オートサロンで見たシミュレータの動きが印象深かったので,是非とも試してみたいと思い,同じ7軸シリンダーのシミュレータが置いてある
RSプリモへ向かいました.
以前試したシミュレータは,2軸シリンダーで前後方向のみだったようですが,7軸となると左右方向だけでなく,捻りのような動きも出来るようで,これならば旋回時の車体挙動も,より実車に近いのではないかと期待して向かいました.
では,なぜ旋回時の挙動をシミュレートしたいかというと,日光の1コーナーの練習がしたかったからです.3速でブレーキングしながら進入する1コーナーは,エイペックスを抜けて2コーナーに近い位置でシフトダウンするのが
正解のようなのですが,どうも旋回中にシフトダウンするのが私は苦手なようで,毎回2速に入れ損ねてしまいます.
このため,1コーナー進入と同時にブレーキングとシフトダウンを一気に済ませてしまうのですが,ステアリング・ブレーキ・シフト操作(ヒール&トゥ)を同時に行うので忙しく,おまけにタイミングもシビアで,踏力が強すぎればブレーキがロックし,逆に弱ければレブに当たり,アクセルの煽りが足りないとシフトロックしたりと,とっ散らかります・・・.
そこで,旋回時の挙動は再現しつつも,実車程の横Gは出ないであろうシミュレータで1コーナー通過後のシフトダウンを練習してみようというのが,今回の試みです.
さて,シミュレータの話に入る前に,今年はシューズを変更する事にしました.
昨年,
カートシューズを導入したのですが,
ペダル操作を失敗する事が多く,「慣れの問題かなぁ~」と思っていたのですが,半年以上使ってもミスがなくならかったので,またフットサルシューズに戻しました.
インドア用のフットサルシューズは,ソールが薄く・柔らかく,ブレーキング時のフィードバックが良好です.ただ,最近のフットサルシューズは足にフィットするようにキツめに設計されているらしく,店員さんのオススメもあって普段履きより1cmも大きなサイズとなったため,こちらのテストも同時に行ってみる事にしました.
まず,1本目.
事前の調査で,日光サーキットを選べる事は確認したのですが,車種はリストがないので,何があるのか分かりませんでした.シミュレータのソフトはD.D.Rと同じ「rFactor」のようなので,EF8はなくてもEK9くらいあるだろうと思ったら,ホンダのノーマル車はS2000しかありませんでした・・・.
仕方がないので,FF車で探してもらうとEG6のレース仕様(スリックタイヤ)があるとの事なので,これをチョイス.走り始めてみると,コーナリング時にタイヤのヨレがなく,ステアリングインフォメーションもしっかりしています.コースの縮尺もレース車両でパワーがあるせいか速度感が実車に近く,違和感がありません.また,D.D.Rではシフトが軽過ぎてシフトミスを連発していましたが,RSプリモのものはゲートがしっかりしていて感触が良いです.
クルマ自体が速いせいもあるのでしょうが,1周目から45秒台.徐々にペースを上げて4周目には43秒台まで来たところでプチトラブル.やはりシューズが大きいせいで,ペダルの踏み替え時に,つま先が引っ掛かってしまいました・・・.
走りながらシート位置を調整して,少し膝を伸ばす形にすると引っ掛かりが解消.これで本格的にアタックに入れます.タイムも42秒台に突入し,9周目には41秒.11周目に41.669をマークして,これがベストとなりました.
続けて,2本目.
この手のシミュレータらしく,やはりブレーキペダルが少し固いので,TC2000でフルブレーキングの練習をして感触に慣れます.
少し休憩した後,3本目.
当初の目的通り,日光の1コーナーの練習に入ります.2コーナー手前でのシフトダウンを何周か試したところ,実車程の旋回Gを感じないのでシフトミスはしませんでした.「やっぱシミュレータじゃ,練習になんないか・・・」と思いつつ,2コーナーの進入をミスって,オーバースピード→ハードブレーキング→強引にステアを切ると,シミュレータが捻りの挙動を再現して,リアが巻く動きを感じ取れました!
ここまで旋回Gを体感出来なかったのは,選んだ車両がレース仕様でロール量が少なく,これくらいのオーバーアクションが発生しないと挙動が乱れなかったせいなのかもしれませんね(やっぱり7軸は凄い!).
走行終了後,MoTec i2 Proを使ってデータを分析すると・・・,
Turn1(1コーナー)は,通過後にシフトダウンした2~5周目より,通過前にシフトダウンした6~9周目の方がタイムが良い(緑色が多い)という結果・・・.
先程述べた通り,実車と違って2コーナー手前でシフトミスするような事はなかったので,1コーナー通過後に失速した訳ではありません.ならば細かく見てみるかと,それぞれクラッチを切ったタイミング(左下のClutch Pedal Posが100%になる位置)で比較してみると,
【1コーナー通過前にシフトダウンしたタイミング(赤色:通過前 黒色:通過後)】
【1コーナー通過後にシフトダウンしたタイミング(赤色:通過前 黒色:通過後)】
左中段のステアリング(Steering Wheel Pct)を見てもらうと分かると思いますが,赤(1コーナー通過前にシフトダウン)の方が舵角が大きいです.つまり,小さく回っている(=最短距離を通過している)からタイムが速かった,という事のようです.
本来,1~2コーナーを最短距離で通過すると,その分,クルマの向きが苦しいので,3~4コーナーのタイムが落ちるはずなのですが,最初のラップタイム比較を見ると,Turn3まで通過前の方が緑色が多く,やはりこちらの方が総じて速い結果となっています.
以上より,今回の結果を纏めると,
①2コーナー手前でのシフトダウンに成功しても,そんなにタイムは上がらない.(←Gが掛からないおかげで判明)
↓
②1コーナーでブレーキロックしなければ,ここでシフトダウンする方が速い.(←スリックタイヤのおかげで判明)
↓
③ブレーキロックしないように,緩めの踏力で進入すべき.(←ペダル固かったおかげで判明)
↓
④車輪速が高くても,レブに当たらないようにすべき.(←レブ8400rpmだったおかげで判明)
↓
⑤「レブの引上げ」 or 「2速のハイギヤード化」で解決!(あれ・・・? おかしな結論になったぞ??)
何だか,当初の目論見から外れて余計迷路に迷い込んだ気もしますが(苦笑),これも実車とは違う,シミュレータだからこそ得られた新たな知見だと思って良しとしましょう.
それはさておき,7軸シミュレータはトレーニング機会としては非常に良さそうです.これまで
実践的なトレーニングというとカートでしたが,RSプリモは家からも近いですし,値段もリーズナブルですし,動きも実車に近いですし,EF8で走れない時に練習するなら,ここが一番良さそうです.