
今回のTC2000の走行会では,打倒!
オレさまFD2を目指すFD2乗りが多数参戦していました(赤のSE3PもメインマシンはFD2).
近くで見ると,皆それぞれ仕様が異なるのですが,コース上で遭遇すると,私にはどれも似たり寄ったりに見えて見分けがつきません・・・.赤のSE3Pは目立つので分かりますが,それ以外のFD2勢はミラー越しに見たら完全に識別不能です(苦笑).
さて,今回は,この中から「オレさまFD2の弟子」に当たる
このFD2(SE3Pの隣にいるFD2)に,「(師匠を倒すために)改善点のヒントが欲しい」と車載を託されたので,これを分析してみる事にします.
まず,当日のタイムは以下の通り.
師匠 ・・・ 1'06.964
弟子 ・・・ 1'07.877 (+0.913)
今回,弟子の方は変化をつけようと,フロントに265/35R18のATR-K SPORTをチョイス(リアはZⅢ).中古のZⅢよりもグリップすると噂のタイヤですが,さすがに新品のZⅢ相手には分が悪かったようです.
続けて,車載動画.
オレさまFD2の門下生同士で接近戦を演じているのですが,カメラの取付角度の都合で,今一つ迫力不足な映像になっちゃっているのが少し残念です.それはさておき,映像を見て気付いた点をいくつか.
①ブレーキング&シフトダウンが上手い
エイペックス(コーナーのRの頂点)に向けて,滑らかに破綻する事なく1発でクルマを止めています.シフトダウンの操作も的確ですし,素直に上手いです(突っ込み番長の師匠とは大違い).フットボールもやっているとお聞きしたので,そこで鍛えた足技が微妙な踏力コントロールを実現しているのかもしれません.
②アクセルワークが今一つ
一方,進入のブレーキングの上手さと比べると,立ち上がりのアクセルワークが,かなり大雑把ですね・・・.
例えば,1コーナーの立ち上がりで,ここから(↓)アクセルを開け始めていますが,
こんなにステアリングを切っている状態でアクセルを開けても,クルマは曲がりません.
プッシュアンダー(フロントタイヤの荷重過多)を引き起こして,余計曲がらなくなるだけです.
案の定,1コーナーの出口,アウト側の縁石が近づいてきているのにステアリングは切った状態のまま(↓).これでは抵抗になってクルマが前に進みません.
これの対策としては,
A:もう少しアクセルを開けるタイミングを我慢する(アクセルもブレーキも踏まない区間を作る)
B:もしくは,アクセルを踏んでも良いが,100%踏むのではなく,10%くらいで我慢する時間を長くする.
C:他には,「これは,やり過ぎだろ・・・」と思うくらいブレーキを残して(ボトムスピードを下げて)小回りする.
・・・等が考えられます.
車載から推測すると,ステアリングワークよりペダルワークが得意なドライバーに見えますので,Bが良いのかな?と思います(ちなみに師匠はステアリングワークの方が得意).
ドライバーではなく,クルマ側で対策するなら,LSDの効きを上げるのが効果的に思えます.すぐアクセルを踏んじゃうドライバーならイニシャルではなく,カム角を上げる方が良いでしょうか.
とにかく,ヘアピンで,こんなの(↓)や
こんなの(↓)みたいに,
身体を傾けて,アクセルを踏みながら,必死にステアリングを切っている状態をなくしたいですね.
③ステアリングの切り込みが遅い
クルマの曲がる性能に対して,ステアリングの切り込みがワンテンポ遅い気がします.
例えば,ダンロップの進入で,ここから(↓)切り込んでいますが,
その結果がこう(↓)なので,
エイペックスにつけていません(右側の縁石から,タイヤ2個分くらい離れている).
当人としては,ここから切り込んでも「曲がる!」と思っているように感じますが,クルマがワンテンポ遅れて曲がり始めているので,もっと手前からステアリングを切り込む必要があると思います.
クルマ的にも,アクセルOFFではなく,ブレーキを踏んで進入してもこの状態のようですから,もう少しフロントに荷重が掛かるようにしたいですね.バネレートを下げる代が残っているならそれか,これ以上は柔らか過ぎならリアを固めるのも手かもしれません.FD2のアライメントに関する知識はもっていませんが,トーやキャンバーで,もう少しフロントの反応を良くするのも手かもしれません.
この車載を見たある人が,「このドライバーには,伸び代がいっぱい残っている」と評していました.確かに,この状態で師匠と0.9秒差なのですから,改善点を詰めていけば今後十分追いつけそうです.非常に楽しみですね!
さて,偉そうに色々の給いましたが,映像だけだと根拠が薄いので,昨年2月のTC2000時(↓)のデータも引っ張りだして,勝手に師弟対決をやってみましょう.
冬と夏日で気温の差が大分ありますが,両者,前後にZⅢを装着した状態ですし,パワー差をハンデとすればなかなか面白い結果です(緑:師匠 青:弟子).
下のグラフが両者のタイム差です.
青線を中心に緑線が「上に行けば師匠の方が早い」,「下に行けば弟子の方が早い」という図です.
ザッと見ると,Sec1は弟子の方が上,Sec2は前半(ダンロップ~80R)は師匠の方が上ですが,後半(2ヘア~バックストレート)で弟子も追いつきます.Sec3も進入は師匠の方が上ですが,立ち上がりは弟子の方が上.こうしてみると総じて互角ですね.
最後に,この結果を使ってバーチャルレースをやってみました.
赤が師匠,青が弟子,音声は弟子(青)の車載を合わせています.雑な作りですがご覧下さい.
両者のドライビングスタイルの違いが見れて,結構面白いです.
以上,解析結果でした.
6月から筑波のライセンスも取った走り始めるとの事ですし,どんどん練習して師匠を追い抜いちゃいましょう! 師匠(オレさまFD2)は「前後でタイヤの銘柄を変えるヤツは弟子ではない!」とか言ってましたが,ATR-K SPORTにリア用としてちょうど良さそうなサイズ(235/40R18,225/45R17)がラインナップされたようなので,これ付けて前後銘柄を合わせ,破門されない状態でブチ抜いちゃって下さい(笑).
期待してます!
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Posted at
2019/05/26 22:12:44