日光でタイヤを使いきったオレさまFD2が,次に選んだタイヤはZⅢでした.
これは本気で
AP2に勝ちに行くつもりなのか?と思い,選定理由を訊ねてみると,「夏場走る事を考えると消耗の激しい71Rは勿体無い.かと言ってアジアンは癖が強くて練習にならない.冬場に再び71Rを履くまでの場繋ぎとして,ちょうど良さそうなのはZⅢだ!」と全く違う理由を語ってきました.
「なんだ,違うのか」と思いつつ,やりとりを続けると,
私 「(いつも夏場は走らないくせに)じゃあ,今回は暑い時期も走るんだね? 本庄にでも行くかい?」
オレさま 「何で新品を本庄でおろさなきゃならないんだ! 勿体無いだろ!」
私 「(勿体無いって本庄に失礼だろ・・・と思いつつ)では,どちらのコースをご希望で? 」
オレさま 「新品を投入して走るトコと言ったら,決まっているだろう!」
私 「はい?」
オレさま 「TC2000!」
・・・という事で,TC2000の走行会前日,〆切ギリギリでエントリーしてきました.
さて,当日.
今回の走行会はいつもと違って,6時集合とかなり早め.こちらは前日帰宅が遅かったので眠い目を擦っていると,オレさまは意気揚々としているので,
私 「何だか元気そうですね.今日は早いのに眠くないんですか?」
オレさま 「眠くない」
私 「早く筑波に来て,仮眠でも取ったんですか?」
オレさま 「違う」
私 「???」
オレさま 「眠いはずがない.なぜなら寝てないからだ!」
・・・ってオイ! このヒト,徹夜明けでハイテンションなのかよ.
私 「そんなんで,ちゃんとタイム出せるんですか?」
オレさま 「前回は細い255で我慢の走りを強いられた.今回は265なので問題ない」
・・・と,「GPSロガーを付けて比較しろ」と暗に匂わすので,別の人に「ロガーを貸して欲しい」とお願いされたのを泣く泣く断りつつ,オレさまFD2に取り付けます.
そして,1本目.
やっぱり気温の影響が大きかったようで,オレさまFD2のタイムは1'07.067でクラス3位.タイヤのフィーリングを聞いてみると,「可もなく,不可もなく.ま,こんなモンだろ」と相変わらず分析のしようもないコメントです.これじゃ詰まらないので,先述のGPSロガーからデータを吸い出して,
昨年4月に71Rで走っていた時のデータと比較してみました.
(緑:71R 青:ZⅢ)
①ホームストレートエンド(1つ目の赤丸)
当時の71R(緑)は今回のZⅢ(青)と同サイズの265/35R18なのですが,トップスピードが5.5km/hも遅く,いきなり0.1秒ロスしています.
②1コーナー(2つ目の赤丸)
タイヤの特性上,71Rほどの制動力(縦のグリップ)がないのでしょう.ブレーキングで止まらない→ペダルを強く踏む→早く止まった気がする→ボトムが下がった?→早く補わなきゃ!→早めのブレーキリリース→アクセルON!という流れで,8km/hも高い速度で旋回しています.これで差はゼロ.
③1ヘア進入(3つ目の赤丸)
気温の高さでシフトの入りが悪いのか? 3→4速のシフトアップが遅い.このロスで0.2秒 ZⅢ(青)が遅れます.
④1ヘア立ち上がり(4つ目の赤丸)
ここも1コーナーと同じパターンで,早めに止め過ぎ→ボトムが高い状態になりますが,旋回半径が小さい分だけタイヤへの負荷が大きく,横滑りしています.これで差は0.4秒に拡大.
⑤ダンロップ~80R
ダンロップのボトムはZⅢ(青)の方が低く,ジリジリと80Rで差が開きます.そして,ここでも3→4速のシフトアップが遅く(5つ目の赤丸),2ヘア進入までに0.7秒差となります.
⑥2ヘア(6つ目の赤丸)
1コーナー,1ヘアとは一転して,ここはZⅢ(青)の方がボトムをしっかりと下げて,立ち上がり優先の操作を行っている様子が伺えます.後日この点を本人に伝えたところ「2ヘアだけは,常に意識してドライビングしていた」との事で,これは立派.3→4速へのシフトアップでもミスがなく,最終コーナー進入まで71R(緑)と完全に互角です.
⑦最終コーナー進入(7つ目の赤丸)
ここでも,ZⅢ(青)が止まらないと感じるのか? 71R(緑)に比べて強めのブレーキング.これでトータル0.9秒の遅れ.
⑧最終コーナー立ち上がり(最後の赤丸)
そして,縦だけでなく,横もダメなのか? ZⅢ(青)の方が大きく横滑りして失速.アクセルONからトラクションがかかっている71R(緑)とみるみる差が広がり,最終的に1.3秒の差となりました.
今回は車載映像がないので,不正確な解析かもしれませんが,この結果だけからすると「ZⅢは縦も横も71Rに劣る」という結果に読み取れます.当時の71Rがかなり摩耗した状態だったのに対し,今回のZⅢは新品ですから,気温の違い等を考慮しても結構大きな差です.
71RとZⅢの差はミニサーキットで0.2~0.3秒と言われていますので,1.3秒差もの大差はタイヤ以外に要因がありそうです.もしかすると,突っ込み番長なオレさまと,ZⅢのタイヤ特性が全く合っていないのかも・・・?と思えてきました.
続けて,2本目.
1'06.964でクラス4位に後退.こんな感じ(↓)でアチコチのFD2にチョッカイを出していたようです・・・.
(ちなみに,この時追いかけているのは3位のFD2)
惜しくも表彰台を逃した事を知り,声を掛けに行くと,
私 「表彰台は残念でしたが,7秒を切れて良かったですね」
オレさま 「何も良くない!」
私 「???」
オレさま 「6秒台に入ったラップは,3位を追いかけている時に出た.オレの実力じゃない」
私 「(珍しく)謙虚ですね.でも,今回は何も壊れなかったから良かったじゃないですか」
オレさま 「いや,今回も壊れた」
私 「えっ!? 何を壊したんですか?」
オレさま 「4点ハーネス」
私 「ハッ!?」
そのままFD2のところへ行き,見せてもらうと,アンカーボルトに引っ掛けるこの部品(↓)が千切れていました.
「一体どんな力で引っ張れば,この部品が千切れ飛ぶんだ・・・?」
と思いつつ,オレさまFD2の表情がご機嫌斜めになってきたので,「きっと経年劣化ですよ.残念でしたね~」と八つ当たりされないうちに,そそくさと逃げました(今度から,「破壊王FD2」と名付けてやろうかな・・・).
帰宅後,データ整理をしつつ,「やっぱり,265より外径の小さい255の方が良かったんじゃないのかなぁ~? 265にしても最終コーナーで踏ん張りが効かず,0.4秒もロスするんじゃダメだろ・・・」と思い,71Rの265/35R18(緑)と255/35R18(青)を比較(↓).
「でも,やっぱりベストの選択は,18インチ最小の外径と,2番目に広い幅を持つ285/30R18だよなぁ~.今回1位のFD2(1'05.316をマーク)だって285履いてたし・・・」と分析していると,オレさまFD2から連絡が.
オレさま 「今回はアンダー傾向だった.何のテストにもならなかった」
私 「(極端だな,オイと思いつつ)何か自分なりに気付いた事があったんですか?」
オレさま 「内圧」
私 「?」
オレさま 「走行会終了後,フロントが2.6キロまで上がっている事に気付いた」
私 「はぁ・・・」
オレさま 「ちなみに,ターゲットは2.0キロだった」
私 「は? 2本目の前に確認しなかったんですか?」
オレさま 「してない」
私 「なぜ?」
オレさま 「オレさまが設定を間違うはずがない!」
私 「いや,間違ってるだろ!!」
そりゃ,ターゲットより0.6キロも高い内圧で走れば,ブレーキングで止まらないし,最終コーナーの踏ん張りも効くわけがない(最終の0.4秒のロスは,ZⅢだからではなく,内圧が高かったからかよ!).
オレさま 「でも,タイヤの減りは少なかったぞ」
私 「そりゃ,内圧高くて凸型になり,タイヤのショルダーを使えてないからでしょ!」
オレさま 「お・・・おぅ・・・」
その後,当人が「こりゃ,もう一度テストだな!」と言うので,「筑波のライセンス取って来い!」と返しつつ,現実的にはTC2000の走行会を探して,また行かなければダメそうです.