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2020年02月23日

スタビライザー考察

スタビライザー考察 RE-71RSの評価も徐々に出揃い,どうやらA052と互角の性能である事が見えてきました.

ただ,互角止まりだとすると,BSはお馴染みの「ピックアップ(タイヤカスを拾う量)の酷さ」に悩まされる可能性があり,この点はRE-12Dと同様のようですので,こうなるとサーキットでの使い易さという面ではA052の方が上かな?と思っています.

・・・という事で,当面A052を使い続ける事になりそうなのですが,そうなると足回りのセッティングをそろそろ見直す必要がありそうです.

ランニングコストを考えて,昨年から15インチに切り替えたのですが,やはり扁平率が大きいので,タイヤのヨレに悩まされます.ホイールのリム幅を7.5へ拡大する事で大分緩和されましたが,それでもタイヤのショルダー摩耗は激しく,内圧も適正値まで下げる事が出来ません.

そもそもRE-71Rに比べてA052の方が横のグリップがある分,絶対的なロール量が増えるのは当然の話で,レートアップをそろそろ考えないとダメかな?と思い始めていました.ただ,2年前にレートアップを試した際,フロントの突っ張り感が強くなってしまったので,単純に上げりゃ良いというものでもなく,どうしたものか思案していたところ,スタビライザーの存在が思い浮かびました.



CUSCO スタビライザーより)

「スタビライザー(stabilizer)」は左右のサスペンションを連結させて,その名の通り「stabilize(安定させる)」装置の事です.別名「アンチロールバー(anti-roll bar:ロールに反する棒)」とも言われ,こちらの方が機能をイメージし易いかもしれませんね.

さて,その「スタビライザー(以降スタビ)」ですが,これまで「スタビは素人が迂闊に手を出すな!」「スタビをイジり始めると迷路にハマるぞ!」と散々聞いていたので,触らない・考えないというスタンスだったのですが,いよいよそんな事も言ってられなくなってきたので,今回は頭の整理も兼ねて,スタビの動きについて考えてみます.


まずは,左右方向のスタビ強化について.



上の図は,平坦路を直進中のイメージ.真ん中の青い横棒がスタビ,オレンジの部分がスタビの固定点です.



これがコーナリングすると,こんなイメージになります.遠心力で図の右側に倒れ込むような感じですね.OUT側(図の右側)のサスペンションは縮まるので,スタビは上方向に捻られ,反対にIN側(図の左側)のサスペンションは伸びるので,スタビは下方向に捻られます.



ここで仮にOUT側(右)のスタビ剛性を強化した場合,スタビが上に捻られるのが抑制され,サスペンションが縮み辛くなります(OUT側に突っ張ったような状態).つまり,この突っ張り状態を作り出す事によってロール量が減少させる・・・というのがスタビ強化の狙い(メリット)ですね.



ところで,ここで仮にOUT側(右)ではなく,IN側(左)のスタビ剛性が強化されたとしたら一体どうなるのでしょうか? 通常であればOUT側のロールに合わせて,IN側のサスペンションが下に伸びるところ,スタビによって下側に捻られるのが抑制されるため,サスペンションが伸びません.つまり「インリフトする」という事ですね.これがスタビ強化のデメリットになります.

さて,上記ではOUT側・IN側のそれぞれピンポイントでスタビを強化した場合を模擬しましたが,実際のスタビは連結された1本の棒ですので,このメリット・デメリットが両方同時に発生します.つまり,最終的にメリットになるのか?デメリットになるのか?は,OUT側の捻れ反力とIN側の捻れ反力のどちらが強いか?の勝負の結果次第という事ですね.


じゃあ,この勝負の結果はどうやって決まるのか?を考えてみたところ,サスペンションのバネレートではないか?と思いました.

まず,OUT側とIN側で比較してみると,OUT側は地面からの反力との戦いになるのでかなり大きな力が必要です.一方,IN側はタイヤが空中に浮くので,単純にサスペンションに掛かっている力だけの勝負になります.つまり,単純な力勝負であればOUT側の勝ちって事です.

そこでOUT側に絞って考えてみると・・・,



スタビが上方向に捻れようとするのに抗えるのは,サスペンションのスプリングしかありません.つまり「スタビからの力を抑え込めるだけの強いスプリング(固いバネ)じゃないとロール量の低減は実現出来ない」という事ですね.これがスタビの難しさ.このスタビの反力とバネレートの因果関係をちゃんと掴めてないと「迷路にハマる」という事なんですかね.

ちなみに,バネレートを上げなくても,スタビの捻れる力を下げられれば(=スタビの径を太くする),OUT側においてスタビの上方向への捻れを抑え込めるようになるかもしれませんが,そうすると今度はIN側のスタビの捻れも低減され,インリフトが発生しやすくなりますね.

FFにおいて,フロントがインリフトするのはデメリットでしかない(トラクションが掛からない)ので,インリフトを許容出来るのはリア側のみとなります.つまり,フロントのスタビ強化の線はこれでなくなりました.


そこで,次に前後方向の強化について考えてみます.
まずは,何の捻れも生じていない直進状態がこんなイメージ(↓)です.



この状態からフロントのスタビだけ強化して,コーナリングさせると,



フロントのロール剛性に対して,リアが相対的に負けるのでインリフトします.3輪走行のようなリアを振り回すスタイルであれば,このセッティングはアリなんでしょうね.ただ,私の場合は過去の日光の経験からフロントに対してリアのロール量が増えると動きが大きくなって,高速コーナーで踏めなくなるので,このセッティングは好みではありません.

では反対に,リアのスタビだけを強化してみると,



フロントがインリフトする傾向になります.当然ですがFFでこれはNGですね.ボディの剛性が高ければ,リアOUT側のロール減少によって,対角線上のフロントIN側のインリフトを抑制する効果があるはずなのですが,ロールゲージも組んでないEF8のボディで,それを期待するのは酷でしょう・・・.

つまり,コーナリングのバランスを崩さず,ロール量を低減するには「前後のスタビを同時に強化するしかない」という事ですね.ただ,1990年代ならいざ知らず,2020年代でEF8の強化スタビを前後同時に入手するなんて無理・・・.


他に何か手がないか?と考えたところ,「調整式スタビリンクによる取り付け位置の適正化」が思い浮かびました.


NAGISA AUTO スタビライザーリンクより)

じゃあ,現状の私のEF8のスタビはどうなっているんだ?と思い,覗いてみると・・・,

【フロント】


【リア】


リアはスタビリンクから水平にスタビが伸びているので「問題なし」ですね.フロントは若干スタビリンクが奥に倒れ込んでいるように見えるので,是正しても良い気がしますが,先程「フロントのスタビ強化の線はない」と結論を導き出したので,それほどやる意義はありませんね・・・.


以上,スタビ考察でした.

アレコレ考えてみましたが,スタビをイジっても私の場合は上手くハマらなそうですね.それよりもバネレートアップの方が単純で効果的っぽい.ただ,バネレートを上げると,ロール方向は良化傾向ですが,ピッチング方向は悪化しそうなので,その辺りのバランスをもう一度考え直す必要がありますね.

う~ん・・・やっぱり足回りは難しい.
ブログ一覧 | セッティング検討(アライメント) | 日記
Posted at 2020/02/24 02:07:52

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この記事へのコメント

2020年2月24日 2:51
おはようございます(^^♪
いつも勉強されてて凄いなぁと思ってます。
タイヤリム幅ですが、225サイズなら8.5J、
215、205サイズでも8Jを個人的にはおススメしてます。
タイヤヨレを無くすとその分グリップが上がると私は信じてます。
あくまで個人的ですが。
コメントへの返答
2020年2月24日 19:56
コメント有難う御座います!

+1.5Jという感じですね.確かにそこまで引っ張ればヨレは皆無かもしれません.

ヨレがなくなるとレスポンスが良くなるのは間違いないですね!
2020年2月24日 5:06
個人的にはスタビよりも、、、
1からのやり直しになる可能性もありますが、車高の見直しをしてからバネや減衰、キャンバー、トーのセッティングを考えてみては?

たぶん、2年前のバネレートアップと今のバネレートアップは違うと思いますよ。

あとは、すでにやられてるかもしれませんが、年代的にボディ補強もタイヤのグリップや足回りに応じて必要になってくるかもですね。

もしやるのであればシーズンオフに気長に、、、ですかね。

ちなみに自分は18インチ化した後、車高含めてちゃんと走れるような足回りにするのに約1年かかってます(笑)
コメントへの返答
2020年2月24日 20:24
車高は車検対応限度で既に目一杯下げているので,調整代は残ってないです.

トーもリアは既にゼロですし,フロントはこれ以上やると抵抗が大きくなりますね.残っているのはキャンバーくらいですが,本当は起こしたいくらいなので,こちらも悩ましいところです.

2年前のレートアップと状況が違うのは一理ありますね.ボディは補強よりも軽量化かな? 最近700~800kg台の方々からのプレッシャーが凄いので(笑).

足回りは特に不満がないのが難しいところですね.迂闊にイジるとバランス崩して1年以上スランプに陥る事もありましたので・・・.
2020年2月24日 8:06
スタビライザー勉強になりました。
やはり、ここは手を出せない領域ですw

A052ですが、自分で使ってないのでアレですが、上の方も仰ってるぐらいのサイズで丁度いいとA052使ってる知人が言ってました。

参考までに^ ^
コメントへの返答
2020年2月24日 20:12
コメント有難う御座います!

適正サイズが流行りのこのご時勢に,A052は少し独特のようですね.

バランスを崩し過ぎないように色々考えます.
2020年2月24日 9:44
我々競技ドライバーはスプリングとショックアブソーバーのセッティングを初期から出すとき、もしくはスランプに陥った時はあえて外してテストする時がありますよ。そこからの味付けでスタビに入ります。4WDの場合は足がノーマル状態でLSDのセッティングが先で徐々に段階を踏み何巡もくりかえします。
コメントへの返答
2020年2月24日 20:22
コメント有難う御座います.

やっぱりスタビは味付けですか.最後ほんのチョットだけ調整したい時に手を出す代物なのでしょうね・・・(それだけ厄介な代物).

最近,競技の世界を知る方に師事しないと,これ以上の進歩は難しいかなぁ~と思いつつあります.
2020年3月1日 0:02
スタビ考察は少し前にいろいろ考えましたがFFのフロントは弱くする方向もありな気がします。レス仕様のサーキット車両もあるみたいですし。
昔のF1でアンチロールバーの逆作用バージョンも存在したみたいですよ。試しにスタビリンクを外してみてもいいかも知れません。
コメントへの返答
2020年3月1日 0:06
コメント有難う御座います.

時間が経って色々な方の意見を聞くうちに,私もスタビを弱くする方向もアリに思えてきました.

仰る通りスタビリンクを外すくらいなら,何とかなるので,モノは試しとテストしてみるのも良いかもしれません.

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