
L/D:揚抗比.その名の通り,揚力(Lift)と抗力(Drag)の比の事です.
サーキットでタイムを求めるなら,ドラッグは小さく,ダウンフォースは大きいのが望ましいので,L/D値も大きいほど良い事になります.
残念ながら,私のEF8の現在のL/D値を測る術はありませんが,
富士の結果を受けて,嫌でもこの値について考えさせられます.また富士スピードウェイをキーワードに色々調べていたところ,こんな記事(↓)を見つけました.
空力ニュースレター No.10
この記事の中で下の方にある「ケーススタディ」のシミュレーション結果が目に留まりました.
この結果から言いたいのは,ドラッグを減らしたCase 2(Cd=0.50→0.45),ダウンフォースを増やしたCase 3(FDF=2752→2901 RDF=4128→4351)より,L/Dが大きいCase 1(2.3→2.4)の方がラップタイムが速いという事なのですが,この比較を示す3つのグラフの違いを見ると,ホームストレート,1コーナー~コカ・コーラコーナー間,300Rの3箇所のみとなっていて,コレ,まんま私の前回⇔今回の比較結果(↓)と同じなんですよ.
これを見て,「ああ,やっぱりガーニーフラップによってL/D値が悪化したんだなぁ・・・」と思い,更に別のレターも読み進めていくと,
ニュースレター No.01に気になる一文がありました.
「アレッ・・・? コレ,
富士で感じたヤツではないか?」
そう思ったら,堪らず事実確認がしたくなりました.
とは言っても,会員でもないので簡単に富士は走れないし,他に140km/h以上出せるサーキットで簡単に走れそうなところはないし・・・と思案して,まずは高速道路でテストしてみよう!と,関越道へ.
80km/h以下は,当然安定していて問題なし(余裕で片手運転出来るくらい).
90km/hくらいで,ちょっと修正舵が増えてきて,左手を添え始めます.
100km/hになると,時折,両手で握らないと不安になる時が!
同じ速度でも左手を添える状態(1つ上の写真)に戻せる(不安を感じない)時があるので,「違いは何だろう?」と何度も確認してみたら,不安を感じるのは,どうやら横風を受けている時や荒れた路面を通過している時のようでした.
つまり,不安を感じる時=フロントの安定感が欲しい時→フロントの接地感が足りない=フロントが浮き上がっている!と思われます.
そこで,これを裏付けるために,そのまま関越道を進んで,関越トンネル前後の上りと下りを使い,同じようにフロントの接地感をチェック.同一の車速でも,上りでは重心がリア側に寄るので(=フロントの接地が薄くなるので),やはり不安を感じましたが,反対に下りでは重心がフロント側に寄り(=フロントの接地が増え),安心感が増えました.
このテストで,やはり現状の空力バランスがリア寄りである事が確認出来たので,何とかリアのダウンフォースを即席で削って,「リアのダウンフォースを削れば,この状況は改善する!」という事を確認する方法がないか?と走りながら考えていたところ,この話(↓)を思い出しました.
空力パーツによるセットアップ<その③>「GTウィング編」
「そうだ! 窓を開けて走ればいいじゃん」
という事で,そのまま窓を開けて,早速テスト.
結果は,窓を開けている状態だと上りでも,下りと同様の安心感が得られる事が分かりました.
これで,リアのダウンフォースを付け過ぎ(=ガーニーフラップが大き過ぎ)という確信が得られました.
ちなみに,
先日,トヨタ産業技術記念館行った時に調べた,こんな資料(↓)や,

(↑の「S102」というのは,童夢が2008年にル・マンに参戦した時のマシンです)
こんなデータ(↓)から,
リヤウイングの抵抗に打ち勝つだけで126馬力も必要だった
「やっぱり,ロードラッグを追求すべきだな!」
と思っていたので,今回のテストで踏ん切りがつきました.次の一手は,ガーニーフラップの小型化ですね.
・・・ところで,
先日,感じたブレーキの違和感ですが,ショップで調べてもらったところ,キャリパーが異常加熱しており,原因はブレーキパッド内部の炭化ではないか?との事です.
確かにローターをよく見ると,
当たりも不均一ですし(一番外の外周が当たってない・・・),以前,
こんな事がありましたし,どうやらブレーキの容量が本格的に足りなくなってきたようです・・・.
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セッティング(空力) | 日記
Posted at
2019/10/27 03:13:15