
(タイトル画像は,こもりん.さんの
ブログからお借りしました)
先日TC1000に行った際,こもりん.さんが"B16Aのまま39秒台を叩き出す"驚異のEF8乗り
はやぶさんをわざわざ連れて来て下さいました.
(こもりん.さん,本当に有難う御座います!)
早速,はやぶさんにお話を伺ったところ,どうやら私のブログもご覧になられたようで,以前
勝手にやった比較もバレちゃってました(苦笑).私のクルマを直に見つつ,仕様の違いやこれまでにやった(やらされた?)特訓の話,ジムカーナのSA1車両の話,なぜ冬場しか走らないのか?等々,色々と教えて頂きました.とにかく,その豊富な知識量に圧倒され,まさしく「猛者」「手練れ」といった単語はこういう方を指すのだろう・・・と思わずにいられませんでした.
短い時間ではありましたが,会話の節々から色々と学ばせて頂いた最後,なんとはやぶさんから「この間走った時のデータ要ります?」と望外の申し出が! 勿論「要ります!」と即答.貴重な39秒台のデータを頂く事が出来ました.
(はやぶさん,本当に有難う御座います!)
・・・という事で,今回はその頂いたデータと私のデータを比較し,そこから「テンロクを使い切るために,次に何をすべきなのか?」を考えてみたいと思います.
まず比較対象ですが,今回はこちら(↓)のデータで行ないたいと思います.
【はやぶさん:39.820】
【私:41.245】
・・・で,早速比較結果なのですが,両者のタイム差の推移は以下でした.
①ホームストレートエンド ・・・ +0.20秒
②1コーナー出口 ・・・ +0.20秒 (合計 +0.40秒)
③インフィールド進入 ・・・ +0.15秒 (合計 +0.55秒)
④インフィールド出口 ・・・ +0.30秒 (合計 +0.85秒)
⑤洗濯板出口 ・・・ +0.50秒 (合計 +1.35秒)
⑥ゴールライン ・・・ +0.05秒 (合計 +1.40秒)
当然のように全域完敗な訳ですが,その中でも特にインフィールド(2ヘア)立ち上がり~バックストレッチ~洗濯板の間(④~⑤)のチギられっぷりが酷いです.終端速度にして7km/hもの差がついており,ホームストレートエンドでも同様に7km/h差,「本当に同じテンロクなのか?」と思いたくなるくらいストレートが遅いですね・・・.ただ,ストレートスピードはコーナー脱出時の速さ(立ち上がりの上手さ)も影響するため,エンジンなのか? タイヤなのか?もはっきりしません.
そこで,ほぼ一直線で全開加速する,1ヘア立ち上がり~インフィールド(2ヘア)進入までの区間を分析してみようと,LAP+独自の「SCT.2(↓の黄色区間)」に目を向けてみたところ・・・,
はやぶさん ・・・ 7.102秒
私 ・・・ 7.101秒
「アレッ? この区間だけに絞ったら互角だぞ・・・??」
変だなぁ~と思ってよく見てみたら,どうやら,はやぶさんはこのラップ,1ヘアで若干オーバーシュートしてしまった(クリップにつけなかった)ようですね.これだと比較するのは不適切なので,比較的ライン取りが近い,はやぶさんの3rdベストで比べてみる事にしました(緑:はやぶさん 青:私).
これを見ると,80km/hに到達するまでは互角ですが,そこから先で私の車速が伸びてないのが分かります.続けて「2速・80km/hって一体何回転だろう?」とギヤ比とタイヤ外径から計算して求めてみると,"6500rpm"である事が分かりました.
「6500rpm? これってまさか・・・」
と思い,私のEF8をダイナモで測った時のデータを引っ張り出してみると,
「ああ,やっぱり.トルクが谷になるトコだ・・・」
う~ん.これは私のエンジンの出力特性なので,ドライバーの腕ではカバーのしようがありませんね・・・.
直接的な対策はエンジンの仕様変更(特性変更)しかない.
さすがに,このレベルの話だとプロに相談するしかないので,素人でも出来る「足から回す側」で何とか出来ないか?を考えてみたいと思います.
まずは「タイヤの小径化(225/50R15→205/50R15に戻す)」.小径化のメリット・デメリットを整理するために,225幅(外径:607mm)と205幅(外径:587mm)の比較結果を引っ張り出して細かく分析してみると(緑:225幅 青:250幅),
587mm→607mmに外径を大きくすると,2速で全開加速した時に0.06秒遅くなる事が分かりました.TC1000において全開加速するシーンは「1ヘア立ち上がり」「インフィールド立ち上がり」「最終コーナー立ち上がり」の合計3箇所なので,0.06×3=0.18秒の遅れ.これを言い換えると「小径化すると0.18秒のメリット」という事になります.
一方で,225幅による旋回速度向上の効果代は,低速コーナー1つ当たり0.14秒.TC1000における低速コーナーは,先程と同様に「1ヘア」「インフィールド」「最終コーナー」の3つなので,0.14×3=0.42秒.つまり「小径化すると0.42秒のデメリット」という事になります.
これらの差し引きで考えると,0.18-0.42=-0.24秒.つまり「205幅に戻すと0.24秒遅くなる」という事が分かりました.この試算は
先日のタイムの縮め代(0.2秒)と概ね一致するので,それなりに確度が高いと思われます.つまり,あまり良い策ではないってコトですね.
そこで次に「ローギヤード化(ギヤ比変更)」について考えてみます.
まず現状のギヤ比は,こんな感じ(↓).
これに,DC2 98SPECの4.785ファイナルを投入すると(↓),
最大出力を発生する8000rpmをリミットとすると,2速(インフィールド進入)・3速(1コーナー進入)共にちょっと最高速が足りませんね.8400rpmリミットなら多少補えますが,パワーが出てない領域を使う事になるのでタイムは出ないような気もします・・・.
「ならば,クロスミッションか?」という事で,
過去の検討資料を見返したところ,OS技研の4速クロスが良さそう(↓).
2速はOKですが,3速は間違いなく足りないので,ミニサーキットでも4速を使う前提の仕様になりますね.現在のギヤ比でも日光で3速キープが苦しい点を踏まえればアリなのかも.TC2000でも4速MAXで159km/hならギリギリ足りるでしょうし.5速は不変だから高速道路での巡航も苦にはならない.
その代わり,4速⇔5速がコレだけ(↑)離れるので,街乗りではかなり乗りづらくなるでしょうね.
(当然,国際コースは論外です)
以上,「テンロクを使い切るために,次に何をすべきか?」でした.
色々と皮算用してみましたが,まずは205幅に戻して「本当にタイムが落ちるのか?」を確認するところからスタートですかね(そろそろアタックシーズンも終わるので,失敗しても痛くないですし).それと平行してエンジンの特性変更の手段を模索しつつ,クロスミッションの予算・納期と天秤に掛けて,軍資金の調達に走り回る事になるのかなぁ~?(あ~,気が重い・・・)
こもりん.さん,はやぶさん,今回は色々と有難う御座いました!