
先月,
205/50R15をテストした結果,下記の3つの対策案が出ました.
①50扁平でも剛性の高いタイヤを選ぶ.
②45扁平をキープしたまま外径をダウンする.
③タイヤはそのままに,クロスミッションを入れて加速力を補う.
このうち,③は
ミッションを開けて修理したばかりなので,当面延期(資金繰りがキツイので,すぐにはやりたくない・・・苦笑).残る① or ②だったら,①の方が失敗しても痛くない(同じく金銭的な意味で)ので,こちらを試すつもりでした.
ところが,雪月さんから頂いたタイヤ(205/50R15)がなかなか減らず,先に16インチのタイヤの方が尽きてしまったので,やむなく②の方(205/45R16)を先に試す事となりました.
・・・という事で,今回はタイヤの扁平率の違いに関して比較してみたいと思います.
まずはスペックのおさらい.
205/50R15 ・・・ 外径:587mm 幅:210mm リム幅:6.5
205/45R16 ・・・ 外径:592mm 幅:206mm リム幅:7.0
いかに16インチ最小といえども,やはり外径は15インチの方が小さいです.また,幅も15インチの方が4mm広く,ローパワー車に合っているのは15インチの方でしょう.従って,16インチの方が優れている点は,リム幅7.0に45扁平を組んだという"タイヤ剛性"の1点に絞られます.
では,そのテスト結果です.
205/50R15 ・・・ 42.153 (S1:9.915 S2:18.401 S3:13.837)
205/45R16 ・・・ 41.880 (S1:9.792 S2:18.290 S3:13.798)
16インチの方は新品ですので,15インチの摩耗具合から判断すると0.2秒くらいは差がつくのは当然な気もしますが,一応,全てのセクターで16インチが上回りました.
LAP+で詳細を見ていきましょう(青:15インチ 緑:16インチ).
全体を俯瞰してみると,ほぼ差がないですね.16インチの方が(新品で)グリップが良い分だけ全域ボトムを高くキープ出来ている感じがしますが,この程度の差だとドライビングの誤差でも表れてしまうので,明確に優劣をつけるのは難しいです.
なので,乗った時のフィーリング目線で分析してみます.
4~5コーナー(1つ目の赤丸)
ここは,3→4コーナーの切り返しでタイヤをネジ切った後,ステアリングを切ったままアクセルを全開にするので,タイヤの横方向に最も力が加わる部分となるのですが,ここの踏ん張り具合は16インチの方が明らかに上でした.
15インチの方は横に逃げるばかりで前に進まない(実際,スキール音も大きい)のですが,16インチの方は苦もなく前に進んでくれます.15インチのあまりのアンダーっぷりに,走行中は若干アクセルを戻してしまう程だったため,内圧を230→240kPaに上げて微調整してみたところ,大分改善されました.
この結果からも,15インチの方はタイヤがヨレてしまっているのは間違いないと思います.
9コーナー出口(2つ目の赤丸)
ここは100km/h近い速度で旋回した上に,バックストレート目掛けてアクセル全開で抜けていく部分です.ロールも最大となり,左側のタイヤに全ての荷重が掛かり,特にフロントは加速姿勢で荷重が抜け気味なため,アンダーを引き起こしやすい状態となります.
仮にアンダーが出てコース外に落ちたとしても,構わず踏み抜いて戻って来るのがここのセオリーなのですが,今回注目したいのはその落ちかけた状態からコース内に戻ってくる部分です.
極端な例で示しましょう.以下の赤丸の部分を見て下さい.
この青線は15インチの内圧を上げる前(230kPa)の状態の時なのですが,8コーナーを抑え気味にして,9コーナーの脱出速度に全てを賭けて走ってみたところ,9コーナー出口で120km/hまで達する事が出来たのですが,そこから先,コースに戻そうと若干ステアリングを右に切っただけで,ガクッと速度が落ちているのが分かります.
この間,私はアクセルを一切緩めていません.つまり,タイヤのヨレだけでこれだけ失速しているという事が分かります.これと同じ現象が上段の2つ目の赤丸の差になっていると考えられます.
最後に,走行直後の左フロントタイヤ(最も負荷が大きいタイヤ)の表面温度の差も計測してみました.
205/50R15 ・・・ OUT:72℃ IN:68℃
205/45R16 ・・・ OUT:68℃ IN:68℃
やはり15インチの方がOUT側の温度が高く,タイヤが外側に倒れ込んだ状態になっている事が分かります.
以上を纏めると,外径・幅が同等であれば,45扁平と50扁平の間に大きな優位差はありません.但し,ステアリングレスポンス,つまりタイヤのヨレは確実に45扁平の方が少なく,ドライビングの精度に影響を及ぼします.乗るか反るかの1発勝負で走るのであれば,50扁平でも同じタイムを出せると思いますが,タイヤの限界を使い切っているので,ちょっとしたドライビングミスもカバーしてくれず,ミス=失速=タイムダウンという図式になってしまいます.
また,タイヤの表面温度を見ても,45扁平の方が均等に使えており,連続周回時のタイヤのタレや摩耗といった意味では優位となるため,現状では45扁平の方を選択するのがベターでしょう.
ただ,50扁平(15インチ)の安さは非常に魅力的です.タイムがほぼ同等で,摩耗が少し早い程度だったら,安いタイヤをおかわりし続けた方がトータルでのメリットが大きいんじゃないか?とも思います(ドライビングがシビアになるのは,鍛錬という意味では良い方向とも言えますし・・・).
50扁平のデメリットを低減するために,やっぱり
7.0のホイールを探すべきかなぁ~?とも思ったりしたテストでした.
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セッティング(タイヤ) | 日記
Posted at
2018/05/20 11:35:48