エイペックスの先で曲げる事は今のEF8のセッティングでも出来るのか? それを確認しに日光サーキットに行って来ました.
自分でアレコレ試して確認するのは当然なのですが,それだけだと客観性が乏しいので,レーシングドライバーの菊地靖さんにもEF8へ乗って頂き,コメントをもらいました.
まずは,その菊地さんの走りをどうぞ.
パッと見て,まず思うのがほぼ全てのコーナーで「
パキ切り」を行なっている点.これは,私のEF8が履いているタイヤが50扁平であるため,切り込んだ時のレスポンスが悪く,パキ切りで予めタイヤを捻じ切ってグリップを引き出しているのだと思われます.
さて,それでは続けて,菊地さんのコメント.
菊地さん :(クルマを降りて開口一番)いやぁ~,楽しいねぇ~.
菊地さん :リアが滑るんだけど,滑る量がちょうど良い.コントロール出来るんでとっても楽しい!
菊地さん :クリアが取れないんで,タイムを狙うのは難しかったけど(苦笑).
私 :ブレーキのバランスとかはどうですか?
菊地さん :10コーナーがちょっと止まらない印象かなぁ~?
私 :前使っていたパッドがすぐロックするので,効きを落してみたのですが・・・.
菊地さん :確かに全くロックしないから安心して踏めるね.
菊地さん :そのロックするパッドと,今回のパッドの中間くらいの効きがちょうど良いかも.
菊地さん :でも,まぁ,とにかく楽しかった.(この気温なのに)汗かくくらい真剣に走っちゃったよ(笑).
・・・との事でした.オーバーステアに関しては,今のセッティングでもタイトル画像のように自由自在に出せるようです.また,そのオーバーステアを引き出すためのブレーキに関しても,130km/hオーバーで進入する10コーナーでは少し効きが不足しているようですが,2コーナーや6コーナーではオーバーステアを引き出すのに必要な踏力コントロールは十分可能なようです.
更に,LAP+で当日の私の走りとも比較してみましょう(緑:菊地さん 青:私)
全体的には,それほど大きな違いはなさそうですね.ただ,1コーナーのブレーキングポイント(1つ目の赤丸)は菊地さんの方が奥でした.画像で見るとこんな感じです(上段:菊地さん 下段:私).
これで瞬間的に0.25秒も前に行かれるのですから,やっぱり日光の1コーナーは突っ込み重視.そして,それをコントロール出来る高い技量が必要ですね.進入速度をより高める事出来れば,その高い進入速度を活かしてフロント荷重を効果的に引き出し,2コーナーでクルッと向きを変える事が出来ます(菊地さんは,ここで意図的なオーバーステアを生み出している).
また,その次の3~4~5コーナー区間(2つ目の赤丸)では,先述の「パキ切り」を使ってタイヤの余分な捩れを抑制する事により,一直線にクルマを加速させています.「パキ切り」はコーナリングテクニックだと思っていたのですが,こういう使い方をする事で速度を伸ばす方向でも使えるんですね.大変勉強になりました.
最後に,今回はEF8の先輩も菊地さんに愛車を乗って頂いたようなので,そちらの動画も載せておきます.
実は先輩は,今年「
TS CUP(B310サニーとKP61スターレットによるクラッシックカーレース)」を追いかけていて,そこで3戦全勝した菊地さん(#3 阿久津製作所サニー)の走りに感銘を受けたそうです.

(第2戦の模様.真ん中の赤いスーツを着ているのが菊地さんです)
いつもだったら,プロの横に乗ってコースの攻略法を聞いているのに,今回は私のEF8に菊地さんが乗った後,先輩もすぐさま自分のEF8に乗ってもらい,両者のフィーリングの違いや今後のチューニングのポイントを熱心に質問しているようでした.

(ちゃっかり,サインも貰っていたようですけど・・・笑)
最後の方は少し話が逸れましたが,やっぱりプロの技は色々と参考になりますね.単純な運転技術以外に,アタックのためのスペース作りなんかも大変勉強になりました.今回は走行枠の都合上,ラップタイムが3~10秒近く遅いクルマが10台ひしめき合う中で,上手く周囲と駆け引きを行なってスペースを作り出し,尚且つ,その得られたスペースを使ってアタック出来るのは1周のみ,という非常にタフな条件だったのですが,それでも,その1周で確実に仕留めてタイムを出してくるのですから圧巻の走りでした.
菊地さん,今回は本当に有難う御座いました!
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Posted at
2019/12/16 00:59:03