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2019年10月11日

高速域のバイブレーション

高速域のバイブレーション 低調な結果に終わったFSWですが,国内屈指の高速コースという事もあって,EF8の空力評価の目的もありました.

この日のために,フロントにディフューザー&ストレーキ,リアにガーニーフラップを追加し,多少ドラッグが増えてもダウンフォースを獲得しようという試みだった訳なのですが,やはりこれだけストレートが長いとメリットよりもデメリットの方が目立ちますね.スタートライン~1コーナーブレーキング(150m看板付近)までの約750mで,3年前と比較すると1秒失ってます.TC1000に換算したら1周で1.3秒も遅いのですから,そりゃ4AT相手でも苦戦する訳です・・・.

ただ,実はそれよりも問題だったのは,140km/h以上の領域で発生したバイブレーション.

最終コーナーを3速で立ち上がって,ピットエントリーのホワイトラインが見え始める手前くらいのポイントで4速にシフトアップする訳なのですが,そこから先の領域で,ガタガタとバイブレーションが始まります.

最初に気づいた時は,回転数が7000rpmオーバーだったので,エンジンからの振動かと思い,「うわっ,富士の高地(気圧が18hPaくらい違う)で燃調がズレたか!?」と即座に5速へシフトしたのですが,VTECから外れてもバイブレーションは収まらず,「ん!? エンジンではない・・・」とホッと一安心しました.
(後にLink ECUのデータを確認したところ,確かに燃調は問題ありませんでした)

1周回ってきて,今度は注意深く挙動を探ってみたところ,何だか路面のギャップで跳ねているかのような,上下振動に思えます.「まさか,FSWの路面が荒れている!? 」「いやいや,そんな訳ないよなぁ~.ここはホームストレートだし・・・」と思い直し,「そうするとダンパー・・・? 未経験の高車速域なので固有振動数が合っちゃったか??」と考えた後,「いやいや・・・.去年の鈴鹿では何もなかったんだから,ダンパーはないでしょ」とセルフ突っ込み.

更に1周回ってきて,最終コーナーの立ち上がりからの全開加速ではバイブレーションが出ない事も確認.振動が始まる車速をメーターを見ながら確認すると,「140km/hを超えた辺りからだな・・・」と認識し,

 「車速に依存するって事は・・・,空力か!

・・・とようやく気づきます.

振動の原因が,前(フロントディフューザー)なのか? 後ろ(ガーニーフラップ)なのか? は特定出来ませんが,いずれにせよ,今回追加したデバイスが原因なのは間違いありません.


そこで次に,フロントディフューザーの効果による沈み込みと,フロントダンパーのバネがケンカしているのか?と探ってみましたが,どうにも特定出来ない.「ディフューザーのせいなら,車速が上がれば上がる程,沈み込む力は大きくなるはず・・・.それなら,どこかでバネに打ち勝って,振動が治まるはずだよなぁ・・・」と思い,

 「だとすると,原因は後ろか!

と判断.恐らくこんな事が起きていると思われます.



140km/h以上の高車速なので,リアのGTウイングに当たる空気の量はかつてないほど増加しています.それによって,リアがかつてないほど沈み込むので,シーソーの原理でフロントが持ち上がります.フロントが持ち上がると接地感が薄くなるので,トラクションが掛からず,力が逃げて車体が微小に横揺れします.それによってステアリングも小刻みに振動し始め,ドライバーが「バイブレーション!」と認識しているのではないかと思われます.


そこで,今回はこの仮説の裏取りをしてみたいと思います.

まず,3年前と今回のベストラップの前後G・左右Gを比較してみます(緑:3年前 青:今回).

【前後G】


【左右G】


赤丸の部分(スタートライン~1コーナー進入)に注目してみます.上段の【前後G】を見ると,僅かに青(今回)の方が下である事が分かります.このグラフは下に行くほど加速している,上に行くほど減速している事を示しているので,トラクションが掛からず,加速が鈍っている事が分かります(まぁ,鈍った原因はドラッグが大きいせいもあると思いますけど).

そして,下段の【左右G】を見てみると,緑(3年前)に比べて青(今回)の方が上下の振幅量が大きい事が分かります.赤丸の部分は完全なるストレート=積極的にステアリングを切る事は一切ないので,この振幅は間違いなく,真っ直ぐ走るための修正舵であると判断出来ます.ようは「車体が左右にブレている」という事ですね.


続けて,今度はブレの原因が,後ろ(ガーニーフラップ)である事を特定するために,420iのトウ(スリップストリーム)を使った時のデータと比較してみます(緑:トウなし 青:トウあり).

【前後G】


【左右G】


差が微小なので分かりづらいですが,赤丸の領域の前半部分に着目すると,上段の【前後G】は僅かに青(トウあり)の方が上である事が確認出来ます(=加速している=トラクションがかかっている).一方,下段の【左右G】は赤丸の領域の後半部分で青(トウあり)の方が振幅量が小さい事が確認出来ます(=ステアリングがブレていない=フロントが浮き上がっていない).つまりは,トウを得るとブレが少なくなった,という事です.


ここで,トウ(スリップストリーム)の効果に関しておさらいしてみます.


(参照:よくわかるスリップストリーム

トウは前走車の跳ね上げた空気の下に,後続車が潜り込む事によって,空気抵抗を減らしてスピードアップするという代物です.今回のケースだと,420iの全高が1395mm,EF8の全高が1270mmですから,真後ろにつければ間違いなく,すっぽりと隠れる事が出来ます(私のGTウイングはルーフより低い位置に付いてます).

ここで注目して欲しいのが,トウを得ても,ボディ下面には空気が流れる(フロントディフューザーの効果は変化しない)のに対し,ボディ上面の空気は極端に少なくなる(ガーニーフラップの効果が変化する)という点です.つまり,トウによって変化が生じたのであれば,それは「後ろ(ガーニーフラップ)の影響」だったと特定出来る訳です.


以上より,高車速域でのバイブレーションの原因は,リアのガーニーフラップが効き過ぎたためと考えます.

ガーニーが効き過ぎるとリアが過剰に沈み込み,フロントの持ち上がりを誘発.FFなのでフロントを持ち上げられるとトラクションが逃げるので,フロントタイヤが暴れて,ステアリングが左右にブレた・・・というメカニズムです.

これを解消するには,ガーニーの高さを下げる(小さくする)事が効果的ですが,そうするとリアのダウンフォースの総量も減ってしまうので,今度はブレーキング時のスタビリティが悪化します.従って,高車速域で前後のバランスを保つためには,ボディより上(ウイング)でダウンフォースを稼ぐのではなく,ボディより下(フロア & リアディフューザー)でダウンフォースを稼ぎ,ガーニーは小さくする(or 外す)対策が必要という事でしょう.

リアのディフューザーは出来れば付けたいですが,マフラーのタイコが大きいRegalis-Rを使っている限り,そう簡単には付けられませんし,う~ん,困りましたねぇ・・・.

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Posted at 2019/10/12 06:23:34

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この記事へのコメント

2019年10月12日 13:41
私も依然同じような症状(100-120kmくらいでばバイブレーション)が出ましたが、原因はホイールバランスでしたww
羽を外せばチェックできそう。

あ、マフラー、フルチタンワンオフで30万くらいらしいですよ。
コメントへの返答
2019年10月12日 15:34
確かにホイールバランスの可能性も残っているんですよね・・・.この日使ったヤツは,ここ最近サーキットで使ってなかった代物ですし.

サイレンサーなしで,爆音にならないフルチタンがだったら,出しても良いですよ(笑).

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