃オーバーという厳しいコンディションでした.
走行前,「リアのトー変化は,僅かな違いでもシビアに挙動に出る」と聞いていたので,多少のビビリがありましたが,走り始めてみると,高速の8・9コーナーでステアリングレスポンスが非常に良く,躊躇なくインに切り込んでいけます.その一方で,リアはしっかりと安定しており,全体的なバランスが非常に良くなりました.
今回のターゲットタイムとしては,最低でも前回の42.9秒.願わくば1年前の42.6秒.
アタックを続けていくと,43.1秒・・・43.2秒・・・と,なかなか43秒を切れず,「まだ攻めが足りないか?」と1コーナーの進入速度を上げたところで,ようやく42.9秒.
これで最低ラインはクリア出来たので,ホッと一息ついて頭の中を整理.「8・9コーナーはまだ攻めれそう」と判断し,若干,恐怖心を感じつつも,再度アタックして・・・,
本日ベストの42.771をマーク!
目標まで残り0.1秒という所まで来たので,その後もアタックを続けましたが,今度は力み過ぎで,あちこちの縁石に引っ掛けるようになり,最後は12コーナーの縁石で左前輪を強く当ててしまったので,自制して止めました.
さて,今回は会社の上司と日光に来たのですが,その上司がタイトル画像にある簡易放射温度計を持っていたので,それを借りて走行直後のタイヤの表面温度を計測してみました.
写真は模式的に示したもので,実際は走行直後に行っています.
やはり最大負荷が掛かるのが右コーナーなので,左タイヤの方が温度が高く,内側より外側の温度が高い点から,キャンバーが不足している事は明白なようです.加えて,右タイヤも内側の方が温度が高く,左右いずれのタイヤも写真右側を酷使しているのが再確認出来ました(タイヤの磨耗状態の通り).
それでは,LAP+による解析結果です(青線:今回 緑線:自己ベスト).
タイム的には自己ベストの0.8秒落ちで,絶対値的には見るべき点はありませんが,それでも,ところどころ注目すべきポイントがあります.
1つ目は,1コーナーの進入速度(1つ目の赤丸).
暑さでパワーダウンしているにも関わらず,進入速度は過去最高の109.6km/hをマークしています.この要因は,4つ目の赤丸(11コーナー立ち上がり)にあり,リアのトーゼロ化によって,11コーナーの向きを変えやすくなったため,より直線的に立ち上がれるようになり,舵角が減った事から,冬場と同等の車速の伸びが得られたと考えられます.
2つ目は,8コーナーの進入速度(2つ目の赤丸).
こちらもパワーダウンを感じさせない冬場を上回る103.3km/hをマークしています.この要因は,6コーナーの立ち上がりにあり,6コーナー進入のブレーキングポイントもラインも全く同じであるにも関わらず,よりインベタで立ち上がれており,ここでも舵角の減少によって,車速の伸びが得られたのだと思われます.
逆に,3つ目の赤丸は,この気温差を如実に表しており,115km/h以上は全く伸びておらず,ここだけで0.4秒失っているので,やはり絶対的なパワーは落ちているのが確認出来ます.
以上を纏めると,トーゼロ化は成功と考えます.
1~4,11~12といった低速コーナーでの向きの変わり方が鋭くなり,それでいて8~9といった高速コーナーでも安定感は失われず,立ち上がりでアンダーを感じさせません.特に9コーナーの立ち上がりで感じた横Gは,今まで最も大きかったTC1000の2コーナー(マフラーが暴れてバンパーを溶かす程)に迫る勢いです.
その一方で,タイヤの温度が示す通り,外側のタイヤに掛かる荷重は非常に大きく,走行中に感じる僅かなバイブレーションからもタイヤのグリップを使い切っている印象です.現時点では破綻する雰囲気は感じませんが,限界が高い分,その先が崖になっている可能性もあり,パワーの上がる冬場に向けてEF8のコーナリング限界を更に引き上げる策を練っていきたいと思います.
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日光サーキット | 日記
Posted at
2016/07/26 00:41:29