
外気温ブーストが掛かっているとは言え,安定して41秒台を出せるようになりましたが,更にもう1段階上を目指すためには,まだまだ色々と足りない事が分かったので,まずは手持ちの選択肢の中からアップデートを施してみました.今回の内容は以下の通りです.
①
前後のバネレートアップ ・・・ ロール量の抑制
②フロントサスのストローク量アップ ・・・ コントロール幅の拡大
③タイヤサイズダウン ・・・ 重量軽減
④ホイールリム幅拡大 ・・・ タイヤのヨレ抑制
⑤小細工 ・・・ ヒミツ(笑)
①バネレートアップ
伸ばすか?縮ませないか?で悩みましたが,結論として「縮ませない」方を選びました.
理由は至って単純で,フロントの車高調の調整代が既に下限に達しており,テンダースプリング(アシストスプリング)を入れる余裕が残っていませんでした・・・.テンダーを入れるのにレングスの短いバネを使うのでは本末転倒なので,伸ばす方向を諦め,レートアップする方向にしました.HYPERCO 650ポンド(11.6kgf/mm)のが手持ちにあるので,一先ずこれをフロントに投入し,これまでフロントに使っていた550ポンド(9.8kgf/mm)をリアに回しました.ポンド表記なので分かりづらいですが,ようは前後共に2キロアップという事です.
以前試した時は16インチのRE-71Rと上手くマッチングせず,フルブレーキングした時にタイヤを潰し切れず,突っ張り感が出た事と,フロントへの荷重移動量が不足してアンダー傾向が強くなったため,5ヶ月くらい使って止めました.今回は15インチのA052という当時よりも剛性が低い組み合わせなので,「何とかなるかなぁ~?」という感じです.ちなみに,当然ではあるのですが,乗り心地は悪化したので「これで何も改善しなかったら,速攻で元に戻そう!」と思ってます(苦笑).
②フロントのストローク量アップ
私の車高調だと,レングスを変えずにフロントのバネレートを上げると車高が上がる(=車高調の調整代が足りない)事は覚えていたので,「重心が上がるのは嫌だなぁ~」と思いつつ数値を眺めていたところ,その上がり代を見て1つ気づきました.
今回,バネレートを2キロ上げた結果,車高は10mm上がったのですが,コレって見方を変えると,「今までのバネは1G状態で10mm潰れていた(ストロークが減っていた)」という事ではないかと・・・.今までのバネ(550ポンド)の最大許容ストロークは94mmなので,ここから10mm引くと84mm.対して新しいバネ(650ポンド)の最大許容ストロークは91mm.厳密には異なりますが,ざっくり7mmストロークが増えたという事になります.
以前,
こちらのブログで学ばせて頂いた結果,「減速時にバネを7mm縮ませる分だけの時間,フロント荷重がかかるのが遅い」=「加速時にバネを7mm伸びる分だけの時間,フロント荷重が抜けない」という事を理解したので,前者はブレーキロックの対策(=制動力を更に上げられる),後者はトラクション性能の向上(=旋回速度が上がる)に繋がるのではないか?と考えました.ちょうど
はやぶ@小豆さんからサスセッティングの考え方のアドバイスを頂いていた時だったので,この考え方と照らし合わせても良化方向と判断しました.
③タイヤサイズダウン
前回のA052破損から,やむなくRE-71R走ったのですが(半年振り),予想外にストレートが速く,「これはA052よりタイムが出るんじゃないか!?」と錯覚する程でした(ストレートが速いのは⑤の小細工の影響が大きい可能性もあるのですが).
この時試したA052とRE-71Rは,タイヤのサイズ,幅,外径,ホイールの重量,剛性,リム幅,インセット等々,ありとあらゆるものが異なるのでデータを比較する事自体,無意味だったのですが,オレさまFD2から「タイヤの重量じゃないの?」と言われ,ハッとしました.
早速,タイヤの情報と言ったらこのお方!という事で,
こもりん.さんにA052とRE-71Rの重量差の考え方を教えてもらい,調べてみたところ,どうやら205/50R15だとA052の方が1本当たり0.6kg軽いようです.現状225/50R15⇔205/50R15の差はTC1000で0.1秒なので,これだったら使いこなせない225幅より205幅の方がメリットが大きそう・・・という事でサイズを下げる事にしました(TC2000なら225幅の方が良いんですけどね).
④ホイールリム幅拡大
上記③で205幅に戻す事にした訳ですが,ただ戻すと何の進歩もないので,今度はリム幅7.5のホイールに組む事にしました.標準リム幅が6.5なので,+1.0という感じですね(昨年は+0.5でした).加えてインセットも-2mmになるので,フロントのトレッドを4mm拡大する事にもなりました.
以上,前置きが非常に長くなりましたが,こんな考え方で今回はアップデートを行いました.
・・・という事で,それではテスト開始!
1本目
この日は,低気温,高気圧,日射量少,無風,加えて走行台数も少ない,というTC1000春ノ陣の最初で最後(?)のアタック日和でした.このため,皆さんそれぞれテストメニューをこなすつもりで来たのに,何だかんだ言って「全開でアタックする」という感じでした(ベストを更新された方,おめでとうございます!).
私の方もこのコンディションを活かすべく,序盤から仕掛けたいところですが,新品タイヤですし,足回りの感触も分からないので,ゆっくりと確認していると・・・,
「こんなに低速なのにリアが出るんかい!」といった状況.フロントのバネレートアップでリアが浮きづらくなっているはずなのですが,リアもバネレートが上がっているのでタイヤの横方向の負荷は増えているんでしょうね.ちゃんと温めないとアブないです.そんな感じで少しづつタイヤに負荷をかけつつ,スペースを確保してアタック開始!
アタック1周目 ・・・ 41.664.フロントの回答性が凄く良い!
アタック2周目 ・・・ 41.240.ブレーキもよく止まる!(自己ベスト更新まであと0.041秒)
アタック3周目 ・・・ 41.150.リアも適度に流れる!(自己ベスト更新!!)
ここで一旦クールダウン.頭の中で3周の結果を振り返ると・・・,
【良い点】
・よく止まる.1コーナー&1ヘアはもう少し突っ込める.
・205幅なのでインフィールドと最終は我慢かと思ったが,そうでもない.
・リアが支えてフロントが入るような感覚がある.曲がる.
・アクセルはこれまでよりも手前から踏んでもアンダーは出ない.
・デフも鳴いてない.アクセルはもっと踏んでOK.
【悪い点】
・ストレートが速い.1コーナーのブレーキングに注意.ロックする.
・同じくストレートが速いのでインフィールド進入でレブに当たる.アクセルコントロールの準備.
・2コーナーで横の踏ん張りが足りない.外に膨らむ.
・但し,タイヤは鳴ってない.もうチョイいける.
・2コーナーはフロントの10mmアップによって,フロア下のダウンフォースが減少したせいかも?
総じて考えると,
「フィーリングは凄くイイ.これは出せる」という結論.
「ならばやるしかない!」という事で気合を入れて,アタック再開!!
アタック4周目 ・・・
41.024! 自己ベスト更新ですが,そんな事より,あと0.025秒足りない・・・.
「くっそー!!」と車内で叫びつつ,ここまで来たら,もう理屈じゃない.
「何としてでも0.025秒絞り出す!」という気合と根性だけ.あとちょっとだけリスクを冒す覚悟を決めて5周目へ,
来た!
40.942!!
遂に40秒台入り! タイムボードを見た瞬間,ガッツポーズをとるよりホッと安堵する方が先でした(笑).
2本目
走行後にタイヤの表面温度を測ったところ,ほぼIN/OUTで均等な状態.A052にしてからOUT側のオーバーヒートに悩まされてきましたが,これならライフ的にも良化傾向です(おだてのまつさん,温度計の提供有難う御座いました).
内圧は若干目標値より高かったので微調整し,1本目の問題点を振り返って1LAPの組み立て方を再度検討.インフィールドに改善の余地が残っていそうなので,ライン取りを変更する事にしました.結果は・・・,
40.827で0.1秒削り取り(勿論,自己ベスト更新).
このセッションでも,40秒台を3周出せたのでマグレでない事も確認出来ました.
以上,アップデート結果でした.
コンディションと新品タイヤに助けられた感がありますが,20-21シーズンの目標だと思っていた40秒台を前倒しで達成する事ができ,今回のアップデートは大成功となりました.これも色々とアドバイスや情報を提供してくれた皆さんのおかげです.今回ブログに纏めていて,こんなに色んな人に助けてもらっていたんだと改めて思いました.有難う御座います! <(_ _)>
前倒し達成となりましたが,走行終了後に「テンサンで頑張っている人がいるんだから,アンタはテンロクなんだし,もっと頑張んないとダメ!」とお叱りの言葉も頂きましたので,次の冬に向けてより一層精進しようと思います.
・・・なので,お会いした時は嫌な顔せず,また色々と教えて頂けると助かります(笑).
当日お会いした方々,お疲れ様でした!