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2020年03月31日

セットアップの問題? タイヤの問題?

セットアップの問題? タイヤの問題? 色々と盛りだくさんだった先日のTC1000ですが,本来の目的は筑波サーキットのライセンスを取得してから初めて走るオレさまFD2の弟子 Kさんのサポートでした.

ただ,私が自分の事にかかりっ切りになって,ちゃんとアドバイスが出来なかったので,遅ればせながら後追いでロガーデータを分析して,今後の伸び代がどこにあるのか?を探ってみたいと思います.

まず,当日のベストは1本目に走った41.9秒なのですが,ちょっとしたトラブルもあって参考にすべきではないので,当日最もコンディションが良かった4本目のデータから分析してみたいと思います.

この4本目のベストラップは以下(↓)で,42.391でした(タイヤはZⅢ).



最後のシフトミスはご愛敬だとして,車載から見る限り全体的に「立ち上がりでアクセルを開けるのを抑えている」ような雰囲気を感じます.


では,Kさんの実力的にどれくらいのタイムが出るのか?を試算してみると,2月のTC2000の時のタイムが 1'06.396 なので,

 1'06.396 ÷ 1.6 = 41.497

TC1000であれば,同門のTさんと同じくらいのタイムは出せそうです.まぁ,それもそのはず,2月のTC2000では,真っ向勝負でTさんを降しているのですから,遜色ない実力を持っているはずですね.


では,その2月のTさんのTC1000のデータ(41.390)と,今回のKさんのデータを比較してみます.
(緑:Tさん 青:Kさん)



ホームストレートエンド(1つ目の赤丸)
Kさん(青)の方が最高速が3.4km/h低いですね.全く同じ条件ではないのでコンディションの問題かもしれませんが,車載の映像を見るとアタックラインを使い切れていない(車速をのせるタイミングが少し遅い)ので,その差かもしれません.アタックラインをきっちり使えるか使えないかで3km/hの差が生まれる事は,この日の私が証明しています.


1コーナー進入(2つ目の赤丸)
トップスピードの違いはありますが,ブレーキング開始のポイントは両者で変わりません.違いはブレーキを完全にリリースするまでの過程(ブレーキコントロール)で,Tさん(緑)が途中で緩めている(勾配が緩くなっている)のに対し,Kさん(青)は同じ同じ勾配が続いています.



この部分のライン取りを見ると,Kさん(青)は1コーナーでクリップにつけておらず,更には立ち上がりでアウト側に膨らんでいる様子が窺えます.

この2点から「Kさんが思っているようにクルマが止まらない」という事が読み取れます.自分が思っている通りにクルマが止まらないからブレーキを途中で緩める事が出来ず,クルマが止まらないからクリップにもつけられず,オーバーシュートもしているという事かと思われます.

「それって突っ込み過ぎって事じゃないの?」という意見もあるかもしれませんが,先程述べた通り,ブレーキングの開始タイミングはTさんと同じですので,Tさんが使っている「ATR-K SPORTの方がZⅢよりもグリップが良い」という事でない限り,それはないと思われます.


2コーナー(3つ目の赤丸)
上記で示した通り,Kさん(青)の方が2コーナーに対して外側からアプローチしているので,ラインが緩くなって操舵抵抗が減っているはずですが,Tさん(緑)よりも失速している様子が窺えます.最終的には1ヘアの進入(4つ目の赤丸)で車速は逆転しているので,Kさん(青)の走らせ方が間違っているとは思えず,問題は2コーナー旋回中のグリップ不足(クルマが前に進まない)に思えます.

・・・と,ここでハッと気づきました.「これってZⅢの限界点を超えてるからじゃね?」と.そう思って1.2Gのラインを重ねてみると,



ああ,やっぱりそうだ.2コーナーの立ち上がり(3つ目の赤丸),1ヘアの立ち上がり(6つ目の赤丸),インフィールドの立ち上がり(8つ目の赤丸),最終コーナーの立ち上がり(最後の赤丸)と,1.2Gを超えるタイミングでクルマが横に滑っている(前に進んでいない)事が確認出来ました.

つまり,最初に車載を見て感じた「アクセルを開けるのを抑えている」というのは,ドライバーがタイヤの限界を引き出せていないのではなく,逆にタイヤの限界を正確に見切って,正しくコントロールしているという事のようです.

だとすると,先程否定した「ATR-K SPORTの方がZⅢよりもグリップが良い」というのは,実は合っているのかもしれません.


1ヘア進入(5つ目の赤丸)
話を戻して,1ヘアの進入のブレーキングでもTさん(緑)の方が途中でブレーキを緩められている事が確認出来ます.やはりKさん(青)のFD2は止まらないのでしょうか・・・?


インフィールド進入(7つ目の赤丸)
Kさん(青)はレブに当てるくらい攻めていますが,僅かに車速は届かず.そして,またもブレーキングで緩められるTさん(緑)に対して,緩められないKさん(青)の構図です.



そして,ライン取りで確認しても,Kさん(青)の方が進入で止まらず,大回りになり,加えてインフィールド立ち上がりの縁石も踏めない(向きが変わらない)事が分かります.やっぱり,「ATR-K SPORTの方がZⅢよりもグリップが良い」のか・・・?


洗濯板(9つ目の赤丸)
ここでも同様で,Kさん(青)の方がクルマが止まらないので,ほんの少しだけブレーキングの開始が早く,加えて途中でブレーキを緩める事が出来ていません(10個目の赤丸).


以上の分析結果を纏めると,Kさんが今回Tさんのタイムに届かなかった要因としては,以下の2点が考えられます.

 ①フルブレーキングするようなシーンでクルマが止まらない.
 ②ZⅢよりATR-K SPORTの方がグリップ性能が高い.

①は足回りorブレーキのセットアップが,Kさんの好みに合っていない可能性があるので,見直した方が良いかもしれません.手っ取り早く確認する方法としては,Tさんの時にやったようにフロントの減衰調整ですかね.外から見ていた時にもブレーキロックが散見されたので,それが改善するかどうか試してみる事をオススメします.

そして,個人的に気にしているのは②の方.KさんがTさんに離されるポイントは,ことごとくコーナーの立ち上がり(1つのコーナーを抜ける度に0.2秒引き離されるイメージ)なので,こんな話や,こんな話(↓),


十勝スピードウェイより)

他にもREPSOL杯での扱いなんかを踏まえると,「ATR-K SPORTは,AR-1と同じ位置付けのSタイヤなんじゃないか?」と思えてきました.ようは何が言いたいのか?というと,Sタイヤ相手だったら負けたって仕方ないので,どこぞの人が40秒台出したとしても「Kさん,今回の結果を気にする必要はないですよー」って事です(笑).
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Posted at 2020/04/01 00:58:28

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