オレさまFD2のお弟子さんが日光サーキットに行かれるとの事で,映像を拝借しました.
以前,TC2000で映像を見させて頂いたところ,コーナー立ち上がりのアンダー傾向が強かった印象だったのですが,その後,色々とセッティングが進み,どう変化したのか興味深いところです.
オレさまFD2は日光を走り込んだだけあって,さすがの速さを見せつけていますが,今後は是非とも師匠に挑んで頂きたいですね.
・・・という事で(?),今回は勝手に分析,日光編をお届けします.
まず目標タイムですが,TC2000のタイム(1'07.118)を基準に試算すると,
(67.118 / 1.556) - 1.0 - 0.5 = 41.634
師匠は40秒台前半を叩き出しますので,マシンの仕上がり的には,やはり一歩及ばず・・・といったところでしょうか.
では,次に当日ベストの車載をご覧頂きましょう.
VIDEO
最後のシフトミスはご愛嬌ですが,それ以外は全体的にライン取りがキレイですね.TC2000と違い,巧みにアンダーを消してコーナーをクリアしていますし,高速の8~9コーナーのラインも理想的です.非常に上手く纏めて走っているように思えます.
ただ,これでタイムが43.208(目標+1.574)というのは少々不可解ですね・・・.
考えられるのはアンダーが強くてアクセルが踏めてない可能性です.
日光でクルマのバランスを見るポイントとしては,
6コーナー出口
8コーナー進入
9コーナー出口
・・・がありますが,これらのポイントで車載のエンジン音に耳を澄ますと,クルマが曲がらなくてアクセルを戻している様子が窺えます.おまけにエイペックス(コーナー頂点)にもちゃんとクルマを寄せられていないようですし,これではタイムロスが大きいでしょう.
こうなってしまう原因として考えられるのは,
①フロントが減衰力不足で,折角掛けた前荷重がすぐに抜けてしまう.
②あるいは,フロントのバネレートが高過ぎて,そもそも最初からフロントが沈まない.
③もしくは,リアのバネレートが低過ぎて加速時にリアが沈み込み,フロントが浮いてしまう.
④そもそもLSDの効きが弱い.
⑤フロントタイヤのグリップが足りない.
といったところでしょうか.
オーナーがキレイにドライビングし過ぎて,さすがにこの映像だけで原因を特定するのは困難・・・.
という事で別のドライバーに乗って頂きましょう.
VIDEO
「マジで凄げぇー!」 と叫びたくなるレーシングドライバー,加藤正将さんです.
1コーナーにカウンター当てながら進入するとか,気合の入った高速シフトチェンジとか,ちょっと反則技ですね・・・.
でも,加藤さんのドライビングで限界時の挙動が明確になりました.
6コーナー出口
加藤さんの腕をもってしても6コーナーの出口でこれだけ舵角が残っていますし,6コーナーの旋回中もLSDがロック出来ず,悲鳴を上げているのが分かります.タイヤが過度に摩耗していた訳ではないとすれば,LSDが緩い気がしますね.
8コーナー入口
恐らく加藤さんはアクセルOFFで進入していると思いますが,それでイン側の縁石にタイヤを乗せられているので,ちゃんとフロントに荷重はかかっていそうです(=足は問題ない).
9コーナー出口
入口ではアクセルを戻し,出口ではタイヤが横滑りしているので,全然前に進んでいないです.やはりLSDが怪しいのではないでしょうか?
ちなみに,加藤さん曰く,
・ちょっとアンダー・・・でもそこまでではない.
・コントロールはしやすい.
・オーバーは出ない.乗りやすい.
・もう少しアクセルOFFで(フロントの)反応が欲しい.
・フロントの車高を少し下げても良い.
・あるいは,リアの減衰を上げるのも手.
・・・との事です.やはりお弟子さんのFD2は少しアンダー傾向のようですね.
今後のチューニング箇所としては,手始めにLSDのイニシャルチェック.ヘタっているようであればオーバーホールし,合わせてカム角の見直しをしたいですね.ダンパーは最近変更していたような記憶がありますが,状態が怪しいなら減衰力の強化 or バネの銘柄変更も一つの手です.アライメントで調整代が残っているなら手っ取り早いのはフロントキャンバーの増加でしょうか.
もし,フロントのグリップを上げる方向で対策出来ないなら,リアのグリップを下げてバランスを取るのも手です.ただ,私はあんまり好きじゃないですね(師匠は大好きですが).先日,285履いているFD2の車載を見させてもらいましたが,あのクルマはしっかりリアもグリップさせていたので,ドライバーのタイプ的に,こっちのスタイルを目指した方が良い気がします.
以上,勝手に分析,日光編でした.
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Posted at
2019/05/28 01:36:19