筑波,
三河と連戦だったため,筑波(TC2000)側の反省~課題出しが少し足りない気がしたので,もう一度振返る事にします.
課題を浮き彫りにするための比較材料は,やっぱり
プロの走り.
11月の走行では,この走りを事前に何度も見返して,改善点を頭に叩き込み,修正してきたつもりだったのですが,結果は昨年の0.5秒落ちという惨敗・・・.しかし,昨年の走りと比較すると改善された部分もある事はあるので,どこで速くなって,どこで遅くなったのか,もう一度詳しく分析してみたいと思います.
まずは,LAP+での比較結果(青:私 緑:プロ)
1コーナー進入(1つ目の赤丸)
相変わらずプロより5km/hも遅いです.最終コーナーを立ち上がり重視のラインにしてストレートスピードを伸ばしたつもりですが,昨年と比べると結局同じ値.依然として最終コーナーの走り方がダメなようです.
ちなみに,ブレーキング開始のポイントを見てみると(以降,上が私,下がプロです),
私の方が少し突っ込んでいるように見えますが,これは恐らくカメラの取付位置の差と思われるため,実質的には同じポイントと考えて良いでしょう.とはいえ,同じポイントで踏み始めるにしても,プロの方が5km/hも速度が高いのですから,フロント荷重の発生量には差が出ると思われます.
1コーナー立ち上がり(2つ目の赤丸)
ここで明確に分かるのが,アクセルONのタイミング.私の方がワンテンポ遅れています.では,その遅れた理由が何か?と見てみると,75km/h付近でブレーキの踏力が弱まっているせいです(車速の落ちが鈍く,プロのラインとクロスしている).
では,その75km/h付近で何が起きているか?というと,
ブレーキをリリースしつつ,ちょうどステアリングを切り込むポイントになります.つまり,私のブレーキリリースが早過ぎという事ですね.この結果,フロントの荷重を1コーナーの奥までキープ出来ず,それがアクセルONのタイミング遅れにつながります.そのアクセルONのポイントで比較したのが,こちら.
アレッ!? 画像で見るとプロの方がアクセルを入れるポイントが奥に見えますね・・・.「おかしいなぁ~辻褄が合わない」と思ってステアリングに目を向けると理由が分かりました.プロの方が舵角が多い=クルマの向きが変わっているため,早く踏めるという事です.今年から私はボトムをしっかりと落とす事を意識して走るようにしているのですが,それと連動してステアリングもしっかりと切り込む事が出来ていないようです.
では,なぜしっかりと切り込む事が出来ないのか? その理由は先程のブレーキリリースにあります.ブレーキを早くリリースした結果,フロントの荷重が減り,クルマはややアンダー傾向となります.上の画像のイン側の縁石の位置を見てもらうと分かりますが,プロに比べてインに寄せ切れておらず,これが実際アンダーが発生している事の証左だと思います.つまり,私はアンダーの発生(フロントが逃げている)のを感じ取ってステアリングを切り込むのを意図的に止めているのだと思われます.従って,ここから反省すべき事は「ステアリングの切り込みが足りない!」ではなく,「ブレーキのリリースが早い!」という事でしょう.
1ヘア進入(3つ目の赤丸)
プロは1ヘアの手前で3→4速にシフトアップしていますが,私はレブの引き上げを活かして3速キープで進入します.その結果,1コーナーの立ち上がりの遅れ分を少し取り戻します.
ブレーキングポイントを画像で見ると,こんな感じ.
私は1ヘア手前のS字2個目の縁石でブレーキに足を乗せているのに対し,プロの方は縁石を下りてからブレーキングを開始しています.大した差ではないように思ったのですが,ロガーデータで見ると,実はこれだけで0.2秒も差が開いています.私も縁石を下りるところまでブレーキングを我慢したいところなのですが,あの短い区間でブレーキング→ヒール&トゥ→シフトダウン→ステアリング切り込みを行うとなると,結構忙しく・慌しい.その結果,何かしらのミスをする方が可能性が高いと思ってしまうので,ここはやや保守的になってしまいます.
1ヘア立ち上がり(4つ目の赤丸)
私はブレーキングの開始点は早いくせに,終了点が遅いため,ここでもアクセルを全開に出来るタイミングがワンテンポ遅れます.
・・・が,画像で見るとプロと違いはないように思えますね.そうだとすると,ここはドライバーの操作の問題ではなく,タイヤのグリップや扁平率(捩れ)の差なのかもしれません.
ダンロップ(5つ目の赤丸)
ここは今回頑張ったポイントなので,画像で見てみます.
舵角はプロと同じくらいですね.ただ,曲げ始めるポイントがプロの方がかなり手前です.進入速度の差(+2km/h)というのも考えられますが,それよりも,プロは操舵抵抗による速度の低下を最小限に抑えて,可能な限り高いスピードで旋回する事を意識している気がします.速度の低下量としては,
プロ:109→103km/h (-6km/h)
私 :106→100km/h (-6km/h)
と大差ないのですが,その後の80Rの伸びはプロの方が良いです.
2ヘア進入(6つ目の赤丸)
データ上は私の方が車速が2km/h低い事もあり,ブレーキングを奥まで我慢しています.画像で見てもその通りになっています.
2ヘア立ち上がり(7つ目の赤丸)
ここは,私は我慢(アクセルを開けられない)の時間がかなり長い印象でした.
やはりアクセルを全開に出来るポイントが明確に違いますね.プロは旋回の途中から,一方の私はバックストレートが見えてからです.1コーナーの時とは反対に,この差は最低車速が原因と思われます.私は58km/hまでしか落としていないのに対し,プロは54km/hまで落としています.プロよりも奥でブレーキングしているのなら,その分,踏力を強めて車速も落とさなければ,1コーナーと同じくアンダーステアが発生してクルマの向きが変わらないはずですが,「こんなモンで曲がれるだろ~」と雑に曲げ始めているので,なかなか向きを変えられず,アクセルも全開に出来ないのだと思われます.
ここは,バックストレートで車速を伸ばすために,コンマ数秒でも早くアクセルを全開にしたい箇所ですので,もっと見極めを正確かつ丁寧にやらないとダメですね.大きな反省点です.
最終コーナー進入(8つ目の赤丸)
さて,一番問題の最終コーナー.まずは進入の画像から見てみましょう.
ブレーキングの開始ポイントは,プロと大きな違いはなく,まずまずのようです.
(といっても,プロの方が4km/h以上進入速度が高いのですが・・・)
最終コーナー立ち上がり(9つ目の赤丸)
そして,一番の問題点である,アクセルONのタイミング.
タイミング自体は私の方が早いように見えますが,これは速度が落ち過ぎているため.正しくは,もっとブレーキ踏力を弱めてプロの画像の位置にボトムが来るようにしなければなりません.また,プロの舵角を見れば分かる通り,高速域での旋回ブレーキですので,これにビビっているようではタイムは出ない! 旋回ブレーキの苦手意識を払拭しない限り,これ以上の進歩は望めないですね.要特訓です!
ホームストレート(最後の赤丸)
ここは,LAP+の比較結果の方を見て頂きたいのですが,最終コーナーであれだけ減速させているにも関わらず,実はゴールラインの通過速度は,プロとほぼ同じなのです.最終コーナーのブレーキング以降は,これだけ旋回速度に差があるにも関わらず,実は全く差が変わりません.
つまり,車速に合わせたライン取り自体はそんなに間違っておらず,全開で踏めるポイントも正しく見極められているという事です.ここは今回意識して取り組んだ点でもあるので,その点では成果があったと言えます.
以上より纏めると,加速側(アクセルON)の見極めは,それなりに適切に行えているようです.それよりも問題は減速側(ブレーキング)の見極めで,特にブレーキリリースのタイミングは,もっと精度を高めなければなりません.また,筑波攻略の要である最終コーナーを飛躍的に進歩させるためには,高速域での旋回ブレーキをきちんと身に付ける必要がある事も分かりました.
旋回ブレーキの特訓に関しては,筑波に通って慣れるというのも手ですが,練習するには,それなりにリスクも高いので,他の手段も探っていこうと思います.